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立憲野党私設応援団(24)政権交代の可能性について考えてみる(その4)~憲法9条変えさせないよ

※この連載はSAMEJIMA TIMESの筆者同盟に参加するハンドルネーム「憲法9条変えさせないよ」さんが執筆しています。


<目次>

1.政党の「合従連衡」について考える

2.「自民・立憲・維新・公明」は「同じ壺の狢」化するのか?

3.「共産・れいわ・社民」が3党でまとまるなら?

4.「山本太郎総理待望論」の高まりは?

5.野党支持者からの「新党」に期待する声

6.トピックス:ネットワークビジネスとれいわ新選組の共通点をどう超える?


1. 政党の「合従連衡」について考える

政党の「合従連衡」について、特に野党の「合従連衡」に関して、野党第一党の立憲民主党を支持する人々の考え方は、私がSNS上の議論を眺めた範囲では、およそ次の3つの方向性に大別できそうです。

A:立憲民主党・日本共産党・れいわ新選組・社会民主党の4党で共闘を進める

B:れいわ新選組を外して立憲民主党・日本共産党・社会民主党の3党で共闘を進める

C:立憲民主党・日本維新の会の2党で連携を進める

まずはこの「A」と「B」と「C」の3つの方向性について、それぞれの得票数の期待値の規模感を確認していきたいと思います。

2022年の参議院選挙における各党の比例代表での得票数を、単純に足し算してみます。

A:立憲+共産+れいわ+社民=13,967,944票(およそ1,400万票)

B:立憲+共産+社民=11,648,788票(およそ1,200万票)

C:立憲+維新=14,617,940票(およそ1,500万票)

自民党の比例得票数は18,256,245票(およそ1,800万票)ですので、この数字には及びませんが、それでも、2党~4党の政党がまとまると、単独で戦う場合に比べて、かなりの「規模感」を出せることが見てとれるのではないかと思います。

また、この3つの路線のうち、自民党に一番肉薄することができているのは「C:立憲・維新の2党連携」のパターンであり、そういう意味では立憲民主党の執行部が「立憲・共産・れいわ・社民の野党共闘」から「立憲・維新の2党連携」という路線に舵を切ろうとしているのは、政策の方向性を無視して得票数の話だけで考えるなら、一定の合理性がある話として捉えることができます。

ちなみに、立憲民主党が野党共闘から抜けるとした場合に、共産党とれいわ新選組と社民党の3党でチームを組んだ時の規模感はどのようになるのでしょうか。

○共産+れいわ+社民=7,195,999票(およそ700万票)

この3党だけでは自民党の比例得票数の半分にも満たないのですが、それでも、維新の比例得票数7,845,995票(およそ800万票)にはかなり迫ることになり、立憲民主党の比例得票数6,771,945票(およそ700万票)や公明党の比例得票数6,181,431票(およそ600万票)を上回る規模感になります。

こうした構図をふまえて、「共産・れいわ・社民」の3党による選挙協力の模索に関して、後で議論をしていきます。

2.「自民・立憲・維新・公明」は「同じ壺の狢」化するのか?

東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授の中島岳志さんと、SAMEJIMA TIMES主筆の鮫島浩さんは、自民・公明・立憲・維新が政治の意思決定の枠組みをこの4党で進める「与ゆ党体制」を構築しようとしていることを指摘しています。

これらの4党をつなぐ存在として、中島教授はアカデミズムの立場から「連合」の影響力に、鮫島さんはジャーナリズムの立場から「財務省」の影響力に注目されているようですが、私は素人の直感で「統一教会」の影響力を懸念し、この4党の枠組みを「同じ壺の狢」(おなじつぼのむじな)と呼んで警戒しています。

統一教会と各政党の議員の関わりの状況を改めて確認します。


旧統一教会関連団体と関係があった現職国会議員168人の内訳

所属衆議院参議院合計
自由民主党10329132
日本維新の会16
立憲民主党1314
国民民主党
公明党
参政党
無所属
合計12939168

鈴木エイト「自民党の統一教会汚染追跡3000日」(小学館)より作成


自民・維新・立憲・公明の4党の「壺汚染度」(現職国会議員のうち旧統一教会関連団体と関係があった国会議員の割合)を計算してみると、自民党が35%、維新が26%、立憲民主党が10%、公明党が3%という割合になります。

立憲民主党全体の「壺汚染度」は10%ではありますが、この10%の多くが上層部にいることが大きな懸念材料としてあります。

結果的に、自民・立憲・維新・公明の4党の枠組みが「統一教会が望む政策」を推進してしまう危険性があるのではないかと危惧するわけです。

立憲民主党の良識派の議員や支持者の方々には、党の上層部がおかしな方向へ向かわないように、しっかり注視したうえで、もし必要があれば、上層部の示す方針に勇気を持って異を唱えていただきたいと思いますが、それでも立憲民主党が「同じ壺の狢」に堕してしまうなら、立憲民主党を共闘の枠組みに入れた「野党共闘」を続けていくわけにはいかなくなるでしょう。

3.「共産・れいわ・社民」が3党でまとまるなら?

仮に、立憲民主党が「同じ壺の狢」に堕してしまうなら、立憲民主党を除く形で「共産・れいわ・社民」の3党による新しい共闘の枠組みを模索していく必要があります。

ここで私が非常に有望だと思っているのが、衆議院選挙の際の「比例統一名簿」です。

2021年の衆議院選挙の比例区の得票数を基に検討してみたいと思います。


2021年衆議院選挙比例区得票数


日本共産党れいわ新選組社会民主党3党合計
北海道ブロック207,189102,08641,248350,523
東北ブロック292,830143,265101,442537,537
北関東ブロック444,115239,59297,963781,670
南関東ブロック534,493302,675124,447961,615
東京ブロック670,340360,38792,9951,123,722
北陸信越ブロック225,551111,28171,185408,017
東海ブロック408,606273,20884,220766,034
近畿ブロック736,156292,483100,9801,129,619
中国ブロック173,11794,44652,638320,201
四国ブロック108,02152,94130,249191,211
九州ブロック365,658243,284221,221830,163
合  計4,166,0762,215,6481,0185887,400,312

2021年衆議院選挙の北海道ブロックでは、共産・れいわ・社民の3党とも獲得議席ゼロで終わっていますが、3党まとまった350,523票の数字であれば、比例1議席獲得の公明党294,371票を上回ることになり、比例で1議席を獲得できることになります。

2021年衆議院選挙の東北ブロックでは、共産党のみ1議席獲得していますが、3党まとまれば537,537票の数字になり、比例1議席獲得の公明党456,287票を上回ることになります。

2021年衆議院選挙の北関東ブロックでは、共産党のみ1議席獲得していますが、3党まとまった781,670票の数字であれば、比例2議席獲得した維新617,531票を上回り、比例3議席獲得の公明党823,930票にかなり迫る得票数になり、3党全体でプラス1議席して合計2議席を獲得できることになります。

2021年衆議院選挙の南関東ブロックでは、共産党とれいわ新選組がそれぞれ1議席獲得していますが、3党まとまった961,615票の数字であれば、比例3議席獲得した維新863,897票を上回ることになり、3党全体でプラス1議席して合計3議席を獲得できることになります。

2021年衆議院選挙の東京ブロックでは、共産党が2議席、れいわ新選組が1議席を獲得していますが、3党まとまった1,123,722票の数字であれば、比例2議席獲得した維新858,577票を上回り、比例4議席獲得の立憲民主党1,293,281票にかなり迫る得票数になり、3党全体で合計3議席を確保するできる形になります。

2021年衆議院選挙の北陸信越ブロックでは、共産・れいわ・社民の3党とも獲得議席ゼロで終わっていますが、3党まとまった408,017票の数字であれば、比例1議席獲得の維新361,476票を上回ることになり、比例で1議席を獲得できることになります。

2021年衆議院選挙の東海ブロックでは、共産党のみ1議席獲得していますが、3党まとまった766,034票の数字であれば、比例2議席獲得した維新694,630票を上回り、比例3議席獲得の公明党784,976票にかなり迫る得票数になり、3党全体でプラス1議席して合計2議席を獲得できることになります。

2021年衆議院選挙の近畿ブロックでは、共産党が2議席、れいわ新選組が1議席を獲得していますが、3党まとまった1,129,619票の数字であれば、比例3議席獲得した立憲民主党1,090,665票を上回り、同じく比例3議席獲得の公明1,155,683票にかなり迫る得票数になり、3党全体で合計3議席を確保するできる形になります。

2021年衆議院選挙の中国ブロックでは、共産・れいわ・社民の3党とも獲得議席ゼロで終わっていますが、3党まとまった320,201票の数字であれば、比例1議席獲得の維新286,302票を上回ることになり、比例で1議席を獲得できることになります。

2021年衆議院選挙の四国ブロックでは、共産・れいわ・社民の3党とも獲得議席ゼロで終わっていますが、3党まとまった191,211票の数字であれば、比例1議席獲得の維新173,826票を上回ることになり、比例で1議席を獲得できることになります。

2021年衆議院選挙の九州ブロックでは、共産党のみ1議席獲得していますが、3党まとまった830,163票の数字であれば、比例2議席獲得した維新540,338票を上回り、比例4議席獲得の公明党1,040,756票にかなり迫る得票数になり、3党全体でプラス1議席して合計2議席を獲得できることになります。

11ブロック合計した数字で、2021年衆議院選挙の獲得議席は共産9議席、れいわ3議席、社民0議席の3党合計12議席でしたが、「比例統一名簿」を組むと3党合計20議席という計算になります。

結果として、公明と維新の比例区の議席を削り、特に維新は近畿ブロック以外のエリアで比例区の当選者を大きく減らすことになりますので、共産・れいわ・社民の「比例統一名簿」は非常に有効に機能します。

3党全体で増えた8議席を、共産3、れいわ3、社民2で配分するような感じだと、各党の比例獲得議席は共産12議席、れいわ6議席、社民2議席ということになります。

比例統一名簿の団体名は、例えば「共に暮らしと産業を守る日本れいわ社民党」(略称:共産)とすれば、「共産」と書いても「れいわ」と書いても「社民」と書いても投票できるようになるので、各党の支持者が投票しやすいのではないかと思います。

各党が絶対に当選させたい候補を比例単独で名簿上位に据えて、うまく地域ごとに各政党の候補者をバラして比例名簿を作れば、各党の支持者が満足のいく結果が出せるのではないでしょうか。

比例区だけではなく選挙区も含めた全体での選挙協力の目標は、次のようになります。

第1段階目標(ホップ):衆議院または参議院で4分の1以上の議席を確保する(臨時国会の召集を要求できる力を持つ)

第2段階目標(ステップ):衆議院または参議院で3分の1を超える議席を確保する(改憲を阻止できる力を持つ)

第3段階目標(ジャンプ):衆議院で過半数の議席を確保する(政権交代できる力を持つ)

共産・れいわ・社民の3党で「次期衆院選での政権交代」を目指すのは無謀だと思いますが、参議院で62議席(2回の選挙で31議席ずつ)を獲得することを第1段階の目標として、順を追って長期的に取り組んで最終的に衆議院で233議席という過半数の議席を取ることを目標にするのは、決して最初から「無理」と諦めるようなものではないと思います。

4.「山本太郎総理待望論」の高まりは?

11月19日と20日に行われた毎日新聞の世論調査によれば、「次の首相」アンケートに対する有権者の回答は次のような順位でした。


「首相になってほしい人」

1位:河野太郎  93人

2位:岸田文雄  74人

3位:高市早苗  33人

3位:石破茂   29人

5位:小泉進次郎 21人

6位:菅義偉   20人

7位:山本太郎  16人

7位:吉村洋文  16人

9位:橋下徹   15人


れいわ新選組代表の山本太郎さんは今回も7位にランクインしており、その上にいるのはいずれも自民党の有力政治家だけです。

このようなアンケートで山本太郎さんがベスト10にランクインすることが定着していき、今後さらにベスト5、あるいはベスト3の中に入っていくような状況が生まれてくるとしたなら、れいわ新選組の支持者の間だけではなく、野党支持者全体の機運として「山本太郎総理待望論」が醸成されてくる可能性が期待されるのではないかと思います。

今はまだストレートに「山本太郎総理待望論」と言うのは気が早いと思いますが、ここからさらに本人および支持者が地道な努力を続けて雰囲気を盛り上げていけば、無党派層を含む幅広い有権者の間で「山本太郎総理待望論」が共有されるようになっていくのではないでしょうか。

5.野党支持者からの「新党」に期待する声

SNSを見ると、野党支持者が既存の野党には飽き足らずに「新党」に期待する声が多く上がってきています。


私個人の意見としては「全ての野党は解党して泉新党に合流」というのは止めた方がいいと思いますが、そのように言いたくなるみなさんの気持ちもよく分かります。

少なくとも長期的な見通しにおいて、可能であれば「次期衆院選」というスパンで、「政権交代」が望めるような枠組みや選挙協力などの在り方を考えていく必要があると思います。

「政権交代の可能性について考えてみる」というテーマで4回にわたって議論をして進めてきましたが、「政権交代の可能性」についてはっきりと可視化できるような結論にまで辿り着くことはできませんでした。

私を含めて、いろいろな方がいろいろな立場で「試論」あるいは「私論」を展開していき、そこにまた第三者の視点が加わることで、「集合知」として、より良い展望やより良い結論へと近づいていければと考えています。

来月は別のテーマで記事を執筆する予定にしていますが、また年が明けてから、「立憲野党私設応援団」の私の連載枠の中で、折を見てどこかのタイミングで、「政権交代の可能性について考えてみる」というテーマで、散発的に、五月雨的に、これからも継続して議論をしていきたいと思います。

6.トピックス:ネットワークビジネスとれいわ新選組の共通点をどう超える?

今日のテーマの話はここまでにして、最後に、現状のれいわ新選組の組織の問題点を指摘した立命館大学経済学部教授の松尾匡さんの論考を紹介したいと思います。

松尾匡

ネットワークビジネスとれいわ新選組の共通点をどう超える?

実はこうした組織の問題点は、れいわ新選組の現状の組織の問題点と重なると思っています。

それは、「党員」という存在がなく、党員とも支持者ともつかない人たちに、実質的に活動を支えてもらっているために、責任関係があいまいになっているということです。だから、個々の熱心なボランティアさんやネットで応援している人たちの言動に、党がどこまで責任を負うかはっきりしないという問題が出てきます。

松尾教授が指摘している問題以外に、ネット上に「なりすましアカウント」が存在していることが、さらに状況を複雑にしています。

こうした問題に関しても、今後しっかりと状況を注視していきたいと思います。


憲法9条変えさせないよ

プロ野球好きのただのオジサンが、冗談で「巨人ファーストの会」の話を「SAMEJIMA TIMES」にコメント投稿したことがきっかけで、ひょんなことから「筆者同盟」に加わることに。「憲法9条を次世代に」という一民間人の視点で、立憲野党とそれを支持するなかまたちに、叱咤激励と斬新な提案を届けます。

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