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中居正広疑惑でフジテレビの港浩一社長が全社員に送った一斉メール〜フジが外部の弁護士に依頼した調査は「もみけし疑惑」を全否定する結論ありきであることが鮮明に

元SMAPの中居正広さんによるフジテレビ元女性社員への性加害疑惑やフジテレビによるもみ消し疑惑は拡大の一途をたどっている。そのなかでフジの港浩一社長が社員に一斉に送信したメールの内容が報じられ、波紋を呼んでいる。

社長のメール「社員の皆さま」と題された社長メールは「昨年来、一部報道で、中居正広氏に関する記事が出て、ご心配をおかけしました」ということばから始まる。のっけから「他人事」の姿勢で、フジテレビも疑惑の当事者であることを無視したかのような書きぶりだ。

「一連の記事には事実でないことが含まれており」と強調するものの、どこが事実でないのかは明記していない。そのうえで「中居正広氏も声明を出し『当事者以外の者の関与といった事実はございません』とコメント」していることを強調している。フジが関与していない根拠は自らは示さず、中居さんの言葉だけで否定している格好だ。

他方、「職務に誠実に対応していた人が悪く書かれることは本当に残念」とし、「フジテレビは社員を守る温かい会社でありたい。社長として全力で皆さんを守ります」と強調している。

ここで言う「職務に誠実な人」とは、中居さんや松本人志さんと親密で、女子アナらを使って接待を繰り返していたとも報じられている編成局幹部Aのことだろうか。それとも、被害女性の相談を揉み消したと報じられている佐々木恭子アナウンサーら幹部社員のことだろうか。

女性社員は性被害を上司に訴えたのに放置され、会社から全力で守られなかった。その結果、体調を崩して退社に追い込まれたのである。港社長の一斉メールを彼女が見たらどう思うだろうか。この部分はとくに世論の反発を招く部分であろう。

港社長は「昨年より外部の弁護士を入れて事実確認の調査をしており、さらに進めていきます」とも述べている。

これは衝撃だ。外部の弁護士による調査結果を待たずして、「フジテレビは一切関与せず」という公式コメントを昨年末に発表したということだ。

外部の弁護士による調査は「フジは関与なし」という活論ありきの出来レース、アリバイづくりというほかない。いずれ発表されるであろうフジの調査を信用することはとてもできない。

港社長はとんねるずをかつて担当し、芸能界との結びつきが強い。中居さんや松本人志さんと親密で今回の性加害疑惑への関与が指摘される大物プロデューサーA氏も社長候補と目されていた。松本さんに続いて中居さんにも性加害疑惑が発覚したことで、フジには女子アナや女性社員らを利用した性接待文化が続いてきたという疑念も膨らんでいる。

港社長は一刻も早く記者会見し、さまざまな疑問に丁寧に答えるべきである。

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