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小池百合子知事は都知事選に出馬するのか?鍵を握るのは告示直前の「選挙情勢調査」 蓮舫出馬表明前は「継続24%、交代42%」の衝撃の数字、この流れは変わるのか?

小池百合子知事は本当に東京都知事選(6月20日告示、7月7日投開票)に出馬するのか。立憲民主党の蓮舫参院議員に先手を打たれて電撃的に出馬表明され、当初予定していた5月29日都議会初日の出馬表明を見送った後、小池知事の不出馬説がくすぶっている。

答えはシンプルだと私は見ている。つまり、勝てそうなら出馬、勝てる見込みが得られなければ不出馬だ。

小池知事はプライドが高い。晩節を汚したくはない。蓮舫氏に敗れて政治人生に終止符を打つのは嫌だ。勝てるか、勝てないか。この一点で判断するのではないかとみている。

そこで重要になるのは、選挙情勢調査だ。小池知事は告示までに独自の情勢調査を実施し、その数字をみて最終判断するのだろう。

蓮舫氏も出馬表明にあたって、やはり独自の情勢調査を参考にした。立憲民主党が蓮舫出馬表明前に実施した調査によると、「小池40、蓮舫30」で10ポイントの差があった。立憲には「やはり小池知事は強い」との見方もあったが、蓮舫氏本人の受け止めは違った。「私は出馬表明さえしていないのに、現職の小池知事との差が10ポイントしかないのなら、逆転は十分に可能だ」とし、出馬に踏み切る決意を固めたのだという。

小池知事も最終的な判断はやはり「数字」になるに違いない。

蓮舫氏が出馬表明した後の情勢調査は現時点では伝わってこない。立憲同様、蓮舫氏出馬表明前の調査としてはJX通信社が5月18、19日に実施した内容が報じられている。2299人から回答を得たインターネット調査だ。

かつてネット調査は電話や対面の調査よりも精度が低いと言われ、マスコミ調査の主流は電話(携帯と固定を組み合わせる手法)だった。その常識が覆ったのが、2021年衆院選だ。
マスコミ各社はそれぞれの情勢調査を踏まえて「自民苦戦」と一斉に予測報道を流したが、朝日新聞だけは「自公が過半数を大きく上回る」と報じた。結果は朝日新聞の大当たりだった。

朝日新聞はこの選挙から、従来の電話に加え、ネット調査を大胆に導入していた。その結果、朝日新聞だけが的中したことで、マスコミ界では「ネット調査を大胆に導入しないと、情勢調査が当たらなくなる」と衝撃が広がったのだ。

少なくともネット調査の精度は電話や対面より低いという常識は崩れたといっていい。

JX通信社の情勢調査のポイントは以下である。

①小池知事を支持するか、しないか

支持33%  不支持33%

4年前の前回知事選は「支持70%、不支持20%」だった。小池知事の人気が凋落したのは間違いない。

学歴詐称疑惑の再燃以上に、当初は反自民を掲げて知事選に勝利したのに、東京五輪や都心再開発を通じて自民党との連携を強めたことが響いたのだろう。とりわけ裏金議員の萩生田光一・自民党都連会長との蜜月ぶりが広く知られるようになったことが小池人気の凋落につながったのではないか。

ちなみに小池支持は男性より女性に強いこと、40〜60代では不支持が多いことも特徴だ。

小池都政の継続を望むか、知事交代を望むか

継続24%      交代42%

これは小池知事にとっては衝撃の結果である。

自公支持層は「継続」が半数近く、立憲、共産、れいわなど野党支持層は「交代」が過半数に達した。鍵を握る無党派層は「交代」が4割、「どちらとも言えない」が3割で、やはり「交代」が優勢だ。

この結果も小池人気の凋落を映し出している。自民党の裏金事件が発覚した後、国民世論は「政治の継続」ではなく「政治の交代」を求める潮流になった。自民党と歩み寄った小池都政も「守旧派」と位置付けられ「交代」を迫られる立場になったといえるだろう。

③小池支持と情報源
テレビを見る人  支持40%弱 不支持30%弱
テレビを見ない人 支持20%弱 不支持50%弱

ユーチューブを使う人  支持30%弱 不支持40%強
ユーチューブ使わない人 支持40%弱      不支持30%弱

この調査も興味深い。テレビしか見ない人の小池支持は高く、ネットから情報を得ている人の小池支持は低いという傾向がくっきり出たのである。

これは、テレビ各社が小池都政にべったりで、学歴詐称疑惑を報じてこなかったことが大きな要因だろう。さらに小池氏はテレビキャスター出身でテレビの扱いを熟知していることとも無縁ではない。テレビ時代の政治家なのだ。

一方、蓮舫氏もテレビキャスター出身である。テレビ出身の大物政治家同士の対決は、テレビを味方につけた方が優位という見方もできるかもしれない。

その点、ユーチューブで人気を集める広島県安芸高田氏の石丸伸二市長が都知事選に出馬表明したことが、小池vs蓮舫にどんな影響を与えるかは注目だ。いったいどちらの票を奪い、どちらに優位に働くのか。ここは分析が割れるところではなかろうか。

小池知事は6月20日の都議選告示にむけて、なるべくギリギリまで勝てるかどうかを見極めたいところだ。都議会最終日の12日あたりが最終決断のタイミングとなろう。

情勢調査は一般的に週末に行うことが多い。週末の方が回収率が上がるし、投票日は日曜だからだ。そうなると、12日まで最後の週末は8日(土)9日(日)となる。ここで独自の情勢調査を実施し、出馬するかしないかを最終決断する可能性が高いと私はみている。この時点で世論の風向きがどちらへ向いているのか、注目だ。

蓮舫氏の出馬表明で世論の関心も高まり、テレビもようやく報道に力を入れ始めた。私もテレビ朝日サンデーステーションのオンライン取材を受け、6月2日夜の番組でコメントが放映された。今後のテレビ報道の行方も小池知事の最終判断を大きく左右するだろう。

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