フジテレビは中居正広氏による女子アナへの性加害疑惑で1月27日に行ったやりなおしの記者会見で、港浩一社長が辞任を表明した。女子アナから被害の報告を受けた後も中居氏を調査せず番組を継続させた事後対応や撮影を禁止した前回記者会見などへの批判が高まり、経営陣の責任を明確にすることで信頼回復につなげたい考えだ。
一方で、港社長の子飼いである編成局幹部の直接の関与は否定し、第三者委員会の調査に委ねる姿勢を示した。週刊誌などは港社長や編成局幹部が女子アナを接待に頻繁に活用していたと報じ、フジの記者会見でもそのような接待文化があったことは認めたため、女子アナ接待の実態解明が第三者委員会の大きな焦点となる。
そうしたなかで、はやくも新たな疑惑が浮上した。中居氏にフジテレビの女子アナを上納接待していたと報じられていた編成局幹部が、他局の女子アナも中居氏ら芸能人に上納接待していたことが他局の社内調査で発覚したとスポニチが報じたのだ。
スポニチの報道によると、フジテレビの女子アナが中居氏に上納されたに2023年6月の半年ほど前、他局の女子アナはフジの編成局幹部がセッティングした飲み会に出席。そこにはフジの編成局幹部のほか、中居氏と人気男性タレントがおり、他のフリー女性アナらが招集されていた。
参加女性たちは編成局幹部の合図で部屋に一人ずつ入室させられ、この女性アナは中居氏の隣に座るよう指示された。「ボディータッチは当たり前のかなり砕けた雰囲気」だったという。
この女性アナは危険を察知して「翌日も仕事がある」と言い、午後9時ごろにひとりで店を抜け出し帰宅したと報じられている。
フジテレビの女子アナ上納接待疑惑を受けて、民放各社は同様の事案がないか社内調査を実施したところ、この女子アナが今回の事案を報告して発覚したようだ。フジの編成局幹部は他局の女子アナの上納接待まで手を広げていたことになる。
民放各社はフジ疑惑を受けて一斉に社内調査を開始しており、今後さらにフジの編成局幹部や中居氏をめぐる女子アナ接待の実態が露見する可能性もある。
フジテレビの編成局幹部が女子アナ上納接待を繰り返してきたことは週刊誌やネットメディアで報じられているが、フジは昨年末の時点で早々に「社員の関与」を全面否定していた。だが、他局の調査でフジの編成局幹部の関与が判明すれば、フジの「全面否定」に批判が噴出するのは避けられない。
そもそも女子アナ接待文化は港浩一社長ら上層部を含めてフジ社内に広く浸透していたとみられる。編成局幹部による上納接待はそれがエスカレートしたとみられ、フジの企業体質が改めて問われそうだ。
フジだけではなくテレビ業界全体に女子アナを使った接待文化が常態化していた可能性があり、テレビ業界全体に疑惑が波及しそうな展開になってきた。