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明治神宮外苑の樹木伐採を1年凍結し、来夏の都知事選で再開発の可否を決めよう!私もパブリックコメントに意見を寄せました

坂本龍一さんが亡くなる直前に「貴重な樹木を切らないで」と訴える手紙を小池百合子・東京都知事に送ったことで、明治神宮外苑の再開発問題に反対する世論が広がりを見せている。

東京都内では明治神宮外苑ばかりではなく、日比谷公園や芝公園、葛西臨海公園など各地で樹木伐採が計画されている。

私も散歩コースである有栖川宮記念公園(東京都港区)の樹木伐採に反対するキャンペーンを鮫島タイムスで始めたところ、港区在住で明治神宮外苑の再開発反対の活動をしている女性からご連絡をいただいた。

そこで、東京都が5月9日から「新たな都立公園の整備と管理のあり方について」というタイトルで、都民から意見を募っていることを知った。いわゆる「パブリックコメント」である。

東京都のホームページにはとてもわかりにくく記載されており、これでは都民に周知されないことを彼女は心配していた(私も知らなかった)。そこで、私にパブリックコメントの周知に協力して欲しいということだった。

私は都民の文化遺産・環境遺産である樹木伐採に強く反対している。都民の暮らしよりも大企業による開発を優先する小池都政を支持していない。

そしてこの問題は、来年夏に予定される東京都知事選挙の大きな争点とし、そこで示された民意に従って決するべきだと考えている。

樹木を切り倒してしまうと元には戻らない。だから来年夏の都知事選まで、原則としてすべての樹木伐採を一年凍結し、そのあいだに政党、財界、マスコミ、市民団体が大々的に論争を繰り広げ、最終的には都知事選の候補者たちに公約を掲げさせ、そこで決着するのがよいのではないか。

今春の統一地方選(都内の区議選)でも一部候補が訴えていたが、今回は都知事選も都議会議員選挙もなく、大きな争点として多くの都民が認識するには至らなかった。来年夏の都知事選で決するのがふさわしいテーマだ。

以上のような意見を、私も東京都へメールで送った。全文を以下に示す。

新たな都立公園の整備と管理のあり方について、次の2点を主張します。

① 都民共有の文化遺産・環境遺産である樹木の伐採に強く抗議します。

② 都心の樹木伐採について都民の関心が高まっています。2024年東京都知事選挙の主要争点として論争されるべきテーマです。都内の樹木伐採計画を1年凍結し、都知事選で民意を問い、そこで示された民意に従って決することを強く求めます。

以下、詳細を述べます。

東京都立公園をはじめ都心のあちこちで樹木の伐採が相次いでいます。都市再開発や公園整備、道路拡張、樹木の老朽化など理由はさまざまですが、いずれも都民の日々の生活に長い歳月をかけて溶け込んできた樹木を文化財として大切に保存し、受け継いでいくという視点に欠けているというほかありません。これは都民の憩いの場の破壊行為であり、都民の文化遺産、環境遺産の破壊行為です。

音楽家の坂本龍一さんが亡くなる直前に訴えた明治神宮外苑の再開発に伴う樹木伐採の中止は、多くの人々の共感を呼んでいます。その訴えを黙殺して再開発を推し進める小池百合子東京都知事の政治姿勢への批判も高まっています。2024年に予定される東京都知事選挙の大きな争点として論争されるべきテーマです。少なくとも都知事選で民意が示されるまで、再開発計画を凍結することを強く求めます。

明治神宮外苑に続いて、日比谷公園や芝公園、葛西臨海公園などでも樹木伐採計画が進んでいると指摘されています。私がしばしば散歩で訪れる有栖川宮記念公園でも最近、大規模な樹木伐採が行われました(こちらは港区が発注した工事によるものです)。私はジャーナリストとして有栖川宮記念公園の樹木伐採の経緯を取材し、ユーチューブやウェブサイトで追及するキャンペーンをはじめました。

都心の樹木を伐採すべきか、保存すべきか。明治神宮外苑にあわせて、都内各地の公園の樹木伐採計画も、2024年の都知事選の争点にすべきテーマであり、それまでの間、伐採計画を凍結することを強く求めます。都民の民意を無視して、これらの伐採計画を推し進めるのは、民主主義を否定する行為です。

大手ディベロッパーが設計し、樹木を切り倒して再開発した「画一的な街」があちこちに出現しています。いずれもひょろひょろの木がコンクリートのすきまに弱々しく立ち、木陰は少なく、強烈な日差しが注ぎ込み、あるいはビル風が強烈に吹きつけ、どこも似たようなチェーン店が並んでいる没個性的な街に変わり果てました。東京の魅力は失われていく一方です。

長い歳月をかけて大きく育った樹木を切り倒すのは、貴重な文化遺産を守り受け継いできた先人たちの努力を一瞬にして無に帰すものです。新しい木を植えても、大きく枝を広げて私たちを包み込んでくれるまで再び長い歳月を要します。私たちが慣れ親しんできた樹木のある風景も、そこに刻み込まれた数々の記憶も消えてしまいます。切り倒してしまった樹木は元には戻りません。

樹木伐採は都市で深刻になっている熱射病への対策としても愚かというほかありません。子どもからお年寄りまでが安心して穏やかに憩うことのできる場が次々に奪われています。

都民ひとりひとりを大切にする街づくりというよりも大手企業の利益追求を優先した都市開発と言わざるを得ません。それにどれほどの公的資金が投入され、規制が緩和されたのかを想像すると、大企業・開発優先の都政に怒りを禁じ得ません。

都民の共有財産である樹木の大量伐採は、都民に民意を問うことで決すべき政治課題です。2024年の都知事選挙の争点にすることにふさわしい政治課題です。都知事選挙まですべての伐採計画を一時凍結し、あらゆる情報を都民に開示して、都知事選に向けて議論を喚起することを強く求めます。

都民の声を都政に反映するいちばんふさわしい機会が選挙です。パブリックコメントは一通過点にすぎません。一度立ち止まって都民に問いかけ、都知事選という絶好の機会を通じて都民みんなで結論を出しましょう。

みなさんもぜひ意見を送ってください。募集期間は6月7日までです。電子メールで送れます。

送り先など詳細はこちら→「新たな都立公園の整備と管理のあり方について」

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