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立憲野党私設応援団(41)「思い出格差」の問題について考えてみる〜憲法9条変えさせないよ

※この連載はSAMEJIMA TIMESの筆者同盟に参加するハンドルネーム「憲法9条変えさせないよ」さんが執筆しています。


<目次>

0.トピックス:止まらない立憲民主党の「離党ドミノ」

1.「思い出格差」の問題について

2.子どもの「思い出格差」

3.若者の「思い出格差」

4.大人の「思い出格差」

5.おまけ①:危機脱出法

6.おまけ②:夏の決心


0.トピックス:止まらない立憲民主党の「離党ドミノ」

立憲民主党の「離党ドミノ」が止まりません。

2021年衆院選の際にれいわ新選組の「おしゃべり会」に押し掛けて「とっても残念です!」、「だから降ろして下さい!」と叫んだ女性の方が今もし見ていたら、一言申し上げたいですね。

残念!

1.「思い出格差」の問題について

格差の問題と言えば「経済格差」のことを思い浮かべがちですが、今日は少し趣向を変えて、「思い出格差」の問題について考えてみたいと思います。

次に論じる「子どもの思い出格差」に関しては世の中で語られている一般的な議論になりますが、「若者の思い出格差」と「大人の思い出格差」に関しては私の個人的な思い付きの議論になります。

どの程度妥当性があるかについては、お読みいただいた皆様でそれぞれご判断いただければ幸いです。

2.子どもの「思い出格差」

「『夏休みの思い出』というタイトルの作文を書く」という小学生の夏休みの宿題をするのが難しい子どもがいる、という話が、毎日小学生新聞の記事に載っています。

毎日小学生新聞 「ふつう」に生きるということ/6 思い出格差の影

夏休みにハワイ旅行に行く家庭や、家族でキャンプに出掛ける家庭もあれば、夏休みにどこにも行けない子どもや、学校の給食がないため満足に食事もできずに激ヤセしてしまう子どももいるという今の日本の現実は、親世代の経済格差の反映になってしまっています。

こうした問題を改善するために取り組みを行おうとする民間の動きもあるようです。

GLOBIS知見録 「思い出にはお金がかかる」子供の体験格差、貧困・孤立の連鎖を断ち切るには

ここからは私の個人的な意見ですが、「夏休みの思い出」には親世代の経済格差が表れてしまうのだとしても、小学校や中学校で学校行事として行われている運動会や体育祭、遠足や修学旅行などは、ある程度どの子どもにも平等に「子ども時代の思い出」を提供するという機能を果たしているのではないかと思います。

3.若者の「思い出格差」

そういう意味で、どの家庭の子どもにも一定程度平等な思い出を提供する役割を果たしているのが学校の運動会や体育祭、遠足や修学旅行なのですが、ここ数年は、コロナ禍の影響により、そのような学校行事を十全に実施することができていない例も数多く発生していました。

コロナ禍の最初の年に大学4年生だった若者の中には、「予定していた卒業旅行に行けないまま社会人になってしまった」というような人もいます。

この数年のコロナ禍の下では、修学旅行に行けなかった中学生や高校生、あるいは、行けたとしても先輩たちの旅行先とは異なる近場の行き先で短い日程の旅行を甘受せざるを得なかったという若者がたくさんいます。

ほんの数年の学年の違いで、若者たちの間に「思い出格差」が生じてしまっているのです。

このような若者たちを救うために、政府は、今から5年後か10年後ぐらいの適切な時期に、「若者向け全国旅行支援」(仮称)を実施すべきではないかと私は考えています。

コロナ禍のせいで卒業旅行に行けなかった、修学旅行に行けなかった、修学旅行には行けたけれども先輩たちの行き先とは違う近場になってしまった、といった経験をした若者たちが「旅行の思い出」を取り戻すために、同じ大学、同じ高校、同じ中学の仲間と「幻の卒業旅行・修学旅行」に出掛ける企画を旅行会社が作り、それを政府が金銭的に支援して、若者たちが安価で旅行に行けるようにするのです。

一種の「利権」になってしまう側面もあるかもしれませんが、それでも、若者の「思い出格差」を少しでも解消するために、予算を投入する価値があるのではないか、と私は考えています。

4.大人の「思い出格差」

「思い出格差」があるのは若者や子どもたちばかりではありません。

私は、「大人の思い出格差」が今後じわじわと問題になってくるのではないかと考えています。

それは、「ロスジェネ・就職氷河期世代」の世代内での格差と、それ以外の世代との間の格差の問題です。

「ロスジェネ・就職氷河期世代」は、(特に男性の場合)「正社員として働いて、結婚して、子どもを儲けて、マイホームを建てるのが幸せ」といった旧来型の価値観で育ってきているので、結果としてそれが得られなかった時の喪失感(本人的に感じる「不幸」の度合い)が極めて大きなものになります。

正規雇用の職を得て、結婚し、子どもや孫に恵まれた人々は、「子どもの入学式、卒業式、成人式、結婚式」や「孫の入学式、卒業式、成人式、結婚式」といった2世代・3世代にわたるイベントが自分自身の人生の中でも「思い出に残る出来事」として一つ一つ積み重なっていき、結果として「自分が歩んできた人生には意味があった」と感じられ、幸福感を感じられる可能性が高くなります。

しかし、望まない形で非正規雇用の職に就かざるを得ず、経済的な理由等のために結婚をあきらめざるを得ず、あるいは人生の伴侶を得て結婚したとしても子どもを持つことをあきらめざるを得なかった人々は、子どもや孫がいることによる「ライフイベントの思い出」を積み重ねることができず、幸福感を喪失する形で年齢を積み重ねていかざるを得ない危険性が高くなってくるものと思われます。

筆者同盟の参加者の一人である丹羽崇史さんは、自らが「ロスジェネ」世代であることを明らかにしたうえで、「ものづくりの考古学者」として職を得るに至った経緯について記事に書かれています。

丹羽崇史 なぜ私は「ものづくりの考古学者」になったのか

丹羽崇史さんは、「分鋳法」や「蝋型鋳造法」といった「ものづくりの技術」という視点から中国・韓国・日本の青銅器の共通性や差異について研究を進めることで、現在お住まいの奈良の地で職を得ることができたのだそうです。

とても競争が激しい考古学の世界で定職を得られた丹羽崇史さんには大変な苦労と努力があったのではないかと想像しますが、私がこの話を読んで、ふと頭に思い浮かんできたのは、『First Love 初恋』というドラマの中の登場人物「占部旺太郎」の姿です。

デモクラシータイムス 『First Love 初恋』が描くロスジェネの時代とこれから

濱田岳さん演じる「占部旺太郎」の話が出てくるのは『デモクラシータイムス』の動画の41分過ぎぐらいのところからですが、そのセリフを拾ってみると、「大学の史学科で木簡を研究してたんだけど」、「就職の面接で、100社全部落ちて」、「不運・不遇・受難と書いて占部旺太郎です」という強烈なフレーズが続いて、さらに、ロスジェネ世代の政治学者である五野井郁夫さんが「木簡を読む自由」という話について延々と語っています。

自分に何かやりたいことがあって、自分がやりたい仕事に就くことができた人は、それだけでかなり幸福感に満ちた人生を歩むことができているのではないかと思います。

それはたとえ「自分がなりたい職業そのもの」でなかったとしても、「プロ野球選手にはなれなかったが、高校の先生になって高校野球の監督をしている」とか、「リトルリーグの指導をしている」というように「別な形で」自分の夢を叶えているという人たちはたくさんいます。

そのような人々は「自らが歩む人生の意味」について否定的な感情を抱く可能性は低いのではないかと思うのですが、「普通に会社員になって仕事をして家庭を築きたかったが、希望に反して非正規雇用の職しか得られず、結婚もできずに一人暮らしが続いている」という人々は、年齢を重ねるにつれて「自らが歩む人生の意味」について否定的な感情を抱くようになる危険性が高いのではないかと思われます。

ビジネスや、学問や、芸術や、芸能活動、政治活動、宗教活動など、何らかの活動に自分が夢中になって、結果的に家庭を築く暇がなかった、というような人であれば、一人であったとしても「孤独に生きる悲哀」を感じる可能性は低いのでしょうが、「意識的にそれを望んだわけでもないのに孤独が続く」という人々は、これから何らかの形で「幸福感」を感じることができる瞬間をできるだけ多く創出していかない限り、どんどん「『無敵の人』予備軍」になる人が増えていって、その中から一定の割合の人が確率論的に自分や他人の命を奪う所業に出てしまう危険性が高くなるのではないかと危惧します。

ある程度年齢を重ねた大人に「幸福感」をもたらすための方法としては、「旅行」の機会を提供するという方法が考えられます。

ちなみに、戦前のナチスドイツには「歓喜力行団」という組織があり、大型クルーズ船によるリゾート地への長期旅行や、鉄道などの移動手段による安価な短期旅行を供給して、労働者にとって「高嶺の花」だったレジャー活動の楽しみを享受できるようにしたのだそうです。

そのようなナチスドイツの手法を真似すべきかどうかという問題もありますが、私個人の考えとしては、第2次世界大戦から「戦後101年」となる西暦2046年に「日韓共催サッカーW杯」を開催して、日本と韓国で国を挙げて盛り上がるという「イベントがもたらす幸福感」の力に期待したいと思っています。

憲法9条変えさせないよ 日韓共催W杯をもう一度見てみたい

また、筆者同盟の参加者の一人である今滝美紀さんの記事を読んで思ったことですが、考えてみれば日本は女子サッカーW杯の数少ない優勝国の一つでもありますから、例えば「戦後102年」となる西暦2047年に「日韓共催女子サッカーW杯」を開催し、日本と韓国で国を挙げて盛り上がるという方法もあるかもしれません。

今滝美紀 ニュージーランドのアーダーン前首相と女子サッカーワールドカップが熱狂的マニアを生んだ秘密とは?

五輪や万博はさすがに「オワコン」感が強いですが、サッカーのワールドカップであれば、開催都市が複数の都市になりますので、「一都市だけの経済利権」という側面よりも「国全体で盛り上がるお祭り」という側面をより強く享受できるのではないかと期待できます。

また、「ロスジェネ・就職氷河期世代」が「『キャプテン翼』を見て育った世代」と重なる面があることから、そういう意味でも、サッカーの力で人々に「夢」を与えてほしいと願っています。

もちろん、ワールドカップは「ロスジェネ・就職氷河期世代」だけではなく全ての世代の人々に「幸福感」を与えることができるコンテンツだと思いますが、もし西暦2046年(戦後101年)の「日韓共催サッカーW杯」もしくは西暦2047年(戦後102年)の「日韓共催女子サッカーW杯」の招致に成功できるなら、その頃に65歳を超えて「高齢者」と呼ばれるようになり、「人生の卒業式」を迎える日のことが少しずつ視野に入ってくる「ロスジェネ・就職氷河期世代」にとっては、特に「一筋の希望」と(晩年の)素敵な「人生の思い出」として感じられることでしょう。

全ての人に等しく「素敵な人生の思い出」をもたらしてくれるイベントとしての「(男子もしくは女子)サッカーワールドカップ」の力に、私は大いに期待しています。

5.おまけ①:危機脱出法

拘束されて手を縛られた場合の脱出法を実演している動画がありますので、夏休み期間中の万が一の際の「危機回避」に役立てばと思い、皆様に紹介します。

6.おまけ②:夏の決心

今年の夏休みが、小学生や中学生のみなさん、そして小学生や中学生のお子さんがおられるご家庭にとって素敵な思い出を作れる夏休みになりますように、願いを込めて、大江千里さんの「夏の決心」の動画を載せておきます。

大江千里「夏の決心」


憲法9条変えさせないよ

プロ野球好きのただのオジサンが、冗談で「巨人ファーストの会」の話を「SAMEJIMA TIMES」にコメント投稿したことがきっかけで、ひょんなことから「筆者同盟」に加わることに。「憲法9条を次世代に」という一民間人の視点で、立憲野党とそれを支持するなかまたちに、叱咤激励と斬新な提案を届けます。