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ガソリン220円時代へ?高市政権で進む「自維国3党連立」

高市早苗首相がガソリン補助金の段階的な縮小に踏み切った。12月から基準価格を毎月5円ずつ引き上げる方針だ。ガソリン価格が1リットル170円程度に抑えられてきたが、補助金がなくなれば220円を超えるとの見方もある。国民生活を直撃しかねない政策転換である。

なぜ今なのか。そして、この決定の裏側で何が起きているのか。

補助金は限界に達したのか

ガソリン価格を抑えるため、政府は石油元売り会社などに巨額の補助金を投入してきた。2022年の制度開始以降、支出は累計約9.6兆円に上る。補助額は1リットル当たり52.4円と過去最大水準に達し、1日当たり100億円規模の税金が投入される状況になっていた。

高市首相は10月29日の会見で、中東情勢の先行きが見通せないことや、制度を持続可能なものにする必要性を理由に挙げた。また、ガソリン価格が1リットル400円を超える先進国もあるなか、日本はG7で最も低い水準だと説明した。

しかし、国民にとって重要なのは、他国との価格比較だけではない。毎日の通勤や買い物に車が欠かせない地方住民にとって、ガソリン価格の上昇は生活費の増加に直結する。物流コストの上昇を通じて、食料品などの価格にも波及しかねない。何より日本は他の先進国と比べて賃金が伸びていない。物価高は国民生活を直撃しているのだ。

そもそも、補助金を石油業界に投入する方式には問題もあった。補助金がどこまで店頭価格の引き下げにつながったのか。ガソリンを大量に消費する企業や利用者ほど恩恵を受けやすい仕組みは公平なのか。本当に困っている人に支援を届けるなら、直接給付や減税の方が有効ではないか。

補助金の出口戦略を考える必要性は以前から指摘されてきた。問題は、縮小によって生まれる財政的な余地を何に使い、国民の負担増をどう抑えるかである。

麻生・財務省の巻き返しか

今回の決定で注目したいのは、政策転換のタイミングだ。

10月28日、自民党の小林鷹之政調会長が補助金の縮小を求める提言を提出。同じ日、日本維新の会も見直しを求めた。高市首相は、与党からの提言を受けて段階的な縮小を進めることになった。

ここには、財政規律を重視する勢力の巻き返しという見方もできる。消費税減税など国民負担を軽減する政策を進めるには、財源の確保が必要になる。補助金を縮小して財政負担を軽くし、別の政策に振り向けるという考え方だ。

自民党内では、麻生太郎副総裁や鈴木俊一幹事長らの動向も注目される。ただし、今回の提言が麻生氏や財務省の意向によって動いたと断定するには、さらなる検証が必要だ。

高市・維新VS麻生・国民の構図が変わる?

むしろ今回、注目すべきは国民民主党との関係である。

玉木雄一郎代表は、ガソリン補助金の段階的な見直しや出口戦略を主張してきた。今回、自民党と維新が縮小を求めたことは、国民民主党が訴えてきた政策の一部を受け入れる方向に動いたとも解釈できる。

これまでの政局は、高市首相と維新が組み、麻生氏と国民民主党が別の思惑を持つという対立構図で捉えられてきた。ところが、衆院定数削減では自民・維新・国民の三党が合意し、ガソリン補助金の見直しでも政策の方向性が重なり始めている。

もちろん、個別政策で意見が一致したからといって、三党連立が決まったわけではない。しかし、二つの政策で三党の接近が見られることは、永田町の勢力図が変化しつつある兆候といえる。

次の焦点は、消費税減税だ。国民民主党の要求を自民党がどこまで受け入れるのか。減税法案の修正などを通じて三党の協力がさらに進めば、連立拡大が現実味を帯びる可能性もある。

業界支援から国民支援へ変わるのか

ただし、三党が接近すること自体が国民生活の改善を意味するわけではない。

ガソリン補助金を縮小すれば、財政負担は軽くなる一方、家計や企業の負担は増える。電気・ガス料金の支援再開などを組み合わせても、ガソリン価格の上昇をどこまで補えるかは不透明だ。

問われるのは、石油業界などへの補助金を縮小した後、減税や給付を通じて国民に直接支援を届けられるかどうかである。

国民民主党が政権に接近することで、自民党の業界重視の政策決定が変わるのか。それとも、財政負担を減らすだけで、国民の負担は増え続けるのか。

ガソリン補助金の見直しは、単なる価格政策ではない。自民・維新・国民の三党接近が、実際の政策転換につながるのかを占う試金石でもある。