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立憲野党私設応援団(25)緊縮財政バトルロワイアル~憲法9条変えさせないよ

※この連載はSAMEJIMA TIMESの筆者同盟に参加するハンドルネーム「憲法9条変えさせないよ」さんが執筆しています。


<目次>

1.政治家と官僚の都合で一方的に増える国民負担

2.積極財政派vs緊縮財政派の論争バトルロワイアル

3.財政政策のいろいろな立場を整理する

4.現時点での私の感想と意見

5.トピックス:生活保護の受給申請について


1.政治家と官僚の都合で一方的に増える国民負担

年の瀬が迫る中、政治家と官僚の都合で、私たち国民の負担が一方的に増やされようとしています。

鈴木財務相、防衛増税「お願いしなければならない」 国債には否定的

防衛費が2027年度までの5年間で総額43兆円になることに伴い、鈴木俊一財務大臣は12月9日の記者会見で「財源の確保に向けて、税制でお願いしなければならないと考えている。国民のみなさんにしっかりご理解いただけるように丁寧に説明していく必要がある」と述べ、増税の方向を示唆しました。

このことについて、立憲民主党衆議院議員の小沢一郎さんは、twitterで次のように述べています。

自動車ユーザーが強制加入で負担している自賠責保険の徴収額も上がります。

消えた6000億円!自賠責保険の積立金を「借りパク」した、財務省の誠意なき態度と役人天国ニッポン

財務省が一般会計の補填で自賠責保険7500億円のうち5952億円を借りたまま完済していない問題で、11月11日に鈴木俊一財務大臣は「1回でお返しするのは無理な状況」として、返済の目途が立たない状況を釈明しました。

自賠責保険の原資が不足する恐れがあることから、従来の32円の徴収額をおよそ5倍近い150円に値上げすることが、自民、公明、立憲、維新、国民の賛成(共産、れいわは反対)で決まりました。

このことについて、慶應義塾大学経済学部教授の土居丈朗さんは、twitterで次のように述べています。

2.積極財政派vs緊縮財政派の論争バトルロワイアル

出鱈目な財政運営で国民負担の増大だけが決められていく中、SNSでは様々な人たちが「積極財政vs緊縮財政」の論争のバトルロワイアルを繰り広げています。

SNS上だけでは飽き足らずに、なんと『M-1』の世界にまで飛び出した積極財政論者もいます。

FRIDAY 元衆院議員・安藤裕が“不倫相手”と『M-1』に挑戦したワケ

コンビ名『赤字黒字』には安藤氏の政治信条が込められているという。

安藤「『政府の赤字はみんなの黒字』。つまり、緊縮財政ではなく、積極財政に変えていくことが大事だということを広めたい。ユーチューブだけではまだまだ認知度が低いので、お笑いを入り口にすればもっと私の考えが広まると思ったんです」

大奈「センセイの考えを広めていきたいという思いは私も持っています。だから漫才には、いろいろ政治や時事ネタを盛り込んでいます」

とはいえ、予選を突破するにはインパクトも重要だ。そこで漫才の導入には、不倫ネタを持ってきた。

大奈「センセイ、なんや週刊誌に追いかけられます!」

安藤「どうしたん?」

大奈「センセイとのW不倫について、話を聞かせてほしいと。実はこの方、昨年の秋まで国会議員のセンセイだったんですよ」

安藤「週刊誌には酷い目におうたわ。おかげで地位も名誉もお金もなくなりました~。……これが漫才の入りです(笑)」

3.財政政策のいろいろな立場を整理する

いろいろな議論が飛び出して、頭がこんがらがりそうですが、考えやすくするために、必要と思われる内容を表にまとめて分類してみました。(なお、表の中には、SNS上の議論で出てきていない概念も含まれています。)

課税および税負担軽減(or現金給付)のいろいろな方法について

金額の算定方法課   税税負担軽減(or現金給付)
累 進所得税所得税減税
定 率消費税消費税減税
定 額人頭税定額給付金

歳入面(税収)


権力者目線庶民目線
増税路線消費税増税法人税増税
減税路線法人税減税消費税減税(または廃止)

歳出面(財政支出)


権力者目線庶民目線
財政支出拡大路線公共事業関係費拡充
防衛関係費拡充
社会保障費拡充
文教および科学振興費拡充
財政支出削減路線社会保障費抑制
文教および科学振興費抑制
公共事業関係費抑制
防衛関係費抑制

財政政策全体


増税路線減税路線
財政支出拡大路線大きな政府派経済成長重視派
財政支出削減路線財政再建重視派小さな政府派

4.現時点での私の感想と意見

まだ日本の国や私たちの暮らしに余裕があった頃は「六民四公」(国民負担率40%未満)だったものが、現在は「五民五公」(国民負担率約50%)になっていて、近い将来「防衛増税」や「消費増税」が進められることで「四民六公」(国民負担率60%)に向かおうとしているという現実を見るにつけ、暗澹たる気持ちになります。

長期的な財政政策のビジョンや経済政策のビジョンをどのように考えるべきなのかという点に関しては、正直、私の考えだけですぐに何か結論を見出すことはできそうにありません。

しかし、いろいろな人たちの知恵を集める形で、何とかして「多くの有権者が納得できる財政政策のビジョン」や「多くの国民が納得できる経済政策のビジョン」を作り上げ、次期衆院選で自民党政権を下野させることができるような世論を形成していく必要があります。

ところで、長期的なビジョンに関してはともかく、当面の問題に関して言えば、関西学院大学総合政策学部教授の朴勝俊さんが指摘されている(今の日本は)「一部の急性インフレ(エネルギーや食べ物)と、慢性デフレが同居している」という事実は、注目すべきことであると考えています。

「物価高騰」といっても、「エネルギー」と「食べ物」の問題に焦点を当てさえすれば、問題のかなりの部分が解決されることになります。

そういう意味では、千葉市議会議員の椛澤洋平さんが「8%の消費税軽減税率を0%にする予算は4兆円です。物価対策には消費税減税が一番です。」と提案されているtweetは、その実現を検討してもよいのではないかと思います。

「萩生田の一声」で、財務省が計画していた25兆円の経済対策が29兆円規模にまで膨れ上がったわけですが、この追加の4兆円の予算があれば、8%の消費税軽減税率を0%にすることができるわけです。

「税率0%」が無理だとしても、2兆円の予算で軽減税率を4%に、3兆円の予算で軽減税率を2%にまで引き下げることができるわけですから、国民生活を守るという観点から言えば、公明党などに呼びかけて、軽減税率を8%から4%に、もしくは2%にまで引き下げることを提案してもよいのではないでしょうか。

今年の9月と10月の記事で、Dr.ナイフさんと長谷川羽衣子さんとの間の論争について取り上げました。

立憲野党私設応援団(18)長谷川ナイフ論争について考えてみる

立憲野党私設応援団(20)長谷川ナイフ論争について再び考えてみる

今後議論を深めていくためにも、Dr.ナイフさんと長谷川羽衣子さんの対談が実現されることに、ぜひ期待したいところです。

Dr.ナイフさんの「れいわ新選組の活動や言葉、目指す政治の多くは賛成できるので、経済論だけが残念。経済政策(消費税政策など)はいいのに、財源論が全く納得できない。(中略)その疑問に正面から向かいあえないでしょうか。さらに飛躍できると思います。」というtweetの言葉を見ても、話し合いの余地は十分あると思いますし、意味のある議論を深めていくことができるのではないでしょうか。

Dr.ナイフさんと長谷川羽衣子さんの二人だけではなく、様々な人々の間で理性的な対話が展開され、「財政政策と経済政策の望ましいかたち」のビジョンへと辿り着いてゆけることを望みたいと思います。

5.トピックス:生活保護の受給申請について

今日のテーマの話はここまでにして、最後に、生活保護の受給申請の方法に関する情報をいくつかご紹介したいと思います。

まずは、「毎日新聞」の記事から。

毎日新聞  生活保護ってどんな制度?

生活保護法では、申請のあった日から14日以内に書面で決定の通知をすることが法律で決められています。従って、この原則通りでいけば、本日12月14日(水曜日)に生活保護の受給申請をすれば、ギリギリ12月28日(水曜日)までに受給決定の通知を受けることができることになります。

「住まいがない人は生活保護を受給することができないのでは?」という質問に対しては、「生活保護おじさん」が動画で次のように答えています。

また、生活保護受給申請書は「フミダン」というホームページを使って、ネット上で作成することができます。

フミダン生活保護申請

ネット上で作成したPDFをプリントアウトして福祉事務所に提出することもできますし、まずは福祉事務所にFAXを送って申請したうえで、後日窓口に行くという方法をとることもできます。

生活保護の受給は、日本国憲法第25条に規定される「生存権」に基づく国民の権利です。

日本国憲法第25条

すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。

②国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

まず、65歳以上の方の場合は、高齢者なので、生活に困った際には気兼ねなく生活保護の受給を申請されていいと思います。

また、64歳以下の方の場合は、「施しを受けるようで嫌だ」とか、「生活保護だけは受けたくない」というふうに思って生活保護の受給申請をためらわれる方も少なくないのではないかと思います。

ですが、「施しを受ける」というふうに思う必要は全くありません。

平成の時代に入って以降、日本国民は子どもからお年寄りまで、日々の生活の買い物の中で、「消費税」を負担してきました。

今まであなたが生涯負担してきた消費税の金額を累計すると、一体いくらになるでしょうか?

あなたの生活が苦しい時に、「生活が再建できるまでの限定的な期間だけ生活保護の制度を利用する」と考えて、「今まで消費税を負担するという形で国に貸し付けてきたお金を一部返してもらう」というぐらい気持ちで受給申請を出せばいいと思います。

それぞれの地域には、生活保護の受給申請をサポートしてくださる支援団体の方などもおられます。

年越しが近づく中で、生活が苦しくて困っているという方は、ぜひ早く生活保護の受給申請を進めてください。

SAMEJIMA TIMESの読者の皆様におかれましては、twitterなどを利用して、「生活保護おじさん」の動画と、「フミダン」のホームページをネット上で拡散して、必要な方に情報が届くよう、ぜひご協力ください。

憲法9条変えさせないよ

プロ野球好きのただのオジサンが、冗談で「巨人ファーストの会」の話を「SAMEJIMA TIMES」にコメント投稿したことがきっかけで、ひょんなことから「筆者同盟」に加わることに。「憲法9条を次世代に」という一民間人の視点で、立憲野党とそれを支持するなかまたちに、叱咤激励と斬新な提案を届けます。

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