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こちらアイスランド(96)一瞬の紅葉と優美な白糸の滝フロインフォッサル〜小倉悠加

アイスランド語の話は小休止で、今回はアイスランドの紅葉をお届けしたい。

アイスランドにはノルウェーのような大木の森林はない。けれど、灌木が生い茂る地域はあるため、期間がごく短いとはいえ、それなりに紅葉は見ることができる。特にブルーベリーの木の葉は色鮮やかな赤になるため、紅葉に大いに貢献してくれる。

「あそこにベリーの木があるぞ!」と山肌を見れば一目瞭然で、翌年まで覚えていれば、ベリー摘みの時期のベリー探しに役に立つこともある。とはいえ、木はあっても実が全くつかない地域も多いため、あまりいい指針とは言えない。

去年はF578号線沿いの紅葉を鮫島タイムズの読者へお届けした。この時に見た溶岩大地のダイナミックな景色が忘れられず、今年はこの道を北部まで走ってみたいとずっと思っていた。ところが、悪天候のため、そこまで遠出できずに時間切れ。

ごく短い時期しか楽しめない秋にどこへも行かないのは悔しいので、悪天候の合間を縫い、9月末にレイキャビクから2時間程度で訪れることのできる、フロインフォッサル(Hraunfossar)の滝へ足を伸ばした。

ここは川から水が流れ落ちる滝ではなく、溶岩の地層の部分から水が滲み出るタイプの滝だ。それも1キロに渡ってこのような景色が続き、実に美しい。細かな水流がずらっとひと並びする様は、どの季節に訪れても限りなく優美だ。こういうのを白糸の滝と呼んでいいのかな?

ピリリと冷たい空気に包まれた紅葉は、少し最盛期を逸していたとは思うが、狙い通り鮮やかな秋の色彩に出会うことができた。いつもの通り、私のiPhone写真でどこまで伝わるかはわからないけれど、写真をクリックして、画像を大きくして、雰囲気だけでもぜひどうぞ。

腕のいい写真家であれば、水の流れを綿飴のようにふわりと撮り、秋の気配とともに芸術的な写真にできたかと思う。遊歩道には、三脚と一眼レフを持った人の割合が多かった。レイキャビクからも近く、駐車場から徒歩1分ほどでこの景色。手軽、気軽に来ることのできる名勝地であることを再認識。

ここは1キロ続く滝の他にも、遊歩道を5分も歩けばバルナフォス(Barnafoss)という別の滝も見ることができる。遊歩道沿いには数カ所見晴台があり、溶岩台地へと向こう岸へ渡る橋もかかっている。

駐車場、カフェも完備されている観光に便利な場所なので、レイキャビクから足を伸ばせる人はぜひどうぞ。もしかすると冬季はカフェが閉まっている場合もあるので、詳細は調べてくださいね。

近隣の街はフサフェットル(Húsafell)。キャニオンバスという素敵な温泉もあるので、時間を作り一泊するのもお勧め。

日本も入国時の規制が緩和されて、海外旅行がしやすくなってきましたね。帰国時の入国規制のためにここ数年募集をかけられなかった私のツアーも、来年は出す予定です。みなさまぜひその時はご注目くださいね!個人観光の相談なども受けつける予定です。

小倉悠加(おぐら・ゆうか):東京生まれ。上智大学外国語学部卒。アイスランド政府外郭団体UTON公認アイスランド音楽大使。一言で表せる肩書きがなく、メディアコーディネーター、コラムニスト、翻訳家、カーペンターズ研究家等を仕事に応じて使い分けている。アイスランドとの出会いは2003年。アイスランド専門音楽レーベル・ショップを設立。独自企画のアイスランドツアーを10年以上催行。当地の音楽シーン、自然環境、性差別が少ないことに魅了され、子育て後に拠点を移す。好きなのは旅行、食べ歩き、編み物。自己紹介コラムはこちら

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