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立憲野党私設応援団(21)政権交代の可能性について考えてみる(その1)~憲法9条変えさせないよ

※この連載はSAMEJIMA TIMESの筆者同盟に参加するハンドルネーム「憲法9条変えさせないよ」さんが執筆しています。


<目次>

1.統一教会の解散と衆議院の解散を望む声

2.実際のところ解散総選挙はいつになるのか?

3.次期衆院選で野党は勝てるのか?

4.解散総選挙に向けて、野党はどのような準備をするべきなのか?

5.野党支持者どうしの融和を進めていけるのか?

6.みなさんも一緒に議論していきましょう

7.トピックス:プリティ宮城ちえさんのれいわ新選組離党

1.統一教会の解散と衆議院の解散を望む声

10月7日(金曜日)に、統一教会元2世信者の小川さゆりさん(仮名)が、日本外国特派員協会で記者会見を行いました。

日本外国特派員協会記者会見(2022年10月7日)

自らの壮絶な体験について様々語った後で、最後に「私が正しいと思ってくださるなら、どうかこの団体を解散させてください。」と涙ながらに統一教会の解散を訴えた姿は、見る人の心を動かすものだったと思います。

一方、京都大学農学研究科元教授の谷誠さんは、「カルトの乗っ取りに直面して」というテーマで、ご自身のブログに次のような論考を掲載して、衆議院の解散総選挙の早期実施を求める主張をされています。

「国葬その後を考える」

2.実際のところ解散総選挙はいつになるのか?

それでは、衆議院の解散総選挙が一体いつになるのか、今後の国政の大きな政治日程を確認していきましょう。

2023(令和5)年春:広島サミット

2024(令和6)年秋:自民党総裁選

2025(令和7)年夏:参議院選挙

2025(令和7)年秋:衆議院任期満了

私の記憶が確かならば、立憲民主党初代党首の枝野幸男さんは「政治とは時間の関数である」と語り、SAMEJIMA TIMES主筆の鮫島浩さんは「政治とはスケジュール闘争である」と語っていたと思います。

鮫島さんの見立てとして、広島サミットの時期に内閣支持率が上がっていれば、岸田総理は解散総選挙を行って、選挙に勝って、2024年の自民党総裁選を無投票で切り抜けて、長期政権への道を切り拓くだろうし、逆に広島サミットの時期に内閣支持率が低迷していれば、解散を打つタイミングを失って「レームダック」(死に体)になってしまい、岸田総理は自民党総裁選不出馬に追い込まれて2024年の秋に退陣する、というスケジュール感になってきます。

ここから先は私の推論になりますが、岸田総理が2024年の秋に退陣したとして、新総裁を選んだ自民党が、首相交代の「ご祝儀相場」に乗っかって、2024年の年末に解散総選挙を仕掛けてくる可能性があります。もし2024年の時点で野党の支持率が低迷していれば新しい総理が衆議院解散を決断するでしょうし、野党の支持率が自民党の支持率に迫ってくるような状況であれば2025年まで様子を見ることになるでしょう。

衆議院の解散は総理大臣の専権事項ですので、「野党弱し」と思えば2023年か2024年に解散総選挙を打ってくるでしょうし、「野党侮れず」と思えば任期満了が迫った2025年まで解散の時期がズレ込むことになります。

つまり、自民党側から見て「野党には問題なく勝てる」と思える状況での解散なら2023年か2024年に、「野党とはギリギリの戦いになる」と覚悟して行う(任期の関係で行わざるを得ない)解散なら2025年になる、という結論になります。

そういう意味では、統一教会問題は、じっくり腰を据えて追及していった方がよいのではないかと考えられます。

3.次期衆院選で野党は勝てるのか?

それでは、次期衆院選で、野党は自民党に勝てるのでしょうか?

選挙をすれば自民党が勝ち、社会が更に壊れていくという負の無限ループについて、ぽてとさんがtwitterでこのように指摘しています。

また、自民党が選挙で勝ち続ける理由について、大神さんがtwitterでこのように指摘しています。

これは2021年の衆院選の際の番組ですが、インタビューに答えている高齢の男性有権者が「野党の場合は外交それから防衛そういうものが全然ごちゃごちゃです」と言っていたのが印象的でした。

次期衆院選も、野党側はよほど良い準備をして臨まないと、「野党の経済政策には期待できない」とか「野党には外交や防衛は任せられない」などと言われて、結局は低投票率の下で自民党が圧勝して、政権交代は「幻」に終わってしまう危険性が高いのではないかと私は考えています。

4.解散総選挙に向けて、野党はどのような準備をするべきなのか?

次期衆院選、解散総選挙に向けて、野党はどのような準備をするべきなのか、10月3日の一月万冊の動画のラスト5分で、元朝日新聞記者の佐藤章さんが次のように語っています。

一月万冊

安倍国葬大失敗!国民がNOを突きつけた支持率続落。岸田総理が機能停止!支持率戻らず腑抜け状態で自民党議員や読売新聞からも見放され始めた。 元朝日新聞・記者佐藤章さんと一月万冊

その時ね、肝心なのは、その時に、日本人に選択肢を与えてですね、日本を救うことができるのは、その時に準備をしていたら、そういう準備をしていた野党しかないわけなんですよ。つまり、野党というのは、今、準備をすべき時なんですよ。

具体的にどういう準備をすべきかといえば、現実的に言えば、まず、立憲民主党の泉代表ですね。この人、辞任すべきなんですよ。もう一度ですね、野党共闘を目指す党首を立てるべきなんですよ。とにかく、野党はまとまってですね、そして、政権構想をしっかりしたものを、はっきりしたものを打ち出さない限りですね、制度的に言って、小選挙区制ですから、政権獲れるわけがないんですよ。

そして、もう一つは、日本共産党はですね、名前を変えるべきなんですよ。またねぇ、「立憲共産党」というね、あの、悪口っていうかな、中傷が出ることは、もう、目に見えているんですよ。何の根拠もないですよ。何の根拠もないというか、「共産党だから悪い」ということは何一つないんですよ。何一つないんだけども、それを言っていたら始まらないんですよ。これねぇ、全く根拠なくですよ、そういうことが、イメージだけで、何て言うかな、票を落とすことにつながるわけなんですよ。なのでねぇ、日本共産党も、本当に日本のことを考えるならばですよ、名前なんかでね、意地になってる場合じゃないんですよ。今は。

ということで、とにかく、解散総選挙までねぇ、そんなに時間はないと思いますよ。下手したら、僕は来年だと思いますよ。これ。それに向かってですね、もう、とにかく今から、いま言ったような準備をしなきゃいけないと思いますよ。僕は。そうじゃないと、本当の野党の使命を果たした、使命を果たしていると、言えないと思いますね。

5.野党支持者どうしの融和を進めていけるのか?

政党間の融和の問題も頭が痛いですが、野党支持者の間で融和を進めていくことができるのかという点も、非常に重い問題として課題が横たわっています。

SNS上のやり取りを見てみると、立憲民主党を応援する人たちが「れいわカルト」とか「メロリンQアノン」とか言ってれいわ新選組の支持者や関係者の人たちに非難や嘲笑を浴びせてみたり、あるいは、れいわ新選組を応援する人たちが「リッケンカルト」とか「緊縮脳」とか言って立憲民主党の支持者や関係者の人たちに非難や嘲笑を浴びせてみたりする様子が散見されます。

日本の有権者の中で一番割合が多いのは「与党支持層」でもなく「野党支持層」でもなく「無党派層」ですが、この「無党派層」の人々が選挙前に政治に関心を持ってSNS上のやり取りを目にした時に、「自民党にはうんざりだが、野党共闘にも期待できない」と感じて、投票を棄権したり、投票所に足を運んだとしても「維新」や「参政党」に投票したりして、結果として「自民圧勝」という状況を生んでしまっているのではないでしょうか。

6.みなさんも一緒に議論していきましょう

改めて言うまでもないことですが、衆議院の解散総選挙は、今年か来年か再来年か3年後かのいずれかの時期にやってきます。

野党側は、基本的にその時期を選ぶことはできません。選択権は自民党の側にあり、最終的に決断するのは、時の総理大臣になります。

時の総理大臣が「野党弱し」と思えば今年か来年か再来年に解散総選挙を打ってくるでしょうし、「野党侮れず」と思えば任期満了に近い3年後まで解散の時期がズレ込むことになります。

政権交代の確率が一番高まるシナリオは、自民党が「野党侮れず」と感じて解散総選挙を打てないまま2025年に突入し、任期が迫った「追い込まれ解散」で、野党側が自民党から政権を奪う、という筋立てになります。

あるいは、自民党が「野党弱し」と感じて早めに解散総選挙を仕掛けてきた場合には、それが来年だろうが再来年だろうが、野党側はそれを跳ね返して自民党を過半数割れに追い込み、政権を奪い取らなければなりません。

元朝日新聞記者の佐藤章さんが言っておられる「立憲民主党の泉代表は辞任すべき」とか「日本共産党は名前を変えるべき」といった方法論が最良のものであるかどうかということはひとまず置いておくとしても、「野党は解散総選挙に向けて今から準備をすべき」という指摘は極めて重要で、本当にこのことに尽きると思います。

私が連載の執筆を担当している「立憲野党私設応援団」では、今回の記事と11月掲載予定の3回の記事の4回連続で、「政権交代の可能性について考えてみる」と題して、「野党は解散総選挙に向けて今からどのように準備を進めていくべきか」というテーマで論考を進めていきたいと考えています。

今回は問題提起のみで、具体的な内容については次回から議論を進めていきます。

11月の3回の記事は、私が言いたいことを放談的にバラバラと記述していきますが、それをSAMEJIMA TIMESの読者の方々にお読みいただいたうえで、12月と1月の2ヵ月間かけて、みなさまからのご意見を募集したいと思います。

みなさまからいただいたご意見は、2月にいったん中間的なまとめの記事で取り上げさせていただいて、議論を進めていく予定です。

それ以降は、「政権交代の可能性について考えてみる」というテーマを不定期に取り上げて、有識者の方々のご意見を紹介したり、私の意見を記述したり、みなさまからのご意見を適宜募集したりするなどして、次期衆院選が行われる時まで継続的に議論を進めていきたいと考えています。

それでは、最後に、前八王子市議会議員の佐藤梓さんのnoteの論考の文章を一部ご紹介して、今回の問題提起の結びとさせていただきます。

佐藤梓

冷笑という「スタイル」の目的(2022年10月9日)

なぜ「ネット右翼」みたいな人たちは、政治的な対立意見にただ異論を唱えるだけでなく、わざわざこうして「煽る」スタイルをとるのだろうかと不思議だった。

でも、それは今回のひろゆき氏らの振る舞いでもよくわかったのだが、真面目な、真剣な議論を「させない」ための方法論だったのだ。

対象に真剣に向き合い、調べて考えると、「おかしい」ということに気づいてしまう。自分の頭で考えて、それを発信する人が増えると、いまの政治体制は維持できなくなってしまう。日常的に当たり前に、それこそ“カジュアルに”、子どもからお年寄りまで沢山の人たちの間で政治的なことが毎日真面目に語られ始めるようになると、選挙に行く人が増え、いまのような暴政も許されなくなる。

そうした「気づき」と「目覚め」を徹底的に警戒して、抑え込まなければならない。統治する側にとってみれば、至極当たり前の「対策」だろう。

ネットは便利で簡単で、瞬時に莫大な数の人の心に訴えかけられる。その飛び道具がもたらす「公共空間」ほど、彼らにとって怖いものはない。だから、「真っ当な」議論は嘲笑して無効化して潰し続けなければならない。真面目に、真剣にものを言うことをまず侮蔑して笑う。そして、煽る。相手が怒りを自らに向けて消耗するように。

7.トピックス:プリティ宮城ちえさんのれいわ新選組離党

今日のテーマの話はここまでにして、最後に、マルチ商法を教え子に紹介したという疑惑が新聞報道で取り上げられた宜野湾市議会議員のプリティ宮城ちえさんのその後の状況について見ておきたいと思います。

プリティ宮城ちえ市議から10月5日にれいわ新選組へ離党届の提出があり、翌10月6日に党役員会で受理を決めたということです。

何か問題が発覚した時に当該議員が離党するというパターンは、政治の世界ではよく見られる光景で、そういう意味では「れいわも自民や維新と変わらない」とつぶやきたくなるような気持ちが湧いてきてしまいます。

そうした感じの気持ちについて清水有高さんと今一生さんが語り合っている10月8日の一月万冊の動画をご紹介します。

一月万冊

マルチは違法では無い?れいわ新選組山本太郎氏が仮想通貨詐欺問題の宮城氏の離党届を受理。この騒動に日本の政治の地獄を見た。 作家・今一生。一月万冊


憲法9条変えさせないよ

プロ野球好きのただのオジサンが、冗談で「巨人ファーストの会」の話を「SAMEJIMA TIMES」にコメント投稿したことがきっかけで、ひょんなことから「筆者同盟」に加わることに。「憲法9条を次世代に」という一民間人の視点で、立憲野党とそれを支持するなかまたちに、叱咤激励と斬新な提案を届けます。

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