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4月から食品の「無添加」表示が禁止に!自民党政権の呆れる「弱肉強食」大企業優遇策

週刊誌「女性自身」が3月末に報じた「食卓が添加物だらけに…4月から食品の「無添加」表示禁止に識者が警鐘」がSNSで飛び交っている。

私たちの暮らしに直結するこれほど重大なニュースをテレビや新聞がほとんど報じないのはなぜだろう。

ここ数年、テレビや新聞が大々的に報じるのは「東京五輪」「ワクチン接種」「ロシア批判」など政府が報じてほしい内容ばかり。政府のプロパガンダ機関と化している。かなりの偏向報道ぶりだ。

政府に不都合な事実を報じるのは週刊誌やネットメディアばかりである。

今回の「女性自身」の記事も立派なジャーナリズムであると思う。きょうはこれを紹介したい。

消費者庁が「食品添加物表示制度」を改正し、4月製造分から「無添加」「着色料不使用」などと商品パッケージに表示することを制限した。味噌や野菜飲料などから「無添加」「不使用」という表示が消えるというのだ。

できるだけ添加物を避けるために表示をくまなくチェックしていた消費者にとってはショックな話である。「健康志向」に逆行することを消費者庁が行うのはなぜだろう。

記事によると、新ルールの背景には大手食品会社の思惑があるという。

添加物を使用した加工食品を大量生産して安く売る大手に対抗し、小規模の食品会社ほど「無添加」や「着色料不使用」の食品を開発して独自色を出そうと企業努力を重ねてきた。これらの表示を禁じることは、消費者の健康志向に訴えて商品の差別化を図る中小の食品会社には大打撃となり、大手を利することになるというのである。

記事は「採算があわないので、もう無添加の商品は作らない」というメーカーが出てくるという関係者の声も紹介している。表示できなくなれば、わざわざコストをかけて作る企業が減るのは当然だ。気づかないうちに食卓が食品添加物だらけになるという記事の指摘は、的を射たものだろう。

消費者庁の大企業優遇は今に始まったことではない。

2020年7月には、添加物のネガティブなイメージを軽減するために「人工甘味料」の「人工」や、「合成保存料」の「合成」といった表示を、国会での議論を経ることなく表示用語から削除した。それを受けて4月から「人工甘味料不使用」とパッケージに記載した商品は原則販売できないことになるという。

またもや自民党政権の「大企業びいき」というわけだ。消費税にしろ、ガソリン高騰に伴う石油元売り会社への補助金にしろ、電通やパソナの「中抜き」にしろ、自民党政権の政策は「大企業優遇」ばかりである。

消費者庁が「添加物」の表示を禁じるのは「国が認めた添加物は安全」という前提に立っている。「お上が決めたことに間違いはない」という上から目線だ。

これに対し、女性自身の記事は「添加物の安全評価は極めてあいまい」「評価基準となる実験はマウスなど動物のみ」「医療品のようにヒトに対する臨床実験は行われていない」「お酒に強い弱いがあるように個人差が存在する」として厳しく批判している。

日本では使用が認められていても、海外では禁止されている添加物も多く、あとからリスクが報告されたこともあるという。

そもそも自民党政権は大企業優遇なのだから、彼らがつくる「評価基準」も消費者よりも大企業の声に耳を傾けて作られていると考えたほうがよい。「評価基準」づくりにかかわった「専門家」は自民党政権が選んでいる。その「評価基準」に適しているからといって絶対に「安全」と判断してよいものか。

原発事故後の食品や汚染水に対する国内外の不安が解消されないのも、この国の「安全基準」に対する不信感の現れであろう。

そしてマスコミは自民党政権がつくった「安全基準」を厳しい目でチェックするのではなく、それを鵜呑みにして「安全基準を満たしている」と後押ししている。マスコミもまたスポンサーである大企業の意向を無視はできないのである。

政界、官界、財界、マスコミ界の癒着の前に、消費者の安全は後回しにされるばかりだ。

コロナワクチンの接種でも、自民党政権やマスコミはリスクをほとんど説明しないでメリットばかりを強調し「ワクチン神話」を振り撒いてきた。本来はひとりひとりの体質や年齢などを考慮し、ワクチン接種のメリットとリスクを慎重に検討して接種の有無を決めるべきなのに、国民に横一列に接種を奨励し、さらには未接種者が不利益を被るような施策を実施して接種に追い込んでいく。国家(大企業)を個人(消費者)よりも優先する政治そのものだ。

超金融緩和による円安株高と大胆な労働市場の規制緩和を強引に進めたアベノミクスのもとで、海外輸出を軸とする大手製造業は大いに潤い、株価はバブル期以来の高値を更新し、株主や大企業は富を蓄え続ける一方、労働者の賃金は一向に上がらず、非正規雇用が増大し、貧富の格差は拡大した。

日本は人口が減少する衰退社会に突入し、全体のパイが細り続けるなかで、資産家や経営者ら富裕層の既得権ばかりが守られ、弱い立場の人ばかりが損をする「ルール」を、自民党政権はせっせとつくりあげてきたのである。

大手食品会社を利する食品表示ルールの変更も、「弱肉強食」に拍車をかける自民党政権らしい大企業優遇策である。自民党に代わる政権が誕生しなければ、「大企業優先・消費者軽視」の政策は延々と続くであろう。

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