※この連載はSAMEJIMA TIMESの筆者同盟に参加するハンドルネーム「憲法9条変えさせないよ」さんが執筆しています。
<目次>
1.沖縄県知事選挙の結果等を振り返る
2.れいわ新選組の自治体議員選挙公認候補予定者の顔ぶれ
3.統一地方選挙に向けた政策あれこれ
4.侮れないのは参政党
1.沖縄県知事選挙の結果等を振り返る
沖縄で9月11日(日曜日)に、沖縄県知事選挙、沖縄県議会議員補欠選挙、宜野湾市長選挙、宜野湾市議会議員選挙など、数多くの選挙が行われました。
沖縄県知事選挙では、立憲民主党・日本共産党・れいわ新選組・社会民主党・沖縄社会大衆党などが推薦する現職の玉城デニーさんが、午後8時の時点で当選確実が出る「ゼロ打ち」の圧勝。
宜野湾市長選挙ではオール沖縄推薦のナカニシ春雅さんは当選ラインに届きませんでしたが、沖縄県議会議員補欠選挙ではオール沖縄推薦の上原カイザさんが見事に当選を果たし、沖縄県議会での「オール沖縄」勢力の過半数を維持しました。
この「オール沖縄」の戦いぶりを、実際に前回の選挙と今回の選挙で数字を比較して、振り返ってみましょう。
2022(令和4)年9月11日投開票:沖縄県知事選挙
当選 玉城デニー 339,767票
佐喜真淳 274,844票
下地幹郎 53,677票
2018(平成30)年9月30日投開票:沖縄県知事選挙
当選 玉城デニー 396,632票
佐喜真淳 316,458票
兼島俊 3,638票
渡口初美 3,482票
今回の選挙、「ゼロ打ち」で圧勝、というイメージが強いと思いますが、冷静に見てみると、玉城デニーさん自身の得票数は前回から56,865票(前回比で14%)も減っており、次点の佐喜真淳さんとの得票差も、前回は80,174票差もあったのが、今回は64,923票差と差を詰められており、「反デニー票」あるいは「非オール沖縄」の票をカウントしてみると、前回は323,578票だったのが、今回は328,521票ということで、全体の投票率が下がったにもかかわらず、「アンチ」の票が増えてしまっています。
「統一教会問題」で佐喜真候補に逆風が吹いていたにもかかわらずこの数字ですから、「もし保守陣営の一本化ができていたら」と考えた場合には、安閑としていられない数字です。
沖縄でこの数字ですから、今後沖縄以外の地域で国政選挙や首長選挙があったとして、野党側が自民党の候補に勝てるかどうか、あまり楽観はできないのではないかと思います。
それと比較すると、宜野湾市議会議員選挙における、れいわ新選組公認のプリティ宮城ちえさんの勝ちっぷりは、実に見事でした。定数26の中に31人の候補がひしめく中、プリティ宮城ちえさんは、見事に全体の2位で当選を果たしました。3位で当選した公明党の候補者の得票数と比較しても1.4倍以上の得票数で、新人候補とは思えない強さを見せました。
選挙戦終盤の様子を見てみましょう。
宮城ちえさんは、36年間教員をされていて、生徒たちから「プリティちえちゃん」というニックネームで呼ばれていたのだそうです。
この36年間の教員経験の中で、子どもたちの貧困の問題に数多く直面したことから、「政治の世界に入って、子どもたち若者たちを支援していく」という思いで市議選に出馬されたのだそうで、そのような立候補の動機が、人々の共感を生んだのではないかと思います。
2.れいわ新選組の自治体議員選挙公認候補予定者の顔ぶれ
地方議会の選挙ではずっと苦杯をなめてきたれいわ新選組ですが、今回プリティ宮城ちえさんが上位当選を果たしたことで、来年の統一地方選挙に向けて大いに弾みがつくのではないかと期待できます。
現時点で判明しているれいわ新選組の公認候補予定者の顔ぶれを確認しておきましょう。
れいわ新選組公認候補予定者(自治体議員選挙)=れいわホームページ
東京都台東区:ふうさわ純子
東京都足立区:髙橋まゆみ
東京都大田区:寺田かずとも
東京都調布市:鈴木ほの香
愛知県豊橋市:すがや竜
兵庫県姫路市:やはたオカン
山口県下関市:竹村かつし
福岡県福岡市東区:とみなが正博
最終的には全国で100名程度の候補者擁立を目指す予定とのことですが、現時点ではこの8名となります。
中でも注目は、やはり「やはたオカン」(本名:八幡さゆり)でしょう。
今年の1月の時点で、「おかん」のことはSAMEJIMA TIMESで話題になっています。
小川淳也の「妻です」はアウトで、八幡愛の「おかん」はセーフ!? あなたはどう思う?「政治家の家族のタスキ」
今度は「政治家の家族」という立場ではなく「候補者」として演説をすることになるわけで、立候補する登録名が「やはたオカン」なら、告示日前に「おかん」のタスキをしてしまうと、公職選挙法上「アウト」になってしまうのではないかと危惧しますが、そのあたりはどうなんでしょうか?
ともあれ、宜野湾市議会選挙の「プリティ宮城ちえ」に続き、姫路市議会選挙で「やはたオカン」というユニークな登録名でれいわ新選組の公認候補を擁立することになったわけで、是非その愉快な出馬会見の模様をご覧ください。
3.統一地方選挙に向けた政策あれこれ
それでは、来年の統一地方選挙に向けた政策について考えていきましょう。
まず参考にしたいのが、兵庫県明石市の独自政策です。
また、滑稽新聞さんが、れいわ新選組に対して次のような提言をされています。
ここからは私自身の個人的な考えになりますが、地方選挙においては、様々な地域事情に応じて、中学校の給食の問題が一つの争点になってくるのではないかと思います。
地方選挙における中学校給食に関する争点の例
○部分的であれ、中学校で給食を実施するかどうか(中には給食自体が全く無い地域もある)
○中学校で完全給食を実施するかどうか(中には「弁当は『小学校のような給食』と言えるのか?」、「名称だけが『給食』で、実態は『弁当』に過ぎないのではないか?」という問題で揉めている地域もある)
○中学校の給食費を無料化するかどうか
○実施されている中学校の給食の内容を「オーガニック給食」あるいは「地元の食材を使用した給食」にするかどうか
給食の問題に関しては地域差が大きく、また、「これまでの経緯」というものを無視した新しい施策を行うこともなかなか難しいので、打ち出し方としては大変だと思いますが、子どもの貧困が進む現代において、逆に「子どもたちの栄養の確保」という昔ながらの問題がクローズアップされてきているのではないかと思います。
学校の授業がある時期の給食だけではなく、学校が夏休みなどの長期休暇になっている間の「8月の子どもの昼食」をどうするかという問題もあり、「夏休みの間は給食がないので満足に昼食を食べられず、ガリガリに痩せて2学期の新学期を迎える児童・生徒もいる」という話もよく耳にします。
これは私の素人考えになりますが、例えば、夏休み・冬休み・春休みの時期に関しては「子ども食堂」の取り組みへのサポートを強化して、子どもたちが無償で食事できる機会を増やすとか、学校の家庭科室を使って「無料調理実習」とか「無料料理教室」を開催するなどして出来上がった料理を児童・生徒がタダで食べられるようにするといったことは、できないものでしょうか。
さらに言えば、子どもたちだけではなく、地域の一人暮らしの高齢者の食事がどうなのか、あるいは、コロナ療養者の食事がどうなのか、そういった視点からも、この「食事」の問題は、重要な政策の一つとして考えていってもよいのではないかと思います。
4.侮れないのは参政党
今年の参院選で「政党要件」を獲得し、来年の統一地方選挙で全国500名の候補者擁立を目指す参政党の「3つの重点政策」をここで見てみましょう。
参政党「3つの重点政策」
1 子供の教育:学力(テストの点数)より学習力(自ら考え自ら学ぶ力)の高い日本人の育成
2 食と健康、環境保全:化学的な物質に依存しない食と医療の実現と、それを支える循環型の環境の追求
3 国のまもり:日本の舵取りに外国勢力が関与できない体制づくり
参政党の「3つの重点政策」のうち、「食と健康、環境保全」というのが一番の曲者で、「オーガニック」(有機農業、有機栽培)というキーワードを掲げることによって、「右寄り」というよりも「リベラル的」な有権者の関心を惹きつけ、支持の拡大に結び付けてきました。
支持者の層が参政党と重なり合う部分が一番多いのはれいわ新選組だと思われますので、「食」をテーマにした政策について、れいわ新選組は今まで以上に力を入れていってもよいのではないかと思います。
憲法9条変えさせないよ
プロ野球好きのただのオジサンが、冗談で「巨人ファーストの会」の話を「SAMEJIMA TIMES」にコメント投稿したことがきっかけで、ひょんなことから「筆者同盟」に加わることに。「憲法9条を次世代に」という一民間人の視点で、立憲野党とそれを支持するなかまたちに、叱咤激励と斬新な提案を届けます。