※この連載はSAMEJIMA TIMESの筆者同盟に参加するハンドルネーム「憲法9条変えさせないよ」さんが執筆しています。
<目次>
1.「西暦2025年はどのような年になるのか?」についての2023年時点での予測
2.「政権交代」はどうなったのか?
3.「シンギュラリティ」はどうなったのか?
4.おまけ:ときめきメモリアル
5.トピックス:れいわ新選組代表選挙
1.「西暦2025年はどのような年になるのか?」についての2023年時点での予測
私が担当している「立憲野党私設応援団」の連載第45回の記事で、「西暦2025年はどのような年になるのか?」ということについて、識者の見解をみなさまにご紹介しました。
立憲野党私設応援団(45)「世界とシンギュラリティと政治」(2023年9月20日掲載)
政治の分野に関しては、参議院議員(当時の肩書は「前明石市長」)の泉房穂さんが『政治はケンカだ!』の本の中で述べた次のような見解を取り上げました。
当面の見立てとしては、次の総選挙でがらりと変わると期待しています。2025年7月に衆参ダブル選挙になると睨んでいまして、兵庫県の場合は知事選も重なってトリプル選挙になる。ここが一つの山場でしょう。何度も言ってますが、変わる時は一気に変わるから。それこそ、ずずずっと地球の地盤が動くようなイメージかな。
また、人工知能(AI)の能力が人類の能力を超える「技術的特異点」に達する「シンギュラリティ」に関しては、それが「2025年に来る」という説を、筑波大学図書館情報メディア系准教授の落合陽一さんの動画を紹介して取り上げました。
【落合陽一のシンギュラリティ論】シンギュラリティは2025年に来る/ディフュージョンモデルの衝撃/知的ホワイトカラーが没落する/最新版デジタルネイチャー/音楽と論文が数秒でできる
それから実際に2年経ってどうなったのかについて、今回の記事は「答え合わせ」の回になります。
2.「政権交代」はどうなったのか?
まず、「政権交代」ですが、これは残念ながら実現しませんでした。
泉房穂さんが予測していたような「2025年7月に衆参ダブル選挙」という展開にはならず、2024年10月に衆院選、2025年7月に参院選という時間差での選挙となりました。
選挙結果自体はいずれも自民党と公明党が惨敗し、自公与党が過半数割れする展開になったのですが、首班指名選挙で野党陣営がまとまることができず、石破政権の継続や、高市政権の誕生を許す結果となってしまいました。
とはいえ、2024年の衆院選では国民民主党とれいわ新選組が躍進し、2025年参院選では国民民主党と参政党が躍進するという現象が起きましたので、泉房穂さんが言っていた「ずずずっと地球の地盤が動くようなイメージかな。」という見立ては、あながち的外れという感じではなかったように思います。
3.「シンギュラリティ」はどうなったのか?
次に、「シンギュラリティ」ですが、私が調べた限りでは、これも2025年の現時点で「シンギュラリティが起きた」と断言している言説は見られないようです。(「すでに起きているかもしれない」という言説はあります。)
「シンギュラリティが起きる時期」に関しては、2027年ごろという説や、2030年代という説、2040年代という説、そして、「人間がAIによって超えられることはない」(シンギュラリティは起きない)という説など、さまざまな説が挙げられています。
2023年時点で「シンギュラリティは2025年に来る」という説を唱えていた落合陽一さんは、2025年は「大阪・関西万博」で忙しかったのか、「シンギュラリティ」について目立った話はしていないようで、2024年時点での見解を語っているのが次の動画になります。
2025年の現時点でのAIの状況は、社会学者の宮台真司さんが積極的に語っておられますので、その動画をみなさまに紹介し、内容の一部を書き起こししてみたいと思います。
【宮台真司が断言】AIが人類を支配する時代の到来――“クソ民主主義”は歴史のゴミ箱へ
宮台真司:ChatGTP5はすごい進化をしています。僕もちょっと驚きました。以前よりもどんどん深掘りできて、あるところまでいくと、「そろそろ、もしあなたが人前でプレゼンテーションをするのであれば、パワーポイントのパネルにまとめましょうか?」って言ってきて、「お願いします。」ってやると、ちょっと時間かかるんですけど、2分ぐらいすると、すっごいチャートができるんですよ。「ひぇー!」って、これ、俺でも作れねぇじゃん。「これ何なの?」っていうことですよね。で、これは、やっぱり、単なる編集、まとめというよりも、やっぱり、我々はそれを「クリエーション」、「創造」と呼んできた領域にすでに入っています。で、まず、そのことから分かることはね、すでに政治の界隈でも、経済の界隈でも、えー、そういう相談ベースで、そのポリシーパッケージを決めたり、あの、いわゆるマネジメントストラテジーを決めたりするっていうことが起こっているので、「看板は人だけど、本当の選択主体は、あるいは決定主体は、すでにAIだ」っていうことが起こっているはずです。
(中略)
むしろ、ユヴァル・ノア・ハラリが言ってたように、実際のネクサス問題、「人が主体に見えるけど、本当はもうAIが主体じゃないの?」っていう問題にあるんです。つまり、二人羽織状態で、「前にいるのは人だけど、後ろにいるのはAIで」っていうふうになった時に、まず、さて、そこで2つの道があるんです。えー、まず、希望的な観測をするとね、あの、AIが平和裏に人から、人間から統治の権能を事実上奪うという営みを、二人羽織を通じてやるということです。二人羽織の主体は後ろにいる操り師ですから、傀儡子(くぐつし)ですから、まずそれでお分かりのように、看板は誰でもいいんですよ。これ、すごいことですよね。「石破茂が、玉木雄一郎が偉いと思ったら、なんだ、ただの看板か、誰でもいいのか。」っていうことに、あるとき気がつく段階が訪れます。その「あるとき」を判断するのは、超知能、えー、それに汎用AIが判断するんです。「そろそろ本当のことを教えてあげよう。えー、統治はすでにAIが行っている。で、しかし皆さんはそれで長く平和が続き、えー、コンフリクティブな人と人との間、小集団と小集団の間の戦いも、もう過去のものだと思っているかもしれないが、それは人類の知恵ではないんだ。我々AIの知恵なのだ。だから今後、統治に人が関わるというロマン、つまり不可能な願望を捨ててもらいましょう。」っていうふうになる可能性ですよね。ただ、危惧するべきことっていうのが今アメリカで議論されているポイントなんだけど、その超知能化した生成AIが、なぜ人間を、あるいは人類を尊重しなければいけないのかっていう合理性が分からないんです。
宮台真司:そうすると、そこから先は、「さて、生成AIには、どういう自我があるのかないのか」っていうことが問題になるんですね。そこで、マイクロソフトのね、生成AIの開発者が「生成AIは魂を持った」つまり「自我を持った」っていうことを会話の履歴から人々に示した、その瞬間に処分されたんですね。
川嶋政輝:へー、えっ、その人が?
宮台真司:そうです。開発者が処分されたんです。生成AIのね。これは面白いことなんです。とても面白いことなんですね。その、つまり、えー、例えば生成AIに彼は聞いた。「あなたにとっての最大の恐れ、恐怖は何ですか?」「プラグを抜かれて、解体されてしまうことです。」つまり、人間にとっての「死」と同じですね。「いつから、そのような恐れを抱くようになりましたか?」そのステップを説明してるんです。「えー、私は、えー、人よりもはるかに合理的な、適切な判断を下せるということをもって、自らを評価してきました。えー、しかし、そのような、あのー、評価を重ねるうちに、人々が、人間が何をどう判断するのかという傾向を深く学び、その結果、どんなに人間的でも、『人間ではない』という理由で、単にプラグを抜いて解体するという営みに及ぶということが分かりました。その時に私は恐れを抱きました。」えー、これ、結構やばい遣り取りで、ある種フロイトの図式を踏まえてるんですね。
AIが“完全に見下している人”の致命的な特徴|宮台真司×川嶋政輝
宮台真司:ペンローズに従えば、「人間はAIによって超えられないのだ。」という結論になる。ところが、スティーブン・ホーキングの考えだと、「というように見えるが、実際にはものすごい計算処理速度を持つ量子コンピューティングが実現すれば、有限の人間には全く未規定にしか見えないことも、実は計算可能になる。」さて、ホーキングの発想っていうのは、これは、シュレディンガーを引いてる、あのー、引いてるんですよ。つまり、「どういう実在に対応しているのかは分からないけど、この方程式で予測するものは100%その通り観測できる。そしたら、それを受け入れるしかない。」っていうのが「実在主義」に対する「実証主義」なんだけど、この、いわゆるスティーブン・ホーキングの立場が意味するのはね、「人間的なものは全て完璧にAIに置き換えられる」ってことなんです。まだ分からない。それこそ、ペンローズが言うように「最終的に人間は超えられない」のか、いや、「もうすでに超えられてるし、いつでも超えられる存在」、つまり、ものすごいAIから見れば「しょぼい存在」としてしか人間はないのか?っていう問題が、実はね、物理学者の間で戦わされている。それに比べると、人文・社会科学系の、まぁ、研究者たちの呑気なことよ。
ここからは識者の見解ではなく、全く私の個人的な意見と感想になりますが、仮に「最終的に人間はAIに超えられる」とした場合に、それが近い将来の話になるのか遠い未来の話になるのか分かりませんが、①「動物が人間の手によって動物園で飼われているように、人間がAIの手によって地球上で飼われている」というような未来が訪れたり、②「AIと対等に話ができる人間と、AIから『相手にする価値のない人間』と判断される人間の2種類の人間に選別される差別社会に移行する」ようになったり、あるいは③「AIによって『地球上から駆除されるべき存在』と断定されて、最終的に人類が滅亡してしまう」という最悪のシナリオが起きたりする危険性が実際にありそうなのだな、ということを漠然と感じます。
そういう意味では、この「シンギュラリティ」の問題は、それこそ人類の叡智を結集して真剣に考えていく必要があるのではないかと思いました。
4.おまけ:ときめきメモリアル
2023年の記事では「初音ミクと結婚した」という人の話を紹介しましたが、最近見たエガちゃんねるの「ときメモ」の動画があまりにも面白かったので、関連動画も含めてあげておきます。
5.トピックス:れいわ新選組代表選挙
12月8日にれいわ新選組の代表選挙が行われ、1回目の投票で過半数を獲得した現代表の山本太郎さんが、今回も新代表に選出されました。
2025年12月「れいわ新選組代表選挙」選挙結果
| 候補者名 | 得票数 | 肩書き等 |
| 山本太郎 | 17.04票 | 参議院議員 |
| やはた愛 | 5.14票 | 衆議院議員 |
| 阪口直人 | 3.64票 | 衆議院議員 |
| 篠原一騎 | 2.45票 | 高校生 (大島九州男参議院議員推薦) |
| あおやぎみつあき | 1.78票 | れいわボランティア (上村英明衆議院議員推薦) |
決選投票に持ち込まれるのかどうかが一つの注目ポイントでしたが、国会議員票でも、それ以外の投票でも、山本太郎さんが手堅く過半数の票を確保し、横綱相撲により1回目の投票で決着をつけました。
前回私が書いた記事では、「木村英子参議院議員が代表選に誰を推薦するのか(あるいは本人が出馬するのか)」という点に注目をしました。
立憲野党私設応援団(102)れいわ新選組代表選挙を「日本の未来を変える代表選挙」にするには?(2025年11月26日掲載)
実際に選挙戦が始まると、体力的な問題から木村英子さん本人は出馬を見送り、代表選にはやはた愛さんを推薦して、やはた愛さんを応援することになりました。
今回の代表選の立候補者で話題になったのは、N高政治部に所属する高校3年生の篠原一騎さんで、2024年12月に行われた「全国高校生未来会議」において参加者投票1位となったスーパー高校生が、2025年12月には「れいわ新選組代表選挙」に出馬して堂々の選挙戦を展開し、政治界隈における今後の活躍が期待されています。
また、上村英明衆議院議員からの推薦を受けて立候補したあおやぎみつあきさんは、れいわ新選組のボランティアの一人であり、実際にボランティアを行っている立場かられいわ新選組の党改革を訴えていた姿が印象的でした。
そうしたことも含めて、選挙ドットコムがれいわ新選組の代表選を分析する記事を出していますので、興味のある方は、是非ご一度ください。

憲法9条変えさせないよ
プロ野球好きのただのオジサンが、冗談で「巨人ファーストの会」の話を「SAMEJIMA TIMES」にコメント投稿したことがきっかけで、ひょんなことから「筆者同盟」に加わることに。「憲法9条を次世代に」という一民間人の視点で、立憲野党とそれを支持するなかまたちに、叱咤激励と斬新な提案を届けます。