※この連載はSAMEJIMA TIMESの筆者同盟に参加するハンドルネーム「憲法9条変えさせないよ」さんが執筆しています。
<目次>
0.はじめに
1.プロローグ「2024年末れいわ民主党旗揚げ」
2.シナリオA「2025年1月衆議院総選挙」
3.シナリオB「2025年7月衆議院総選挙」
4.シナリオC「2025年10月衆議院総選挙」
0.はじめに
お盆休みも近い今回は、昨年同様「短い小説」をお読みいただき、ゆるーい話でリラックスしていただければと考えております。
ちなみに、昨年書いた短い小説は、「山本太郎内閣誕生す」です。
本日掲載の「短い小説」は、「れいわ民主党誕生す」というタイトルですが、先にオチを言っておくと、これも昨年と同様に夏の夜に私が見た夢の話で、現実の政治の動きとは全く関係がありません。
シナリオが3種類用意してあるのは、昔フジテレビでやっていたドラマ「ifもしも」と同じような発想です。
話に登場する政党や政治家等の名前は実在する政党や政治家等と同一ですが、政策においても性格においても政治行動等においても実在する政党や政治家等とは全く関わりありません。
完全なフィクションということで、「短い小説」をゆるーくお楽しみください。
1.プロローグ「2024年末れいわ民主党旗揚げ」
自民党総裁選と立憲民主党代表選で政局が動くかと思われた2024年は、岸田文雄自民党総裁と泉健太立憲民主党代表がそれぞれ再選され、目立った動きがないまま過ぎようとしていた。
その2024年12月、暮れも押し迫った時に、前明石市長の泉房穂、立憲民主党の小沢一郎、小川淳也、れいわ新選組の櫛渕万里、大石晃子、多ケ谷亮の6名が集まり、記者会見を開いた。
「れいわ民主党を旗揚げします。」
新しく旗揚げする「れいわ民主党」の陣容は、次のようなものであった。
れいわ民主党
代表:泉房穂(前明石市長)
共同代表:櫛渕万里(れいわ新選組衆議院議員)
幹事長:小川淳也(立憲民主党衆議院議員)
政調会長:大石晃子(れいわ新選組衆議院議員)
国会対策委員長:多ケ谷亮(れいわ新選組衆議院議員)
選挙対策委員長:小沢一郎(立憲民主党衆議院議員)
「れいわ民主党」設立の目的について、党代表の泉房穂は饒舌に語った。
「『れいわ民主党』は、立憲民主党とれいわ新選組と社会民主党が3党で統一名簿を組んで衆院選を戦うために立ち上げた政党です。立憲民主党もれいわ新選組も社会民主党も、参議院議員と地方議員の方々は従来通り所属する政党にとどまります。『れいわ民主党』の立ち上げには、立憲民主党から小沢一郎衆議院議員と小川淳也衆議院議員が、れいわ新選組から櫛渕万里衆議院議員と大石晃子衆議院議員と多ケ谷亮衆議院議員が参加し、衆議院議員5名でスタートします。来年のどこかの時点で衆議院の解散が決まれば、そのタイミングで社民党から新垣邦男衆議院議員が『れいわ民主党』に加わる手はずになっています。立憲民主党の衆議院議員のみなさんには、丸ごと『れいわ民主党』に加わっていただく方向で話を進めていますが、状況によっては『れいわ民主党』から統一名簿で出馬する人と『立憲民主党』のまま単独で出馬する人の二手に分かれて戦うことになるかもしれません。いずれにしても、選挙で自民党に勝つには野党の候補を一本化するしかありませんので、日本維新の会や国民民主党や共産党のみなさんにも呼びかけて、話し合いまたは予備選挙を実施するなどして小選挙区での候補者の一本化を進めていきたいと考えています。来年のどこかのタイミングで衆議院の解散総選挙が行われることは間違いありませんので、それに間に合わせるために、統一名簿のための政党『れいわ民主党』を立ち上げます。」
聞けば、泉房穂自身は衆院選に出馬することはせず、「統一名簿政党の代表」として野党を盛り上げていくことに徹するとのことで、「れいわ民主党」の首班指名候補はれいわ新選組代表の山本太郎参議院議員でいくということであった。
2.シナリオA「2025年1月衆議院総選挙」
決戦の年「2025年」が明けた。
総理大臣の岸田文雄は、「先手必勝」とばかりに、年明け早々の1月に衆議院の解散を断行した。
この時、東京都知事の小池百合子は勝負手を用意していた。
維新の会と都民ファーストが連携し、これに国民民主党の一部(前原グループ)が加わることで、新党「日本ファースト維新の党」(愛称:日本ファイト)を旗揚げしたのである。
日本ファースト維新の党
代表:小池百合子(東京都知事)
共同代表:馬場伸幸(日本維新の会衆議院議員)
幹事長:前原誠司(国民民主党衆議院議員)
小池百合子は東京都知事の職を辞し、衆院選に名乗りを上げた。
一方、立憲民主党かられいわ民主党には衆議院議員5名しか新たな参加者はなく、多くは立憲民主党にとどまって解散総選挙に臨んだ。
その結果、衆院選での各党の獲得議席は次のようになった。
2025年1月投開票「衆院選」党派別獲得議席
自由民主党:200議席
日本ファースト維新の党:93議席
立憲民主党:80議席
れいわ民主党:40議席
公明党:24議席
日本共産党:10議席
国民民主党:6議席
参政党:2議席
NHKから国民を守る党:0議席
無所属:10議席
自民党と立憲民主党に失望した有権者の票は、日本ファースト維新の党とれいわ民主党へと向かった。
そして、日本ファースト維新の党は選挙前の45議席から93議席へ、れいわ民主党は選挙前の11議席から40議席へ、大きく躍進を遂げたのである。
議席を減らした自民党は岸田文雄が総裁を辞任して小渕優子を新しい総裁に選び、同じく議席を減らした立憲民主党は泉健太が代表を辞任して野田佳彦を新しい代表に選び、それぞれ立て直しを図った。
迎えた特別国会の首班指名。
「1回目の投票では決着がつかず、自民党の小渕優子と、日本ファースト維新の党の小池百合子の決選投票になる」と予想されたが、ここで自民党は奇策に打って出た。
首班指名で「小渕優子」ではなく「野田佳彦」の名前を書き、1回目の投票で過半数を取って、立憲民主党の野田佳彦内閣を誕生させたのである。
13年ぶり2度目の内閣総理大臣に就任した野田佳彦は、就任早々「財政赤字を将来世代にツケ回ししないことが最大の少子化対策」と訴え、「消費税率を段階的に19%にまで引き上げる」ことを打ち出した。
そして、自民党と立憲民主党と公明党の「三党合意」で「消費税率19%」の方針を決め、7月の参院選に臨んだ。
これに対して参議院のれいわ新選組は「消費税廃止」を訴えたため、参院選は「ザイム真理教 vs MMT(現代貨幣理論)」の一大政治決戦の様相を呈することとなった。
そして、日本の政治を大きく動かすことになる「暑くて『熱い』夏」を迎えることとなったのである。
3.シナリオB「2025年7月衆議院総選挙」
政治決戦の年「2025年」。
総理大臣の岸田文雄は、満を持して7月の参院選に合わせて衆議院を解散し、衆参同日選挙に打って出た。
東京都知事の小池百合子は、都知事の職を辞し、日本維新の会や国民民主党の前原グループなどと連携して新党「日本ファースト維新の党」(愛称:日本ファイト)を旗揚げして、衆院選に名乗りを上げた。
一方、立憲民主党かられいわ民主党には衆議院議員20名が新たに参加し、その他の衆議院議員の多くは立憲民主党にとどまって解散総選挙に臨んだ。
その結果、衆院選での各党の獲得議席は次のようになった。
2025年7月投開票「衆院選」党派別獲得議席
自由民主党:181議席
日本ファースト維新の党:96議席
れいわ民主党:80議席
立憲民主党:55議席
公明党:24議席
日本共産党:9議席
国民民主党:6議席
参政党:4議席
NHKから国民を守る党:0議席
無所属:10議席
自民党と立憲民主党に失望した有権者の票は、日本ファースト維新の党とれいわ民主党へと向かった。
そして、日本ファースト維新の党は選挙前の45議席から96議席へ、れいわ民主党は選挙前の26議席から80議席へ、大きく躍進を遂げたのである。
議席を減らした自民党は岸田文雄が総裁を辞任して小渕優子を新しい総裁に選び、同じく議席を減らした立憲民主党は泉健太が代表を辞任して野田佳彦を新しい代表に選び、それぞれ立て直しを図った。
迎えた特別国会の首班指名。
「1回目の投票では決着がつかず、自民党の小渕優子と、日本ファースト維新の党の小池百合子の決選投票になる」と予想されたが、ここで自民党は奇策に打って出た。
首班指名で「小渕優子」ではなく「山本太郎」の名前を書き、1回目の投票で過半数を取って、れいわ新選組(衆議院はれいわ民主党)の山本太郎内閣を誕生させたのである。
それは憲政史上初の参議院議員の総理大臣の誕生でもあった。
総理大臣に就任した山本太郎は、就任早々「消費税を廃止して、税率7%の国民福祉税を創設します」と宣言した。
それは、32年前に細川内閣で出てきた政策そのままの内容であったが、これを現代に当てはめることで、実質的には「消費税率の3%(軽減税率は1%)引き下げ」と「インボイス制度の廃止」を図ったのである。
そしてさらに、「児童手当の支給を当分の間凍結し、その代わり、この国に住む全ての人々に、毎年6月と12月の年2回、それぞれ現金10万円の定額給付金を支給します」と、新たな政策を打ち出した。
児童手当は最大で年間18万円の支給なので、この政策を実施することで、ざっくり言えば「子どもは年間2万円の、大人は年間20万円の新たな追加の現金収入を得られる」ということになったのである。
医療費に関しては、逆に、子どもを優遇し、高齢者に負担を強いる政策を打ち出した。
「18歳未満の子どもの医療費の自己負担は0円とし、その代わり、高齢者を含む18歳以上の全ての大人の医療費の自己負担は3割とします」という方向性を示したのである。
教育費に関しては、「24歳以下の子どもや若者が高校・高専・短大・大学・大学院に通う場合の授業料は無償とし、25歳以上の人が高校・高専・短大・大学・大学院に通う場合には希望者を対象に奨学金の貸与を行い、政府が利子補給を行うことで、全員が無利子の奨学金を借りられるようにします」という政策を打ち出して、大学や大学院が「高齢者のサロン化」しないように配慮しつつ、実質的な教育費の無償化を実現した。
さらに、「日本全国ハレハレ計画」と称して、明石市のような子育て支援施設を全国の自治体で駅前の一等地などの便利な場所に建設する事業に政府の補助金を出すこととした。
各自治体の子育て支援の機能の強化を図るとともに、建設業界にとっても美味しい公共事業を生み出す施策を狙ったのである。
山本太郎は心に誓っていた。
「衆議院の解散さえしなければ、2028年の参院選までの3年間、大きな国政選挙はない。自民党とれいわ民主党と公明党の与党三党から国会で信任が得られれば、『黄金の3年間』は続く。この『黄金の3年間』の間に、何としても『ロスジェネ』を救うんだ!」
そして、年が明けた2026年1月、総理大臣の山本太郎は通常国会の所信表明演説で、ロスジェネ世代を救うための大胆な政策を、満を持して打ち出したのである。
4.シナリオC「2025年10月衆議院総選挙」
「衆参同日選挙になる」との予測が多かった2025年、総理大臣の岸田文雄は衆議院の解散を決断できずに、そのまま7月の参議院通常選挙に突入することとなった。
参院選では立憲民主党が大きく議席を減らして惨敗し、日本維新の会が参議院の野党第一党に躍り出た。
また、社会民主党とNHKから国民を守る党は議席を獲得できず、政党要件を失った。
これを受けて立憲民主党は分党の手続きを行い、参議院議員と地方議員は社会民主党と合併して新しく「立憲民主党」(あえて区別して表記するなら、2017年創設の「立憲民主党」と2020年創設の「新・立憲民主党」に続く「新々・立憲民主党」)を創設し、蓮舫を代表に選んで、立て直しを図った。
立憲民主党
代表:蓮舫(立憲民主党参議院議員)
代表代行:福島瑞穂(社会民主党参議院議員)
幹事長:辻元清美(立憲民主党参議院議員)
残りの立憲民主党の衆議院議員は丸ごと「れいわ民主党」と合併し、泉房穂代表の下で「れいわ民主党」の衆議院議員として衆院選に臨むこととなった。
そして、「れいわ民主党」からの出馬を潔しとしない一部の旧立憲民主党衆議院議員は、離党して無所属で衆院選に挑むこととなったのである。
任期満了が近づいた2025年10月、総理大臣の岸田文雄は、ついに衆議院を解散した。
東京都知事の小池百合子は、都知事の職を辞し、日本維新の会や国民民主党の前原グループなどと連携して新党「日本ファースト維新の党」(愛称:日本ファイト)を旗揚げして、衆院選に名乗りを上げた。
その結果、衆院選での各党の獲得議席は次のようになった。
2025年10月投開票「衆院選」党派別獲得議席
自由民主党:181議席
れいわ民主党:120議席
日本ファースト維新の党:99議席
公明党:24議席
日本共産党:8議席
国民民主党:6議席
参政党:6議席
無所属:21議席
自公政権の終焉を願う有権者の票は、れいわ民主党と日本ファースト維新の党へと向かった。
そして、れいわ民主党は選挙前の75議席から120議席へ、日本ファースト維新の党は選挙前の45議席から99議席へ、大きく躍進を遂げたのである。
議席を減らした自民党は、岸田文雄が総裁を辞任して小渕優子を新しい総裁に選び、立て直しを図った。
迎えた特別国会の首班指名。
「1回目の投票では決着がつかず、自民党の小渕優子と、れいわ新選組(衆議院はれいわ民主党)の山本太郎の決選投票になる」と予想されたが、ここで自民党は奇策に打って出た。
首班指名で「小渕優子」ではなく「小池百合子」の名前を書き、1回目の投票で過半数を取って、日本ファースト維新の党の小池百合子内閣を誕生させたのである。
それは憲政史上初の女性総理の誕生でもあった。
小池百合子内閣は、国民の期待を一身に受け、80%を超える高い内閣支持率で船出することとなった。
新聞やテレビなどのマスコミは、「憲政史上初の女性総理の誕生」を歓迎する記事や番組を流し続け、11月そして12月のクリスマスと、世の中は華やいだ雰囲気で年の瀬を迎えた。
小池百合子は、まさに「我が世の春」を謳歌していた。
翌年の年明け早々に世間を驚愕させる「文春砲」が炸裂することになることを、総理大臣の小池百合子はこのとき知る由もなかったのである。
憲法9条変えさせないよ
プロ野球好きのただのオジサンが、冗談で「巨人ファーストの会」の話を「SAMEJIMA TIMES」にコメント投稿したことがきっかけで、ひょんなことから「筆者同盟」に加わることに。「憲法9条を次世代に」という一民間人の視点で、立憲野党とそれを支持するなかまたちに、叱咤激励と斬新な提案を届けます。