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安倍支持層など右派に人気で党員獲得数1位の青山繁晴参院議員を自民大阪のトップに起用へ〜異例の人事、右傾化しなければ生き残れない自民党の将来像を先取りか

自民党大阪府連が安倍支持層をはじめ右派に人気の青山繁晴参院議員を府連会長に起用する方向で最終調整に入った。青山氏は府連に所属していない。外部から府連トップを起用するのは極めて異例だ。

自民大阪は10月の衆院選で維新に全敗し、壊滅状態にある。前回参院選で当選した松川るい氏も自民党女性局のパリ漫遊に加え、安倍派裏金事件で批判を浴び、次期参院選で公認を見送るべきだとの声もあがっている。府連会長に適した人材がみあたらないなか、府連再建のため青山氏を外部招聘することになったわけだ。

青山氏は元共同通信記者。2016年参院選比例区で初当選し、安倍チルドレンだった。右寄りの外交安保政策に加え、積極税制論者として知られる。政治とカネの問題に厳しい姿勢を示していることも人気の要因だ。
自民党の党員獲得数は1位である。2位は高市早苗氏で、自民党員の右傾化を映し出している。 
青山氏は9月の総裁選出馬を模索したが、推薦人を確保できずに断念した。党員獲得数は1位でも、国会議員には仲間がいなかったのだ。

しかしこの出馬断念は、自民党総裁レースの行方に大きく影響した。青山氏が出馬を断念した後、青山支持層が一斉に高市支持に流れたのだ。

高市氏も当初は推薦人集めが難航し、土壇場で20人を確保する状況で、当初は泡沫扱いされていた。ところが、青山支持層が加勢した結果、党員人気で1位に躍り出て、みるみる勢いを増したのである。高市氏躍進の背景には、青山氏の出馬断念があったといっていい。

大阪府連が再建のために青山氏を会長に迎え入れる人事は、壊滅状況に追い込まれた自民大阪の突拍子のない動きとして片付けるべきではない。右傾化しなければ生き残れない自民党の将来像を先取りした現象ではないだろうか。

かつて政界では「左右のどちらかに傾きすぎると中間層が離反する」というのが常識だった。ところがネット時代はまったく逆の現象が生まれている。左右のバランスをとる穏健な立場はネットで共感が広がらずに埋没し、左右の過激な主張がどんどん拡散して強固な支持基盤をつくっていく。熱狂的なコア支持層がいなければ「切り抜き動画」は拡散しないのだ。

自民党内ではアウトロー的な存在だった右派の青山氏を地方組織のトップに担ぐ自民大阪の動きは、今後、自民党内にじわじわ広がってくる可能性がある。

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