※この連載はSAMEJIMA TIMESの筆者同盟に参加するハンドルネーム「憲法9条変えさせないよ」さんが執筆しています。
<目次>
1.師走のれいわ新選組代表選挙
2.船出早々に立往生の高市政権
3.高市政権と対決ではなく提案
4.泉房穂がれいわを乗っ取る?
5.創価学会・公明党と連携を図る?
6.木村英子さんが代表選に出たら?
1.師走のれいわ新選組代表選挙
今年も師走が近づいてきましたが、今年の12月には、れいわ新選組の代表選挙が行われます。
おしゃべり会でも、参加者から質問が出ていました。
【LIVE】山本太郎とおしゃべり会2025年10月26日(長野県・長野市)
質問「今年のれいわ新選組の代表選挙の顔ぶれを教えてください。」頭出し済
現代表の山本太郎さんが出馬予定であること以外、現時点でどのような顔ぶれになるのか明らかではありません。
自民党とNHK党が統一会派を解消したこともあり、今後、来年に向けての日本の政治状況は、次のような形で推移しようとしています。
2026年国政対決構図(予測)
| 左派・中道系 | 右派・保守系 | |
| 業界団体、宗教団体、労働組合などが支持基盤(一部に草の根の市民を含む) | 国民民主党 公明党 立憲民主党 | 自由民主党 日本維新の会 |
| 草の根の市民が支持基盤(一部に業界団体、宗教団体、労働組合を含む) | 社会民主党 日本共産党 れいわ新選組 | 参政党 日本保守党 |
| その他少数政党および政治団体 | チームみらい、河村新党(年内設立予定)、NHK党 | |
次期衆院選の時期が近いのか遠いのか全く予断を許しませんが、次期衆院選で国民生活が良くなる形での政権交代を実現するには、①自民党と立憲民主党の対決で立憲民主党が勝って「比較第一党」の地位を奪い、②参政党とれいわ新選組の対決でれいわ新選組が勝って衆議院第3党に躍進して「キャスティングボート」を握る、という2つの条件を同時にクリアすることが必要になるものと思われます。
れいわ新選組が果たすべき役割について、山岸飛鳥さんがnoteでいろいろと論じておられますが、れいわ新選組に対して大いに期待を寄せている半面、「消費税廃止一本足打法」に陥っていることへの懸念も持っておられるようです。
いずれにしても、いま維新が握っている国政の「キャスティングボート」を、次期衆院選後に右派ポピュリズムの参政党が握るのか、あるいは左派ポピュリズムのれいわ新選組が握るのか、それによって日本の未来が大きく変わってくるのではないかと思います。
2.船出早々に立往生の高市政権
10月に船出した高市政権ですが、国会質疑で不用意に「台湾有事」に言及したことで、日中関係が急速に悪化し、早くも立往生してしまっています。
高市総理は発言を撤回する気はないようで、今後の展開としては、中国による日本への「経済制裁」が徐々に進んでいき、日本経済と国民生活がますます苦境に立たされてくることが予測されます。
そのような中で、れいわ新選組は高市政権とどのように対峙していくべきなのでしょうか。
3.高市政権と対決ではなく提案
山岸飛鳥さんが懸念していたれいわ新選組の「消費税廃止一本足打法」に関して、おしゃべり会でも参加者から疑義を呈されています。
【LIVE】山本太郎とおしゃべり会2025年10月13日(宮崎県・延岡市)
質問「消費税廃止を訴えても消費税は上がるばかりで変わらないので、何か別のことを無償化することに方向転換はできないのか?」頭出し済
この質問に対して山本太郎さんは「消費税廃止も(何らかの)無償化も両方やっていかないといけない」という旨の回答をしたのですが、質問者は納得いかなかったのか、再質問してだいぶ詰めていました。
この間のやり取りを見ていて、私が感じたことは、(質問者はそのような言い方をしていたわけではありませんが)「国民民主党が提案した『103万円の壁を動かす』や『ガソリン税暫定税率の廃止』は実現できたのに、れいわ新選組が提案している『消費税廃止』は結党から6年経っても実現できていないのだから、まずは現状の苦しい国民生活に鑑みて、何か実現しやすい要求項目を掲げて政府に提案していくべきではないか?」ということを山本太郎さんに対して突きつけようとしているのだな、ということです。
ここからは私個人の考えになりますが、今の高市政権に対して何か提案していくとするなら、以前は安倍晋三元総理を支持していて今は高市早苗総理を支持している「右派・岩盤支持層」の人が喜んで賛成するか、少なくとも是認できるような内容でないと、それが実行に移されることは難しいのではないかと思います。
そういう意味では、「安倍元総理が以前実行したか、あるいは実行しようとした政策を採り上げて、その政策を高市政権でも是非実行してほしい」というふうに話を持っていくのが、最も実現可能性が高い提案になると思います。
そこで、私のイチ押しの政策は、「特別定額給付金」の再実施です。
2020年のコロナ禍の際に、安倍政権下で国民全員に10万円の現金給付が実施されました。その当時、これでホッと一息ついた人も少なくないのではないかと思います。その「特別定額給付金」を高市政権下でも再度実施するように、提案するのです。
ロジックとしては、高市総理が、少子化か、物価高か、トランプ関税か、とにかく何か一つの要素を「国難」として認める国会答弁をするように誘導し、そのうえで「コロナ禍の国難の際には、安倍総理が決断して国民全員に『特別定額給付金』の10万円現金給付を実施されました。今回の国難に際しては、高市総理が決断して国民全員に『特別定額給付金』の10万円現金給付を実施されるべきではないですか?」と持ちかけるようにすればいいと思います。
高市総理が決断しさえすれば、安倍総理が実際に過去に行った政策ですから、「右派・岩盤支持層」は反対しないでしょうし、前例があるので財務省も強くは反対できないでしょう。
また、外交問題に関しては、ジャーナリストの白坂和哉さんが、次のようなアイデアを出されています。
高市首相にそっと教える!【存立危機事態】日本&中国Win-Winで解決できる唯一の方法!
2019年に当時の安倍総理が、中国の習近平国家主席に対して、国賓待遇で日本へ招待したいという旨の提案をしていました。
その後2020年にコロナ禍が起きてしまったためその提案は実現できないままとなってしまいましたが、「安倍元総理の後継者」を自任する高市総理は、安倍元総理が実現しようとして実現できなかったことを、今こそ実現すべきではないのか?
白坂和哉さんは、そのようなロジックで、中国の習近平国家主席を国賓待遇で日本へ招待することを提言しています。
これも、安倍総理が実際に実現しようとしていた政策ですから、「右派・岩盤支持層」は反対できないでしょうし、外務省も、実現できるものであれば是非実現したいと考えるでしょう。
ただ、これは外交で相手があることですので、適切なタイミングを見計らって「習近平国家主席の国賓待遇での日本招待」を提案するようにしないと、中国側に断られてしまう危険性もあります。
しばらくは日本の関係者が汗をかいて関係改善の努力を進めながら、中国側がある程度軟化してきたタイミングで「習近平国家主席の国賓待遇での日本招待」を提案すべきだと思います。
4.泉房穂がれいわを乗っ取る?
さて、れいわ新選組の代表選挙で、現代表の山本太郎さん以外に誰が出馬したら面白いか、ということを考えていきたいと思います。
れいわ新選組の代表選挙はユニークな制度になっていて、れいわ新選組の国会議員による推薦があれば、全く関係ない外部の人間も代表選挙に出馬することができます。
実際、3年前の2022年に行われたれいわ新選組の代表選挙には、評論家の古谷経衡さんが出馬し、一定程度、世間の話題を集めることができました。
そういう意味では、れいわ新選組が旗揚げした2019年からずっと国会議員を続けている木村英子さんが誰を推薦するかで、れいわ新選組の代表選挙が面白くなるかどうかが決まるのではないかと私は考えています。
木村英子さんは、元明石市長で現参議院議員の泉房穂さんとは、以前から面識があります。
泉房穂さんは無所属の立場で、かつ立憲民主党の院内会派に所属しているのですが、消費税に関しては、立憲民主党の唱える「食料品のみ非課税」ではなく、「一律で税率7%への減税」というアイデアを提案されています。
この提案は、パッと見「しょぼい」と感じられるかもしれませんが、今まで消費税の税率は、上がることはあっても、一度も下がったことはありません。
「財源ガー」という批判を最小限に抑え、まずは「消費税の税率を下げる」ということを実現して「前例」を作るために、下げ幅は小さくとも「消費税減税」を実現することは重要なのではないかと思います。
また、インボイスの「2割特例」は、来年の9月で終了する予定になっています。
フリーランスや個人事業主などを守るためには、来年の9月までに消費税のインボイス廃止を実現することが必要です。
その際に、「インボイスは悪法なので廃止すべきだ」と言えば、当然、財務省は反対するでしょう。
そこで、「消費税の税率が一律7%に引き下げられて、複数税率ではなくなるので、インボイスは必要なくなるということで、事務負担軽減のために廃止する」というふうに話を持っていって、財務省が表立って反対できないようにするのがよいのではないかと考えるのです。
泉房穂さんがれいわ新選組の代表になって、いわば「れいわ新選組を乗っ取る」形で「消費税率の一律7%への減税」の政策を進めていくことが、国政の活性化につながるのではないか、というのが私の考えで、そのために木村英子さんに泉房穂さんを代表候補に推薦してもらえばなぁ、というのが私の思いです。
5.創価学会・公明党と連携を図る?
しかし、れいわ新選組の支持者の中には、「立憲民主党とは手を組みたくない」と考える人も少なくないでしょう。
そういう意味では、立憲民主党との連携ではなく、公明党との連携を模索していくという考え方もあります。
「創価の変革、これですべてニッポンが変わる!」頭出し済
れいわ新選組の旗揚げの際の参院選で東京選挙区から出馬した野原善正さんが(自民党の悪政を止めるためには)「創価の変革、これですべてニッポンが変わる!」と演説しておられましたが、あれから6年経って、「瓢箪から駒」というのか、「公明党の連立離脱」が起き、実に26年ぶりに「平和・福祉の党」の野党・公明党がわたしたち大衆のもとに戻ってきました。
2025/11/5 衆議院本会議 代表質問 斉藤代表
結党から6年しか経っていないれいわ新選組とは違い、公明党には長年政治活動を続けてきたノウハウや経験の蓄積があります。
また、youtubeなどのウェブメディアでの配信のやり方に関しても、「公明党サブチャンネル」は、非常に見習うべきものがあります。
【緊急】石破総理がサブチャンネルに来てくれました
衆院選での連携を考えた場合も、例えば、大石晃子さんが大阪5区から比例単独に転出して小選挙区を公明党に譲り、その代わりに千葉11区の多ケ谷亮さんや沖縄4区の山川仁さんを公明党に推薦してもらうような形を採れるなら、両党にとって実りのある選挙協力にできる可能性があります。
そういう意味で、れいわ新選組の初期メンバーのよしみで木村英子さんが野原善正さんを連れてきて代表候補に推薦すれば、非常に面白いのではないかと思います。
6.木村英子さんが代表選に出たら?
しかし、その公明党も、今まで26年間、さんざん自民党と一緒に悪事を働いてきたのは紛れもない事実であり、やはり公明党とも連携することはできない、れいわは自主独立路線で行くべきだ、と考えるれいわ支持者の方も少なくないでしょう。
というわけで、自主独立路線で行くのなら、木村英子さんが代表選挙に出馬するのがよいのではないか、というのが支持者の声で、実際に「X」(旧twitter)で待望論が上がっています。
この場合には、木村英子さんを代表にして、共同代表には山本太郎さんと山本譲司さんの「W山本」を指名するのがよいのではないでしょうか。
もし木村英子さんがれいわ新選組の代表になるなら、れいわ新選組では初の女性代表ということになりますし、全ての国政政党を見渡してみても、重度障害者が国政政党の党首の座に就くのは、おそらく憲政史上初の出来事になるのではないかと思います。
果たして実際の代表選挙の立候補者の顔ぶれがどのような感じになるのか予測することはできませんが、れいわ新選組代表選挙で闊達な議論が行われて、「日本の未来を変える代表選挙」になることを期待します。

憲法9条変えさせないよ
プロ野球好きのただのオジサンが、冗談で「巨人ファーストの会」の話を「SAMEJIMA TIMES」にコメント投稿したことがきっかけで、ひょんなことから「筆者同盟」に加わることに。「憲法9条を次世代に」という一民間人の視点で、立憲野党とそれを支持するなかまたちに、叱咤激励と斬新な提案を届けます。