<目次>
1. 様々なご意見をお寄せいただきありがとうございます!
2.「市民連合」の仲立ちによる「野党共闘」の今
3.立憲野党は参院選で惨敗してしまうのか?
4.「スローガン」と「政策論」と「応援歌」と
5.なんとなく「上から目線」の居酒屋談議
6.女性パワーをいかせ!!
7.有権者による「戦略的投票」を通じた「野党共闘」
8.大阪・兵庫・京都での「戦略的投票」の必要性
9.東京では「#蓮舫の得票を半減させよう」
10.新潟県知事選挙「ここから始まる」
1.様々なご意見をお寄せいただきありがとうございます!
4月20日掲載の記事「みんなのアイデアで『野党共闘』を蘇らせよう」で、みなさまからのご意見を募集させていただき、ホームページやtwitter上に様々なご意見をお寄せいただきました。
誠にありがとうございます。
twitter上にお寄せいただいた意見を見てみますと、「まずはそれぞれの運動体が自らの体質を強くしていくことが重要である」とか「『野党共闘』に拘らずに単独で第1党を目指していくべきである」という趣旨のご意見、あるいは、「自分の支持政党以外の他の野党が信頼できないので『野党共闘』に積極的になれない」とか「『市民連合』を仲立ちとする『野党共闘』は過去の戦績を見ても十分な成果が出せていないので、もはや賞味期限切れである」といった趣旨のご意見を多数いただきました。
日本全国各地の実際の状況を見てみますと、「野党共闘」的な体制を構築できている地域もあれば、「野党共闘」がほとんど雲散霧消してしまっている地域もあり、その濃淡や温度差というものが強く感じられます。
こうした状況や、いただいたご意見をふまえたうえで、目の前に迫ってきた参院選について、まずは現状について確認し、それからいろいろと検討を加えていきたいと思います。
2.「市民連合」の仲立ちによる「野党共闘」の今
まずは、5月9日に配信された「共同通信」の記事をご覧ください。
立民と共産「閣外協力棚上げ」 参院選、勝てる選挙区を優先
立憲民主党の西村智奈美幹事長と共産党の小池晃書記局長は9日、夏の参院選を巡って国会内で会談した。衆院選で政権交代が実現した場合に「限定的な閣外からの協力」をするとした2021年9月の合意を棚上げすると申し合わせた。全国で32ある改選1人区の候補者調整について、与党候補に勝利する可能性が高い選挙区を優先して実施する方針を確認した。
16、19年の参院選では野党各党は事実上の共通政策をまとめて党首が署名したが、今回は署名しなかった。これまでの野党共闘とは異なり、政策や選挙区での緩やかな連携にとどまる形となる。
結局のところ、今回の参院選でも「市民連合」の仲立ちによって「野党共闘」が(限定的な形で)行われることになったのですが、2021(令和3)年の衆院選の際の「共通政策」と、2022(令和4)年の参院選の際の「政策合意」では、ずいぶん内容が異なっています。
衆議院総選挙における野党共通政策の提言---命を守るために政治の転換を---
立憲民主党・日本共産党・社会民主党・れいわ新選組の野党4党の党首が署名
2022年参議院選挙における野党に対する市民連合の政策要望書
立憲民主党・日本共産党・社会民主党・沖縄の風・碧水会の野党3党2会派が合意
文言の大きな違いとしては、2021年「共通政策」では明記されていた「安保法制、特定秘密保護法、共謀罪法などの法律の違憲部分を廃止し、コロナ禍に乗じた憲法改悪に反対する」と「核兵器禁止条約の批准をめざし、まずは締約国会議へのオブザーバー参加に向け努力する」と「消費税減税を行い」と「原発のない脱炭素社会を追求する」の4つが、2022年「政策合意」では消えてしまっているということがあります。
また、2021年「共通政策」は、野党4党の党首が署名を行い正式な文書として取り交わしたものですが、2022年「政策合意」は、会合の終わりに法政大学教授の山口二郎さんが「野党の皆さまのご発言を伺い、市民連合の『要望書』については基本的に賛同頂けたと理解させて頂きます。」と宣言して「合意した」という代物です。
とはいえ、一時は完全に空中分解してしまうかと思われた「野党共闘」をこのような形で「合意」するところまでまとめることができたのは、市民連合をはじめとする関係者の方々の大変な努力とご苦労があってのことだと思います。
関係各位のご尽力に敬意を表したいと思います。
ただ、私がちょっとこれはどうかと思っているのは、「立憲民主党の西村智奈美幹事長と共産党の小池晃書記局長が、全国で32ある改選1人区の候補者調整について、与党候補に勝利する可能性が高い選挙区を優先して実施する方針を確認した」という点です。
確かに、SAMEJIMA TIMESや他のネット論壇などでも「勝てる可能性が高いところに絞って候補者の一本化を」といった意見が多数表明されていますが、これは、一有権者や評論家などの方々が、あくまでも外野の「野次馬」的な立場で発言しているものであって、これをそのまま政党の幹事長や書記局長クラスの方々が発言するのは、全く意味合いが異なります。
もし、今後、候補者の調整がうまく進んで32ある1人区のすべてで候補者一本化ができるなら「勝てる可能性が高いところだけ候補者の一本化を」という言い方をしても全く問題ありませんが、仮に候補者の一本化が不調に終わる選挙区が出た場合には、その選挙区は「立憲民主党幹事長と共産党の書記局長が『与党候補に勝利する可能性が低い選挙区』と判断した選挙区」という評価を受けて選挙戦をスタートさせることになります。
そのような状態で参院選に突入していって、選挙区においても比例区においても野党が十分な票の掘り起こしを行うことができるのでしょうか?
言ってしまったものは、今さら取り消しようもありませんが、本来であれば「与党候補を敗退させるために戦略上重要度の高い選挙区を優先して候補者調整を進めていく」という言い回しにすべきだったのではないかと思います。
3.立憲野党は参院選で惨敗してしまうのか?
SAMEJIMA TIMESのコメント欄に、ヨコヤマミノルさんから、次のようなコメントをいただきました。(一部省略)
立憲民主党は野党と共闘する意志はなく、共闘できる党も無いのではないでしょうか?
先日の街頭演説で枝野元代表は「今の政治には緊張感が失われている。おかしいことはおかしいと言える勢力がなければ、政治はぬるま湯の方に行く。まっとうな政治を取り戻す」と力説しましたが、緊張感が最も足らないのは立憲執行部ではないでしょうか?
一ミリでも緊張感(立憲民主党が大敗北するという)があれば、野党共闘に尽力することでしょう。
私は立憲民主党は参議院選挙で壊滅的敗北をすることで、現実を直視することができ、枝野元代表は代表に復帰して連合に忖度しないまっとうな政党に立て直さないと、ズルズル壊滅的に消滅するのではと危惧しています。
ヨコヤマミノルさんが危惧されているように、立憲民主党の選挙情勢は厳しく、共産党や社民党も含めて、現状で流れてきている獲得議席予測の数字は、「改選議席維持、もしくは微減」ということのようです。
2021(令和3)年の衆院選の際には「政権交代は難しいかもしれないが、立憲民主党は議席を伸ばして、自民党が単独過半数を維持できるかどうかギリギリのところまで追い込まれる」という予測だったのが、蓋を開けてみれば「自民党も立憲民主党も改選議席から議席を減らし、日本維新の会が躍進、自民党は絶対安定多数を確保、立憲民主党は惨敗」という酷い結果でした。
2022(令和4)年の参院選で、「立憲民主党が“負け”を最小限に食い止める」ことができるのか、予断を許さない状況だと思います。
また、社民党が「改選議席から議席を減らす」という場合には「獲得議席ゼロ」という話ですので、政党要件を維持できるかどうか、大変危機的な状況で参院選に突入していくということになります。
そういう意味で、立憲野党の中で唯一議席を増やすことができそうだと予測されているのが改選議席ゼロの「れいわ新選組」ということになるわけですが、その「れいわ新選組」も、2022(令和4)年の参院選の予想獲得議席は1議席~3議席という予測で、2019(令和元)年の参院選での獲得議席2議席と比較した場合、実質的には「伸び悩み」もしくは「敗北」という内容の数字が現時点では流布されています。
なぜそんなことになっているのかと言えば、「れいわ新選組」がマスコミや既存の様々な政治勢力から「意地悪」を受けているという要因もあるかと思いますが、ここにきて無視できないのは、「新党くにもり」や「参政党」といった新興勢力から票を奪われているという要因があるからなのだろうと思います。
「新党くにもり」は本間奈々さんが代表を務める政治団体で、「代表挨拶」によれば、「新党くにもりは、歴史と伝統文化を尊重し、日本を基軸に、日本語を主語とした政治を行う保守の政治団体です。」ということだそうです。
「新党くにもり」からは、元自民党衆議院議員で新党くにもり共同代表の安藤裕さんが東京選挙区で参院選に出馬する予定になっています。
「参政党」は、神谷宗幣さん、川裕一郎さん、松田学さん、赤尾由美さん、吉野敏明さんが「ボードメンバー」(党全体のお世話役)を務める政治団体で、「先人たちが守ってきたこの国を、次の世代へ引き継ぐために。」という目的で設立された政治団体であるようです。
この「新党くにもり」と「参政党」の政治的な立ち位置を私なりに分類して、表にまとめてみました。
左 派 | 保 守 | 右 派 | |
健全財政(緊縮財政) | 立憲民主党 | 自由民主党 | 日本維新の会 |
積極財政(放漫財政) | れいわ新選組 | 新党くにもり | 参政党 |
この表の「左派」や「右派」というのは、あくまでも「自由民主党」と比較した相対的なもので、この表よりも左側の位置には「社会民主党」や「日本共産党」といった政党が存在し、この表よりも右側の位置には「日本第一党」などの政治団体が存在するようなイメージになります。
財政政策に関しては、「健全財政か放漫財政か」あるいは「積極財政か緊縮財政か」という対比になるのだと思いますが、この表では「健全財政か積極財政か」という対比の仕方にしています。
私の独断と偏見で非常に大雑把に分類させていただくと、「新党くにもり」は「イデオロギーが『自民党』と同じで、経済政策として積極財政による景気の底上げを主張している点が『れいわ新選組』と同じ」で、「参政党」は「イデオロギーが『日本維新の会』と同じで、経済政策として積極財政による景気の底上げを主張している点が『れいわ新選組』と同じ」だと捉えることができるのではないかと思います。
れいわ新選組代表の山本太郎さんは、以前の街宣で「右翼でも左翼でもない、フリースタイルです」と言っておられましたが、これまで主要政党で積極財政を主張する政党が無かったため、積極財政による景気の底上げを望む有権者は、思想的に右か左か関係なく、結果的に自然と「れいわ新選組」に集まってくるような構図になっていました。
ところが、「新党くにもり」と「参政党」という新興勢力が現れたため、「れいわ新選組」からすると、積極財政に賛成する有権者で思想的に真ん中から右寄りの人々の支持が「れいわ新選組」に集まってきにくくなる状況が生まれ、これまでやってきた支持拡大のスピードがスピードダウンしてしまう懸念が生じています。
「新党くにもり」と「参政党」は、「自由民主党」と「立憲民主党」と「日本維新の会」と「れいわ新選組」から少しずつ票を奪う形になるのだと思いますが、票を奪われる4党のうち一番基礎票が少ない「れいわ新選組」にとっては、かなり大きな影響があるように見受けられます。
特に「参政党」は、2019(令和元)年に「れいわ新選組」から参院選に出馬して落選した三井義文さんが5月5日に「現在、私は参政党党員として活動しています。7日土曜日は千葉県市川市の参政党キャラバンにいます。ご都合のつく方は、お立ち寄り下さい。」とツイートし、2019(令和元)年に「立憲民主党」から参院選に出馬して当選した須藤元気さん(現在は無所属)が5月6日に「参政党の神谷宗幣さんと意見交換をさせて頂きました。神谷さんとは同い年という事もあり、話が盛り上がりました。僕らの世代が日本を良くしていきます。気合い入れて頑張ります!」とツイートするなど、有力者の間で、あるいは一般の人々の間でも、支持や協力を表明する方が増えてきているようです。
そうした現状もふまえれば、「立憲民主党」も「日本共産党」も「社会民主党」も議席を減らし、「れいわ新選組」も1議席しか増やすことができない、といった「最悪のシナリオ」が現実のものとなる可能性も出てきています。
そうした「最悪のシナリオ」が現実化しないように、少しでも望ましい選挙結果を引き寄せられるように、参院選に向けてのみなさまからのいろいろなアイデアについて検討をしていきたいと思います。
4.「スローガン」と「政策論」と「応援歌」と
SAMEJIMA TIMESのコメント欄に、としぴょんさんから「諦めるな。みんなの願いを届けよう。」と「投票はあなたのメッセージ」というスローガンの提案があり、また、鮫島主筆のtwitterのアカウントには、「raceover」さんから「国民のために仕事をする政党」が必要という提言が寄せられました。
貴重なご提案をいただき、ありがとうございます。
また、サメタイに寄せられたものではありませんが、twitter上で賑わっている話題としては、「#予算11兆円使途不明の説明求めます」というハシュタグの存在が挙げられます。
コロナ予備費の12兆円のうち、約9割の使途が追えなくなっているというのです。
1989(平成元)年の参院選で自民党が大敗した時は「消費税導入」が、2007(平成19)年の参院選で自民党が大敗した時は「消えた年金問題」が大きな争点となり、「消費税」の時には土井たか子さんの社会党が、「消えた年金」の時には小沢一郎さんの民主党がそれぞれ大勝して、その後の政権交代(1993(平成5)年の日本新党の細川護熙内閣、2009(平成21)年の民主党の鳩山由紀夫内閣)につながりました。
日本経済新聞が記事で取り上げた問題が「消えた税金問題」として大きな争点になるなら、「国民の 税金返せ 11兆」とか「自民党にお灸を据えよう」とか「自民・公明に責任取らそう」といった形で国民の怒りが爆発する可能性も考えられます。
このあたりの点については、今後の展開を注目していきたいと思います。
次に、政策的なことに関連して、鮫島主筆のtwitterのアカウントには、「在尾張:アベ・スガが成立させた法は全廃棄!」さんから「『改憲NO!』認定候補のポスターに認証サインを入れて、緊急事態条項などの詳細を載せたサイトにつながるQRコードを貼ってはどうか」という趣旨の提言が寄せられました。
SAMEJIMA TIMESのほうには、としぴょんさんから、「成人時性別選択制」とでもいうべき次のような提案が寄せられました。
慶應大学病院の小児科医高橋孝雄先生の著者(筆者注:著書)によると生まれた時は性別が分かりにくい赤ちゃんっているそうですね。出生届けを出さすとき性別を書かないといけないのでとりあえず決めて書くこともあるそうな。成長していくに従って戸籍上の性別と自分の感覚があわなくて苦しむ。その他、生育過程の諸々によっても自分の性に違和感をかんじる。いっその事18歳になって成人するとき自分の戸籍上の性別をそのまま継続するか変更するか選べるようにするとか。選択的夫婦別姓と同じように難しい事ではないと思うし、少数派も見捨てないというアピールになる目玉政策…ダメかな?
これは確かに、自民党政権では絶対に実現されそうにない政策だと思います。
貴重なご提案をいただき、ありがとうございます。
また、SAMEJIMA TIMESの動きとは関係ないのですが、立憲民主党が今年の2月に行った政策公募では、立憲民主党宛てに非常にたくさんの政策提言が寄せられたようで、政調会長の小川淳也さんがお礼を述べられています。
立憲民主党に寄せられた1300件あまりの政策提言が、立憲民主党の参院選公約にどのように活かされるのか、期待を持って今後の展開を見守りたいと思います。
そして、応援歌に関してですが、としぴょんさんからは、SMAPの「世界に一つだけの花」がテーマソングとしてふさわしいのではないかというご意見をいただきました。
また、サメタイに寄せられたものではありませんが、twitter上で「自転車バイク」さんが「明日があるさ」の替え歌で「#れいわがあるさ」という応援歌をアップされています。
「政策論」に関してはなかなか個人の力ではどうにもならない面がありますが、「スローガン」や「応援歌」に関してはネットで拡散できるので、個人の力で局面の打開を図ることができる可能性が十分考えられます。
としぴょんさんからは「若者に響く言葉をつかう」という提案もいただいていますが、参院選までまだ1ヵ月以上ありますので、その間に様々な「スローガン」や「応援歌」が飛び出してくることに期待したいと思います。
5.なんとなく「上から目線」の居酒屋談議
としぴょんさんから、私の提案するスローガンや政策に関して、次のようなご指摘をいただきました。
憲法9条変えさせないよさんのスローガンや政策はなんとなーく、上から目線な感じがします。政策も政党に無理なく出来る物を考えてあげてる感。何か野球好きなお父さんが「俺が監督ならこんな采配する。」みたいに俺が政治家ならこうするって感じかな。それはそれで政治好きな人の間では盛り上げるとは思うのですが。
としぴょんさんのご指摘の通り、私が進める議論の中でオリジナルティがあるものは「居酒屋談議」に過ぎず、学問的な裏付けがある議論は内容的に「コピー&ペースト」に過ぎません。
野球の話で言えば、4月10日にロッテの佐々木朗希投手が巨人の槙原寛己投手以来28年ぶりに完全試合を達成し、さらに翌週の4月17日にもロッテの佐々木朗希投手が8回までパーフェクトピッチングを続けながら、投球数が100球を超えたためロッテの井口監督がピッチャー交代を命じたことについて、「2試合連続完全試合の可能性があったのに、井口監督はなぜ交代をさせたんだ!」とか、「佐々木の将来を考えたら、無理をさせずに交代させた井口監督の采配は正しい!」とかいうことを友人と居酒屋で議論することは、非常に楽しいことです。
私のSAMEJIMA TIMESへの寄稿は、ベースとしてはそういった類の話をするしかありませんので、ここでは、ゴールデンウィーク期間中に友人と酒を飲みながら議論に上った話題を紹介してみたいと思います。
まず盛り上がった話題は、なんといっても「ロシアのウクライナ侵攻」です。
「我々は、ウクライナ全土のみならず全世界を巻き込んだゼレンスキーの『国民の僕 シーズン4』の“リアルドラマ”を見せらせているんじゃないのか?」とか、「『国民の僕』は、初めは“喜劇”だったのに、とんでもない“悲劇”になってしまったな」とか、「戦争が始まって『エンバシーオブウクライナ』(ウクライナ大使館)に寄付したけど、ひょっとすると寄付したお金が武器の購入代金に使われて、アメリカの軍需産業を儲からせているだけかもしれないな」とか、「ウクライナに『千羽鶴』を送るのが迷惑なら、医薬品の『正露丸』を送ったら、ウクライナの人たちを元気づけられるんじゃないか?」とか、「序盤、中盤、終盤、隙がない、豊島さんの解説動画、スゴイよね」といった話になりました。
ここでは「豊島晋作のテレ東ワールドポリティクス」の「ウクライナ戦争解説セレクション」をみなさまにご紹介しておきます。
日本の政治に関して話題になったのは、「れいわ新選組の山本太郎代表が参院選でどの選挙区から出馬するのか?」ということと、「NHK党から参院選に出馬する7人の『山本太郎』が一体どこから出るのか?」ということです。
「ポスターの背景色をピンクにして、候補者の写真は載せずに、白抜きの文字だけにして『与党も野党もブッ壊す! れいわ新時代 山本太郎』とか書いて、真ん中の『山本太郎』の文字をでっかくして、隅っこのほうに小さな文字で『NHK党公認候補』とか書いたら、勘違いして投票する人がかなりいるんじゃないか?」という話が話題に上りました。
あとは、友人の家族経営の会社が「身売り」をして、大きな会社の子会社になる話なども聞かされました。
いろいろ考えさせられる話ですが、「倒産」するわけではなく「身売り」なので、ある意味では大きな企業の傘下に入って経営が安定するという話でもあるので、「そういう意味では、良い決断だったんじゃないか」と声をかけました。
私としては、中小規模の企業の経営の大変さもそれなりに知ってるつもりですので、SAMEJIMA TIMESで提案させていただいている議論は、学識経験者による抽象的な概念に基づく「空中戦」的な議論ではなく、それなりに実態をふまえた「地に足のついた」議論をしているつもりであることは申し添えておきたいと思います。
もちろん、私の議論に見落としや誤りがある可能性も十分考えられますので、批判的なご指摘をいただけることは、大いに歓迎しております。
6.女性パワーをいかせ!!
としぴょんさんから、「女性パワーをいかせ!!」として、「選挙のとき『選挙に行こう。』と連呼するだけでなく、『女性が選挙権を持って77年』とか、女性が参加しやすくなる言葉や雰囲気があったらいい。」とのご提案をいただきました。
1989(平成元)年の参院選で社会党が大勝し、自民党が大敗した時には、「マドンナ旋風」が起き、「消費税導入」に伴う主婦層の投票行動の盛り上がりも大いに話題になりました。
2022(令和4)年の参院選に関して言えば、立憲野党の全国比例候補には、立憲民主党の辻元清美さん、日本共産党の田村智子さん、れいわ新選組の長谷川羽衣子さん、社会民主党の福島瑞穂さんといった期待できる候補者がたくさん控えています。
これに加えて女性有権者が投票しやすくなるような仕掛けを考えていくことが重要になってくるものと思います。
7.有権者による「戦略的投票」を通じた「野党共闘」
TOMOさんからは、「戦略的投票」の考え方に関して、非常に分かりやすい例を提示していただいています。
複数人区ですが、ここで注意すべき点は「上位当選を狙う必要はない」ことと「少なくともどの対立候補を落選させるつもりかの意識だけは共有する」の2点だと思います。
例えば2人区で以下の結果になったとします。
1位 自民 55万票 当選
2位 立憲 30万票 当選
3位 維新 20万票 落選
自民+維新は立憲の2.5倍の票を獲得していますが、議席数は両陣営共に「1」です。
別の例として、3人区で以下の結果になったとします。
1位 自民 80万票 当選
2位 立憲 60万票 当選
3位 共産 55万票 当選
4位 公明 50万票 落選
自民+公明の票は立憲+共産の票を上回っていますが、獲得議席は立憲+共産陣営が上回ります。
補欠である神奈川5位を除き複数人区では1位当選でも最下位当選でも価値は同じと言えます。1人だけ圧勝しても意味はなく、いかに議席を確保するかが重要です。そのためには当選ぎりぎりの位置にいる対立候補を確実に落選させていくことがカギです。自由競争となった場合でも誰の落選を狙うのかを統一させることは候補の調整に比べて容易なはずです。
このような観点から、東京・大阪・兵庫・京都の各選挙区について、有権者が「戦略的投票」を行うことで結果として「野党共闘」が成立する可能性について論じていきたいと思います。
8.大阪・兵庫・京都での「戦略的投票」の必要性
大阪選挙区と兵庫選挙区と京都選挙区に関して、2019(令和元)年の投票結果と、2022(令和4)年の楽観シナリオと悲観シナリオを見ながら、「戦略的投票」の必要性を考えていきたいと思います。
2019(令和元)年参院選大阪選挙区(改選数4)投票結果
当選:梅村みずほ(日本維新の会) 729,818票
当選:東徹(日本維新の会) 660,128票
当選:杉久武(公明党) 591,664票
当選:太田房江(自由民主党) 559,709票
落選:辰巳孝太郎(日本共産党) 381,854票
落選:亀石倫子(立憲民主党) 356,177票
落選:にしゃんた(国民民主党) 129,587票
2022(令和4)年参院選大阪選挙区(改選数4)当選予測
楽観シナリオ:維新・公明・共産・れいわ(護憲勢力2人、改憲勢力2人)
悲観シナリオ:維新・維新・公明・自民 (護憲勢力0人、改憲勢力4人)
2019(令和元)年の選挙結果を振り返ってみますと、「もし亀石倫子さんに投票した有権者のうち177,856人以上が『戦略的投票』で辰巳孝太郎さんに投票していたら、自民党の太田房江さんを落選させることができていた」という結論になります。
2022(令和4)年の当選予測に関して言えば、「楽観シナリオ」が実現する可能性は極めて低く、放っておけば「悲観シナリオ」が実現する可能性が極めて高いため、「現実的シナリオ」として、護憲リベラル派の有権者が当選ラインに一番近い護憲派候補に投票を集中させて、とにかく「1人当選」を確保することが極めて重要になるものと考えられます。
2019(令和元)年参院選兵庫選挙区(改選数3)選挙結果
当選:清水貴之(日本維新の会) 573,427票
当選:高橋光男(公明党) 503,790票
当選:加田裕之(自由民主党) 466,161票
落選:安田真理(立憲民主党) 434,846票
落選:金田峰生(日本共産党) 160,183票
2022(令和4)年参院選兵庫選挙区(改選数3)当選予測
楽観シナリオ:維新・公明・立憲(護憲勢力1人、改憲勢力2人)
悲観シナリオ:維新・公明・自民(護憲勢力0人、改憲勢力3人)
2019(令和元)年の選挙結果を振り返ってみますと、「もし金田峰生さんに投票した有権者のうち31,316人以上が『戦略的投票』で安田真理さんに投票していたら、自民党の加田裕之さんを落選させることができていた」という結論になります。
2022(令和4)年の当選予測に関して言えば、「楽観シナリオ」が実現する可能性は低く、放っておけば「悲観シナリオ」が実現する可能性が高いため、「現実的シナリオ」としては、護憲リベラル派の有権者が当選ラインに一番近い護憲派候補に投票を集中させて、とにかく「1人当選」を確保することが重要だと考えられます。
2019(令和元)年参院選京都選挙区(改選数2)投票結果
当選:西田昌司(自由民主党) 421,731票
当選:倉林明子(日本共産党) 246,436票
落選:増原裕子(立憲民主党) 232,354票
2022(令和4)年参院選京都選挙区(改選数2)当選予測
楽観シナリオ:立憲・共産(護憲勢力2人、改憲勢力0人)
悲観シナリオ:自民・維新(護憲勢力0人、改憲勢力2人)
2019(令和元)年の選挙結果を振り返ってみますと、「仮に『戦略的投票』を駆使したとしても、自民党の西田昌司さんを落選させることは不可能だった」という結論になります。
2022(令和4)年の当選予測に関して言えば、「楽観シナリオ」が実現する可能性も「悲観シナリオ」が実現する可能性も共に否定しがたい状況にあります。なぜそんなことになるのかと言えば、維新の候補者が自民からも立憲からも票を奪うことが想定され、結果として自民と立憲のどちらが落選することになるのか分からない面があるからです。京都選挙区に関しては、「悲観シナリオ」を避けたうえで、「1人当選」を目指すのか「2人当選」を目指すのか柔軟に対応を考えていく必要があります。
9.東京では「#蓮舫の得票を半減させよう」
東京選挙区に関しては、2016(平成28)年の投票結果と、2022(令和4)年の楽観シナリオと悲観シナリオを見ながら、「戦略的投票」の可能性を考えていきたいと思います。
2016(平成28)年参院選東京選挙区(改選数6)投票結果
当選:蓮舫(民進党) 1,123,145票
当選:中川雅治(自由民主党) 884,823票
当選:竹久とし子(公明党) 770,535票
当選:山添拓(日本共産党) 665,835票
当選:朝日健太郎(自由民主党) 644,799票
当選:小川敏夫(民進党) 508,131票
落選:田中康夫(おおさか維新の会) 469,314票
落選:横粂勝仁(無所属) 310,133票
落選:三宅洋平(無所属) 257,036票
落選:鈴木真理子(日本のこころを大切にする党) 102,402票
2022(令和4)年参院選東京選挙区(改選数6)当選予測
楽観シナリオ:自民・公明・立憲・立憲・共産・れいわ(護憲勢力4人、改憲勢力2人)
悲観シナリオ:立憲・公明・自民・自民・共産・維新 (護憲勢力2人、改憲勢力4人)
2016(平成28)年の選挙結果を振り返ってみますと、民進党の蓮舫さんの支持者の票を同じ民進党の小川敏夫さんに回す「戦略的投票」を呼びかけてハマった成功例として、今も語り草になっています。
2022(令和4)年の当選予測に関して言えば、候補者が乱立しているため、「楽観シナリオ」が実現する可能性も「悲観シナリオ」が実現する可能性も共に否定しがたい状況にあります。
状況によっては「3人当選」を目指す「現実的シナリオ」を発動させる必要が生じるかもしれませんが、私の個人的な考えとしては、東京選挙区は「4人当選」を目指す「楽観シナリオ」の実現を目標とすべきであると思います。
そう考える根拠ですが、2016(平成28)年の蓮舫さん、山添拓さん、小川敏夫さん、横粂勝仁さん、三宅洋平さんの5人の得票数を足し合わせると、2,864,280票になります。これを立憲民主党の2人と、共産党の1人、れいわ新選組の1人の合計4人に均等に割り振ると考えた場合、1人あたり716,070票という計算になります。もし4人全員が70万票を超える展開になれば、立憲野党で6議席中4議席を獲得することも決して夢ではありません。
その「楽観シナリオ」を実現するためには、「蓮舫さんの得票を大幅に減らして、立憲民主党の2人目と、共産党の候補、れいわ新選組の候補に回す」という「戦略的投票」を大規模な形で展開していく必要があります。
そうした意味で、選挙戦の初日に「#蓮舫の得票を半減させよう」といったような呼びかけのハシュタグをtwitterのトレンドに上げることを検討してみてはどうかと思います。
趣旨を説明すれば、例えば「君に届け@滑稽新聞」さんにツイデモの協力をしていただけるかもしれません。(ちなみに私は、全くつながりはありませんので、twitterで「君に届け@滑稽新聞」さんとコンタクトが取れる方がいらっしゃったら、是非ツイデモの企画をご検討いただければ幸いです。)
2016(平成28)年の選挙結果を見る限り、蓮舫さん一人で当選ラインの2倍の票を獲得しており、この得票をわざと減らして有効な投票先に振り向けることが立憲野党側の当選者数の最大化を図る意味では非常に重要になってきます。
立憲民主党の支持者の方からすると「#蓮舫の得票を半減させよう」というハシュタグに非常に違和感を覚えられるかもしれませんが、「立憲民主党の2人当選」を確保する意味でも重要な考え方としてご理解いただければ幸いです。
10.新潟県知事選挙「ここから始まる」
7月の参院選を占う意味で重要な新潟県知事選挙が5月12日に告示され、5月29日の投票日に向けて、激しい選挙戦が繰り広げられています。
立候補しているのは、現職の新潟県知事である花角英世さんと、新潟経済同友会副代表幹事の片桐奈保美さんの2人です。
花角英世さんは自民党・公明党新潟県本部・国民民主党新潟県連が支持しており、片桐奈保美さんは共産党・社民党・れいわ新選組が推薦しています。
連合新潟が現職の花角英世知事を支援することを決定したため、立憲民主党は「自主投票」ということになり、そのことに関して鮫島主筆がSAMEJIMA TIMESの4月27日の記事で解説されています。
現職知事に挑む片桐奈保美さんの選挙スローガンは「原発なくして病院残せ」で、片桐さんを推薦する共産党・社民党・れいわ新選組の「脱原発」の姿勢と、花角知事を支持する自民党・公明党・国民民主党の「反・脱原発」の姿勢と、自主投票になった立憲民主党の「半・脱原発」の姿勢が非常に分かりやすい選挙戦の構図になっていると思います。
ちなみに、小泉純一郎元首相は「脱原発」の応援で片桐奈保美さんへの支持を表明しており、今回の知事選に際して次のようなメッセージを寄せています。
立憲野党を応援するSAMEJIMA TIMESの読者のみなさまにおかれましては、ぜひ「ここから始まる」の動画と「応援メッセージ④ 小泉純一郎元首相」の動画をご覧いただいたうえで、5月28日(土曜日)までの間にこれらの動画をtwitterやSNSで積極的に拡散していただけましたら幸いです。
そして、れいわ新選組の山本太郎代表が、新潟入りして街頭演説会に参加します。
「脱原発を新潟から。」というみんなの願いをかなえることができるのか、新潟県知事選挙の今後の盛り上がりに期待したいところです。
憲法9条変えさせないよ
プロ野球好きのただのオジサンが、冗談で「巨人ファーストの会」の話を「SAMEJIMA TIMES」にコメント投稿したことがきっかけで、ひょんなことから「筆者同盟」に加わることに。「憲法9条を次世代に」という一民間人の視点で、立憲野党とそれを支持するなかまたちに、叱咤激励と斬新な提案を届けます。