※この連載はSAMEJIMA TIMESの筆者同盟に参加するハンドルネーム「憲法9条変えさせないよ」さんが執筆しています。
<目次>
0.参院選へのプロローグ「杉並区長選挙」
1.「選挙の基本原則」は庶民の味方
2.自由民主党支持者のみなさまへ
3.立憲民主党支持者のみなさまへ
4.日本維新の会支持者のみなさまへ
5.公明党支持者のみなさまへ
6.国民民主党支持者のみなさまへ
7.日本共産党支持者のみなさまへ
8.れいわ新選組支持者のみなさまへ
9.社会民主党支持者のみなさまへ
10.NHK党支持者のみなさまへ
11.無党派層のみなさまへ
0.参院選へのプロローグ「杉並区長選挙」
今日はまず、参院選公示前の6月19日(日曜日)に行われた「杉並区長選挙」の話から。
当選:岸 本 さ と こ 76,743票
落選:田 中 良 76,556票
落選:田中ゆうたろう 19,487票
立憲民主党、共産党、れいわ新選組、社民党、生活者ネットワークが推薦する新人の岸本さとこさんが、現職区長の田中良さんを187票差の大接戦で破って、初当選を果たしました。
この選挙結果を参院選で野党共闘が成立している選挙区のシミュレーションをして捉えるならば、長いトンネルの先から光が差し込むのが見えてきた感じがします。
一方で、同じ6月19日(日曜日)に行われた「杉並区議会議員補欠選挙」は、このような結果になりました。
当選:へんみ純一(自民) 26,879票
落選:増田さちえ(共産) 25,181票
落選:倉本みか(無所属) 22,631票
落選:松本浩一(立憲) 21,076票
落選:宇田川ゆうじ(都ファ)20,609票
落選:鈴木ちづる(維新) 16,471票
落選:小林かやこ(無所属) 13,836票
落選:佐々木浩(無所属) 12,160票
落選:増田裕一(無所属) 10,407票
この選挙結果を参院選で野党候補が乱立している選挙区のシミュレーションとして捉えるならば、「戦略的投票」の重要性を改めて感じずにはいられません。
すなわち、「もし松本浩一さんに投票した立憲民主党の支持者の方のうち1,699人の方が共産党の増田さちえさんに投票していれば、自民党の候補者の当選を阻止することができたのに」という反実仮想です。
7月10日(日曜日)の参院選投票日には、このことも頭の中に入れたうえで、投票所へ足を運びましょう!
1.「選挙の基本原則」は庶民の味方
6月22日(水曜日)に公示され、参議院選挙が始まりました。参院選の選挙期間中、SAMEJIMA TIMESに「立憲野党私設応援団」の記事が掲載されるのは、今日のこの記事1回のみです。そこで今日は、「参院選2022選挙運動まつり」と題して、思いっきり選挙運動をしてみたいと思います。
最初に、「選挙の基本原則」として知られている4つの原則についての話から始めます。
普通選挙:納税額等にかかわらず一定年齢以上の全ての国民が選挙権を得る
平等選挙:有権者全員が1人1票を持つ
直接選挙:有権者が選挙人ではなく候補者を直接選んで投票する
秘密選挙:有権者が投票用紙に自らの氏名を記入することなく無記名で投票する
日本で「普通選挙」が実現したのは1925(大正14)年のことで、それまでは多額の税金を納めている一部の人しか選挙で投票することができませんでした。納税額等にかかわらず一定年齢以上の全ての国民が選挙権を得ることができる「普通選挙」という原則は、庶民の味方です。
また、お金持ちの人もあまりお金を持っていない人も全員が1人1票という「平等選挙」という原則も、庶民の味方です。例えば、AKB48の総選挙の場合には、お金持ちがCDをたくさん買うと1人で何票でも投票することができるので、「平等選挙」という原則が守られていません。国政選挙がそのような形になっていないことは、庶民にとっては非常に貴重なことです。
「直接選挙」にも意義があり、例えばアメリカの大統領選挙は「選挙人を選ぶ」という「間接選挙」の形式で選挙が行われます。その結果、得票数最多獲得の候補と選挙人最多獲得の候補が一致せず、2016年のアメリカ大統領選挙のように「ヒラリー候補の方が得票数が多かったが、トランプ候補の方が大統領選挙人の獲得数で上回り、トランプ大統領が誕生する」といった「選挙で示された民意と実際の選挙結果の乖離」が起きてしまうことがたまにあります。そのような「選挙で示された民意と実際の選挙結果の乖離」を生じさせずにストレートに民意を反映できるという点で、「直接選挙」という原則には大切な意味があります。
そして、私が一番強調したいのは「秘密選挙」の原則です。自分が誰に投票したのか他人に知られずに済むという「秘密選挙」は、投票の自由を守る極めて重要な原則です。例えば、会社の社長や上司から自民党の候補(あるいは自民党)への投票を依頼されるとか、労働組合の幹部や担当者から国民民主党の候補(あるいは国民民主党)への投票を依頼されるとか、創価学会に入会している友人や知人から公明党の候補(あるいは公明党)への投票を依頼されるとかいった経験をしたことのある有権者の方は少なくないのではないかと思います。実は私もその一人なのですが、普段の生活を送る中で、そのような「しがらみ」から自由でいることは、なかなか難しいことです。しかし、実際に投票所に行って投票すれば、誰に投票したのかを他人に知られずに投票することができますので、投票するよう依頼された候補や政党とは違う別の自分が本当に好きな候補や政党の名前を書くことは可能です。職場やご近所や学生時代からの友人関係など「しがらみ」の中で、はっきり断ることは実際なかなか難しいと思いますが、投票所に行きさえすれば、誰に投票するか自由です。庶民にとっての最大の武器である「投票の自由」を大いに活用しましょう!
2.自由民主党支持者のみなさまへ
昭和の時代に日本が高度経済成長を遂げた時、ずっと政権を担っていたのは自民党でした。今でも、国から予算を引っ張ってきて、地元の経済を活性化させるには、自民党の国会議員の先生にお願いをすることが必要ですよね。参院選の選挙区は、自民党の先生に投票しましょう。
しかし、戦争体験のある古賀誠先生や山崎拓先生が国会におられた頃の自民党とは違い、今の自民党は「絶対に戦争はしない」という気概もないまま火遊び的に防衛問題を扱う議員が増えてきているのではないでしょうか。平和な日本を守るために、そんな自民党をたしなめたいと考えておられる方は、比例で社民党の秋葉忠利さんか立憲民主党の辻元清美さんに投票していただけないでしょうか。
また、物価が高騰する中で、自民党の経済政策の腰が定まっていません。安倍晋三総理の時にはコロナ禍において機敏に決断し全国民に1人10万円の特別定額給付金を給付しましたが、岸田文雄総理は「消費税の減税は、私たちは考えません。」と繰り返すばかりで、有効な施策を実行できていません。財務官僚の話を聞くばかりで経済政策の実行が伴わない岸田総理にお灸を据えたいと考えておられる方は、比例でれいわ新選組の水道橋博士さんか参政党の武田邦彦さんに投票していただけないでしょうか。
どうぞよろしくお願いいたします。
3.立憲民主党支持者のみなさまへ
自民党と対峙する野党第一党として、参院選における立憲民主党の議席の増減は、今後の日本の政治を大きく左右します。比例は立憲民主党、選挙区は立憲民主党公認候補ということで、立憲民主党の支持者の方には頑張っていただきたいのですが、問題は、立憲民主党が公認候補を擁立していない選挙区について、どうするかということです。
立憲民主党が候補者を出していない選挙区に共産党が候補者を出していたら、ぜひ共産党の候補者に投票していただけないでしょうか。
共産党の候補者と国民民主党の候補者が競合する場合には、労働組合の組織の論理としては「国民民主党の候補者を応援」となるのでしょうが、野党共闘を支持する市民の論理としては「共産党の候補者を応援」すべきだと思います。
終盤国会に提出した内閣不信任案に反対した国民民主党と選挙で手を組み、内閣不信任案に賛成した共産党を選挙で袖にするというのでは、全く筋が通りません。
立憲民主党の支持者のみなさまにおかれましては、ぜひ「公器」である野党第一党を支持する市民としての矜持をお示しいただければと思います。
どうぞ宜しくお願いいたします。
4.日本維新の会支持者のみなさまへ
「身を切る改革」を掲げて日本の現状を刷新していこうとする維新の政治姿勢は、日本の政治に大きな波紋を投げかけました。
立憲民主党から野党第一党の座を奪おうとするみなさまの挑戦は、大いに注目を集めているところです。
今回の参院選、比例は日本維新の会、選挙区は日本維新の会公認候補ということで頑張っていただきたいのですが、日本維新の会の公認候補がいない選挙区につきましては、ぜひ自民党の候補者ではなく野党の候補者に1票を投じていただけないでしょうか。
維新のみなさんは自民党とは是々非々で向き合っておられるとは思いますが、自民党の岸田総理は物価高騰が続く現状においても「消費税の減税は、私たちは考えません。」という姿勢を崩していません。
維新のみなさまも主張している消費税減税の実現に向けて、岸田総理にお灸を据えるべく、ぜひ野党の候補者に1票をお願いいたします。
5.公明党支持者のみなさまへ
「大衆福祉の党」「平和の党」をアイデンティティーとする公明党は、自民党と連立政権を組むなかで、「自民党のブレーキ役」として、一定の役割を果たしてきました。消費税の税率が10%になるなかで、食料品などの生活必需品が8%の軽減税率になっていることは、物価の高騰が続く現状においてホッと一息つくことができるようになっている大変ありがたい政策であり、公明党の方々のご努力の賜物であると感謝申し上げます。
今回の参院選、比例は公明党、選挙区は公明党公認候補ということで頑張っていただきたいのですが、公明党の公認候補がいない選挙区につきましては、ぜひ自民党の候補者ではなく野党の候補者に1票を投じていただけないでしょうか。
公明党のみなさんが「自民党のブレーキ役」として大きな役割を果たすことができるのは、「自民党が単独では過半数を維持できず、公明党の議席と合わせてようやく過半数を確保できる」という状況が生まれた時です。
自民党を勝たせ過ぎると、かえって公明党のみなさんが軽んじられる結果となります。
もし自民党が大勝して、その勢いで軍拡に走るようになった場合に、公明党のみなさんの力だけで、自民党にブレーキをかけることは可能でしょうか。
自民党を勝たせ過ぎないよう、選挙区での自民党候補への応援はほどほどでお願いいたします。
『まんが・わたしたちの平和憲法』
(http://seoul-life.blog.jp/archives/62149212.html)
6.国民民主党支持者のみなさまへ
「つくろう、新しい答え。」を合言葉に独自の路線を追求する国民民主党の政治姿勢は、政界の中でも異彩を放っています。
今回の参院選、比例は国民民主党、選挙区は国民民主党公認候補ということで頑張っていただきたいのですが、国民民主党の公認候補がいない選挙区につきましては、ぜひ自民党の候補者ではなく野党の候補者に1票を投じていただけないでしょうか。
国民民主党のみなさんは自民党とは是々非々で向き合っておられるとは思いますが、自民党の岸田総理は物価高騰が続く現状においても「消費税の減税は、私たちは考えません。」という姿勢を崩していません。
国民民主党のみなさまも主張している消費税減税の実現に向けて、岸田総理にお灸を据えるべく、ぜひ野党の候補者に1票をお願いいたします。
7.日本共産党支持者のみなさまへ
庶民の暮らしを良くするために100年戦い続けてきた「たしかな野党」の共産党。
亡くなられた石原慎太郎さんが生前「共産党はスパイス」とおっしゃられていましたが、共産党は日本の政治にとって、なくてはならないスパイスです。
今回の参院選、比例は日本共産党、選挙区は日本共産党公認候補ということで頑張っていただきたいのですが、日本共産党の公認候補がいない選挙区につきましては、ぜひ他の野党候補への1票をお忘れなくお願いいたします。
野党共闘で自公政権に鉄槌を下し、選挙闘争を勝ち抜きましょう!
8.れいわ新選組支持者のみなさまへ
結党以来「消費税廃止」の政策を高々と掲げ続けるれいわ新選組。その主張は自民党と公明党を除く主要政党が軒並み「消費税減税」を参院選の公約として掲げるところまで浸透してきました。
今回の参院選、比例はれいわ、選挙区はれいわ公認候補ということで頑張っていただきたいのですが、れいわの公認候補がいない選挙区につきましては、ぜひ他の野党候補への1票をお忘れなくお願いいたします。
れいわ新選組は立憲民主党の前執行部から非常に冷遇を受け、今でも舌戦が続いていますが、しかし、立憲民主党の現執行部は、れいわ新選組に対して割と好意的な対応をしてくれています。
衆議院の予算委員会でれいわ新選組に委員の枠を1人譲ってくれたのは立憲民主党で、衆議院に3人しか議員がいない会派がこんな厚遇を受けているのは、おそらく過去に例がないのではないでしょうか。
そういう意味で、れいわ新選組の支持者のみなさんは、れいわ新選組の議員に国会での活躍の場を与えてくれた立憲民主党に、感謝をしてもいいのではないかと思います。
実際、今回の参院選で、れいわ新選組は北海道選挙区で敢えて独自候補を擁立せずに、立憲民主党の石川ともひろさんを推薦しています。
北海道選挙区に限らず、れいわの候補者がいない選挙区では立憲民主党の候補者を優先的に推して、立憲民主党の獲得議席を増やしていくことで、れいわ新選組の議員の国会での活躍の場が広がるように、大いにアシストしていきましょう!
9.社会民主党支持者のみなさまへ
「がんこに平和」の社民党。
今回の参院選、社民党は政党としての存亡を賭けた戦いとなります。
比例は社民党、選挙区は社民党公認候補ということで、1票1票積み上げてまいりましょう。
なお、社民党の公認候補がいない選挙区につきましては、ぜひ他の野党候補への1票をよろしくお願いいたします。
10.NHK党支持者のみなさまへ
「テレビは国民が知るべき真実を隠しています。」
これは本当にその通りだと思います。
今回の参院選、「NHKから国民を守る」という志を果たすため、選挙区も山本太郎、比例も山本太郎、「山本太郎まつり」で選挙を盛り上げていきましょう!
11.無党派層のみなさまへ
「誰に投票しても変わらない。」そう思っている無党派層の方はたくさんおられることでしょう。
しかし、過去の参院選では、年金や消費税が争点となって与党が敗北し、その後の政治の流れが大きく変わっていったこともあります。
今回の参院選は、物価高騰への対応が争点で、自民党の岸田総理は物価高騰が続く現状においても「消費税の減税は、私たちは考えません。」という姿勢を崩していません。
これに対して、立憲民主党・共産党・れいわ新選組・社民党の野党4党は、「時限的消費税減税法案」を共同提出して、物価高騰への対応を進めようとしています。(現状では、国会で継続審議になっています。)
今度の参院選は、「物価引き下げのために消費税減税」という野党の提案に対して「塩対応」を続けている岸田総理にお灸を据える、またとないチャンスです。
選挙区では、自民党と対峙する野党の候補に、そして、比例では、立憲民主党か共産党かれいわ新選組か社民党のどこかの党に、ぜひ、あなたの1票をよろしくお願いします!
憲法9条変えさせないよ
プロ野球好きのただのオジサンが、冗談で「巨人ファーストの会」の話を「SAMEJIMA TIMES」にコメント投稿したことがきっかけで、ひょんなことから「筆者同盟」に加わることに。「憲法9条を次世代に」という一民間人の視点で、立憲野党とそれを支持するなかまたちに、叱咤激励と斬新な提案を届けます。