※この連載はSAMEJIMA TIMESの筆者同盟に参加するハンドルネーム「憲法9条変えさせないよ」さんが執筆しています。
<目次>
1.桜がある、サントリーがある。
2.参院選1人区に吹く風は
3.東京選挙区に吹く風は
4.立憲民主党枝野幸男衆議院議員の演説を聞いてみましょう
5.共産党支持者のみなさん、疲れたら無理せず休みましょう
6.社民党支持者のみなさん、今こそ原点に還りましょう
7.ロスジェネの叫び
8.「おかん」の叫び
9.岸田総理が「鬼」と呼ばれた日、そして…
10.注目のハッシュタグ10選
11.参院選の争点は「セブンカフェのコーヒー」
1. 桜がある、サントリーがある。
参院選の公示まであと一週間と迫ってきました。今日は「参院選、誰のために戦うのか、何のために戦うのか」というテーマで、少しずついろいろな話をしていきたいと思います。
まずは、この動画をご覧いただいて、みなさんに笑っていただき、それから本題に入っていきたいと思います。
2.参院選1人区に吹く風は
3年ごとに実施される参院選では、毎回1人区の勝敗が全体の趨勢に大きな影響を与えてきました。
過去3回の参院選の1人区の勝敗を野党側の立場から見た場合には、下記の通りとなります。
2013(平成25)年参院選: 2勝29敗
2016(平成28)年参院選:11勝21敗
2019(令和元)年参院選:10勝22敗
2013(平成25)年の参院選では「野党共闘」が成立していませんでしたが、2016(平成28)年と2019(令和元)年の参院選では1人区で「野党共闘」が成立していました。
2022(令和4)年の参院選1人区における「野党共闘」の状況は、6月上旬の時点で下記のような形になっています。
<タイプA>共産党が独自候補の擁立を見送りもしくは取り下げて「野党共闘」が成立した選挙区(12選挙区):青森、岩手、宮城、福島、新潟、長野、山梨、三重、愛媛、熊本、鹿児島、沖縄
<タイプB>立憲民主党も国民民主党も候補者を擁立せず、共産党候補が自民党候補に戦いを挑む「自共対決」の選挙区(2選挙区):和歌山、「徳島・高知」(合区)
<タイプC>共産党が独自候補を擁立して、立憲民主党は候補を擁立しないが、国民民主党が候補を擁立して競合する選挙区(3選挙区):山形、岐阜、大分
<タイプD>共産党が独自候補を擁立して「野党共闘」の成立を見送った選挙区(15選挙区):秋田、栃木、群馬、富山、石川、福井、滋賀、奈良、岡山、「鳥取・島根」(合区)、山口、香川、佐賀、長崎、宮崎
<タイプA>の「野党共闘成立」の選挙区が12選挙区で全体の3分の1強、<タイプD>の「野党共闘見送り」の選挙区が15選挙区で全体の半分弱ということになっています。
この1人区の戦い方については、後ほど改めて検討を行いたいと思います。
3.東京選挙区に吹く風は
全国で最多の6人が改選になる東京選挙区。2022(令和4)年の参院選東京選挙区の主な立候補予定者(あいうえお順)の状況は、この原稿を書いている6月上旬の時点で次のようになっています。
青山雅幸(自由共和党)
朝日健太郎(自由民主党)
荒木千陽(ファーストの会)
安藤裕(新党もりくに)
生稲晃子(自由民主党)
猪野恵司(NHK党)
海老沢由紀(日本維新の会)
及川幸久(幸福実現党)
小川ゆうき(NHK党)
乙武洋匡(無所属)
込山洋(スマイル党)
菅原深雪(日本第一党)
説田健二(NHK党)
竹谷とし子(公明党)
田中健(NHK党)
長谷川洋平(NHK党)
服部良一(社会民主党)
松尾明弘(立憲民主党)
松田美樹(NHK党)
山添拓(日本共産党)
山本太郎(れいわ新選組)
蓮舫(立憲民主党)
こうした激戦の状況で、立憲野党の候補者が何人当選できるのか、可能性を探っていきたいと思います。
2016(平成28)年の参院選東京選挙区の蓮舫さん、山添拓さん、小川敏夫さん、横粂勝仁さん、三宅洋平さんの5人の得票数を足し合わせると2,864,280票、2019(令和元)年の参院選東京選挙区の吉良佳子さん、塩村文夏さん、山岸一生さん、野原善正さん、朝倉玲子さんの5人の得票数を足し合わせると2,191,906票となります。
腰だめの数字ではありますが、護憲リベラル系の票が「250万票±30万票」になると考え、仮に最も効率の良い票割りができたとして、当選ラインの変動に応じて何人の当選者を出すことができるのかを、表にまとめて整理してみます。
東京選挙区 立憲野党得票数と当選ライン
立憲野党得票数合計 | 当選ライン50万票 | 当選ライン55万票 | 当選ライン60万票 |
280万票 | 最大5人当選 | 最大5人当選 | 最大4人当選 |
250万票 | 最大5人当選 | 最大4人当選 | 最大4人当選 |
220万票 | 最大4人当選 | 最大4人当選 | 最大3人当選 |
最も強気に考えるなら、効率的な票割りを行うことが可能という前提で、計算上、服部良一さん(社会民主党)、松尾明弘さん(立憲民主党)、山添拓さん(日本共産党)、山本太郎さん(れいわ新選組)、蓮舫さん(立憲民主党)の5人当選が狙えるということになります。
ただし、これは、「効率的な票割りを行う」という前提での数字ですので、票の偏りが生じた場合には、蓮舫さん(立憲民主党)1人しか当選できず、あとの5人は全員「改憲派」が当選してしまうという可能性もあります。
そうした状況から、twitter上では「山添拓さん(日本共産党)、山本太郎さん(れいわ新選組)、蓮舫さん(立憲民主党)の3人を絶対に当選させよう」という意見を表明されている方が多くなってきているように感じます。
特に、共産党を支持されている方は山添拓さんの当選のことだけを考えて選挙戦に臨み、れいわ新選組を支持されている方は山本太郎さんの当選のことだけを考えて選挙戦に臨むようにするべきなのではないかと思います。
まずは、この3人を絶対に当選させたうえで、野党系を応援する「支持政党なし」の方が選挙情勢を考えながら投票することで、4人当選、あるいは5人当選を狙っていく、というのが東京選挙区の戦い方になるのだろうと思います。
4.立憲民主党・枝野幸男衆議院議員の演説を聞いてみましょう
さて、ここで、立憲民主党の枝野幸男さんの街頭演説を聞いてみましょう。
枝野さんの演説は、「学校の先生に非正規雇用の人が増えすぎたせいで、学校の先生たちの待遇が悪くなり、募集をしても教員が集まらなくなって、子どもたちを教える担任の先生が不足してしまっている」という状況を、非常に分かりやすく説明し、聴衆に訴えています。
さすが、枝野さんは演説が上手いなぁ、と思います。
そこでですが、1人区の選挙対策として、枝野さんに優先的に選挙応援に入ってもらうような遊説スケジュールを組むようなことができないものだろうか、と私は思います。
参院選は6月22日(水曜日)公示で、投票日が7月10日(日曜日)なので、選挙運動ができる期間は投票日前日の7月9日(土曜日)までの18日間ということになります。
例えばですが、「野党共闘」が成立している選挙区のうち2016(平成28)年に野党側が勝利した青森、岩手、宮城、福島、新潟、長野、山梨、三重、沖縄の9つの選挙区に絞って、枝野さんが同じ県に2回ずつ入れるような形で遊説スケジュールを組んでみてはどうでしょうか。
枝野さんに限らず、「人気のある応援弁士」を、この9つの選挙区に重点的に投入して、1人区で「勝ち」を拾っていくのが、野党第一党としての立憲民主党に課せられた使命なのではないかと思います。
立憲民主党には、枝野さん以外にも大物の応援弁士がいます。
まず、野田佳彦元首相には、蓮舫さんが東京で演説をする時に必ず一緒に演説に立ってもらって、「今回の選挙戦、蓮舫さんが1人当選するだけではダメなんです。国民生活と向き合わない自民党・公明党の政治を止めるには、松尾明弘さんも一緒に当選することが必要なんです。蓮舫を支援してくださっているみなさん、どうかお友達を一緒に誘っていただいて、お一人は蓮舫に、そしてもうお一人には松尾明弘に投票していただいて、皆様の暮らしを支える政治を実現する力を、私たちに与えていただけないでしょうか。」と、初日から「戦略的投票」全開で訴えていただいてはどうでしょうか。
蓮舫さんが東京を離れて他候補の応援に行く時には、野田元総理には千葉に戻っていただいて、小西洋之さんの応援に入られるとよいのではないかと思います。
2016(平成28)年の参院選東京選挙区で当時の民進党は蓮舫さんと小川敏夫さんの2人を当選させていますが、2019(令和元)年の参院選東京選挙区で立憲民主党は塩村文夏さん1人しか当選させることができていません。野党第一党として、2022(令和4)年の参院選東京選挙区では蓮舫さんと松尾明弘さんの2人を当選させることができるよう、全力を尽くしていただきたいと思います。
また、もう一人の総理大臣経験者である菅直人元首相には、維新対策として、京都・大阪・兵庫の関西エリアの選挙区に張り付いていただいてはどうでしょうか。
立憲民主党の参院選予定候補として、京都選挙区には福山哲郎さん、大阪選挙区には石田敏高さん、兵庫選挙区には相崎佐和子さんがいます。
日本維新の会は、立憲民主党から野党第一党の座を奪うべく、挑戦状を叩きつけています。立憲民主党にとって、今回の参院選は大変重要な選挙です。そこで、維新との対決姿勢を鮮明にするためにも、菅元首相には関西エリアに張り付いていただいて、カジノやコロナ対策の問題点を明らかにし、「カジノに税金を使うな!コロナ対策に税金を使え!」を合言葉に、維新と戦っていただきたいと思います。
5.共産党支持者のみなさん、疲れたら無理せず休みましょう
安倍晋三内閣の手で2015(平成27)年に「安保法制」(戦争法)が制定されてから現在に至るまで、共産党は「民主党→民進党→立憲民主党」と変遷する旧民主党の後継政党との間の「野党共闘」を進めてきました。
気が付けばもう7年近く経ちますが、「立憲主義の回復」(安保法制の違憲部分の廃止)の目途は立っておらず、「野党共闘」は先の見えない戦いを強いられています。
特に2021(令和3)年の衆院選で自民党から政権を奪うことができなかったショックは大きく、共産党の支持者の方々の中には「今回の参院選の結果が良くなければ、政治にかかわるのはこれで終わりにしたい」というような心情をtwitterで吐露される方も出てきています。
自らの党勢拡大にはつながらず、縁の下の力持ちとして献身的に民進党や立憲民主党の議席の下支えに奔走する状況が長きにわたって続いているため、共産党の支持者の方々の間に肉体的そして精神的な疲労が蓄積してきているのだと推察いたします。
私から言えることとしては、「疲れたら休んでください」ということだけです。
共産党の支持者の方々に対してほぼ一方的に負担を強いる今のやり方の「野党共闘」は、どのみち長続きできるものではありません。
もし疲れているのなら、今回の参院選は、無理して選挙区で他党候補の応援をすることはせずに、ゆっくり休まれて、比例区のほうで「日本共産党」と書いて投票されたらいいと思います。
あまり考えたくはないですが、万が一、参議院でも改憲勢力が総議員の3分の2を大きく上回る状況になり、憲法改正の発議がなされた場合には、国民投票が行われることになります。
もし憲法改正の国民投票が実施されるなら、この国民投票こそ、日本の民主主義を守れるかどうかの大きな分水嶺の選挙となります。
その時には絶対にみなさんの力が必要ですので、そのために充電するという気持ちで、今回の選挙はゆっくり休まれてください。
共産党の支持者の方々で、「自分はまだ元気いっぱいで、自民党政権を打倒するために頑張るぞ!」という元気のある方は、ぜひ今回の参院選も、共に闘っていきましょう!
6.社民党支持者のみなさん、今こそ原点に還りましょう
社民党はいま存続に向けて崖っぷちの状況に立たされています。
実業家の「ひろゆき」さんがtwitterでこう発言されているほどです。
「ひろゆき@ゆっくり茶番劇」
社民党、存続へ崖っぷち。社民党の考えに同意することは少ないんだけど、日本社会にとって社民党は存続してた方がいいと思うんだけどなぁ、、、
逆に言えば、「ひろゆき」さんでさえこのようなツイートをされるぐらいなので、社民党の存続を心配する有権者は日本全国にたくさんいるということになります。
社民党とその支持者の方々には、今こそ、社民党が「日本社会党」の看板を降ろして「社会民主党」の看板を掲げた頃の原点に還っていただければと思います。
党首の福島瑞穂さんもこの土井たか子さんのCMをツイートされていましたが、やはり社民党は、この時の土井たか子さんの精神に、社民党の原点に立ち戻るしかないのではないでしょうか。
社民党が「政党」として存続できるよう、今回の参院選は、全力で頑張りましょう!
7.ロスジェネの叫び
一月万冊の清水有高さんが、YouTubeに次のような動画をあげられています。
清水有高さんの指摘に「なるほど」と思ったのですが、れいわ新選組の山本太郎さんと、立憲民主党の泉健太さんと、大阪維新の会の吉村洋文さんは、3人ともロスジェネで、同じ世代なんですね。
3人の略歴をそれぞれ確認してみましょう。
山本太郎、1974(昭和49)年生まれ、箕面自由学園高校中退。「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」に出演したことがきっかけで芸能界デビューし、俳優として活躍。2011(平成23)年の東日本大震災の福島第一原発の事故をきっかけに反原発運動にかかわり、国政選挙にチャレンジして、政治の世界に入る。
泉健太、1974(昭和49)年生まれ、立命館大学法学部卒。参議院議員の福山哲郎さんの秘書として政治の世界に入る。2003(平成15)年に京都3区から衆議院議員に初当選し、「民主党→民進党→希望の党→国民民主党→立憲民主党」と所属を変えながらキャリアを積み、2021(令和3)年に立憲民主党の代表に就任する。
吉村洋文、1975(昭和50)年生まれ、九州大学法学部卒。1998(平成10)年に司法試験に合格し、2000(平成12)年に弁護士登録。武富士の訴訟代理人や、やしきたかじん氏の顧問弁護士などを務め、やしきたかじん氏から紹介を受けたことをきっかけに、大阪維新の会で大阪市議会議員選挙に出馬して当選。政治の世界に入る。
この3人は、一見すると、それぞれ三者三様の全く別な生き方をしています。
山本太郎さんは、「いじめられて、いじめられて、声をあげないと、世の中に見捨てられて、アッという間に死んでしまう」という弱者の立場に立った生き方。
泉健太さんは、「会社に就職して、年配のおじさん達の顔色を窺って、ずっと『いい子ちゃん』でい続けないと、上の人達に叩かれて、アッという間に死んでしまう」という感じの生き方。
吉村洋文さんは、「『意志あるところに道は開ける』と信じ、弱い者を踏みつけにしてでも上昇していかないと、アッという間に転落して死んでしまう」という弱者を踏み台にした上昇志向の生き方。
ところが、清水有高さんに言わせると、この3人はある意味すべて同じで、「常に気を張って生きていかないと、アッという間に死んでしまう」というロスジェネの感覚を共有しているというのです。
山本太郎さんが政治の世界に入っていった動機やきっかけは、次の動画を見るとよく分かります。
清水有高さんは起業家という立場で、3人の中で山本太郎さんに一番共感を寄せているというのですが、私が自分自身の立場との比較で捉えた場合には、この3人の中なら泉健太さんの生き方が一番自分に近いのではないかと感じています。
会社の規模の大きさはともかくとして、学校を出て正社員の立場で就職し、会社の上司の顔色を窺いながらサラリーマン生活を送っている人たちの境遇を考えると、「この3人の中であれば、泉健太さんが一番近いのかな」と感じる人が多いのではないかと思うんですね。
確かに、派遣社員などの非正規雇用の就労形態で働いている人々が抱える苦難も大変な問題だと思うのですが、一方で、正規雇用の従業員として働いている人々が幸福な生活を送れているのかといえば、必ずしもそうとは言えないわけです。
もっとも、そうしたことが立憲民主党への支持や泉健太さんへの支持に結びつくかといえば、そうとは限らないわけですが、立憲民主党がこれから広く国民の支持を得ていくためのヒントとして、そうしたサラリーマン的な感覚を大事にしていくことも、一つの方策になるのではないかと思います。
8.「おかん」の叫び
以前、SAMEJIMA TIMESで、「政治家の家族」のことをテーマに、次のような論争が行われました。
小川淳也の「妻です」はアウトで、八幡愛の「おかん」はセーフ!? あなたはどう思う?「政治家の家族のタスキ」
そこに登場する八幡愛さんのお母さんが、非常に素晴らしい演説をされていましたので、紹介させていただきます。
気づいていますか?この国の偉い人たちが私たち国民に望むこと。安い賃金で働いて、高い税金を払い、「しんどいなぁ」と思っていても、テレビだけの情報で「これは仕方がないことなんや」と思い込んで諦めてくれて、毎日の生活に追われ、政治に興味を持たず、選挙にすら行かない、そういう国民を望んでいるんです。
いま年金をもらっていらっしゃる方、年金だけで生活できていますか?中高年のみなさん、老後までにお一人2000万円ずつ貯められそうですか?子育て世代のみなさん、子どもが「大学に行きたい」と言った時、借金背負わせずに通わせることができますか?そして、若い世代のみなさん、希望を持って結婚し、子どもを産み育てることができますか?こんな世の中に誰がした!
一部の富裕層のためだけの政治。自分たちの懐を肥やすことしか考えていない政治家。国会で居眠り。嘘つきまくってもお咎めなし。悪い事しても捕まらん。舐めとんか!
そんな時、れいわ新選組山本太郎が言いました。
「こんな予算じゃ、こんな少ない予算じゃ、困っている人たち助けられないじゃないか!」
私たち、れいわ支持者が全て「山本太郎にYes!」ではありません。当たり前です。宗教団体ではありませんから。
でも、彼が言う「この国のオーナーはあなたなんだ。誰もが『生きてて良かった』って思える世の中作りたいんですよ。その先頭に立たせてくださいよ。力貸してくださいよ。」その言葉に希望を見たんです。
この「おかん」の演説は、心に響く名演説だと思います。
9.岸田総理が「鬼」と呼ばれた日、そして…
通常国会も終盤戦を迎え、れいわ新選組の櫛渕万里衆議院議員と大石晃子衆議院議員が、予算委員会で目の覚めるような質問を行いました。
櫛渕万里衆議院議員
「これから岸田総理のことは、『総理』ではなく『鬼』と呼ばせていただきますよ。」
岸田文雄内閣総理大臣
「消費税の減税は、私たちは考えません。」
大石晃子衆議院議員
「先ほど『鬼』と呼ばせていただきましたが、もう一つ名前を差し上げます。『資本家の犬』『財務省の犬』」
賛否両論あるようですが、ニュースなどで大きく取り上げられ、twitterでトレンドにも上がるなど、非常に話題になっています。
櫛渕万里さんも、大石晃子さんも、よく頑張っておられるとは思いますが、とはいえ、そもそも衆議院で3議席しかないれいわ新選組が予算委員会で質問をすることができているのは立憲民主党が予算委員会の枠を譲ってくれたからであるということは、心に留めておいてもよいのではないかと思います。
立憲民主党が予算委員会の枠をれいわ新選組に譲ることができたのは、昨年の衆議院選挙の小選挙区の「野党共闘」で立憲民主党の候補者が自民党の候補者に勝って議席を奪うことができた選挙区が多く生まれたからだということにも思いを馳せる必要があるのではないかと思います。
昨年の衆議院選挙の際に行われた「野党共闘」は、細々とした形ではありますが、今もなお国会内で続いているということです。
そうした、政党間の横のつながりや、時間軸による縦のつながりがあって生まれたのが、今回の櫛渕さんと大石さんの質問ですので、れいわ新選組の支持者の方々も、「茶番の国会の中で、れいわ新選組だけが頑張っている」という物の見方ではなく、もう少し広がりを持った視野で見ていってもらえたらなぁ、と私は考えております。
そして、終盤国会のれいわ新選組の動きで、私が非常にガッカリしたのは、6月9日(木曜日)に行われた内閣不信任決議案の採決で、大石晃子議員と櫛渕万里議員と多ヶ谷亮議員の3名が棄権してしまったことです。
このことについて、れいわ新選組は次のような声明を出しています。
【声明】季節行事と化した不信任案には付き合わない―細田衆院議長不信任決議案と内閣不信任決議案の採決棄権について―(れいわ新選組 2022年6月9日)
声明の中で「選挙前に『抵抗してます』感アピールする季節行事に参加することは、茶番への加担になるのではないか」と述べているのですが、今回の内閣不信任決議を「季節行事」としか捉えられないのだとするならば、失礼ながら、それは大変な勉強不足だと言わざるを得ません。
内閣不信任決議は1つの国会の会期中に1回しか出すことができませんが、これが可決すれば、内閣は総辞職するか衆議院を解散しなければならないという憲法上の規定になっていますので、「自民党政権を倒したい」と本気で考えているのなら、この決議案には賛成すべきあり、「決議案に反対したわけではなく、棄権しただけ」で済ませられるものではありません。
確かに、今回の内閣不信任決議案は戦後最大の票差で否決されてしまいましたが、しかし、過去には「ハプニング解散」のようなことが起きた事例もあるのですから、1票でも多くの賛成票を積み上げて、倒閣が実現する可能性を追求していくべきです。
また、内閣不信任決議は、結果的に否決されたとしても、その日の他の国会審議の予定を流してしまう効果があり、与党に進めさせたくない案件に対して野党が抵抗するための最強の手段なのです。
実際、この日に流れたのは、毎週木曜日に定例で開催されている衆議院の憲法審査会であり、単なる「抵抗してます感」ではなく、実際に改憲への流れを止めるための有効な抵抗の手段として、内閣不信任決議を6月9日(木曜日)にぶつけてきたわけです。
立憲民主党が提案した内閣不信任決議案に、護憲の立場でずっと政治活動を続けてきた共産党と社民党の議員が賛成したのは、決して「茶番」などではありません。
大石晃子議員と櫛渕万里議員と多ヶ谷亮議員の3名の議員の方々は、そうしたことを今後しっかり勉強していくべきでしょう。
10.注目のハッシュタグ10選
私にはどうも流行するハッシュタグを思い付く才能は無さそうですので、いまtwitter上にあるハッシュタグの中から個人的に注目しているものを10個選んで、みなさまにご紹介したいと思います。
#サントリー安倍
#サントリーは飲めません
#創価学会の皆さん考え直して
#立憲民主党いらない
#維新政治を斬る
#END維新
#映画君トン
#値上げの夏
#岸田インフレ
#野党消費税減税法案
「#サントリー安倍」と「#サントリーは飲めません」は、安倍晋三後援会主催の桜を見る会前夜祭にサントリーが酒類を無償提供し、政治資金規正法に違反する疑いが持たれていることに関連するハッシュタグです。
「#創価学会の皆さん考え直して」は、「君に届け@滑稽新聞」さんがツイデモを呼びかけて実際にトレンドになったハッシュタグで、創価学会の皆さんが選挙区で自民党候補に投票することを考え直してもらうことに主眼を置き、ある人はソフトな語り口で、またある人は厳しい表現で、創価学会の皆さんへ向けて呼びかけを行っています。
「#立憲民主党いらない」は、立憲民主党の泉健太さんが間違ってツイートしてしまったことから拡散してしまったハッシュタグで、今後どのような経過を辿るのか注目しているところです。
「#維新政治を斬る」は、菅直人元首相が発行した小冊子のタイトルで、ネット上でダウンロードして無料で小冊子を入手できるようになっています。
菅直人(編著)小冊子
「#END維新」は、日本維新の会に対する非暴力プロテスト運動のハッシュタグで、「反維新」に一番の関心を持っておられる方々は、今後注目していただくとよいのではないかと思います。
「#映画君トン」は、6月17日(金曜日)に公開される映画のハシュタグで、「マンガでわかる こんなに危ない!? 消費増税」(ビジネス社)を原作に、主人公の女子高生「高橋あさみ」役を加藤小夏さんが演じる、この夏注目の映画です。
れいわ新選組代表の山本太郎さんは、れいわ新選組のおしゃべり会の参加者に対して、次のようなステップを踏んで周りの人たちと政治の話をしていくことを提案しています。
ステップ1:いきなり難しい政治の話はしない。分かりやすい、緩い話から始めていく。
ステップ2:日頃から、ある程度「政治が分かっている人」というポジションを獲得していく。
ステップ3:一定のラインに来た時に、初めて「山本太郎」や「れいわ新選組」の名前を出す。
この3つのステップのうちの「ステップ1」に、「#映画君トン」は最適なのではないかと思います。
高橋あさみ役の加藤小夏さんや安倍晋太郎役の北川尚弥さんの話から入ってもいいと思いますし、参院選直前だからといっていきなり政治の話はせずに、「面白そうな映画があるみたいよ」という話から、周りの人たちに広げていってみてはいかがでしょうか。
6月17日(金曜日)の公開日に映画を見に行く余裕のある方は、ぜひ映画館に足を運んで、映画「君たちはまだ長いトンネルの中」をご覧になってみてください。
消費増税の問題点について、映画で分かりやすく勉強することができ、周りの人たちに賛同の輪を広げやすくなると思います。
映画を見に行く人が増えて、もし映画「君たちはまだ長いトンネルの中」が11年前に流行った映画「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」みたいな感じでヒットすれば、消費増税への危機感が人々の間に共有されるようになることが期待できます。
そして、「#値上げの夏」と「#岸田インフレ」は、現在の異常な物価高に呼応したハッシュタグです。
参院選に向けて、世の中の雰囲気を変えていくことができるのは、これらのハッシュタグなのではないでしょうか。
最後に、「#野党消費税減税法案」のハッシュタグを紹介したいと思います。
終盤国会において、立憲民主党・国民民主党・共産党・れいわ新選組・社民党の野党5党共同による「選択的夫婦別姓法案」と、立憲民主党・共産党・れいわ新選組・社民党の野党4党共同による「時限的消費税減税法案」が提出されました。
いま私がこの原稿を書いているのは6月上旬の時点ですので、国会の会期末にこれらの法案の成り行きがどのような形になっているのかについて、はっきりしたことは分かりません。
ですが、こうした形で国会内でも「野党共闘」が現実に続いているということをみなさまに知っていただいたうえで、今度の参院選の争点に関して私のほうから提案をさせていただければと考えております。
11.参院選の争点は「セブンカフェのコーヒー」
セブンイレブンの「セブンカフェ」のレギュラーサイズコーヒー税込100円が、7月4日(月曜日)から税込110円に値上げされます。実に10%もの値上げです。
「100円ではセブンカフェのコーヒーも飲めなくなる。」このことを参院選の争点にすべきであると私は考えます。
「♯値上げの夏」と「♯岸田インフレ」によって、私たちの暮らしは圧迫されてきており、そのことは多くの人々が実感するものとなっています。
この物価高から私たちの暮らしを守るための一番分かりやすい方策は、「消費税減税」です。
6月5日のSAMEJIMA TIMESのYouTube動画に対するMASAHIDE KAWABEさんのコメントをご覧ください。
30年以上にわたる消費税負担に馴らされてきた一般有権者の感覚では一気に消費税廃止を言い切るのは過激と映り、それで本当に大丈夫なの? という疑いがあると思います。 もちろん選挙まで時間がたっぷりあれば貨幣論、財政論的に消費税は本質的に不要であり廃止のほかない、との議論が国民の末端まで浸透させ(ら)れるかもしれませんが、今はちょっと無理かもしれません。
立憲には批判的立場を取る者ですが、消費税に関する現在の国民の認識度からすると立憲の“一時的減税”のほうが一般有権者により受け入れら(れ)やすいのではないか、と思い始めています。
従って、脱原発と同様“ゆくゆくは”消費税完全廃止だが、今は緊急的に一時減税をする、との文言でれいわ、共産、立憲がまとまるのが良いのではと思います。
私の考えとしては、「ロシアとウクライナの戦争に端を発した異常な物価高を緩和するために、消費税の税率を一時的に5%に減税する」ということを共通の目標として参院選を戦っていくべきであると思っています。
この方向性であれば、財源論の観点からの消費税減税に対する懸念はだいぶ緩和できますし、野党4党が共同で国会に提出した「時限的消費税減税法案」も生きてくるのではないかと思います。
コロナ禍への対応で、「付加価値税」(日本で言う「消費税」)の税率引き下げを行った国はたくさんあります。「日本でも消費税の減税を」と要求するのは、そんなに突飛な話ではありません。
また、「税率の引き下げ」の事例は、海外だけではなく、日本の歴史においても存在しています。
1873(明治6)年の「地租改正」で、地価の3%を現金で納付することが義務づけられるようになりましたが、農民一揆の多発により、1877(明治10)年には地租が地価の3%から2.5%に引き下げられました。
明治時代の先人たちは「竹槍一揆」で「地租引き下げ」を実現したのですが、令和時代の私たちは「一票一揆」で「消費税減税」の実現を目指すのです。
森友学園問題に関わった元国税庁長官の佐川宣寿氏は、2018(平成30)年3月に依願退官した際に約5,000万円の退職金を受け取ったと言われています。
また、つい最近では、東京国税局の職員が「給付金詐欺」で総額2億円を詐取した事件も報道されました。
「私たち庶民は毎日毎日買い物するたびに消費税を払い続けているが、税金を集めているほうの財務省はとんでもないことをしている!」ということは指摘しておく必要があります。
そのうえで、「財務官僚vs一般庶民」という分かりやすい対立の構図を浮かび上がらせるスローガンで、「自民党には投票しない」という雰囲気を醸成していってはどうかと思います。
「防衛費倍増か、消費税減税か」
「消費税減税で、物価高から暮らしを守れ!」
「消費税減税を考えない岸田総理にお灸を据えよう」
「財務省にNO!消費税減税にYES!」
「財務省の味方か、庶民の味方か」
参院選は、政権選択の選挙ではなく、仮にどんなに自民党が議席を減らしたとしても政権交代にはならない選挙ですので、逆に、自民党支持者の方々に対して「比例区では野党に投票を」とお願いして、誘いに乗ってもらえる可能性がわりとある選挙になります。
7月10日(日曜日)の投票日まで、まだ「あと25日もある」と考えて、みなさん力を合わせて頑張っていきましょう!
憲法9条変えさせないよ
プロ野球好きのただのオジサンが、冗談で「巨人ファーストの会」の話を「SAMEJIMA TIMES」にコメント投稿したことがきっかけで、ひょんなことから「筆者同盟」に加わることに。「憲法9条を次世代に」という一民間人の視点で、立憲野党とそれを支持するなかまたちに、叱咤激励と斬新な提案を届けます。