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首都・東京の参院選が面白すぎる!7議席をめぐる10人超の大激戦を最新情勢で大予測

今夏の参院選・東京選挙区が、かつてないほどの激戦となりつつある。

通常6議席の改選に、今回は補欠1議席が加わり、計7議席が争われる。これに対し、主要政党や新興勢力から10人を超える有力候補が名乗りを上げる構図だ。

いわば、壮絶な「東京サバイバル選挙」と言っていい。

鮫島タイムスは4月下旬に一度、各党の得票実績や支持率をもとに予測を立てた。トップ3は、国民民主党の新人・牛田茉友氏(元NHKアナウンサー)、公明党の川村貴大氏、そして共産党の吉良佳子氏。いずれも組織票や知名度を背景に、安定した支持が見込まれている。

問題は残る4議席だ。自民・立憲両党が2人ずつ擁立しているが、票の分散による共倒れリスクがある。現職の武見敬三氏(自民)と塩村あやか氏(立憲)に票を集中できるかがカギとなる。さらに、国民民主の2人目・奥村祥大氏、立憲の2人目・奥村政佳氏(偶然にも同姓)が割って入る構図も注目を集めている。

さらに、当時は未定だった維新、れいわ、そして石丸伸二氏が旗揚げした「再生の道」も、その後動きを見せたことで情勢は激変した。

自民党は「炎上人事」を撤回、大物擁立で再び攻勢へ

まず、自民党が擁立を予定していた2人目の候補が変更された。当初はリベラル寄りのコメンテーター、渡部カンコロンゴ氏の擁立が内定していたが、党内外で強い反発が起こり、撤回された。

代わって白羽の矢が立ったのは、競泳五輪金メダリストで初代スポーツ庁長官の鈴木大地氏。知名度抜群の「大物新人」だ。これは明らかに2議席を狙う戦略への転換だろう。自民党はここにきて、野党の支持低迷をチャンスと捉え、攻勢に転じた可能性がある。

もっとも、鈴木氏擁立により票が割れれば、かえって共倒れのリスクも高まる。現職の武見氏の足元は、予想以上に揺らいでいる。

維新・再生・れいわ 三者三様の戦略

維新の会は、元参院議員の音喜多駿氏を擁立する。かつて政調会長を務めたが、衆院への鞍替えを目指した昨年総選挙の東京1区では得票率16%と惨敗。維新の首都圏戦略は崩壊しており、起死回生を狙う出馬となる。

再生の道は、在モスクワ日本大使館に勤務経験のある人材業界出身の吉田綾氏を擁立。都知事選で大健闘した石丸伸二氏が都議選をにらんで旗揚げした地域政党だったが、参院選にも候補を送り込むことで、存在感を高めたい意図が見える。

ただし都議選の候補辞退や、石丸氏自身の公選法違反疑惑など、順風とは言い難い。

れいわ新選組は候補者をまだ発表していないが、党代表の山本太郎氏が3年前に当選した選挙区でもあり、最重点区に位置づけている。政党支持率では維新を上回るなど勢いはある。有力候補として名前が挙がるのは、積極財政政策を担う長谷川ういこ氏だ。

最新情勢から大胆予測――4枠をめぐる攻防

以上を踏まえ、現時点での当選有力候補を予測すると、トップ3は変わらず牛田、川村、吉良の3氏。問題は残り4枠だ。

自民では、鈴木大地氏が知名度を活かして先行する可能性がある。逆に、現職の武見氏が苦戦に回るという逆転現象もあり得る。

立憲は全体の支持率が低迷しており、2人当選は困難。塩村氏に組織票を集中させることで1議席確保に動くだろう。国民の奥村祥大氏は、党勢の追い風に乗れば滑り込みもあり得る。

そして、れいわが候補者次第では1議席を確保する可能性が高い。すると、現時点で有力と見られる4人は、鈴木(自民)、塩村(立憲)、奥村(国民)、れいわの新人――という顔ぶれだ。

もちろん、武見氏の巻き返しや、吉田綾氏の「再生サプライズ」も捨てきれない。これほど読めない東京選挙区は、極めて珍しい。