2026年のイースターも西フィヨルドへ出向いた。雪夜明けの晴天日がドライブ日となり、新雪がまぶしい絶景を満喫ーー満喫しすぎて、当分の間雪景色とフィヨルドは見なくていい感じの供給過多状態(贅沢でごめん)。
今年のイースター「も」ということは、去年も行ったし一昨年もそうだった。来年もと言いたいところではあるけれど、来年こそは日本の桜を満喫したいので、来年はスキップして再来年にまた行きたい。
↑と書いたところで来年の航空運賃を調べると、3月下旬からの日本・アイスランドの片道航空運賃だけで約25万円(涙)。あまりにもの運賃なので、桜は諦めて往復で20万円強に納めました。燃料の関係で先行きがわからないとはいえ、とりあえず次回帰国時の往復航空券を購入。
コロナの時、JALの対応が素晴らしかったので、その後はずっとJAL一途。コードシェア便ではあるけれど、どちらにしてもJALは責任を持ってくれると信じている。
さてさて、今回のアイスランド国内旅行の目的は音楽フェスの『Aldrei for eg Sudur』。とはいえ、この時期に西フィヨルドへ走る口実にすぎないのかもしれない。
アイスランド観光は天候に左右される。天候がよければ500%素晴らしいし、天候が悪ければ室内で過ごした方がいい。
去年は天候に恵まれてのスイスイ・ドライブだった。今年は3泊の予定を2泊にせざるを得ず、また往路と復路、両方の日程を変更することになった。滞在が短くなったのは悔しいけれど、結果オーライ。変更しなければ、往復ともにドライブで怖い思いをしたか、帰宅時の途中で足止めを食っていたので、正しい判断だったと思う。一泊分は無駄になったとはいえ、安全には替えられない。
我々は2年前、こんなドライブを体験していたのだ。
まずはちょこっとおさらい。投稿はしていなかったけれど、アイスランドを出る数日前の2025年12月6日にケーリルという山のある近くを走りに行った。午後3時の夕焼けがこの写真。

今回はその時以来なので、約4ヶ月ぶりのドライブだ。わ〜〜い。これが我が家を出て一本だけ離れた大きめの道。前々日に降った雪がレイキャビク中心部にもまだ残っている。

レイキャビクのシンボルであるハトグリムス教会は自宅から徒歩で5分もかからない場所にある。教会からのご来光が何となくいい感じで、うわぁ〜やっとアイスランドらしいドライブができるかも〜と心の中で密かに喜んだ。
ーーーと書くとそれっぽくて美しいけど、実際は「わ〜、チョーうれしい!きっと美しいドライブになる〜わ〜〜〜!!」とうるさいほど叫んだ(笑)。

そしてごく普通にレイキャビクを抜け、近隣の街を抜け、1号線をたどり、途中から西フィヨルドへと60号線に抜けた。
すぐに見えてくるのがボイラ(Baula)という山で、930メートルほどの高さがある。天辺が三角形のおにぎり型なので、遠くからでも特徴的だ。この周囲の渓谷には滝もあり、60号線から少しの間だけ抜けられる未舗装道を利用すれば、適宜停車してその滝などを見ることもできる。けど、今日はその未舗装道さえ見えないのでこのまま走り去った。

1号線を離れると景色が断然よくなる。もう私は終始、「きーれいね〜。白い雪が光ってるね〜、やっぱこの景色だよね〜〜〜」とはしゃぎ気味。それは久々に私とドライブに出た彼も同じで、テンションの高さはそうは違わなかった。
道路には雪がほとんどなく、日照のおかげで路面の凍結もなく、運転手としては随分と楽に走れたようだった。よかった。

とはいえ、さすがに61号線の山越時は道路がまだ真っ白な部分もあった。道路際も見渡す限りの銀世界。風で粉雪が飛ばされた模様が美しかった。

下の写真を見ると、上の写真が道路際であることがよくわかると思う。週末にも関わらず、交通量はごく少なめで、それも運転に余裕が持てる一因となっていた。とは書くけど、私はあくまでもパッセンジャー・プリンセス(助手席の王女さま)で、運転は一切しない。ゴールド免許もちだけど、運転したことないんです。危なっかしいから絶対に運転させないで。

彼からも「運転したらいいのに。郊外に出ればいくらでも練習できる」と言われるけど、私は助手席の王女さまで君臨したいのです。聞くところによれば、運転好きがふたりいると「この道は私が運転をする!」と奪い合いになる場面もあるとか。少なくとも我々の間にそのような争いが起きる確率はない。
「何があっても自分が運転をしなければいけない」という自覚と責任感が持てるからその方がいいと言う。
という訳で「あなた運転する人、私助手席に乗る人」が一番美しい形に落ち着いている。
道中、氷がバッキバキに割れまくった場面に出会った。こういう景色、好き。

そして車は西フィヨルドへと入っていく。西フィヨルドの特徴は、下の写真にあるような、三角のとんがった山が連なっていることだ。氷河に削られた山々が剥き出しになっている。これを見ると、「あぁ西フィヨルドだ〜」と思う。数日前に雪が降ったため、新雪で化粧したばかりの顔をしている。美しい。

ここまでくればこっちのもの?あとはフィヨルドをいくつかぐる〜りとまわって進む。正直なところ何度も走っていると冗長ではあるんだけど、美しさは変わりないし、やはり季節によって毎回表情が違うから楽しい。
そして大好きな休憩スポットまでたどり着いた。去年と今年、同じスポットで同じような写真を撮ってもらった。二週間の違いで随分と雪の感じが違っている。



上の写真の私が撮っていたのがこの景色。見惚れますよね!太陽が出ていて寒くないし、風はほとんどないので、水面も穏やか。このフィヨルドのこちら側とあちら側では、どちらも同じように少しばかり化粧した山の地層が水面に反射して、その移り変わりを見るのがとても気持ちよかった。
あぁ、西フィヨルドだ〜。
フィヨルドは美しいし、ドライブも快適だけど、こういった交通手段がなかった時代はさぞ大変だったろうとも。開拓者の精神力の強さには脱帽です。

次のフィヨルドがこちら。景色は似てはいるけれど、全く同じではなく、それぞれのフィヨルドにちょっとした特徴があり、それを見つけ出すのも面白い。下の写真は午後3時。
最初に出した12月の写真を思い出してほしい。同じ午後3時でも4月初旬はまだまだ日照が続く位置に太陽がある。12月は日没だった時間帯だ。

という感じでいくつかフィヨルドを抜け、西フィヨルドの中心となるイサフョルヅルという街に到着。
今回は音楽フェスレポートはしないけど、毎回とても楽しく過ごしてます(だから毎年行きたくなる)。
フェスへも行きましたというだけの証拠写真。このフェスはアイスランドの国立テレビで放映され、最前列近くにいた私たちは今回も何度か映し出されていました。

西フィヨルドの景色ということでもう少し。
前回と今回で一番感じたのは、二週間でこれほど景色が違うのかということ。もちろん、この数日前にドカ雪が降ったことが大きい。
ここは去年私が最大に気に入った場所だった。今年も絶対に行きたい!と彼と意気込んで出向いた。
ところが、積雪がすごくてこの桟橋にたどりつく入り口で車のタイヤの跡がない。
はて、先に進んでいいものか?と迷ったけれど、道の感じは覚えているので、ぬかるんでいることはない。積雪だけが問題なので、そろそろと進んでみた。
これ以上は車が身動きできなくなりそうな場所があった。重機が置いてあった場所だ。そこまで進み、あとの100メートルかそこらは歩くことにした。


ふくらはぎの真ん中あたりまで深い雪を容赦無くズボズボと歩き、やっと桟橋まで進むことができた。この2枚の写真はほぼ同じ場所から撮っている(はず)。
今年はきつかったわぁ(笑)。
去年は風もなく、静寂の中に時々聞こえてくるのは鳥の声だけだった。透明な海の水も美しく、うっとりと周囲を眺め満喫したものだった。


なのに今年はビュービュー風は吹いてるわ、足元は悪いわ、久々のドライブで慣れてなくて普通のスニーカーしか履いてないわで、もー拷問状態!
こんな感じで鼻水を垂らしながら必死で歩きました。この写真では必死さが伝わらないか?!
これがこの場所の初体験であれば、「もー行かない!」になったかもしれないけれど、前回が素晴らし過ぎたので、何度でも行きます(笑)。

ここまで雪が多いといういうことは、雪が多い方が美しい道もある。
そこで我々が向かったのはスズレイリという街の外れにある半島の天辺の部分。この近くに農場があり、道路がそこそこ整備されていることは知っているので行ってみた。

思った通り、車は通れるし、真っ白な世界でここも楽しい。右手の岩盤からは水がしたたるので、凍りついている部分も多く、それがきらきらと光ったり、雪に覆われていたりでかなりゴージャスな眺めだった(写真がないんだけど・・・)。
撮影角度が違うけれど、下の写真でわかるだろうか。モニュメント的な家屋は今回、雪で埋もれに埋もれていた。雪で覆われ、足跡がない部分に下手に一歩踏み出すと、ズボっと太ももまで雪に埋もれることがある。用心しないと一人では抜け出せなくなるので、このあたりの地形を思い出し、ソローっと海岸近く、絶壁から落ちないようにしながら近づいてみた。


同じ場所でも季節によって全く違う場所に見える。体験も異なる。自然の物事なので計画性もない。突発的なところが面白いんだなぁ。何度も同じ場所を訪れる醍醐味をまたここでも感じた。
今回は2泊でフェスも見たし、雪でジープ道などは通れないため、サラっと周囲を回ってきただけだった。それでもそこそこ楽しかったし、天気に恵まれたのは本当にありがたかった。

という感じで、今回のこの投稿の写真は白と青ばかりの雪景色。きれいだけどそろそろ読者のみなさんも飽きてきませんか?
帰宅時のドライブは、晴天続きだったため雪が溶け始め、水となった部分が太陽に照らされてピカピカ、ツヤツヤと輝いていたのが目に鮮やかだった。
今年の夏、ジープ道を進める時にまた来よう、ということで意見が一致。レポートできるとすれば夏の終わり頃になるかな。
小倉悠加(おぐらゆうか)
東京生まれ。上智大学外国語学部卒。アイスランド在住。メディアコーディネーター、コラムニスト、翻訳家、ツアー企画ガイド等をしている。高校生の時から音楽業界に身を置き、音楽サイト制作を縁に2003年からアイスランドに関わる。独自企画のアイスランドツアーを10年以上催行。当地の音楽シーン、自然環境、社会の自由な空気に魅了され、子育て後に拠点を移す。休日は夫との秘境ドライブが楽しみ。愛車はジムニー。趣味は音楽(ピアノ)、食べ歩き、編み物。
