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こちらアイスランド(83)レイキャビク近郊でもこれだけ楽しめる。三段構えの滝、地図にない道の走破、地球の割れ目の穴場!〜小倉悠加

海外旅行後、日本への帰国時・入国時のルールが緩くなったせいか、ポツポツと日本からのお客様がアイスランドにも入り始めている。去年の暮、私が帰国した際は二週間みっちり自主隔離させられた上、超うざいアプリから呼び出しが1日何度もあり、日本という国はどーしてこーも建前ばっかなのかぁ〜〜。ブツブツ。

とにかく、海外への出入りが少しでも自由になってよかった。

ちなみに、アイスランドは半年前から入国に際しての規制はないので、どうぞ気軽にいらしてください。私も10月に実施できるよう旅行代理店とツアーを企画中。物価全般の上昇に加え、特に燃油サーチャージが高額で、旅行代金が嵩むのが申し訳ないとはいえ、外に出たくてうずうずしている方も少なくないでしょうから、催行できますように!

今回のこちらアイスランドは、久々にドライブのお裾分け!

彼の勤務先が労働時間の時短をしているため、一ヶ月に1日有給が追加される。それを使っての近郊冒険ドライブ。冒険とわざわざ書くには理由がある。

アイスランドには主要道、幹線道など、呼び名はともかく数種類の道路があり、それぞれに番号がついている。最も有名なのは1号線で、東京の山手線のごとく、アイスランドを一周ぐるりとできる一本の道路。丸くつながっているため、リングロードと呼ばれている。

去年私たちが夢中で走ったのはF道で、Fは山(fjall)のことで、主に高地の道路で、夏の間のみ通行することができる。

今回のドライブで選んだのは、名無し、番号なしの道路。地図の記載もないけれど、一応衛星による地図を拡大して道を辿れば、道がある気配はする。

もちろん全くアテがなかった訳ではなく、地元人の情報によれば通れるという。そして途中、なかなか素敵な滝もあるとのこと。面白そうだ!私たちは飛びついた。

使った道路のルートを列記すれば、1→36→ 48→47→520→ 508→番号のない道→ 52→550→36→360→435→1の順序。これでグルリとレイキャビク郊外を一周することになる。道路番号の列記なので、何がなんだか〜ですよね。

地図は作ってあり、ICELANDiaオンラインサロンでお裾分けをしているので、ご興味ある方はぜひオンラインサロンへのご参加を〜。

今回このコラムでご紹介するのはこのドライブのハイライト。
3段構えの滝、未知道の走破、地球の割れ目の探索、風光明媚な360号線と435号線のドライブ。時間のある方はぜひドライブレコーダー動画で疑似体験をどうぞ。無音なので、好きな音楽をかけながらでもぜひ。

で、今回のこのドラレコ、要所要所に写真を入れるのを忘れた・・・。

3段構えの滝は私が彼にトイレストップをお願いした時、偶然に発見。鯨湾の47号線はお馴染みの道ではあるけれど、横道に逸れることは滅多にない。けれど、私の要求に応えるため、幹線道を外れて適当な場所(意味は想像の通りかと)を探している時に出てきた!

遠目からは2段の滝も、上に登ってみると下からは見えない滝があった。滝の音を聞くと、邪念が払われるのか、音が大きいので思考が奪われるのか、なんとも清々しい気分になる。これが日本であれば、涼しくて最高なんだろうけど、アイスランドはまだまだ寒く、涼を味わうという感じではない。あえて言えば、滝のそばは普通に寒いけど、凍った姿もいいんだろうな、とか(笑)。

それでも周囲に咲く控えめで可憐な花が夏であることを教えてくれた。

次なる滝は580号線を走り切った後の、文字通り道なき道を進んでいた時に見かけた。道路から滝までの距離は少しあるけれど、普通に歩けそうな場所なので、天気がいい日にでもこの滝の近くまで行き、探索してきたいと思った。

風も強く雨も降っていたため、車内から写真を撮った。この滝は二重か二段に見えない?

この道なき道は四駆は必至ながら、特に運転するのが難しいとか危険ということはなく、あえて言えば羊用ゲートの開閉と、浅い川を一箇所渡るのが要注意。1時間程度で52号線に出ることができた。

次なるハイライトはギャゥ 。アイスランド語で「gjá」と書く。ギャゥとは地面の割れ目という意味の単語で、有名なアルマンナギャゥはシングヴェトリル国立公園にある。アルマンナギャウは北米プレートとユーラシアプレートの二つが出会う場所で、通常は海底に沈んでいて見えない地殻が地上で見られるという珍しい場所。ちなみにシングヴェトリル国立公園は議会政治発祥の地として世界文化遺産に指定されている。

今回私が行ったのは有名なその公園内ではない割れ目のーーー穴場?!36号線を走っていると背後に大型バスが迫り、圧迫感を感じて、バスを先に行かせるために横道に逸れたまでだった。

有名人の別荘がある地域なので、もしやビョークの別荘でも見つけられるかもしれないと、少しだけ進んでみることにした。すると目に飛び込んできたのがこの光景。アルマンナギャゥそのもの!同じエリア内なので、意外ではないはずなのに意外な出逢いだった。

ここはもちろん観光地ではない。けれど、この地殻に沿って散歩コースがあり、どうやら本家本元の国立公園まで続いているようだった。

このエリアを出た後、36号線と1号線を使い普通にレイキャビクへ帰宅することもできた。けれど、そのルートではなく、シングヴァトラ湖畔の道は通行できるか?と尋ねてきた。遠回りになるけど、近年は夏しか通れないし、風光明媚だからそちらを通りたい、と。

私も湖畔を通るルートの方が好きだ。特に435号線の山や谷を抜ける起伏のあるコースは美しく、のっぺりした36号線よりも楽しい。そして私が2003年の秋、初めてゴールデンサークルを巡った時のツアーバスは、冬でのこの道を使っていた。思い出深い道でもある。

走り終えてみると、「次回探索」の課題をいくつか発見することができた。近隣は走り尽くした感があるので、次回へのちょっとした楽しみを発見することはとてもうれしい。

小倉悠加(おぐら・ゆうか):東京生まれ。上智大学外国語学部卒。アイスランド政府外郭団体UTON公認アイスランド音楽大使。一言で表せる肩書きがなく、メディアコーディネーター、コラムニスト、翻訳家、カーペンターズ研究家等を仕事に応じて使い分けている。アイスランドとの出会いは2003年。アイスランド専門音楽レーベル・ショップを設立。独自企画のアイスランドツアーを10年以上催行。当地の音楽シーン、自然環境、性差別が少ないことに魅了され、子育て後に拠点を移す。好きなのは旅行、食べ歩き、編み物。自己紹介コラムはこちら

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