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自民・公明・国民vs立憲・維新・れいわ・共産の対決構図が鮮明に〜臨時国会スタート、国民民主党の玉木代表は首相官邸で石破首相と会談し、立憲が反発する原発新増設を要請、企業団体献金廃止の野党案づくりには参加せず 

臨時国会が始まった。自公少数与党が国民民主党を引き込み、立憲民主党、維新、れいわ、共産の野党陣営と戦う構図が出来つつある。国民民主党は「野党」と「与党」の中間の「ゆ党」として、所得税減税やガソリン税減税を実現させるため、徐々に「与党」に近づいている。

石破茂首相は国会開会に先立ち、国民民主党の玉木雄一郎代表と首相官邸で会談した。首相は野党党首とは通常、国会内で会談する。首相官邸での会談は、玉木代表を与党党首として扱ったといっていい。

国民民主党の賛成なしには国会で予算案も法案も成立させることができない。国民民主党が反旗を翻して野党陣営に立ち戻った時点で、いつでも内閣不信任案が可決されてしまう。国民民主党の目玉公約である所得税減税やガソリン税減税を大幅に受け入れ、国民民主党を引き込むしか政権続投の道はない。

自民党内では、総選挙に惨敗した石破首相への不満が広がっている。ただし、いますぐ「石破おろし」に動いても、少数与党の国会運営で行き詰まることが目に見えている。このため、来春の予算成立までは石破首相に少数与党政権の運営を委ね、予算成立後に来夏の参院選に向けて首相を差し替えるというのが自民党内の大勢の空気だ。

石破首相も「国民民主党の主張を受け入れなければ予算案も法案も成立しない」とし、少数与党を逆手にとって自民党内の反発を抑え込む狙いだ。国民民主党頼みの政権運営が続く。

玉木代表は石破首相と党首会談を行う一方、立憲民主党が呼びかけた企業団体献金の全面禁止を柱とする野党案をつくる協議には欠席した。

立憲、維新、れいわ、共産が企業団体献金の全面禁止を訴える一方、国民民主党は総選挙でも企業団体献金の全面禁止に踏み込まなかった。企業団体献金の全面禁止に強く反対する自民党との連携を総選挙前から視野に入れていたためだ。

玉木代表は石破首相との会談で、原発の新増設も要請した。立憲党内には原発の新増設に反対する意見が強く、玉木代表は立憲と距離を置く姿勢を鮮明にするため、あえて石破首相に原発の新増設を要請したとみられる。

国民民主党が野党ではなく、自公寄りの姿勢を鮮明にしたことで、この臨時国会、そして年明けの通常国会の対決構図が固まった。予算成立までは「自公国vs立憲・維新・れいわ・共産」という対決構図になる。

ただし、野党は一枚岩ではない。

維新は12月1日の代表選で吉村新体制が誕生する見通しだ。吉村氏は自公批判を強める一方、大阪に政党運営の軸足を移し、自公与党とは距離を置くとみられ、立憲との共闘も是々非々となりそうだ。

れいわは減税政策を柱としており、増税志向の立憲とは一線を画している。企業団体献金の全面禁止に賛成するものの、立憲が呼びかけた野党案とりまとめの会談は欠席した。

国会で立憲と共同歩調をとるのは共産党だけという状況になりそうだ。

今後の政局の行方を左右するのは、なんといっても国民民主党だ。

玉木代表は自らの不倫問題で、自公との協議が決着する年末時点で進退を判断すると表明している。玉木代表が辞任すれば、国民民主党の内部が混迷する可能性もあり、自公国の連携路線は盤石ではない。

国民民主党は自公与党に接近しすぎると、自公政権の延命に手を貸したという批判を浴び、来夏の参院選で惨敗する恐れがある。ただちに自公連立に加わるのは難しく、どっちつかずの立ち位置を続けていく可能性が高い。

所得税減税などが盛り込まれた予算が成立する来春までは、国民民主党が野党陣営に立ち戻ることはないが、予算成立後は来夏の参院選にむけて、自公与党との対決姿勢に転じる可能性がある。総選挙で掲げた消費税減税を持ち出し、自公連携路線に終止符を打つ展開も予想される。

国民民主党は連合を介して参院選では立憲民主党と選挙協力する余地を残しており、与党と野党の間の「ゆ党」としてたくみに立ち回る方針だ。しかし、どっちつかずの姿勢が批判を浴びる可能性もあり、勢いを維持できるかどうかは見通せない。

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