政治を斬る!

オーストラリアから日本を思って(63)今繰り広げられている戦争は、反エプスタイン対エプスタイン連合の闘いだ!~今滝美紀

エプスタイン連合」これは、イランのリーダーの一人である、イラン議会議長のガリバフ氏が、3月24日SNSに投稿した中にある言葉でした。彼は、次のように投稿していました。

「イランは人類のために戦っている。世界はガザと共にこの植民地主義的なテロ政権に立ち向かうか、エプスタインのような連中や児童虐待者たちに味方するかのどちらかだ。中間はない。#ガザ虐殺 #GazaGenocide」

日本や西側諸国の主要政治家たちが、世界で騒がれているエプスタインについて、問題視する声にほとんど触れないのでは、ないでしょうか。日本関連の人々の名前がこのファイルに多数上がっているともききます。中道改革連合の小川淳也代表のように「知らない」という返答が、無難なのでしょう。

トランプ大統領を激しく追及する米国のテッド・リュー下院議員は、次のような衝撃的な発言をしていました。「ドナルド・トランプはエプスタインのファイルに何千回も登場する。それらのファイルには、ドナルド・トランプが子供をレイプした、ドナルド・トランプが子供を殺すと脅迫したという、非常に不穏な疑惑が記されている」(こちら参照

豪州ABC(NHK相当)でも、3月にリュー議員の発言をファイルにある画像と共に、取り上げました。彼は、エプスタイン・ファイルには、千人以上の被害者が載っているが、誰一人加害者が逮捕されていない。とても不可解な事だ。私たちは、残りのファイルを見ることになるだろう、と述べています。(こちら参照

ABC豪州は、かつては、生粋のMAGA支持者で、トランプ大統領を忠実に熱烈に応援していたグリーンさん(元共和党国会議員)にインタビューしていました。彼女は、エプスタイン追及、戦争反対、米国ファーストで有名になり、多くの支持を集めていました。しかし、1月始めトランプ大統領の脅しや圧力で国会議員辞職を余儀なくされました。そしてMAGAは崩壊状態におちいったようです。

グリーンさんは、次のように語っていました。

「大統領は私がエプスタインの被害者たちを支持したという理由で、私を裏切り者と呼びました。これは大きな転換点でした。彼は動揺し、私に腹を立て、怒鳴りつけました。」「彼が私にした仕打ちや、私を罵った言葉、そして私と私の子供たちへの殺害予告など、彼の行為はひどいものでした」


共和党のマーシー議員も、グリーンさんとエプスタイン事件を追求していました。主要な民主党の議員に連絡をとり、下院で218議員の署名を集め、トランプ大統領に、エプスタイン・ファイルの公開を迫り、約半数の公開が実現しました。民主党議員たちは、エプスタイン・ファイルの公開を求めていましたが、バイデン大統領が拒否し、実現しませんでした。次のような見解が紹介されていました。抜粋引用です。

マーシー議員は、トランプ氏が大統領就任後にファイルの公開を否定しようとしたのは、「彼の友人たちとエプスタイン一族」をかばうためだった。
「彼は性的人身売買に関与した金持ちで権力のある男たちを庇っていると思う」 
「大統領になる前から付き合っていた億万長者たち、そして大統領を退いた後も付き合っていくであろう億万長者たち」との関係を維持しようとしているのだと考えている。

パームビーチ・ポスト紙の前調査報道編集者バルツ氏は、エプスタイン事件を「靴にこびりついたガムのようなもの」と表現し、「ドナルド・トランプこそが、あの事態を引き起こした張本人だ」と指摘していました。(詳しくはこちら

マーシー議員Thomas Massieは、5月19日ケンタッキー州での予備選で、トランプ氏支持の相手候補に巨額の選挙資金が投入され、再選できるかに注目が集まっています。

最近トランプ大統領や西側メディアは、戦争は「イランに核兵器を持たせないためだ」と繰り返しますが、それは戦争を継続し、利益を得る事、イランを弱体化し従順にするため、そして、エプスタイ事件のもみ消しの口実のようにきこえます。                                    

理由は、イランは教義に反するとして40年以上も核を持たないと宣言していること。すでに2015年オバマ政権下で、JCPOA(核兵器を持たない代わりに、制裁を解除する協定)が結ばれていたにもかかわらず、トランプ政権はそれを2018年に破棄し、核濃縮備蓄を許しました。JCPOA締結以降イランの労働者階級の収入向上があったとききます。その後も、2月と6月にも、イランは何度も核兵器不保持に同意し、合意間近で、それを破棄するように、イランへのミサイル攻撃を繰り返し行っているからです。

反エプスタイン対エプスタイン連合  

西側の主要メディアが伝えない、敵対する人々の言い分に耳を傾けると、興味深いことがあります。

エプスタインで繋がる人々を次のように表現されるのを目にします。

「The Epstein Coalition」「Epstein_Axis」「the Epstein class」

私は、この戦争はイデオロギー的な左右翼対決ではなく、上下(超裕福層と庶民)対決。豪州ではイランでの戦争のために、すぐに停戦しても、約3か月後に物価や石油価格が上がるという通知がありました。そして反エプスタインエ VS.プスタイン連合という見方も必要だと思うようになりました。

ガザでの停戦後も、パレスチナやレバノンで毎日起こる悲惨な出来事。(あまりにも残酷なためここでは、書くことを割愛します)2025年10月の停戦以降も、攻撃でガザでは少なくとも約800人が亡くなり、レバノンでは、3月以降少なくとも約2800人以上が命を失っています。女性や子どもたちへの攻撃も目立ちます。

オウエンズさんの次の投稿が目につきました。

私たちは左派と右派の間の亀裂を修復し続ける必要がある。真の悪とは何か。私たちは今や理解している。我々とエプスタインのような階級、そして戦争好きの戦争屋との戦いなのだ

実際に米国の元MAGA(トランプ)支持者もエプスタインを追求し、Stop talking about Esptein という合言葉をSNSで目にします。

日本では、イランやパレスチナへの攻撃を非難する人々が大半なようですが、日本の高市政権はどうでしょうか?

戦争当初“エプスタイン連合への闘い”を表したような、イランからのビデオが話題に上っていました。読者の方々は、このビデオにどんなメッセージが込められているのでしょうか。

ロシアのメディアRTのXは、「『皆のための一つの復讐』~イランがバアルBaalの、自由の女神を爆撃」と表現していました。

そのビデオには、次のような「空を見上げる人々」が映し出されます。 

北アメリカの原住民(インディアン)→広島原爆投下後、赤ん坊を背負う少年→農地に立つベトナム人→黒煙が経つ建物の中、佇むイエメン人→壊れたテントで生活するガザの子ども→エプスタイン島で立つ少女→イランのミナブ(2月28日、米イスラエルぼ先制攻撃で約170人の少女が爆撃で殉死した場所)の学校で立つ少女→ケフィエ(パレスチナの不屈の精神と連帯を示すスカーフ)を巻いたイランのソレイマーニー司令官(彼は2021年イラクの空港に到着後、第一次トランプ政権により暗殺されました。イランの中東政策におけるキーマンであり、米軍やイスラエルに対する「抵抗連合」を指揮する国民的英雄でした)→ケフィエを巻いた、イランの前最高指導のハメネイ氏(2月28日、第2トランプ政権米イスラエルの攻撃で暗殺)が、地平線から発射されるミサイルを見つめています。

皆、空を見上げ、その頭上に飛ぶ、イランからのミサイルを見ているようです。ミサイルは、米国のニューヨークにある自由の女神を“ Baal ”(バアル)像に見立て、命中し、破壊します。

Baal像や崇拝について、「Worship Baal」でAI検索しました。次の説明は、その抜粋引用です。

バアル崇拝は「豊穣を祈りつつ、女性や子供を神々に捧げることを伴うものであった」悪魔化が進み、時が経つにつれ、バアルは悪魔的な力として描かれるようになり、聖書で悪魔的な力を表す言葉として使われるようになった。ある古代イスラエル人はヤハウェ(ユダヤ教の唯一の神)の代わりに、バアルを崇拝し、快楽を目的とした儀式へと誘惑することがしばしばあった。それは激しい官能、神殿での売春(宗教的な供物として、女性や子供を神々に捧げることを伴う)、子供の犠牲を伴った。

聖書はバアルを偽りの神、唯一の神ヤハウェの主要なライバルとして描いている。幼児犠牲や性的不道徳といった儀式を伴うとして批判された。預言者たちは、バアル崇拝に反対し偽りを強調した。

しはしばしば混淆(こんこう)主義(異なる宗教、思想、信仰、文化、哲学が接触・融合し、新たな形態を生み出す現象や考え方)に陥るため、このような事が起こった。以上がAIの解説です。

以前、西側諸国では、悪魔教を崇拝する人々について書きました。(これは陰謀論ではなく、主要メディアでも紹介され、実際にその教会もあります)その人々は、反キリスト教・肉体的快楽・物質主義・個人自由主義という点で、共通しているように見えます。ロシアはこの悪魔教を社会的悪影響のため禁止しました。(こちら参照

この混淆主義Syncretism は、統一教会、キリストの幕屋、米国の福音派キリスト教等、基の教義から大きくかけ離れたような教えが現われていることもその例でしょう。

Times of India が、バアルとエプスタンを関連ずけて、同様の解説をしていました。(こちら参照

私たちの、社会でもエプスタイン的兆候が見られるのではないでしょうか。

エプスタイン事件の近況

トランプ氏が選挙時にエプスタイン・ファイルを公開すると公約し、2月中旬に、加害者情報を黒塗りした、不十分なエプスタイン・ファイルが公開されました。3月に公聴会が開かれ、司法長と被害者側で激しいやり取りがありました。

被害者側の人々が、激怒しているのは、ファイルの加害者の名前は黒塗りされているのに、多くの被害者の個人情報や裸体の写真が公開されたことでした。

このファイル公開は、不完全だとし、ボンディ前司法長官への書簡には「これはむしろ、被害者を威嚇し、名乗り出た人々を罰し、エプスタインの犯罪が何十年にもわたって続くことを許した秘密主義の文化を強化しようとする意図的な試みのように感じられる」と記されていたそうです。

起訴されたのは、エプスタイン氏のパートナーであるギレーヌ・マックスウェル氏だけです。彼女の弁護士は、恩赦が与えられない限り、彼女は議会で証言しないと伝えました。

また、被害者たちは、バージニア・ジュフリー氏(先頭に立った告発者)にちなんで「バージニア法」“人身売買と性的虐待への時効の廃止法案”設立も要求しています。

ボンディ前司法長官は「もし、本来伏せるべきではない男性の名前が伏せられていた場合、もちろん伏せ字を解除します」と彼女は述べました

2月28日に米イスラエルのイランへの先制攻撃が行われ、4月2日、ボンディ前司法長官は、トランプ大統領により解任されました。

最近の報道は、ほとんどイランに対する戦争関連で占められ、エプスタインの残り約3万ページと黒塗りされた加害者情報の公開はどうなるのか?時効は廃止されるのか?が注視されます。

なぜストップ!エプスタイン主義なのか?

エプスタイン事件から想起するのは、“子ども、女性、レイプ、虐待、肉体的快楽、個人主義、拝金主義”等です。

レベルは違っても、その兆候が見られるところは、日本を含め世界中にあるのではないでしょうか。

豪州ABCで、イスラエルのエルサレムに滞在する、タングル記者の5月4日の報告からもその兆候が、うかがえるようです。

彼女が、目を離せない所として、パレスチナのヨルダン川西側をあげています。次は、タングルさんの記事の引用です。

皆さんも、ヨルダン川西岸地区のイスラエル人入植者(この入植は違法とされています)コミュニティ内外で、パレスチナ人に対する暴力行為がますます露骨化している映像を目にしたことがあるでしょう。入植地の拡大ペースは指数関数的に加速しているように見え、現在では、すでに70万人以上のイスラエル人が居住しています。

写真ではあまり分かりにくいのは、2023年10月7日以降、特にここ数ヶ月で加速しているパレスチナ人コミュニティに対する経済的、法的、行政的な締め付けの強化であり、これはパレスチナ自治政府の役割と権限を縮小しようとするものです。

分析者らは、これらの措置こそが、イスラエルがヨルダン川西岸を単に占領するだけでなく、併合する準備をしていることを示していると指摘している。

イスラエルは現在、パレスチナ自治政府が統治するヨルダン川西岸の他の地域においても、水、環境、文化遺産、考古学に対する支配を拡大している。

ヨルダン川西岸のパレスチナ人コミュニティは、ますます狭くなる地域に閉じ込められ、10月7日の攻撃以来、イスラエルへの出入国が認められないことによる経済的困難に直面しています。

3月末には、ヨルダン川西側で、パレスチナ人に対する死刑制度法案が可決され、世界的に波紋を呼んでいます。イスラエル人によるパレスチナ人の殺害は、過去10年罰せられていません。パレスチナ人により、自衛だとしてもイスラエル人が殺害されれば、死刑になり、イスラエル人がパレスチナ人を殺害してもそうならない。戦後初の人種差別的法案だ、と言われ豪州や主要西側諸国は懸念を示しましたが、米国は支持を表明しました。

この法案を推進したイスラエルの極右国家安全保障大臣グヴィル氏は、投票に先立ち、絞首刑の縄の形をしたラペルピンを身につけていました。法案可決時にシャンパンを抜いて祝い、議員たちからは、拍手が湧く様子が報道されました。(こちらその様子

世界的な過半数の人々とは逆に、ほとんどのイスラエルの人々がパレスチナ侵攻やイランへの攻撃を支持して、このようなことを行っているということ、それをアメリカは援助・支持していること。そして日本と西側諸国は、最も親しい同盟国であり、イスラエルと軍事的貿易を行っている意味を考えてしまいます。 

また日本でも、増税と社会保障の削減。円安と不動産価値の減少で、多くの外国人が入植を始め、日本国籍を取得しやすくなり、外国人優遇政策がとられているのを知ると、レベルは違っても、ヨルダン川西側と重なってしまいます。ヨーロッパでも先住国民の生活が苦しくなり、長年の大量移民問題があります。

精神的な苦痛も

前述した、イランのガリバフ議長の、3月24日SNS投稿「イランは人類のために戦っている。世界はガザと共にこの植民地主義的なテロ政権に立ち向かうか、エプスタインのような連中や児童虐待者たちに味方するかのどちらかだ。中間はない。#ガザ虐殺 #GazaGenocide」には、次の記事が添付されていました。

これはほんの一例ですが「イスラエル兵がガザ地区で1歳の子供を拷問し、父親から自白を強要したと報じられている」という報告でした。(詳しくはこちら

パレスチナ人の拘留者成人男性へのレイプも問題になっています。これらは、西側の主要メディアは、取り上げ問題にしないでしょう。

なぜ、このような事が起こるのか、なぜ容認されるのか…。


#Minab168

今では、トランプ大統領や西側メディアがほとんど触れない#Minab168 を忘れさせないように、イランでは米イスラエルの先制攻撃で殉死した168人の子どもたちを繰り返し取り上げています。

イランの外交やその航空機は、Minab168 と名付けられていました。

独立系ジャーナリストのシェイクさんが、ミナブを訪れ様子を伝えていました。

「 授業が行われている日、米国のトマホーク巡航ミサイルが3発連続で発射された。最初の攻撃後も多くの子供たちが生きていた。逃げようとした子供たちが再び標的となり、今度は助けようとした教師や保護者も巻き込まれた。これは子供と人類に対する極悪非道な犯罪としか言いようがない」

米国は「間違いだ」と言いますが、この小学校は、何年も前から存在し、米国が間違うはずがない、と非難されています。


今滝 美紀(Miki Imataki) オーストラリア在住。 シドニー大学教育学修士、シドニー工科大学外国語教授過程終了。中学校保健体育教員、小学校教員、日本語教師等を経て早期退職。ジェネレーションX. 誰もがもっと楽しく生きやすい社会になるはず。オーストラリアから政治やあれこれを雑多にお届けします。写真は、ホストファミリーとグレートオーストラリアン湾の沖合で釣りをした思い出です。