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立憲野党私設応援団(15)参院選2022立憲野党私設応援団反省会~憲法9条変えさせないよ

※この連載はSAMEJIMA TIMESの筆者同盟に参加するハンドルネーム「憲法9条変えさせないよ」さんが執筆しています。

<目次>

0.有権者は「現状維持」を選んだ

1.「勝てそうな選挙区だけ共闘」は間違いだった

2.上品に振る舞う貴族政党は没落し、なりふり構わず戦う小規模政党は踏みとどまった

3.寝言は寝て言え山本太郎

4.れいわ新選組は「黄金の6年間」をどう活かすか

0.有権者は「現状維持」を選んだ

2022年参院選の反省会を始めるにあたって、まずは神戸女学院大学名誉教授の内田樹さんが選挙当日につぶやいたツイートの紹介から。

1.「勝てそうな選挙区だけ共闘」は間違いだった

SAMEJIMA TIMESでは、参院選の7ヵ月前の昨年12月から、様々な人たちが参加する形で野党の参院選戦略に関して議論をしてきました。

野党4党は1人区より複数区で選挙協力を!参院選最大の焦点は「維新の封じ込め」だ~「憲法9条変えさせないよ」さんの独創的な参院選戦略をみんなで議論してみよう!!

私が当初主張していたことの論旨を整理すると、「1人区は勝てそうな選挙区だけ共闘できればいいから、(特に関西の)複数区で候補者調整を行って、維新の議席拡大を阻止しよう」というものでした。

実際の参院選がどのように推移したのかといえば、共産党と立憲民主党の綱引きの結果、「1人区は勝てそうな選挙区だけ共闘」ということになり、一方で複数区の方は候補者調整の話が一度も話題に上ることもないまま野党各党がバラバラに戦うことになりました。

結果として、全国で32ある1人区で自民党が28勝し、野党は惨敗。大阪や兵庫の複数区では自公維の改憲派による議席独占を許し、全体でも改憲勢力が3分の2以上の議席を確保する最悪の結果でした。

1人区で野党が低調な結果に終わった原因について、三春充希さんがツイッターで次のように分析されています。

こうした選挙の力学を察知できていなかった私の議論は完全にミスリードであり、誤りでした。議論に参加していただいた皆様に、心よりお詫び申し上げます。

2.上品に振る舞う貴族政党は没落し、なりふり構わず戦う小規模政党は踏みとどまった

それではここで、立憲野党4党の政党別獲得議席を確認してみましょう。


改選議席今回獲得議席
立憲民主党2317
日本共産党
れいわ新選組
社会民主党
立憲野党4党合計3025

立憲民主党は議席が23%減、比例の票だけ見ても2019年の7,917,720票から今回6,769,885票と約14.5%減の「惨敗」でした。京都では福山哲郎さんが維新の候補に競り勝つなど、複数区の選挙区では粘りを見せた選挙区もいくつかあり、野党第一党の座を維新に奪われる「大惨敗」だけは避けることができたというふうに言うことができるかもしれませんが、新潟では森ゆうこさんが自民党の候補に競り負けるなど、選挙区でも現職の候補が次々と落選しました。

選挙戦終盤に森ゆうこサポーターズのアカウントから流れてきたこのツイートが、立憲民主党惨敗の原因を凝縮しているような気がしてなりません。

共産党は議席が33%減、比例の票だけ見ても2019年の4,483,411票から今回3,618,342票と約19.3%減の「惨敗」でした。そうした中で、東京選挙区では、山添拓さんが685,224票を獲得し、立憲民主党の蓮舫さんの獲得票数を上回る快挙を成し遂げました。もし東京選挙区で山添拓さんが落選していたら、共産党は当選者数半減の「大惨敗」を喫していたところですので、山添拓さんの頑張りは、共産党の未来に希望をつないだと言えるのではないでしょうか。

れいわ新選組は、改選議席0から今回獲得議席3、比例の票は2019年の2,280,252票から今回2,319,159票の約1.7%増ということで、健闘した選挙戦だったと言えるのではないかと思います。党代表の山本太郎さんが衆議院議員のバッジを外して選挙に臨み、選挙演説に「メロリンキュー」まで登場させて総力戦で戦って勝ち取った東京選挙区の1議席は非常に大きく、2019年の獲得議席2と今回獲得議席3を合わせて参議院で5議席ということで、予算委員会の委員の枠と代表質問の枠に手が届いたことになり、党全体としても意味のある獲得議席数を確保できたと言えるでしょう。

そして、今回の参院選で最も必死な戦いぶりが目立ったのが社民党です。政党としての存続が危ぶまれた参院選で、党首の福島瑞穂さんの改選議席1を守り切り、比例の票も2019年の1,046,011票から今回1,258,623票と約20.3%増やして、得票率2%を上回り、国政政党として存続することになりました。

がんこに社民党2022「続・駄菓子屋のおばちゃん」

かつて「土井チルドレン」と呼ばれた中川智子さんが出演した「続・駄菓子屋のおばちゃん」のCMは旧社会党の時代からの流れで社民党を支持するオールドファンの間で話題になり、また、選挙戦終盤には元八王子市議の佐藤梓さんがツイデモを呼びかけて「#国会には福島みずほが必要」のハッシュタグが3日連続トレンド入りしました。87歳の元衆議院議員の山口わか子さん、元広島市長の秋葉忠利さん、そして旧社会党と袂を分かった新社会党の岡崎彩子さんまでもが過去の経緯を乗り越えて社民党から比例候補として出馬し、まさに総力戦で勝ち取った比例の1議席と得票率2%でした。

3.寝言は寝て言え山本太郎

それではここで、東京選挙区の各候補の得票状況を見てみましょう。

参院選2022東京選挙区各候補者獲得票数(上位7名のみ)

当選:朝日健太郎(自由民主党) 922,793票

当選:竹谷とし子(公明党)   742,968票

当選:山添拓(日本共産党)   685,224票

当選:蓮舫(立憲民主党)    670,339票

当選:生稲晃子(自由民主党)  619,792票

当選:山本太郎(れいわ新選組) 565,925票

落選:海老澤由紀(日本維新の会)530,361票

現職の候補が1位から4位までを占め、新人の生稲晃子さんが5位で当選。そして、6位に滑り込みで最下位当選したのは、衆議院から鞍替え出馬した山本太郎さんではありませんか!

山本太郎さんが維新の海老澤由紀さんの得票を上回って東京選挙区で当選を果たしたのは、れいわ新選組の党にとっては大きな勝利ですが、「総理大臣を目指す」と公言している山本太郎さん個人にとっては、元おニャン子の生稲晃子さんの後塵を拝する形で最後に当確となった今回の選挙戦は、事実上の敗北と言わざるを得ないでしょう。

山本太郎さんの東京都における選挙での得票数の推移を振り返ってみます。

2013年参院選(東京選挙区):666,684票(4位当選)

2020年 東 京 都 知 事 選 :657,277票(3位落選)

2022年参院選(東京選挙区):565,925票(6位当選)

地方選挙と国政選挙を単純比較すべきではないというご意見もあるかもしれませんが、あえて単純比較させてもらうと、2年前の都知事選から今回の参院選で約13.9%の票を減らしており、初当選した2013年の参院選との比較では、なんと10万票以上も票を減らしてしまっているのです!

もし今回の参院選で2年前の都知事選と同程度の票が得られていれば、蓮舫さんには及ばないものの生稲晃子さんを上回る位置には来ることができていたわけで、それができなかった原因は何なのか、そのことを真摯に受け止め、分析・検討していく必要があると思います。

twitter上での田島つよしさんと下町のさすらい文鳥さんのやり取りは、選挙公報の掲載内容の問題点について指摘しています。

選挙公報に書かれてある内容をよく読んで投票するという有権者も一定の割合で存在するので、選挙公報には経済政策と社会保障政策と教育政策を分かりやすく記載しておくべきなのではないかという指摘です。

また、SAMEJIMA TIMESのコメント欄へ7月18日に八木鼻さんが投稿されたれいわ支持者の方のご意見も大変参考になります。

≪れいわ新選組の盆ダンスパーティーや甲子園イベント(メロリンQ)は、39歳の娘も70歳の夫もドン引きでした。

友人知人にLINEや電話でお願いした時も、「ああいうふざけた党は…」と政策は良いから見てほしいと言っても、そこに至らなかった事も多々ありました。

特に私達60歳以上の人間には、「共産党は嫌いだけれど、山添拓さんや田村智子さんは好きだから入れる」と言うふうに真面目に頑張っている人に好感を持つ人が多いと思いました。≫

これは私の個人的な意見ですが、れいわ新選組の国会議員団がロシア非難決議に反対し、内閣不信任案の採決の際に欠席したことで、ロシアに対して毅然とした態度を示すべきと考える有権者や、自民党の岸田内閣に対して明確な対決姿勢を示すべきと考える有権者の票が、選挙区では共産党の山添拓さんに、比例区では社民党の福島瑞穂さんに流れていったという側面もあるのではないかと思います。

いずれにしても、山本太郎さんがれいわで戦った2年前の都知事選から今回の参院選で約13.9%の票を減らしているというのは客観的な事実であり、重く受け止めなければなりません。

そういう意味では、今回、山本太郎さん率いるれいわ新選組には「マイナス13.9%の逆風」が吹いていたと考えることもできるのですが、全体の比例の数字を見た場合には「プラス1.7%の得票」という結果になったわけで、それだけ全国の支持者やボランティアの方々が「プラス15.6%の活動」を展開してれいわ新選組の選挙運動を支えたのだ、とポジティブに捉え直すことも可能です。

これをどう次につなげていくかが今後の課題となります。

4.れいわ新選組は「黄金の6年間」をどう活かすか

2019年4月に山本太郎さんが旗揚げしたれいわ新選組。旗揚げから3年3ヵ月で、国会議員8名を擁する国政政党へと成長することができました。

2019年7月の参院選で山本太郎さんが落選して、2021年10月の衆院選で比例東京ブロックから当選を果たすまで、2年以上も山本太郎さんの「浪人生活」が続いたことは、れいわ新選組にとっても苦難の歩みでした。

しかし、2022年7月の参院選で山本太郎さんが東京選挙区から当選を果たしたことで、6年後の2028年7月までは「山本太郎さんの選挙」のことを考える必要がなくなったわけで、この「黄金の6年間」をれいわ新選組の党勢拡大のためにどのように活かしていくかが重要になってくるのではないかと思います。

今後の参院選の予定を書き出してみましょう。

2022(令和4)年参院選 ← 山本太郎さん当選(おめでとう!)

2025(令和7)年参院選

2028(令和10)年参院選 ← 山本太郎さん改選(次はトップ当選で)

2031(令和13)年参院選

2034(令和16)年参院選 ← 山本太郎さん改選(この頃には総理大臣でいてほしい)

このような長期的なスケジュールを見通したうえで、2022年から2028年までの6年間でれいわ新選組が「中規模政党」になることを目指し、そして、2028年から2034年までの6年間の中のどこかのタイミングで行われる衆院選で勝利して「与党第一党」となり、「山本太郎総理大臣」を誕生させることを目標として活動していくならば、非常に前向きに物事を進めていくことができるのではないでしょうか。

ここからは私の大胆な提案になりますが、今年の冬に行われるれいわ新選組の代表選挙では、山本太郎さんはあえて代表の座を降りるようにしてはどうかと思います。

あえて「山本太郎以外の誰か」を正式な党の代表に立てて、党の組織運営はその人にやってもらうのです。

そのうえで、党名を「草の根政党れいわ新選組と山本太郎となかまたち」(略称:れいわ)に変更し、「共同代表」のポストを新設して、山本太郎さんに「共同代表」の役職に就任してもらうのが一番良いのではないでしょうか。

山本太郎さんの良さを一番活かすことができるのは、小沢一郎さんが代表を務めていた「生活の党と山本太郎となかまたち」で「共同代表」に就任して「日曜討論」などに出演しまくっていたあの頃のスタイルなのではないかと思います。

また、衆院選や参院選で比例代表の投票をする際に投票用紙に「山本太郎」という名前を書くことができるようになるのは、全国にいる山本太郎シンパの有権者の士気を高めることにつながると思いますので、ここは「山本太郎さんの選挙」から解放されたこのタイミングで、党名を「草の根政党れいわ新選組と山本太郎となかまたち」に変更してみてはどうでしょうか。

ちなみに、「草の根政党」と冠しているのは、「れいわ新選組」という名前だけでは「政党」なのか「アイドルグループ」なのか「スーパーマーケット」なのか「建設会社」なのか分からない、というご意見があるのを考慮してのことです。

ただし、注意事項として、山本太郎さんが改選になる2028年と2034年には「草の根政党れいわ新選組と山本太郎となかまたち」という名前は使えなくなりますので、「れいわ新選組」に戻すか、「草の根政党れいわ新選組」とする必要があります。

れいわの党勢拡大に向けて、次に重要なことは、2025年の参院選で東京選挙区から立候補する予定候補を早めに決めて確定し、東京都内の各地域において候補者の知名度を上げる活動を地道に行っていくことです。

できれば、来年の統一地方選挙が終わった後のどこかの段階で、何人か候補者をピックアップしたうえで、れいわ党内で予備選挙を実施して、れいわオーナーズとれいわフレンズによる投票で2025年参院選の予定候補を決めるようにしてはどうかと思います。

2025年の参院選では、れいわから「山本太郎以外の誰か」を東京選挙区に出馬させて、そこで確実に議席を獲得する必要があります。

具体的に言えば、2019年の参院選で526,575票を獲得して東京選挙区で当選した維新の音喜多駿さんに2025年の参院選で競り勝つことができるように、55万票~60万票程度の獲得を目指して、れいわが有力な候補者を擁立しなければなりません。

3年後に「山本太郎以外の誰か」を東京選挙区で当選させることができたなら、党としての地力がついてきて、「東京選挙区以外の選挙区でも議席を獲得する」というハードルにチャレンジする次の段階へと進んでいくことができるでしょう。

これからの6年間で「中規模政党」へ、そしてさらに次の6年間で「与党第一党」へ、ということを夢見ながら、希望を持って前に進んでいきましょう!

憲法9条変えさせないよ

プロ野球好きのただのオジサンが、冗談で「巨人ファーストの会」の話を「SAMEJIMA TIMES」にコメント投稿したことがきっかけで、ひょんなことから「筆者同盟」に加わることに。「憲法9条を次世代に」という一民間人の視点で、立憲野党とそれを支持するなかまたちに、叱咤激励と斬新な提案を届けます。