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石破茂元幹事長が自民党支持層でも「次の首相」1位に!過去の離党経験や安倍政権批判を乗り越え、ポスト岸田をつかめるか?

自民党の石破茂元幹事長が久々に注目を集めている。岸田内閣の支持率が続落して危険水域に入るなか、マスコミの世論調査で「次の首相」トップに立っているからだ。来年秋の自民党総裁選にむけてダークホース的な存在に浮上してきた。

産経・フジがが11月11、12日に実施した世論調査で「次の首相」にふさわしい政治家を尋ねたところ、河野太郎デジタル担当相や小泉進次郎元環境相を抑え、石破氏が1位だった。

なかでも注目されたのが、自民党支持層の回答である。石破氏は前月調査で4位(11・3%)にとどまっていたが、今月は1位(17・4%)に躍り出たのだ。

石破氏は安倍政権下で首相批判を展開したことから、野党支持層の評価が比較的高い一方、自民党支持層の支持は伸び悩んでいた。ところが、岸田政権下ではじわじわと支持を広げ、ついにトップに立ったのである。

石破氏は安倍政権で干され続け、石破派も解体に追い込まれ、党内基盤は極めて脆弱だ。9月の内閣改造・党役員人事でも無役のままで、国民的な知名度と人気の高さだけが強みである。

だが、岸田政権で非主流派に甘んじている菅義偉前首相や二階俊博元幹事長にとって、岸田首相・麻生太郎副総裁・茂木敏充幹事長の主流派に対抗するためには、石破氏は有力なカードだ。

自民党内で警戒感の強い河野氏を担げば前回総裁選で岸田首相に敗れたのと同じ構図になるし、小泉氏はまだキャリア不足感が否めない。石破氏が世論調査でトップに立ったことで、ますます石破擁立論が強まる可能性がある。むしろ党内基盤がないことが、菅氏や二階氏にすれば担ぎやすいという利点にもなる。

総裁任期満了に伴う来年秋の総裁選は、国会議員票と党員票が同じ重みを持つだけに、不人気の岸田首相と石破氏の一騎打ちになれば、石破氏が勝利する可能性が高まる。この構図を回避するために、麻生氏らは岸田首相に来春の予算成立後に辞任を求め、国会議員と都道府県連代表だけが投票権を持つ臨時総裁選に茂木氏を擁立するというシナリオも検討している。

その場合もポスト岸田を争う総裁選は2025年秋の衆院任期満了と同年夏の参院選にむけて「選挙の顔」を選ぶ闘いとなるだけに、国民的人気の高い石破氏には十分なチャンスがあるとみていい。

最大のネックは、石破氏がかつて自民党を離党して新進党に転じ、自民党に復党したという過去だ。老舗政党の自民党には「裏切り者」を許さないという根強い体質がある。とくに森喜朗元首相ら重鎮にはその傾向が強い。

石破氏自身も自らの過去を気にしており、「もう失敗はできない」とたびたび周辺に漏らしている。

いざ総裁選になったときに離党経験がどの程度響いてくるのか。安倍氏のライバルだっただけに、最大派閥・安倍派にも「石破嫌い」は根強い。

これらの過去を乗り越えられるかどうかが「石破政権」への大きなハードルとなる。

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