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河野太郎、ポスト岸田から脱落の危機!マイナンバーに続いて弟分の高野参院議員が秘書への暴行で議員辞職〜今夏の内閣改造で更迭論強まる

自民党の高野光二郎参院議員(徳島・高知選挙区選出)が秘書に暴行したことを認め、議員辞職した。参院徳島・高知選挙区の補選は10月22日に行われる。

高野氏は昨年末、高知市内の居酒屋で秘書を殴り、鼻から流血させたことがテレビ高知の6月13日の報道で発覚。16日に記者会見し、「私が…暴行してしまいました」と謝罪して議員辞職の意向を表明した。

高野氏は、秘書3人と居酒屋で事務所の運営方針を話し合っていた際、 「気合いを入れる意図で、左手の甲で胸のあたりをポンとたたくつもりが、その手が秘書の鼻にあたり、鼻血が出てしまった。顔をたたく意図はなく、すぐに止血もした」と釈明しているが、その後に退職した秘書は「血が止まった後も顔を殴られた」と主張し、食い違っているようだ。

国会議員が秘書に暴行をふるうのは、議員としての資質を根本から疑わせるだけでなく、刑事事件として立件されてもおかしくはない行為である。このようなパワハラ行為が日常的に行われていなかったのか、本来なら徹底検証されるべきだが、高野氏は早期の議員辞職で火消しを図ったのであろう。

高野氏の暴力行為が発覚したのは、6月解散風が吹き荒れる最中だった。自民党内でも議員辞職による早期幕引きで総選挙への影響回避を求める声があがっていた。

早期辞職に至る理由として私がもうひとつ注目しているのは、高野氏が河野太郎デジタル担当相の「弟分」だったことだ。

マイナンバーカードをめぐるトラブル続出で、政権与党内では河野氏への批判が高まっている。岸田文雄首相は来秋の自民党総裁選で再選を果たすため、今夏の内閣改造でライバルである河野氏を更迭するとの見方も広がっていることもあいまって、政権与党内では「河野離れ」が加速している。

こうした流れから、自民党内では高野氏を擁護する声はほとんど上がらなかった。

高野氏は、河野太郎氏の父・河野洋平元外相(元自民党総裁)の秘書を経て、地元の高知県議となり、2013年参院選高知選挙区で初当選した。19年参院選では一票の格差是正で合区となった参院徳島・高知選挙区で再選を果たし、二期目だった。

19年参院選前、当時外相だった河野太郎氏は「光二郎の行動には突破力があります。私の弟みたいなものだと思っています」と述べる応援動画を高野氏に送っている。河野氏60歳、高野氏48歳。父親の秘書だった高野氏はまさに「弟分」だったのだろう。

河野氏の政治手法は、菅政権で担当したコロナワクチンの接種にしろ、岸田政権で担当したマイナンバーカードの普及にしろ、独断専行で強権的との批判がくすぶってきた。「弟分」である高野氏の秘書暴行問題は、河野氏の強権政治の印象をさらに深めるもので、河野氏のイメージダウンは加速しそうだ。

河野氏は派閥親分の麻生太郎副総裁と折り合いが悪い。前回総選挙では麻生氏の宿敵である菅義偉前首相の後押しを受けて出馬したが、麻生氏の推す岸田首相に惨敗した。世論調査では人気トップを走ってきたが、党内基盤は決して強くはない。

マイナンバーカードのトラブルに続いて弟分の高野氏の秘書暴行が河野氏に追い討ちをかけ、頼みの「国民人気」にかげりがみえると、一挙に求心力が落ちるのは避けられない。それに加えて大臣ポストまで失うと、存在感が急速に薄れ、ポスト岸田レースから脱落する可能性は十分にある。


鮫島タイムスのYouTube日曜夜恒例の『ダメダメトップ10』に高野氏の議員辞職はもちろんランクイン。河野氏に加え、岸田首相のもうひとりのライバルである茂木敏充幹事長も登場しています。夏の内閣改造・自民党役員人事にむけて、自民党内の権力闘争が強まっています。

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