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週刊文春第二弾のターゲットは元SMAP中居正弘ではなくフジテレビだった!女性社員の被害訴えを組織的にもみ消し、中居の番組起用を続けていた〜社長の進退問題へ発展は不可避

週刊文春が元SMAPの中居正広さんから「飲み会」で性被害を受けて解決金9000万円で和解したとされる元フジテレビ社員を直接取材し、「私以外にも被害に遭っている」として中居さんと親しい大物プロデューサーの関与を指摘する証言を報じたのは昨年末。注目された年明けの続報のターゲットは、やはり中居さんではなくフジテレビだった。

フジテレビのアナウンス室長ら幹部は女性社員から「中居さんから性被害を受けた」という訴えを聞き、番組制作局長に報告をあげたが、フジテレビは中居さんから聞き取りをするなどの対応を一切せず、中居さんを番組に起用し続けたという内容だ。
フジテレビは昨年末、「飲み会」の設定には一切関与していないというコメントを発表していたが、少なくとも性被害をの訴えを握り潰していた格好である。

フジテレビはいよいよ追い詰められてきた。

文春砲第二弾のポイントは以下の二つである。

①「飲み会」の現場は中居さんの自宅だった

文春の第一報は、中居さんの番組を手掛ける大物プロデューサーA氏が飲み会を設定する一方、中居さんと女性社員を除く全員がドタキャンし、二人だけの密会が実現して、女性社員はそこで性被害を受けたと報じていた。第二報では、その現場は中居さんの自宅だったというのである。

フジテレビがコメントしたように、A氏は飲み会の設定に一切関与していないとすれば、中居さんが突如として女性社員を自宅へ誘い出し、女性社員はひとりで参加したことになる。

その場合、このようなトラブルになるだろうか。それが本当なら、すでに女性社員とトラブルがあったことを認めている中居さんが「フジテレビは一切関与していない」と明言するのではないか。

女性社員がいきなり中居さんの自宅をひとりで訪れたというのは常識的には想定しにくい。A氏が飲み会の設定をはじめ、二人を結びつけるために何らかの形で関与していたと考えるほうが自然である。フジテレビの説明は辻褄があいそうにない。

そうでないのなら、フジテレビは記者会見して説得力のある反論をすべきであろう。


②フジテレビは女性社員の性被害の訴えを組織的にもみ消した

女性社員は中居さんから性被害を受けたことに加え、A氏も関与していることについて、アナウンス室長とアナウンス室部長に報告し、医師を交えて話し合っていた。

この経緯は当時の編成制作局長にも報告された。にもかかわらず、フジテレビは中居さんから聞き取り調査するなどの対応は一切行わず、中居さんの番組出演を継続していたのである。性被害の訴えを組織的にもみ消し、何事もなかったように放置したのだ。

当時の部長は、フジテレビの看板アナウンサーのひとりである佐々木恭子アナだった。佐々木アナは女性社員に「大変だったね。しばらく休もうね」というだけで「Aさんにはこのことを相談してないからね」とも告げたという。女性社員は文春の取材に「なぜ言わないんだよ。言えよって思いました」と当時の心境を吐露している。


文春砲第二弾から言えることは、以下の3点である。

①女性社員は「女子アナ」であることがほぼ確定した(文春は女性社員と中居さんとの間で合意した口外禁止を含む和解条項に配慮し、女性社員の特定を防ぐためあえて「女子アナ」との表現を避けているのだろう)
②フジテレビの編成制作局は組織的に性被害の訴えを把握していた
③フジテレビはそれにもかかわらず性被害の訴えを放置し、中居さんの番組起用を続けた(女子社員による性被害の訴えを黙殺した)

フジは昨年末に「飲み会の設定には一切関与していない」とのコメントを発表していたが、仮に関与していないとしても、社員から性被害の報告を受けながら放置して中居さんを起用し続けた企業責任は重大だ。

当時はジャニーズ事務所の性加害事件を見て見ぬふりをしてきたマスコミ各社への批判が高まっていた時期である。フジテレビはジャニーズ問題をまったく反省していなかったといえよう。

さらにフジテレビが女性社員の性被害報告をもみ消す隠蔽疑惑が浮上したことで、昨年末の「飲み会の設定には一切関与していない」というコメントそのものの信ぴょう性も揺らいできた。

全面否定コメント自体が嘘ならば社長の進退問題に発展することは避けられない。事件そのものよりも経営陣による事件もみ消しのほうが企業としての信用失墜ははるかに大きい。

このような状況では、もはや社内の独自調査では誰の信用も得られない。社長の責任問題に発展することを防ぐため玉虫色の調査にとどめる可能性が極めて高いからだ。第三者による外部調査が不可欠である。

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