政治とマスコミを斬る
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自民逃げ切り、参院選後は党内闘争へ〜立憲惨敗、維新躍進、野党再編へ〜参院選終盤情勢調査を読み解く

参院選の終盤情勢がマスコミ各社で報じられている。そこから読み込める現時点での状況はおおむね以下のような内容であろう。

【自民】改選55議席を上回る見通し。物価高や党幹部の失言で多少失速感はあるものの、立憲民主党の不人気やマスコミの低調な選挙報道で投票率が伸び悩むことに助けられ、組織票を固めて逃げ切る模様。

【公明】改選14議席を少し取りこぼす可能性も。党勢拡大の勢いはないものの、組織票を固めてしのぐ。投票率が低迷すれば改選議席維持の可能性も。

【立憲】改選23議席を大きく減らす公算大。比例議席では維新に抜かれる可能性も十分にある。選挙区をあわせても維新に肩を並べられる恐れも。非改選議席を含めると議席数では野党第一党を維持するものの、昨年秋の衆院選に続く「惨敗」で求心力は大きく陰り、「立憲では次の選挙は勝てない」との空気が強まって分裂・解党に追い込まれ、野党再編につながる展開も。

【維新】改選6議席、前回5議席から倍増以上の勢い。相次ぐスキャンダルで大躍進した昨秋の衆院選ほどの勢いはないものの、行き場のない自公批判票や立憲批判票の受け皿として躍進する模様。参院全体の議席数で立憲を追い抜くには至らないものの、立憲を分裂・解党に追い込んで残党を吸収すれば、「野党第一党に取って代わる」という目標が実現することも。その場合、国会が与党一色に染まる大政翼賛体制になる恐れも。

【国民】改選7議席の維持は難しそう。自民党に接近して当初予算案に賛成し、内閣不信任案に反対して「野党」の立場を捨てて参院選に挑んだものの、参院選では存在感が埋没。参院選後は自民党の岸田文雄首相や麻生太郎副総裁に近寄る玉木雄一郎代表、維新と連携する前原誠司元外相、参院の連合組織内候補らが結束を維持するのは非常に難しいとみられる。

【共産】改選6議席の維持できるかどうか。神奈川などで残り1議席を立憲など野党に競り勝てば議席上積みの可能性は残るものの、落ち目の立憲の背中を追いかけ共闘路線を維持したことが独自性を薄めて裏目に出る可能性も。

【れいわ】改選議席ゼロから2〜4議席は獲得する模様。山本太郎代表は衆院議員を辞職して参院選に出馬し、れいわの議席数を現有2議席とあわせて二桁に急増させることを狙ったが、そこまでの躍進は難しい情勢。立憲凋落がはっきりするなかで立憲に代わる野党リーダーの座を狙うには、ひとつでも議席の上積みが必要。

【参政党】極右ポピュリズム色を鮮明にしながら与野党すべてを批判し、ネットを中心に支持を拡大。比例で1議席を奪う可能性あり。既存政党への不満を引き寄せる少数政党が乱立していく時代の到来を予感させる。

過去7回の国政選挙と同様、投票率が5割程度にとどまれば、ほぼこのような展開をたどるだろう。一方で今後の一週間で政権批判が高まり、投票率が急増すれば、情勢は大きく変化する可能性もある。

しかし野党第一党の立憲民主党の戦い方があまりにも不甲斐ない。枝野幸男前代表らは、れいわを露骨に批判し、やせ細った野党支持層を奪い合う姿勢を強めている。

野党第一党が自公与党に挑むリーダーシップを発揮せず、野党支持層の小さなパイを奪い合うようでは、自公圧勝の流れは変えられない。これでは野党第一党として失格だ。

他の野党の立憲に対する不信感はいっそう膨らみ、立憲を野党リーダーに担いで政権交代をめざすという機運はますます消え失せ、参院選後の立憲分裂・解党に拍車をかけるだろう。これまで選挙に行かなかった人々の支持を開拓して投票率を引き上げようとする努力が立憲に感じられないのは、まったく残念だ。

立憲は自滅状態にある。国民世論からそっぽを向かれている。立憲の再建は難しいであろう。

自公与党が現有議席を維持する可能性が高いなか、今回の参院選が持つ歴史的意味は、立憲惨敗・分裂→野党再編のスタートということだろう。自民党に挑む新しい野党を作り出す第一歩という位置づけだ。

その座を自民党の悪いところを凝縮したような維新が占め、自民党と連携して改憲や軍備増強を推し進め、大政翼賛体制が実現したら、最悪だ。維新に野党リーダーの座を奪われないように、自民党に対抗する強力な野党を新しく作り出すしかない。

その中核になるのは山本太郎率いるれいわ新選組であり、「消費税廃止・積極財政」の旗印のもとに立憲若手などがれいわへ合流していくのが、自民党を脅かす強力な野党第一党を作り出す最短コースだと私は思っている。

そして、れいわを中核とする野党再編を妨害する一番の勢力は、民主党政権時代に自民・公明・民主3党合意で消費税増税を決めた当時の民主党幹部(菅直人元首相、野田佳彦元首相、枝野幸男元官房長官、福山哲郎元官房副長官、蓮舫元行革相)たちだろう。

以上のような参院選情勢分析と、新しい野党の旗印となりうる積極財政について、YouTube動画で解説したのでぜひご覧いただきたい。なお、参院選後に強まるであろう自民党内の権力闘争については、7月5日発売のサンデー毎日に詳しい解説を寄稿したので、あわせてご覧いただければ。

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