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立憲野党私設応援団(28)ロスジェネや若者を救うにはどうすればよいのか~憲法9条変えさせないよ

※この連載はSAMEJIMA TIMESの筆者同盟に参加するハンドルネーム「憲法9条変えさせないよ」さんが執筆しています。


<目次>

1.年末に埼京線で起きた母子飛び込み心中

2.ロスジェネ・就職氷河期世代の悲哀

3.若者も将来展望が持てない国

4.来なかった第3次ベビーブーム

5.困難を極める「ロスジェネ救済策」

6.大企業の正社員は「勝ち組」と言えるのか?

7.日本社会の立て直しの方向性を考える

8.トピックス:れいわローテーション


1.年末に埼京線で起きた母子飛び込み心中

昨年末に埼京線の北戸田駅で、37歳の母親と8歳と6歳の兄弟が飛び込み心中を図り、電車にはねられて3人とも死亡するという痛ましい出来事がありました。

東京新聞 2022年12月28日 首都圏ニュース 埼京線に母子が飛び込みか、女性と男児2人の計3人が電車にはねられ死亡 北戸田駅

亡くなられた3人の親子のご冥福をお祈りしたいと思います。

2.ロスジェネ・就職氷河期世代の悲哀

これに先立つ2022年12月1日の参議院予算委員会で、れいわ新選組代表の山本太郎さんが、氷河期世代(30代半ばから50代前半の世代)について質問をしています。

就職時に正社員の採用枠が絞られたため、非正規の立場で働くことを余儀なくされた人が数多くいる「ロスジェネ・就職氷河期世代」の人生の悲哀について、ポンデベッキオさんがtwitterで次のように述べています。

3.若者も将来展望が持てない国

それでは、10代や20代、あるいは30代前半の若い世代が「ロスジェネ」よりも恵まれているのかと言えば、実は全くそうではないという実相が、統計データから浮かび上がってきます。

ということは、どうやら、日本の全人口の中で年齢が若い方から数えた下半分の世代が、軒並み苦しさを感じながら日々の生活を送っているらしい、ということになります。

4.来なかった第3次ベビーブーム

もう一つ、哀しい統計データとして、「ベビーブーム」が「第1次」と「第2次」だけで終わってしまった、日本の人口ピラミッドを見てみましょう。

お正月に友人や知人から私宛てに届いた年賀状の中には、ご家族の写真やお子さんの写真が載っているものも何枚かありましたが、私が交友のある友人や知人の顔を思い浮かべてみても、お子さんのいる家、お子さんのいない家、どちらも様々あり、どちらかと言えばお子さんのいる家の方が少数派なのではないかという気がしています。

「来なかった第3次ベビーブーム」という人口ピラミッドを見て、為政者たちは何を感じるでしょうか。

「幸せいっぱいの家族」を作ることなく年を重ねている者の哀しみを汲み取ることのできる政治家が、果たして何人ぐらいいるでしょうか。

私や周りの友人・知人の状況を見てみても、経済的な不安など様々な要因から結婚を諦めたという者もいれば、人生の伴侶を得たものの子どもは作らなかったという者もいます。

子どもを作らなかった要因も人さまざまで、経済的に余裕が無いために子作りを断念した者もいれば、経済的には余裕があるものの日々の仕事の忙しさで心理的に余裕がないために子作りを敬遠した者もいれば、経済的にも時間的にも心理的にも余裕があり子どもがほしいと思っていたけれども子宝に恵まれなかったという者もいます。

そうした一人ひとりの国民が「子どもがいる幸せ」をあきらめた結果としてできたのが、この現在の形の人口ピラミッドであり、これは、もう、ほとんど取り返しがつかない所まで来てしまっているというのが、今の状況です。

5.困難を極める「ロスジェネ救済策」

ロスジェネ世代を救うためには、どのような方策が考えられるのでしょうか。

今ある制度としては、予算1,287億円で「就職氷河期世代支援プログラム」という事業が行われているようなのですが、そのうち約8割の予算を消化できずに余らせてしまっていて、現実のニーズに合わない制度設計になってしまっているようです。

また、これまでにもいろいろな事業主体で「就職氷河期世代特別雇用枠」のようなものを作って正規雇用の職員を募集することが幾度か行われましたが、その度に求人数をはるかに上回る求職者が殺到し、結局、ごく一部の人しか正規雇用に就くことができないという結果に終わっています。

実際にはそのようなことは難しいですが、仮にロスジェネ世代の求職者全員を国が雇用するような事業を行ったとしましょう。それでも、救われない人は出てきます。

既に非人間的な働き方で肉体や精神を壊されてしまい、働けない状態に陥っているロスジェネも少なくありません。そのような人にとっては、いくら優良な求人があったとしても応募することができず、救済されないままということになってしまいます。

6.大企業の正社員は「勝ち組」と言えるのか?

ロスジェネ世代の中にも、非正規雇用ではなく、正社員として働いている人は数多くいます。

その中でも、大企業で正社員として働いている人は、一般的には「勝ち組」だと考えられています。

しかし、大企業の正社員みんながみんな幸せであるかといえば、必ずしもそうとは言い切れません。

確かに金銭的には恵まれて余裕があるかもしれませんが、時間的な面や精神的な面で、仕事に追いまくられている人が少なくないからです。

経済的な余裕と時間的な余裕に関して、マトリックスにして類型化してみましょう。

確かに、お金にも時間にも余裕のある「上流」の暮らしをしている人は世の中に一定数いますが、それは、ごく限られた存在です。

仕事に追われて時間的にあるいは精神的に余裕のないサラリーマンは、会社に縛られた「社畜」的な生活を送っていて、金銭的には余裕があっても、意外に幸福感の薄い暮らしをしています。

それに比べると、お金には余裕がないが時間には余裕がある「下流」の暮らしは、工夫次第でそこそこ幸福感のある暮らしができる(例えば、あまりお金がかからない形の趣味に没頭するなど)可能性があると捉えることもできます。(逆に言えば、工夫しないと幸福感の薄い暮らしに陥る危険性もあります。)

一番大変なのは、お金の面でも余裕がなく、時間の面でも余裕のない「困窮」した暮らしで、時間がないがゆえに「節約」もままならず、前に話を紹介した「コンビニで値段の高いカップ麺を買って、ますます困窮する」といった負のスパイラルに陥ってしまう危険性が大いにあります。そのことが高じてしまうと、「生きていることが嫌になる」という状況にまで至る恐れがあり、時間的な余裕か金銭的な余裕のうち少なくともどちらか一方を回復させる必要があります。

7.日本社会の立て直しの方向性を考える

全人口の少なくとも半分以上が生活に「苦しさ」を抱えた状態にある日本社会をどのように立て直していけばよいのか、具体策に関しては稿を改めていずれかの機会で論じていきたいと思いますが、まずは理念的な方向性について考えてみると、次の2つに集約できるのではないでしょうか。

「暮らしにゆとりを」

「未来に夢を」

日々の暮らしで何かに追われるのではなく、金銭面でも時間の面でも「ゆとり」のある暮らしができるようになるならば、人々の幸福感は増大していくと思います。

そして、自分や家族や地域や国の未来に「夢」を持つことができるならば、現状が多少苦しくても、生きがいや幸福感を感じることのできる新しい世の中を作り出すことにつながっていくのではないかと思います。

8.トピックス:れいわローテーション

うつ病で休職していたれいわ新選組の水道橋博士が参議院議員を辞職することになり、れいわ新選組はこの繰り上げ当選を次点の大島九州男さんだけではなく5人でバトンリレーしていく「れいわローテーション」を採用することを表明しました。

2022年参院選れいわ新選組比例候補得票

1位:天畠大輔    特 定 枠  → 当選

2位:水道橋博士 117,794票 → 当選後議員辞職

3位:大島九州男  28,123票 → 2023年繰り上げ当選

4位:長谷川羽衣子 21,826票 → 2024年繰り上げ当選予定

5位:辻恵     18,393票 → 2025年繰り上げ当選予定

6位:蓮池透    17,684票 → 2026年繰り上げ当選予定

7位:依田花蓮   14,821票 → 2027年繰り上げ当選予定

8位:高井崇志   13,326票

9位:キムテヨン  13,041票

1年ごとに議員辞職と繰り上げ当選を繰り返していくこの方式については、「斬新なやり方」として歓迎する声と、「議席の私物化」として批判する声の賛否両論ありますが、私個人としては、多様な有権者の民意を少しずつでも反映し、かつ、多様な人材に活躍の場を与える意味で、非常に合理的なやり方として、肯定的に捉えています。

自民党の議員が採る行動については法令に抵触する内容でも批判せず黙認し、れいわ新選組の議員が採る行動については法令に抵触しない内容であっても批判的に報じて問題視するマスコミの報道姿勢の方が、よほど不公平であると私は感じています。

この「れいわローテーション」の何がすごいのかと言えば、従来の繰り上げ当選のやり方であれば5年半の任期を務めることができる大島九州男さんが、自分の任期を1年で区切って議員辞職することをこの時点で表明し、他の4人のメンバーに順番にバトンを渡していくことに合意しているところです。

SAMEJIMA TIMES主筆の鮫島浩さんは、果たして大島九州男さんが「れいわローテーション」というやり方に納得して合意しているのか、そのことを懸念する記事を書いています。

水道橋博士が残した比例1議席を受け継ぐ「れいわローテーション」は今後の衆参選挙で継続してこそ本物である〜党を揺るがす時限爆弾になる恐れ、大島九州男氏の動向が焦点に

大島九州男さんが「納得して合意」しているのか「しぶしぶ合意」しているのか、その心中を推し量ることは難しいですが、SNS上の情報よれば、大島九州男さんを含む当事者が合意して、何らかの覚書の文書を取り交わしているようです。

大島九州男さんの立場から見た場合、今回の「れいわローテーション」に関する合意は、自分個人の利益のことだけを考えれば、なかなかできることではありません。

このような決断ができる大島九州男さんに、私も敬意を表したいと思います。

私が一つだけ疑問に思うことは、記者会見で「議員の任期を通常国会の開始時期で区切ってバトンを渡していく」という趣旨の発言があったと思うのですが、2022年参院選の議員の任期は2028年の7月までですので、最後の依田花蓮さんは一人だけ1年半の任期になるのか、それとも2028年の通常国会開会の時点で幹事長の高井崇志さんに参議院議員のバトンを渡すことになるのか、ということです。

そのあたりの点に関しては、実際の状況の推移を見ながら決めていくのかもしれませんが。

いずれにしても、バトンを受け取ったそれぞれの議員が1年という限られた任期の中でインパクトを残せるような仕事ができるのか、あるいは、ほとんど何もできないままアッという間に1年が過ぎてしまい「あの人いったい何やってたの?」と言われてしまうのかで、「れいわローテーション」が成功だったのか失敗だったのか、評価が決められることになります。

大事なのは、これからです。


憲法9条変えさせないよ

プロ野球好きのただのオジサンが、冗談で「巨人ファーストの会」の話を「SAMEJIMA TIMES」にコメント投稿したことがきっかけで、ひょんなことから「筆者同盟」に加わることに。「憲法9条を次世代に」という一民間人の視点で、立憲野党とそれを支持するなかまたちに、叱咤激励と斬新な提案を届けます。

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