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立憲民主と国民民主の合流は連合のため?岡田幹事長の発言に強い違和感〜労組から無党派層へ重心を移さない限り、政権交代はありえない

立憲民主党の岡田克也幹事長が国民民主党との合流に意欲を示した。国民の玉木雄一郎代表がガソリン税のトリガー条項凍結解除をめぐる自公与党との協議を打ち切ったことを受け、「立憲と国民は大きな塊になるべきだ」と秋波を送ったのだ。

ところが、玉木代表は強く反発し、「立憲はともに政権を担う政党とは考えていない」と突き放した。自公に代わって立憲とトリガー条項凍結解除をめぐって協議を進める構想も浮かんだが、玉木氏はあっさり打ち消してしまったのである。

民主党や民進党で先輩・後輩だった岡田氏と玉木氏。玉木氏とすれば先輩諸氏と袂をわかって国民民主党を引っ張ってきて以上、いまさら合流しても居場所はないと考えているのだろう。

野党の再結集はよほどのカリスマリーダーがいない限り、なかなか難しいのが現実である。

私がこの過程で気になったのは、国民に合流の呼びかける岡田氏の発言だった。岡田氏は「立憲と国民が大きな塊」となれば、「連合も一本で応援しやすくなる」と訴えたのだ。

たしかに連合は、立憲と国民の分裂に頭を痛めている。選挙支援体制が混乱するうえ、野党第一党の弱体化で政権交代の機運が高まらず、それが自民党に接近するひとつの要因にもなってきた。岡田氏の発言は、連合を代弁するものといっていい。

だが裏を返せば、岡田発言は、立憲と国民がいかに連合に依存しているかという現実を露呈した。「立憲と国民が合流するのは、連合のためだ」という印象を振りまいてしまったのである。

連合参加の労組に加入している労働者は、全体の2割を下回っている。しかもその多くは大企業のサラリーマンだ。非正規労働者が急増して労働形態が多様化するなか、連合が労働者の声を代弁しているとは言えない。むしろ大企業と歩調をあわせる連合の主張に対し、庶民層の多くは違和感を抱いている。

連合の支持をいかに固めたところで、野党第一党の支持が拡大するとは到底思えない。むしろ連合重視の姿勢が無党派層への支持拡大を妨げているのが現状だ。

それでも岡田氏が連合を重視するのは、立憲や国民の議員のほとんどが、選挙活動(経理やポスター貼りなどの実務)を連合に依存しているためだ。立憲議員のひとりは「連合の労組票はたいしたことはないが、連合に嫌われて選挙活動を手伝ってもらえなくなると選挙戦自体が成り立たなくなる」と打ち明ける。

連合との関係をつないでおけば、現職議員たちは比例復活を含めて自らの議席を維持できるかもしれないが、無党派層へ幅広く支持を広げることはできず、政権交代の実現は難しい。立憲や国民は現職議員の議席維持を最優先し、連合を中心とした今の支持層を固めるだけの「既得権益側」に回っているといっていい。

本気で政権交代を目指すのなら、連合とは一線を画し、圧倒的多数の無党派層へ支持を広げていくしかない。連合を代弁した岡田発言は、極めて内向きの野党再編論というほかない。

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