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高市首相のG7欠席で露呈した亀裂 外務省との不信が「高市おろし」を招くのか

高市早苗首相が10月2日のG7首脳オンライン会議を欠席した問題が、波紋を広げている。

会議直前、高市首相は麻生太郎自民党副総裁ら党幹部と公邸で会食し、酒も飲んでいたと報じられた。会食は午後8時ごろまでに終わり、G7会議は午後9時半に始まった。ネット上では「宴会を優先した」「酔って会議をすっぽかした」といった批判が噴出している。

しかし、この問題の核心は、会食と会議のどちらを優先したかという話だけではない。なぜ首相がG7への出席を必要ないと判断したのか。そして、その判断に誰が関わっていたのか。ここに政局上の重要な問題が潜んでいる。

高市首相は10月16日の参院予算委員会で、開催時間が直前まで確定せず、オンライン会議に必要な機材や回線の準備が間に合わなかったと説明した。さらに、議題が米欧間の問題だったため「代理出席でよい」という話を受けたとも明かした。日本からは遠藤和也外務審議官が出席した。

だが、説明には疑問が残る。外務省は開催の意向が事前に伝わっていたと説明しており、会議の時間帯にはトランプ米大統領ら各国首脳も参加していた。エネルギー安全保障や石油備蓄、ホルムズ海峡の航行安全は、日本の経済や国民生活にも直結する問題である。欧米の問題だから日本の首相が出席しなくてもよい、という説明には無理がある。

しかも、高市首相の説明では、機材の準備が間に合わなかったことと、代理出席でよいと判断したことが混在している。技術的な問題で出席できなかったのか、それとも出席する必要がないと判断したのか。この二つは、まったく別の問題だ。

では、なぜ高市首相は欠席したのか。

麻生氏らとの会食を優先した可能性はある。しかし、会食終了から会議開始までは約1時間半あった。会議に出席する意思があれば、飲酒を控えるなど対応はできたはずだ。会食だけで欠席の理由を説明するのは難しい。

注目すべきは、高市首相が「代理出席でよい」という判断を誰から伝えられたのか、という点である。

私はここに、外務省と高市首相の根深い相互不信が表れている可能性があるとみる。

高市首相は対中政策やトランプ米大統領との外交などをめぐり、外務省と必ずしも同じ方向を向いているわけではない。そして、外務省を率いる茂木敏充外相は、麻生氏に近い政治家であり、次の総裁選を視野に入れる立場でもある。高市首相が再選を果たせば、茂木氏自身の総裁への道は狭まる。

もちろん、茂木氏や外務省が意図的に首相を欠席へ誘導したと断定できる証拠はない。しかし、首相に代理出席でよいと説明したのが誰なのか、なぜ茂木外相自身ではなく外務審議官が代理を務めたのか。これらは国会で明らかにされるべき疑問だ。英国は首相が父親の葬儀で欠席したが、外相が代理出席している。

さらに気になるのが、外務省職員の対応である。立憲民主党の辻元清美氏は、欠席問題について担当者に質問した際、「言えない」という回答が繰り返されたと明かしている。組織として説明を控えているのだとすれば、その理由も問われなければならない。

高市政権では、これまでも官邸内部の情報が外部に漏れ、政権運営をめぐる不協和音が表面化してきた。簗農相の問題では、首相の対応が批判を浴びた。今回のG7欠席問題も、単なる失態として終わるとは限らない。

重要なのは、欠席そのものが政権を揺るがすかどうかだけではない。首相の説明が迷走し、政権内部から異論や情報が漏れ始めているとすれば、それは政局の変化を読み解く手がかりになる。

高市首相は外務省の説明を信頼して判断したのか。それとも、首相自身が外交を軽視したのか。あるいは、政権内の政治的な力学が判断に影響したのか。

G7欠席の真相は、まだ明らかになっていない。しかし、この問題を通じて、高市首相と外務省、そして茂木外相との関係が改めて問われている。

「宴会優先」という批判の陰で、政権内部の亀裂が深まっているのではないか。高市おろしにつながる動きが始まるのか、今後の国会での追及と官邸内部の動向を注視したい。