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さあ、投票です!「10月21日衆院任期満了まで与野党は政治休戦してコロナ危機対応に専念する」にあなたは賛成ですか? 反対ですか?

菅政権が東京、埼玉、千葉、神奈川、大阪、沖縄の6都府県に発出している緊急事態宣言を9月12日まで延長するとともに、新たに茨城、栃木、群馬、静岡、京都、兵庫、福岡の7府県も対象に加える方針を固めたと報じられている。

そこで、いきなり投票の呼びかけである。記事末尾にも投票ボタンを用意したので、判断に迷う方は記事をお読みになったうえで投票してほしい。

「10月21日衆院任期満了まで与野党は政治休戦してコロナ危機対応に専念する」にあなたは賛成ですか? 反対ですか?

菅首相はパラリンピックが9月5日に閉幕した後、ただちに臨時国会を召集して大型補正予算を成立させた後、9月中旬に衆院を解散して総選挙に突入する政治日程を描いてきた。緊急事態宣言を9月12日まで延長するということは、その時点における感染拡大状況やワクチン接種率、そして内閣支持率を踏まえたうえで、予定通り9月解散に踏み切るのか、緊急事態宣言をさらに延長して10月21日の衆院任期満了ギリギリまで解散を先送りするのか、最終判断するということだ。「政治日程ありきで緊急事態宣言の延長幅を決めた」といっていい。

さらに自民党総裁選の任期が9月30日に迫っていることも事態を複雑にしている。菅首相は9月中旬に衆院を解散して総裁選を先送りし、総選挙で安定多数を得た後に総裁選に無投票再選する戦略を描いてきた。ところが内閣支持率の急落を受けて、自民党内では菅首相を担いで総選挙に臨むことへの異論が出始め、総選挙に先行して総裁選の実施を求める声も広がってきた。総選挙と総裁選のどちらを先に行うべきか、コロナ危機を二の次にして政治的駆け引きが激化しているのが現状だ。

自民党内の権力闘争をよそに、9月12日時点で感染爆発や医療崩壊が収束して緊急事態宣言を終了させることができるとみている専門家はほとんどいない。むしろ事態は一層深刻化しているという予測が多い。感染爆発と医療崩壊のピークと総選挙・総裁選という政局のピークが重なり、ただでさえ機能不全に陥っている日本のコロナ危機対応は、ますます迷走しそうである。内閣支持率もいっそう下落するかもしれない。

はたして、菅首相の構想通り、9月に衆院を解散して総選挙に突入することなどできるのか。感染爆発や医療崩壊を放り出して、自民党は総裁選をにらんだ権力闘争に明け暮れ、与野党の政治家が選挙区にへばりついて選挙運動に明け暮れることなどできるのだろうか。9月12日時点でそんなことが許される状況まで感染爆発や医療崩壊は収束しているであろうか。私は極めて懐疑的だ。

衆院をいつ解散するのかという政治的駆け引きを9月12日まで続けるよりも、感染爆発や医療崩壊が加速して緊急事態宣言をさらに延長することになる事態に備え、あらかじめ9月解散を見送り、10月21日の衆院任期満了まで与野党が政治休戦し、一致結束してコロナ危機対応に専念するという政治の枠組みを用意しておいたほうがいいのではないか、具体的な危機管理体制として、10月21日までの期間限定で与野党が大連立することも選択肢の一つではないかーー私はそのように主張してきた。感染爆発と医療崩壊に直面する東京都の世田谷区長、新宿区長、杉並区長、中野区長、多摩市長、小金井市長も同様の「政治休戦」案を提唱している。政治休戦に入るのなら、与野党の合意は早ければ早いほどいい。

これ対してSAMEJIMA TIMESに賛否両論をたくさんいただいた。反対意見としては多かったのは「無為無策で感染爆発と医療崩壊を招いた菅首相をまずは退陣させるべきだ」「総選挙を一日も早く実施して政権交代を実現させるべきだ」「与野党の政治休戦や大連立は菅政権を延命させるだけだ」「菅首相や自民党が大連立を受け入れるはずがない」「大連立しても菅首相が退陣しない限りコロナ対策は良くならない」などというものである。

たしかに「政治休戦」や「大連立」には問題点も多い。いずれも説得力のある反論である。これらに対する見解を含め、私の考え方は以下の記事で示した。

感染爆発と医療崩壊が加速する「9月危機」が差し迫るなかで国民の命を守るためには、「早期診断・早期治療」を可能とする医療供給体制の緊急整備が不可欠であり、「ワクチン一本足打法」に終始する菅政権のコロナ危機対応を迅速に大転換させるためには野党が政権に加わる大連立で政治を質的に変化させるしかないという主張である。

なぜいま大連立なのか。「菅降ろし」「総選挙」を優先すべきだと考えている人々へ、コロナ対策の失敗の連鎖を断ち切るために

なお、立憲民主党の枝野幸男代表は8月15日のオンラインイベントで「政治休戦」について以下のような見解を示した(朝日新聞報道を参照)。大連立構想にも前向きと受け止められる発言である。

東京の何人かの首長さんが、「もう与野党、政治休戦をして何とかしろ」という提言を先週出されています。私もそういう状況じゃないかと思っています。くしくも今日は8月15日だが、76年前の日本に近い状態で、それぐらい国民の命が危機にさらされていて、従来の政治が機能していない状況だ。前例とかにとらわれずに、本当に危機管理として、今、命をどうやって救うかということは、まず国がやらなきゃいけない。我々、もっともっと危機感を持って政府に迫っていきたいし、我々もある意味では、ここは与野党を超えて、やらなければならないと思っている。

政治休戦か、総選挙か。難しい問いである。「正しい答え」は一つではないだろう。しかし、現実政治は迷いながらも一つの決断を下していかねばならない。まして今は感染爆発と医療崩壊に直面する社会的危機である。時間は待ってくれない。

世論の声は与野党の政治判断に影響を与えるだろう。SAMEJIMA TIMESのコメント欄にも賛否両論がかなり集まった。このあたりで一度、読者の皆さんに賛否を聞いてみたい。

設問は「10月21日までの政治休戦」に賛成か、反対か、二者択一である。それでは意見を言い尽くせないという方は、政治倶楽部に無料会員登録して、末尾のコメント欄から投稿してほしい。

「10月21日衆院任期満了まで与野党は政治休戦してコロナ危機対応に専念する」にあなたは賛成ですか? 反対ですか?

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