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朝日新聞社も「安倍国葬」に参列!? 元同僚から届いた衝撃の内部告発

朝日新聞社の元同僚から9月21日朝、「内部告発」が届いた。安倍晋三元首相の国葬に朝日新聞社も役員を参列させる方向で調整しているのだという。

彼はこの情報を編集局幹部から聞いた。当初は社長に次ぐ立場の役員が出席する予定だったが、世論の反発を警戒して「格下げ」する方向で調整しているとのことだった。

「あれだけ社説や記事で批判しておきながら、この言行不一致は社会に不信を招きます。東京五輪で絡め取られたのか、それ以外に表に出せない理由があるのか、分かりませんが、説明が付きません」

彼は怒り心頭だった。

「欠席を決めたという情報もあり、錯綜していますが、社内には何の説明もありません。ひどい話です。コラムで取り上げて頂けないでしょうか」

国葬参列をめぐり、朝日新聞社内でああでもないこうでもないという議論が続いているのは事実なのだろう。最終決断するのは中村史郎社長であるのは間違いない。その決定が下る前に、社外から批判を巻き起こすことで何とか参列を食い止めたいという彼の思いは伝わってきた。

記者なのだから自分で声をあげればよいではないか。そう思う読者も多いだろう。私もそう思う。

しかし、朝日新聞社は今、社員がSNSなどで会社批判を発信することに目を光らせ、そのような投稿を見つけたら懲戒処分や人事異動をちらつかせて削除を迫っている。会社による管理統制が引き締められ、ジャーナリズム精神のある記者ほど窒息しそうだ。SNS発信の休眠に追い込まれた著名な記者もいる。表現の自由を掲げる新聞社とは思えない言論統制が社内で強まっているのだ。(『自民党と統一教会の歪んだ関係を報じない朝日新聞の闇〜追い出し部屋行き人事に怯える朝日記者たち』参照)

このまま国葬に参列したら朝日新聞はもうおしまいだ、自ら声をあげるのは難しいので代弁してほしい、国葬の日までに外部からの批判で何とか欠席へ転じさせたいーーという彼の切迫感は理解できた。

私はこの「内部告発」を聞いた時、「さもありなん」と思った。

朝日新聞社は安倍政権が国家プロジェクトとして旗を振った東京五輪のスポンサーになった。その時点で報道機関と呼ぶに値しない存在に転落した。すでに国家権力とズブズブの関係に陥っているのである。「安倍国葬」に同じ乗りで加わってもさほど驚きはない。権力監視を旨とするジャーナリズムのモラルを喪失しているのだ。

朝日新聞社の管理職から聞いた話によると、東京五輪スポンサーになったことで、政府や東京都から五輪関連の新聞広告掲載を大量に受注した。一面広告の定価は3000万円程度だが、昨今の新聞離れで広告掲載価格の相場は800万円程度まで暴落。ところが、相手が政府や東京都の場合、定価である3000万円程度で新聞広告を出してくれるという。

政府広告や自治体広告はいまや新聞社経営を支えるドル箱だ。新聞に掲載される選挙公報も大きな収入源となっている。新聞社は経営の生命線を国家権力に握られているのである。

朝日新聞社は新聞発行部数が激減するなかで、政府や自治体の税金に依存して経営を維持している。政府が旗を振る東京五輪やSDGsを熱心に持ち上げて報道するのも、それらに関連する政府広告や自治体広告を「定価」で受注するためだろう。

こんなことでは権力批判などできるはずがない。自民党と旧統一教会の関係や東京五輪汚職事件への切り込みが手ぬるいのも当然だ。今や朝日新聞は政府広報紙と思ったほうがいい。

朝日新聞は政府・自治体関連の広告取引の実態をすべて公開すべきである。そうでなければ国家権力との癒着を疑われても仕方がない。

安倍国葬への参列も政府との癒着の延長線上にある。

さすがに今回は世論の反発が激しいので参列を見送るのか、社長の参列は避けて「格下げ」することで誤魔化すのか。朝日新聞社内は揺れに揺れたに違いない。

現経営陣に「報道機関としての矜持」として参列を見送るという発想はない。参列することで読者から怒りを買ってさらに部数が減るリスクと、欠席することで政府からにらまれて広告を減らされるリスクを天秤にかけているのだろう。

さて、どちらに傾くか。国葬参列を決断したら、さすがに世論の総スカンを喰らうに違いないーーそう思っていたら、9月21日夜、先述の元同僚から「欠席を政府に回答したそうです。それにしても右往左往ぶり、みっともない…」と連絡があった。

おそらく私に連絡してきた元同僚と同じように、他にも「国葬参列」の内部情報を外部に漏らすことで阻止しようとした人物がいたのではないか。さすがに中村社長も「これはまずい」と方針転換したのかもしれない。

この情報どおりなら、朝日新聞はぎりぎりのところで踏みとどまったことになるのか。それとも、この迷走ぶり自体がさらなる信用失墜を招くのか。

社長以下、責任ある立場にある者たちは自分の立場を守ることばかりを考え、報道機関としての役割を果たすという矜持はみじんも感じられないーー社員の多くがそんな問題意識を共有しつつ、正々堂々と声を上げたくても上げられない。朝日新聞は極めて深刻な事態に陥っている。

朝日新聞がここまで凋落した起点は、2014年に原発事故をめぐる「吉田調書」を独自入手したスクープ記事を安倍政権に屈して取り消した事件である。詳細はその渦中にいた私の新刊『朝日新聞政治部』でどうぞ。