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2023年サメタイ読まれた記事ベスト10(後編)いよいよ5位〜1位の発表!マスコミ不信の高まりを映し出す記事が続々登場…3万超のページビューを集めて1位に輝いたのは?

いよいよ2023年サメタイで読まれた記事のトップ5の発表です。

前編の10位〜6位は野党関連の記事が次々に登場しましたが、5位〜1位の後編はマスコミ関連の記事が続々とランクイン。マスコミ不信の根深さがうかがえます。

それでは発表していきましょう!


第5位 2月10日 

全国で最も深い地下鉄六本木駅のエレベーターが故障し1カ月以上停止したまま!製造元の海外企業は日本撤退で交換部品を調達できず!「衰退日本」を映し出す衝撃の出来事を直視しよう!

全国で最も深い地下鉄六本木駅のエレベーターが故障し1カ月以上停止したまま!製造元の海外企業は日本撤退で交換部品を調達できず!「衰退日本」を映し出す衝撃の出来事を直視しよう!

都心にある全国で最も深い都営地下鉄大江戸線・六本木駅のエレベーターが故障し、1カ月以上停止しているという身近なニュースが5位にランクインした。

製造元の海外企業が日本から撤退し、交換部品を調達できないという理由が衝撃の事実として受け止められたのだろう。

高度経済成長を経て円の価値はどんどん上がり、世界中からいとも簡単にモノを買い入れた時代は過ぎ去り、私たちは今、円安に直面して、原油や食品の価格高騰に苦しんでいる。

人口減社会に突入し、技術革新も進まず、日本経済は国際的競争力を失い、円の価値がみるみる下落。中国やインドなど第三世界の台頭で日本経済の見通しは暗く、インバウンドなど通貨安を売りにする産業だけが伸びる途上国型経済に舞い戻った。エネルギーや食糧を輸入に依存してきた経済構造そのものが問われている。

海外企業は日本を見切り、アジアの拠点をソウルや上海、台湾、シンガポールなどで続々と移している。

都心をぐるっとめぐる大江戸線建設は、日本経済に力が残っていた時代に計画された。全国で最も深い六本木駅は、力強い日本経済の残滓といえるかもしれない。

そのエレベーターが故障したのに1カ月以上も放置するしかないという現実は、まさに「衰退日本」の姿を映し出している。


第4位 7月25日

自公立国が相乗り・神戸市長の支援も受けた現職を、泉房穂・前明石市長の支援を受けた無名の新人が倒した兵庫県三田市長選の衝撃

自公立国が相乗り・神戸市長の支援も受けた現職を、泉房穂・前明石市長の支援を受けた無名の新人が倒した兵庫県三田市長選の衝撃

今年、永田町以外で最も注目を集めた政治家は、前明石市長を退任した泉房穂氏であろう。

明石市を「子ども支援日本一」の街に育て上げ、人口も税収も増やした実績が高く評価され、全国的な注目を集めた。市議への「暴言」が報じられて批判を浴びると、今年4月の市長選不出馬を表明。後継に市民派市議を担ぎ出し、地元の政敵である自民党安倍派5人衆のひとりである西村康稔前経産相が擁立した自公候補を圧倒して底力を見せつけた。

七転び八起きの政治家といっていい。リベラルにして庶民感覚を忘れない大衆派政治家である。

その後は「明石市でできたことは全国でもできる」と主張し、兵庫県三田市を皮切りに、東京都立川市や埼玉県所沢市など全国の市長選で自公候補に挑む新人候補を支援して勝利させ、注目度を高めた。国政への関与にも意欲を見せ、自公に対抗する野党のリーダーとして期待を集めるようになった。

X(旧ツイッター)フォロワー数では野党党首を抜き去り、マスコミにも引っ張りだこで、世論調査の「次の首相」にも顔をだすようになった。

私は泉氏が4月末に明石市長を退任するのにあわせて共著『政治はケンカだ!明石市長の12年』(講談社)を上梓し、出版イベントで行動をともにするなど、泉氏の人となりに触れる機会の多い一年だった。政界を先取りして新しいムーブメントをつくることができた出版だったと思っている。

次の衆院選のキーパーソンとして全国注目の政治家に躍り出た泉氏の今後の動向から目が離せない。


第3位 2月19日

JAXA新型ロケット打ち上げは「失敗」だ!当局が認めない限り、自らの責任で「失敗」と判定せず、「打ち上がらず」と報じたNHKと朝日新聞のマヌケ報道

JAXA新型ロケット打ち上げは「失敗」だ!当局が認めない限り、自らの責任で「失敗」と判定せず、「打ち上がらず」と報じたNHKと朝日新聞のマヌケ報道

日本の経済力・技術力の衰退を象徴したのがJAXA新型ロケットの打ち上げ失敗だった。

種子島宇宙センターから新型ロケット「H3」を打ち上げようとしたものの、主エンジン着火後に異常を検知して発射できなかったのである。

だが、最大の問題は、失敗それ自体ではなかった。JAXAは記者会見で「失敗」と認めず、「打ち上げ中止」と説明したのだ。さらにNHKや朝日新聞などマスコミはJAXAの言うまま「失敗」と報道せず、「ロケットが打ち上がらず」という、何とも歯切れの悪い表現で報じたのである。

当局が認めない限り「失敗」とは報じない。米国との戦闘で負け続けているのに「勝った、勝った」という大本営発表を垂れ流し続けた戦時中のマスコミ報道と瓜二つである。

しかも共同通信記者が記者会見で「打ち上げ失敗ではないか」と食い下がったことがネットで炎上するという事態が続いた。国家権力に事実を突きつけて批判する記者の側が袋叩きにあうほど、現代日本はモノが言えない息苦しさに包まれているのだ。

最大の責任は、国家権力の意向を忖度して批判精神を失ったマスコミにあろう。


第2位 7月27日

木原官房副長官の妻の元夫をめぐる怪死事件を主要メディアの社会部が黙殺する理由は「木原氏への忖度」ではなく「警察への忖度」である

木原官房副長官の妻の元夫をめぐる怪死事件を主要メディアの社会部が黙殺する理由は「木原氏への忖度」ではなく「警察への忖度」である

岸田文雄首相の最側近である木原誠二官房副長官の妻が元夫の不審死事件の重要参考人として警視庁に事情聴取されながら、木原氏の妻であるという理由で捜査が不自然に打ち切られた疑惑を報じた文春砲は、この一年を代表するスキャンダル報道だった。

世間の関心は「真犯人は誰か」「木原氏が警察捜査に圧力をかけたかどうか」の二点に集中したが、私が最も問題視したのは、警察庁長官が「事件性はない」と明言した後、マスコミ各社がこの疑惑をほとんど報じなかったことである。

事件報道を担当する各社社会部は、警察べったりである。警察が立件する事件は警察からのリークに基づいて競い合って報じるが、警察が立件を見送る事件はまったく報じない。警察の捜査をおいかけるばかりで、「警察の不作為」は追及しないのである。これでは権力監視の責務を果たしたとはいえない。

今回の疑惑は「警察が木原氏ら政権中枢の意向を忖度して捜査を打ち切ったか否か」が最大の焦点であり、マスコミが捜査の公正さをチェックしなければならないのに、警察庁長官が「事件性がない」と明言したらそれに付き従うのだから、呆れるばかりである。マスコミ社会部は警察と一体化した広報機関なのだ(これは検察報道にもあてはまる)。

マスコミ各社が「木原疑惑」を報じないのは、木原氏への忖度というよりは、警察への忖度であることを指摘したこの記事は2万回超のページビューを集め、2位にランクインした。世の中のマスコミ不信の根深さを痛感する結果だ。


第1位 4月9日

朝日新聞がまた値上げ!異例のハイペースの500円アップで月額4900円に〜購読料を払う一般読者よりも新聞広告を出す政府に依存する経営がより鮮明に

朝日新聞がまた値上げ!異例のハイペースの500円アップで月額4900円に〜購読料を払う一般読者よりも新聞広告を出す政府に依存する経営がより鮮明に

1位は、私の古巣・朝日新聞が異例のハイペースで値上げしていく裏側を伝えたこの記事である。3万回超のページビューを集めて堂々の一位となった。

朝日新聞が権力批判・権力監視の姿勢を失ったのは、報道現場にはびこる官僚主義・事なかれ主義に加え、経営面でも読者離れが加速し、購読料収入が落ち込み、政府・自治体や大企業の広告収入への依存度を高めていることがある。

国策プロジェクトである東京五輪のスポンサーに朝日や読売など全国紙が横並びでなったのは、五輪関連の新聞広告を当てにしたからだ。これでは東京五輪への巨額の税金投入や招致活動をめぐる汚職事件への追及が及び腰になって当然である。

ワクチン接種をはじめ政府のコロナ対策を垂れ流し続けたのも、巨額の政府広告や製薬業界の広告を呼び込むためだ。ワクチン接種のリスクや薬害への追及がほとんどなされていないのも、巨額の広告収入を失いたくないからである。

新聞報道はすでに相当に歪んでいる。その結果、読者はますます離れ、購読料を上げ続ける負の連鎖に陥っている。いまや朝日新聞は政府や大企業のための広報紙となりつつある。

朝日新聞は自民党安倍派の裏金事件で検察捜査のスクープを連発し、アンチ安倍勢力から拍手喝采を浴びているが、これも要注意が必要だ。

そもそも「しんぶん赤旗」が裏金疑惑をスクープし、大学教授が刑事告発したときは見向きもしなかったのに、東京地検特捜部が捜査に動いた途端、検察当局からのリークを受けて「スクープ」を連発するのは、まさに検察が描く事件ストーリーを垂れ流し、世論操作に利用されているといっていい。

今回の裏金事件で安倍派の膿が噴き出すのはよいことだが、この事件は、麻生・茂木・岸田の主流3派を後押しする国策捜査の側面が強い。岸田政権下の権力の中心はすでに安倍派にはなく、主流3派に移っている。だから主流3派も刑事告発されたのに、強制捜査を受けたのは安倍派と二階派だけなのだ。

この事実を指摘せず、検察リークに基づく「スクープ」をただ連発しているのは、国策捜査への加担であり、現在の権力者を後押しする報道でしかない。朝日新聞が国家権力と一体化しつつあることを物語っている事象ともいえるのである。

新聞は読者の購読料に支えられることで、国家権力と対峙してきた。その構造はすっかり壊れ、国家権力の広報紙と化しているのが現状である。ジャーナリズムの復興は、ネットメディアなど新興勢力が担うしかないと私は思っている。


今年のサメタイ読まれた記事ベスト10はいかがでしたでしょうか。

たくさんの読者からコメントもいただきました。ありがとうございました。

引き続きよろしくおねがいいたします。

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