政治とマスコミを斬る
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東京五輪スポンサーだった朝日新聞など全国紙は五輪疑惑の当事者である!高橋元理事の逮捕を他人事のように報じるのは許されない!自ら身の潔白を立証せよ!

東京五輪組織委員会の理事を務めた電通出身の高橋治之容疑者が、東京五輪スポンサーだった紳士服大手AOKIホールディングスの前会長らから5100万円賄賂を受け取っていたとして、東京地検特捜部に受託収賄の疑いで逮捕された。

安倍政権が主導した東京五輪招致活動をめぐっては、フランス捜査当局が裏金事件を捜査するなど数多くの疑惑が指摘されてきたにもかかわらず、日本の検察当局はまったく動こうとしなかった。

安倍首相の権力私物化が指摘されたモリカケサクラ疑惑と同じ構図である。ここにきて検察が強制捜査に踏み切ったのは、安倍氏が凶弾に倒れて政界から退場したからだともささやかれている。

東京五輪閉幕から1年。組織委はすでに解散し、さまざまな記録は隠滅されたことだろう。検察当局の強制捜査はあまりに遅すぎたというほかない。

安倍政権を挙げて進めた東京五輪招致やスポンサー選定にからむ政財官マスコミ界の「闇」を本当に解明できるのか。私は極めて懐疑的だ。

高橋元理事やAOKIという「トカゲの尻尾切り」に終わり、検察当局の「やってる感」を演出して収束する可能性が高いだろう。

検察当局に増してタチが悪いのは、東京五輪スポンサーとして五輪礼賛報道を続けてきた朝日新聞、読売新聞、毎日新聞、日経新聞、産経新聞の全国紙である。

東京地検特捜部が強制捜査に乗り出してはじめて五輪疑惑を報じているのだが、フランス捜査当局の動きをはじめ、これまで東京五輪のネガティブな問題をほとんど報じてこなかった。検察当局の動きにかかわらず、国策の闇を調査報道で暴くのが、本来の組織ジャーナリズムの務めである。東京地検特捜部が捜査する範囲で報じるというのは、実に情けない限りだ。

これら大手新聞社は東京五輪の疑惑を黙殺するばかりか、横並びで国家プロジェクトの五輪開催を盛り上げる報道を展開して安倍政権に加担してきた。今更何様のつもりだ、といいたいところである。

五輪の「闇」を報じてこなかったのは、ある意味、スポンサーなのだから当たり前だろう。そもそも五輪関連広告などのビジネス上の利益を優先し、巨額の税金を投じる国家プロジェクトのスポンサーになった時点で、ジャーナリズムを名乗る資格を失っていた。読者への背信行為である。スポンサーになってしまったら国家権力の監視などできるはずがない。

これら大手新聞社が東京五輪スポンサーとなり、五輪報道が歪められたのは日本のジャーナリズムの崩壊を象徴する出来事である。

だが、問題はそれにとどまらない。高橋元理事はスポンサー選定に絶大な影響力を誇った。大手新聞社とのスポンサー契約には関与していなかったのか。

大手新聞社は高橋元理事の「闇」を他人事として報じる立場にない。自分たちが疑惑を向けられる当事者なのだ。

政治家が疑惑を向けられた時に自ら潔白を証明するのが「説明責任」(アカウンタビリティー)という考え方である。自ら潔白を立証できなければ、責任をとって現在の地位を退くのが大原則だ。

大手新聞社は権力私物化を重ねた安倍政権に対し、そのような「説明責任」を繰り返し迫ってきた。

いま、大手新聞社が東京五輪スポンサー問題について同じような疑惑の目をむけられている。ここは自ら身の潔白を立証しなければ、新聞社としての信用は失墜するだろう。

具体的には①東京五輪スポンサーになった経緯を第三者委員会を設置して外部の目で再検証する②スポンサー契約料や五輪関連広告の契約規模など東京五輪に関係する取引の全容を詳しく公表する③経営陣や編集幹部が高橋元理事と会食するなどの交流があったのかどうかを洗いざらい公表するーーことは最低限必要だ。

スポンサーになったことが五輪報道にどのような影響を与えたのかについても第三者の目でしっかり検証する必要がある。

そもそも権力監視のジャーナリズム精神から逸脱して東京五輪スポンサーになったのが間違いだった。大手新聞社はその過ちを認めて読者に謝罪し、スポンサーになる決断をした当時の責任者(朝日新聞でいえば渡辺雅隆前社長ら経営陣)を厳しく断罪し、そのうえで高橋元理事らとの不透明な関係がなかったのか徹底調査して公表すべきだ。

改めて言おう。東京五輪スポンサーになった大手新聞社は、読者から疑惑の目を向けられた当事者なのだ。