SAMEJIMA TIMESは「無料公開」にこだわります。皆様のあたたかいご支援をよろしくお願いいたします。講演・出演・執筆・スピーチライター等お仕事募集中!

世田谷区長ら都内6首長が与野党に促す「コロナ政治休戦」〜衆院解散を10月21日の任期満了まで先送して政治空白を回避せよ!

コロナ感染拡大と医療崩壊に直面している東京都世田谷区の保坂展人区長ら「首都東京の首長有志」が8月12日、東京都庁で緊急記者会見し、10月21日の衆院任期満了までをめどに「政治休戦」とし、与野党が協力してコロナ危機に対応するよう訴えた。与野党が「10月21日衆院解散ー11月投開票」の政治日程で合意し、衆院解散まで連帯してコロナ危機管理に全力を尽くす「事実上の大連立」を促すものだ。

菅義偉首相は自民党総裁の任期が切れる9月30日より前に衆院解散に踏み切り、総選挙で安定多数を得たうえで総裁選に無投票再選する筋書きを描いてきた。

ところが、東京五輪を強行開催した後に感染拡大が加速して内閣支持率は急落。自民党内からは安倍晋三前首相が牛耳る最大派閥・細田派を中心に衆院解散を先送りして総裁選の先行実施を求める声が強まっている。安倍氏に近い高市早苗前総務相が総裁選出馬を「文藝春秋」で表明したほか、安倍氏側近の下村博文政調会長も総裁選の先行実施をBS番組で主張した。いずれも菅首相の無投票再選を簡単には認めない安倍氏の意向を踏まえた動きとみられている。

東京を中心にコロナ感染拡大が止まらず医療崩壊が進むなかで、自民党内では解散総選挙と総裁選のどちらを先に実施すべきかという政治的駆け引きが激化しているのだ。

永田町の「コロナより政局」の動きに苦言を呈するのが、保坂区長ら「首都東京の首長有志」の緊急提言の狙いだ。保坂区長のほか、新宿区長、杉並区長、中野区長、多摩市長、小金井市長の6人が名を連ねている。12日の記者会見では、自民党都議出身の吉住健一・新宿区長が「思想信条が異なる超党派で連携して政治休戦を訴える」と語り、旧民主党都議出身の田中良・杉並区長が「政治的配慮や地域バランスと無関係でコロナは広がる。まず東京を抑えることが全国感染を鎮める近道だ」と訴えた。

緊急提言は「直近の首都東京における感染爆発の勢いは、止まることを知らず、1年半にわたって続いてきたコロナ危機の中で、最も深刻な状況」「『自宅療養者』が激増する中で診断や治療へつなぐことが困難となりつつある」としたうえで、「この事態の収束を共通目標として、政治の場で与野党が力を合わせて対処することを求めます」と要請。「すでに衆議院議員の任期まで2ヶ月余りとなっている現在、任期満了から起算できる総選挙日程を決めた上で、国民の健康と生命を守るために政治休戦して、全力で危機回避にあたるべきだ」と主張している。

公職選挙法の例外規定により、10月21日の衆院任期満了まで国会を開催した場合、最長で11月28日まで総選挙の投開票日を先送りできる。保坂区長らの提言はこの例外規定を利用し、10月21日の衆院任期満了までは与野党が事実上の大連立の形で政治休戦して「コロナ危機管理内閣」をつくり、政界全体でコロナ対策に全力を尽くすことを促す内容といえる。コロナ危機対応の最前線に立つ自治体の長として「与野党の政治休戦」は当然の思いだろう。

私も8月8日の当欄で同様の主張を掲げた。常識的に見て、コロナの感染拡大と医療崩壊の深刻化が有力視されるこの9月に衆院を解散して与野党が激突している余裕はなかろう。まして自民党総裁選にむけた「コップの中の争い」に明け暮れている暇などないはずだ。

総選挙は11月に先送りし、10月21日衆院任期満了まで「与野党大連立」でコロナ危機管理に専念しては?

日本政府はこれまで緊急事態宣言で国民に自粛を強いる一方、医療供給体制を整えるという国家として当然の責務を放棄してきた。PCR検査を抑制することで感染実態を隠蔽し、ワクチンの独自開発・早期確保に失敗し、必要な病床や医療スタッフを確保することを怠り、その結果、欧米より感染者数は少ないのに医療崩壊を招くという大失態を続けてきたのである。

この危機的状況を放置して衆院を解散し、与野党が選挙に奔走して1ヶ月以上の政治空白をつくることなど許されるのか。東京五輪選手村をコロナ専用の巨大臨時病院に改装するなどして少なくとも「早期診断・早期治療」を可能とする医療供給体制の緊急整備を与野党合意のもとで迅速に実行したうえで総選挙に臨むべきである。

コロナは正しく診断して治療すれば重症化しない。決め手は「早期発見・早期診断・早期治療」。それを怠る政府を許すな!

保坂区長らは与野党合意のもとで緊急に実行すべきこととして①東京や大阪など都市部の感染爆発エリアにワクチン資源を集中させる②自宅やホテルで患者の診断や治療ができる仕組みをつくり、地域の開業医や医療機関が早期に「抗体カクテル療法」などを行える環境や制度設計を急ぐ③入院調整中に酸素吸入が必要となった場合に利用できる「酸素ステーション」を増設し、臨時に治療できる病床を急拡大して「診断と治療」の体制を整える④感染の疑いのある人は症状の有無に関わらず容易かつ迅速に検査できる体制を整えるーーなどを掲げている。与野党は都内の首長たちの声に耳を傾け、早急に行動に移すべきだ。

政治を読むの最新記事8件