政治を斬る!

小池百合子知事に出馬を要請した52人の区市町村長のひとり、港区の現職が区長選で落選!自公推薦で6期目を目指すも女性新人に敗北〜「小池離れ」が加速、都知事選に出馬するかしないか最終判断に影響も

小池帝国が音を立てて崩れているように見える。

小池百合子知事に出馬を要請していた東京都内の52人の区市町村長のひとり、港区の武井雅昭区長(71)が6月2日の区長選で落選した。裏金批判を浴びる自民党に加え、公明党の推薦も得て6期目を目指したが、新聞記者出身の新人・清家愛前区議(49)に敗れた。

都心の港区で、小池都政や自公政権への厳しい審判が下された格好だ。いまなお都知事選への出馬表明を見送っている小池知事の判断に影響を与える可能性もある。

清家 愛氏  29,651票
武井雅昭氏  28,123票
菊地正彦氏  3,070票

投票率30.62%(前回より0.58ポイント増)

武井区政5期20年はまさに「身内を固める区政」だった。すでに71歳。小池知事と同年齢だ。6期目を目指す今回の区長選に多選批判を振り切って出馬していたのである。

どんなに多選批判が高まっても、自公と業界の支持さえ固めれば逃げ切れる。武井氏はそう踏んでいたに違いない。武井氏の政治姿勢は、まさに今の小池都政と重なり合う。

5月26日の告示日に開いた武井氏の出陣式には、自公区議のほか、区医師会会長や区商店街連合会副会長らが応援に駆けつけていた。

しかし、6月20日告示の都知事選と時期が重なったことが、武井氏の足を引っ張ったのは間違いない。

区長選告示の翌日である27日、立憲民主党の蓮舫氏が「裏金自民の延命に手を貸す小池都政をリセットする」として「反自民・非小池」の立場で都知事選に出馬すると表明。その翌日の28日、武井氏は都内の62人の区市町村長のうち52人と歩調をあわせ、小池知事に出馬を求める名簿に名前を連ねた。

港区長選は、都知事選を先導するかたちで展開されていったのである。

私も港区民として武井区政をみてきたが、自公政権や大企業と協調して都心再開発を大規模に推し進め、商店街連合会などの業界団体に補助金をばら撒く典型的な「旧来型区長」に映っていた。

小池都政が推進した明治神宮外苑の再開発は、エリアの一部が港区である。坂本龍一さんらが樹木伐採に反対しても武井区長が行動を起こすことはなく、自公政権や小池都政に追従する姿勢は一貫していた。

港区は区内の有栖川宮記念公園でも樹木伐採を進めた。

私は鮫島タイムスで有栖川宮記念公園の樹木を伐採する工事の経緯に異議を唱える連載をした。港区は工事を一旦中断し、住民説明会をやり直した。私はさらに武井区長にインタビューも申し入れた。

しかし武井区長は応じず、最終的には住民の反対意見も黙殺し、工事を再開した。

この経緯からも住民の声を真正面から受け止めない「アリバイづくり」「ガス抜き」という旧態依然たる区政の印象を強めていた。

今回の落選は、住民不在・業界重視の区政のツケといっていい。

坂本龍一の遺志を継げ!百年以上かけて守り続けた貴重な樹々を切らないで〜最後の訴えを黙殺した伐採女帝小池百合子はあなたの身近でも樹木を切り倒している!新連載『有栖川宮記念公園の伐採を追う』(1)
これでも樹木伐採を年内に強行するのか?一触即発となった東京・港区「結論ありきの住民説明会」緊急報告〜連載『有栖川宮記念公園の伐採を追う』(6)

小池知事は8年前に初当選した時は「反自民」を掲げ、無党派層を支持を得た。ところがこの8年間で自民党と一体化し、とりわけ裏金議員の萩生田光一氏(自民党都連会長)と密接に連携して、東京五輪や都心再開発の巨大利権を推薦してきた。港区をはじめ都内の大半の区市町村長はそれに追従してきたのである。

裏金自民への批判が高まるなか、小池知事が頼ったのが、区市町村長たちだった。彼らから出馬要請を受けるかたちで都知事選に立候補するという政治的演出で「裏金自民の延命に手を貸す小池都政」のイメージを払拭しようとしたのだ。

そのさなかの港区長選で現職が敗北した影響ははかりしれない。国政も都政も大きく流れを変えたいというのが民意なのだろう。

都知事選の告示が迫ってくる。業界団体の支援を背景に出馬に突き進むのか。

小池知事は港区長選の翌日、清家氏にすかさず連絡し、面会した。なんとしても新区長を取り込み、敗北の打撃を食い止めたいということだろう。

それでも港区長選の結果は、都知事選の行方を示唆しているように私には思えてならない。

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