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#空港検疫をPCRに戻して下さい〜水際対策をくぐり抜けたオミクロン株と抗原検査への疑念

新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」感染者と同じ航空機に乗っていた濃厚接触者で、抗原定量検査を行う空港検疫では陰性だったものの、帰国後に発熱してPCR検査を受けたところ陽性が判明した岐阜県在住の男性のケースが注目を集めている(参照記事)。抗原定量検査はPCR検査より精度がわるく、空港検疫をすり抜ける感染者が相次ぐ可能性がある。

このような水際対策の「穴」について、大手マスコミの大半は沈黙したままだ。ツイッターでは「岸田政権はなぜ空港で精度の高いPCR検査を実施しないのか」と疑問視する声が広がっている。

抗原検査は新型コロナウイルス特有のタンパク質(抗原)の有無を調べる検査手法。手軽に短時間で調べられる「抗原定性検査」のキット販売が全国の薬局で広がっている。「抗原定量検査」は「定性検査」よりも精度は高いが、PCR検査には及ばない。

空港検疫ではもともとPCR検査が行われていたが、昨年7月に現場の負担軽減を理由に抗原定量検査に変更された。PCR検査は鼻などに綿棒を入れて粘液を採取するのが一般的だが、抗原定量検査は唾液を採取すればよい。検査時間もPCR検査は数時間かかるが、抗原定量検査は30分程度ですむ。

これに対し、ツイッターで「#空港検疫をPCRに戻して下さい」という”デモ”を展開してきたのは、PCR検査に詳しい国立遺伝学研究所の川上浩一教授だ。

川上教授はPCR検査は抗原定量検査より約1000倍感度が高いと指摘。「日本は島国なので、検疫さえしっかりしていれば、そうそう新しい変異株は入ってこない」とし、空港検疫を抗原定量検査からPCR検査へ戻すよう訴えてきた。

川上教授はPCR検査の「負担」についても検査技術の進歩で改善されつつあると主張。以下のツイートでは、空港検疫の流れを示す東京新聞記事を紹介しながらPCR検査への変更を急ぐよう求めている。

川上教授の訴えに呼応するメディアも出始めた。朝日新聞出版のニュースサイトAERAdot.の記事『オミクロン株警戒も空港検疫に“穴”? 「抗原検査ではなくPCR検査をすべき」は川上教授らの指摘をわかりやすくまとめているので参照してほしい。

ネットサイトではこのような記事が出始めたが、テレビや新聞には「抗原定量検査」に疑問を呈し、PCR検査への変更を促す記事は非常に少ない。

例えば、空港検疫(抗原定量検査)で陰性だったものの帰国後に発熱してPCR検査を受けたら陽性だったという岐阜県在住の男性のケースについて、朝日新聞出版の親会社である朝日新聞の記事『オミクロン株の感染を確認 飛行機に同乗し、濃厚接触者となった男性』は、陰性だった空港検疫は抗原定量検査で、陽性が判明した検査はPCR検査であったという事実を伝えていない。「抗原定量検査」も「PCR検査」も「検査」という表記でひとくくりに記されており、精度が劣る「抗原定量検査」に対する問題意識がまったく伝わってこないのだ。「抗原定量検査」と「PCR検査」の違いをあえて伏せているような印象さえ感じる。

これでは「なぜ空港検疫をくぐり抜けたのか」という読者の疑問はまったく解消されない。大手マスコミでは編集中枢に近づくほど権力批判の視点が薄れ、政府寄りの報道姿勢が強まっている。

マスコミ各社はコロナ危機当初からPCR検査抑制論を唱える厚労省や厚労省寄りの専門家と歩調をあわせて報道してきた。当初、PCR検査の「偽陰性」について大騒ぎした一部専門家やマスコミ記者たちが今、PCR検査より精度が劣る抗原定量検査の「偽陰性」については沈黙し、空港検疫の脆弱さを黙殺しているのは摩訶不思議である。

厚労省と厚労省に寄り添う専門家・記者らのPCR検査に対する消極姿勢が日本において「早期発見・早期診断・早期治療」というコロナ対策の基本を大きく遅らせてきた主因だ。彼らの姿勢がいまだに変わらない背景には巨大な「医療利権」があるのではないかと勘ぐりたくもなる。

厚労省や大手マスコミの「怠慢」に屈せず、ツイッターでPCR検査の重要性を説き続けた川上教授ら一部専門家の取り組みには頭が下がる思いだ。

川上教授はSAMEJIMA TIMES筆者同盟の飯塚尚子さんの記事『私は本当に「コロナ陰性」だったのか? 今苦しんでいるのは「コロナ後遺症」ではないのか? 抗原検査への疑念』にもコメントを寄せていただいた。飯塚さんが抗原検査で「陰性」だった後にコロナ後遺症とみられる症状に直面する体験をルポした記事である。ぜひご覧いただきたい。

私は本当に「コロナ陰性」だったのか? 今苦しんでいるのは「コロナ後遺症」ではないのか? 抗原検査への疑念〜飯塚尚子