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立憲野党私設応援団(2)社会民主党への期待と不安~憲法9条変えさせないよ

<目次>

1.社民党のあゆみ

2.野党選挙協力「ユナイト2022つながるちから」(仮称)の提案

3.「社民党は必要です」

4.社民党のみらい

1.社民党のあゆみ

先日、社会民主党の党首選挙が行われ、福島瑞穂さんが再選されました。社民党結党以来の歴代党首の顔ぶれを振り返ってみると、次の通りとなります。

1996年結党時党首:村山富市

1996年~2003年:土井たか子

2003年~2013年:福島瑞穂

2013年~2018年:吉田忠智

2018年~2020年:又市征治

2020年~ 現在 :福島瑞穂

社会民主党は日本社会党が1996年1月に改称してできた後継政党で、気がつけば四半世紀以上の歴史を持ち、野党陣営の中では日本共産党に次いで2番目に長い歴史を持つ政党ということになります。

私のハンドルネームの「憲法9条変えさせないよ」は、土井たか子党首時代の社民党のテレビCMから取ったものですが、改めて動画を見直してみると、駄菓子屋のおばさんに扮した土井たか子さんは、1回目の台詞で「変えさせないよ」、2回目の台詞でも「変えさせないよ」、3回目の台詞で「絶対、変えさせないよ」と言って、4回目の決め台詞では「憲法9条、変えさせません」と言っているんですね。「憲法9条変えさせないよ」という私のハンドルネームは、私の記憶が不正確だったことによるものです(笑)

そんな社民党ですが、1996年~1998年には自社さ連立政権で、2009年~2010年には民社国連立政権で、閣僚を出したり、閣外協力をしたりするなどの形で与党を経験しており、現在与党の自民党と公明党を除いた野党陣営の中では、政党として唯一与党経験があるのが社民党なんですね。これはみなさん意外だと思いますが、野党陣営の中で与党経験のある政党は、社民党だけです。

2.野党選挙協力「ユナイト2022つながるちから」(仮称)の提案

さて、ここで、いったん話題を変えて、「野党共闘」の話をしたいと思います。

「野党共闘」は、安保法制の時にSEALDsが「野党は共闘!」とコールしたことを受けて、共産党が献身的に「野党共闘」を推進して、世間的には「2021年の衆院選は野党共闘で戦った」と思われていたけれども、実は「枝野さんは野党共闘とは言っていない」という代物で、いわゆる「ガラス細工の共闘」で自公政権に戦いを挑み、結果として「政権交代」という夢は、はかなく消えてしまいました。

「野党共闘」という言葉自体もあやふやで、「選挙協力」とか、「政党ブロック」とか、「野党の大きな塊」とか、論者によって使う言葉が違い、議論の進め方が難しいのですが、ここでは、参院選に向けて「野党選挙協力」という用語を用い、「仮称」として「ユナイト2022つながるちから」という「愛称」の使用を提案したうえで、議論を進めていきたいと思います。

と言っているそばから議論に水を差してしまうのですが、そもそも今年の参院選で「野党選挙協力」が成立するのかどうかということ自体、かなり怪しい雲行きになってきています。

立憲民主党は、「連合しばり」があるため、表立って共産党との選挙協力を進めていくことは、事実上困難なのだと思われ、全体としての「野党選挙協力」の機運も高まってはいません。

このような状況下で、それでもなお「野党選挙協力」を進めていくには、「今こそ社民党の出番だ!」と掛け声をかけるしかないのではないでしょうか。

立憲民主党・日本共産党・れいわ新選組・社会民主党の野党4党が一堂に会することは難しいのでしょうから、次のような形で個別に「選挙協力」を進めていってみてはどうかと私は考えています。

○社会民主党と立憲民主党による「姉妹政党選挙協力」

○社会民主党と日本共産党による「社共共闘」

○社会民主党とれいわ新選組による「希望の会復活構想」

立憲民主党と国民民主党は「兄弟政党」などと言われますが、立憲民主党と社会民主党も「姉妹政党」と言ってもいいような近しい関係にあります。

1996年に民主党が旗揚げした時には社会民主党から多くの議員が参加しましたし、2020年に立憲民主党や国民民主党などの議員が集まって今の「立憲民主党」を旗揚げした時にも社会民主党から議員が参加しました。

そうした関係の近さから考えれば、「社民党と立憲民主党の選挙協力」は、いわば自然の成り行きと言ってもよいのではないかと思います。

また、社会民主党と日本共産党の「社共共闘」は、東京都知事選挙で宇都宮健児さんを擁立し、2012年・2014年・2020年の3度にわたり次点のところまで得票を積み上げるなど、一定の成果を出している共闘の枠組みです。

「護憲勢力で3分の1以上の議席を確保する」ための参院選の取り組みとして考えるならば、「社民党と共産党の選挙協力」を誰も否定することはできないでしょう。

そして、社会民主党とれいわ新選組の関係についてですが、実は、社民党の福島瑞穂党首とれいわ新選組の山本太郎代表は、参議院で「希望の会」という同じ会派に所属していた時期があります。

そうした関係の近さを考えるならば、「社民党とれいわ新選組の選挙協力」も、比較的スムーズに進めることができるのではないかと期待しています。

このように考えてくると、いわば社民党を扇の要にして、立憲民主党・日本共産党・れいわ新選組・社会民主党の4党による「野党選挙協力」の構図を形成することが可能なのではないか、というのが、今日の私からの提案です。

3.「社民党は必要です」

2021年の衆院選の際、社民党党首の福島瑞穂さんは「社民党は必要です」と連呼していました。

社民党は、「政党要件」を維持するためにギリギリの戦いをしていて、2022年の参院選で得票率2%を確保できなければ、「政党」ではなく「政治団体」になってしまいます。

「社民党は必要です」という福島瑞穂さんの声は悲痛な叫びだと思いますが、これは、福島瑞穂さんが叫ぶのではなく、国民の側から「社民党は必要です」という声が湧き上がってくるようにしていくことが重要です。

社民党は確かに存亡の危機を迎えているかもしれませんが、もし福島瑞穂さんが「立憲民主党・日本共産党・れいわ新選組・社会民主党の野党4党による選挙協力の実現」のために東奔西走するなら、その姿が話題として取り上げられて、「野党の選挙協力の実現のためには、社民党が必要だ」という声が野党を支持する有権者の中から自然と湧き上がってくるのではないかと思います。

「選挙協力」の内容を3つの要素に分けて考えるなら、次のように整理できるのではないかと思います。

○共通政策(理念と政策の共有)

○候補者調整(選挙区の住み分け)

○選挙応援(他党候補への推薦・支持や、応援演説)

これらの3つの要素のうち、「選挙応援」は各地域の現場で進められる内容だと思われますが、「候補者調整」は党本部の方針と各地域の意見を総合して決める必要がある事柄であり、「共通政策」に関しては各党の本部が決断するしかない内容だと思われます。

2021年の衆院選は、共通政策のうち「消費税減税」という5文字の文言について同意できるまでに大変な時間がかかり、また、その後の各選挙区での候補者調整でもすったもんだがあり、結果として、自民党の「絶対安定多数」を許してしまう、野党側から見れば惨敗の結果となりました。

2022年の参院選は、2月のうちに「選挙協力を行うことについて合意」し、3月のうちに「共通政策の内容について合意」し、4月のうちに「各選挙区での候補者調整」を終えるぐらいのスケジュールでいかないと、また「時間切れ負け」(準備をする時間が足りなくて負けました)ということになりかねません。

これからゴールデンウィークぐらいまでの約3ヵ月の間に、社民党の福島瑞穂さんが汗をかいてそのような動きができるかどうかに「野党選挙協力の成否」と「社民党の存亡」がかかっていると言っても過言ではないのではないかと思います。

4.社民党のみらい

社民党は「政党要件」を維持できるかどうかギリギリの状況にあり、存亡の危機に瀕しています。

社民党がこれから生き残りを図るためには、あまり多くのことに手を出さずに、「シングルイシュー政党」として、人権問題に特化するような方向性を模索していくことも必要なのではないかと思います。

政党としての持続可能性を確保していくためにも、衆院選で1議席、3年ごとの参院選で2議席・2議席を獲得して、計5名の国会議員を擁することができるところまで党勢を回復する方策を考えていく必要があります。

明るい話題に目を向けますと、社民党党首の福島瑞穂さんは、これまでの人権尊重の取り組みが評価されて、2021年にフランス政府から「国家功労勲章シュヴァリエ」を受章しました。

社民党初代党首の村山富市さんは内閣総理大臣を経験され、社民党2代党首の土井たか子さんは衆議院議長を経験されていますので、いずれ、社民党3代・6代党首の福島瑞穂さんには、参議院議長を務めていただいてはどうだろうかと思います。

近い将来、政権交代が果たされたあかつきに、「福島瑞穂参議院議長」が誕生する、そんな未来を想像してみたいと思います。


憲法9条変えさせないよ

プロ野球好きのただのオジサンが、冗談で「巨人ファーストの会」の話を「SAMEJIMA TIMES」にコメント投稿したことがきっかけで、ひょんなことから「筆者同盟」に加わることに。「憲法9条を次世代に」という一民間人の視点で、立憲野党とそれを支持するなかまたちに、叱咤激励と斬新な提案を届けます。

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