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水道橋博士のうつ病休職、れいわは政治理念「誰一人見捨てない」を周知する機会に〜さらに痛みのわかる優しい政治家として復帰を

れいわ新選組の水道橋博士・参院議員がうつ病で休職することになった。

芸能界から政界へ60歳からの転職。そして、与野党から強まるれいわへの風当たり。さまざまなプレッシャーがあったことだろう。

私は参院選後、水道橋博士のYouTubeに招待されて対談した。若かりし日はジャーナリスト志望だったそうで、とても聞き上手だった。真面目で、誠実で、優しい人だと思った。

鮫島タイムスを読んで政治やれいわ新選組を勉強した、鮫島タイムスのYouTubeを家族に見せて参院選出馬を説得した、とも語ってくれた。

れいわの山本太郎代表が水道橋博士の休職について発表した文章はとてもよく出来ていた。特に以下の部分には思いがこもっていた。

国会議員が
うつ病で休職するということに対して、
ご批判の声があるかもしれませんが、
私はこれも非常に
意義のある決断だと思っています。

なぜなら、この国には、
過労や仕事を原因とした
精神疾患によって命を奪われてしまう人、
自ら命を絶ってしまう人が
多く存在するからです。

そんなこの国で、
この国に住む人々の代表である
国会議員が
率先して正直に病気について開示し、
休むという選択をすることは、
今、苦しい思いをしている人々が
立ち止まるひとつのきっかけに
なるかもしれません。

うつで苦しんでいる人はたくさんいる。水道橋博士を見捨てることなく、焦らすことなく、国政復帰をじっと待ち続ける。このような姿勢は、多くの人々の共感を得るに違いない。れいわにとっては「誰一人見捨てない」という政治理念を広く周知する機会となるだろう。

れいわは旗揚げした2019年参院選で難病患者の舩後靖彦氏、重度障害者の木村英子氏を比例区特定枠に掲げて当選させた(山本代表がふたりを優先的に当選させ、自らは個人名で全政党トップの99万票を得票しながら落選したことは衝撃的なニュースとなった)。今夏の参院選では世界で最も重い障害を持つ研究者といわれる天畠大輔氏を比例区特定枠で再び当選させた。

れいわの国会議員8人のうち3人は、多くの人々に支えられて日々の生活を送る「当事者」である。

そのような試みは、これまで政治の世界に声が届きにくかった弱い立場にある人々やそれらの人々をサポートする人々に着実に届いていると私は感じている。来春の統一地方選挙にむけて、全国各地で介護士や保育士ら社会保障の現場を担う人材がれいわ公認で出馬を決意するケースが相次いでいるのはその証左であろう。

その一方で、与野党の政治家、霞ヶ関のキャリア官僚、大手マスコミなど従来のエリート層に、この新興勢力の評判はすこぶる悪い。

れいわは自公与党ばかりか立憲民主党や日本維新の会など野党にも厳しい批判を投げかけ、財務省・経済界・マスコミなどのエリート層が推進してきた消費税に真っ向から反対して廃止を掲げており、とりわけエスタブリッシュメント(既得権益層)から憤怒に満ちた反発を浴びている。権威をまとった政治家や学者や記者が、国会議員がたった8人しかいない弱小少数政党に、何をそこまで感情をぶちまけ、嫌がらせをするのかと唖然とさせられる場面も少なくない。

それほどまでこの新しい政治集団は既得権益層にとって脅威なのだろう。

エリート同士が庶民から遠く離れたところでイデオロギー論争を重ねた従来型の「左右対決」の政治を、一握りの上級国民の既得権に多数の庶民が立ち向かう「上下対決」の政治へ転換させるエネルギーを、山本代表が率いるれいわ新選組には強く感じる。その政治姿勢を「ポピュリズム」と切り捨てるのは、エリートたちの自己保身でしかない。

水道橋博士には十分な休養をとって、心をリフレッシュして、国会へ戻ってきてほしい。これまで以上に「痛みのわかる優しい政治家」として復帰されることを心より願っています。

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