目まぐるしく、次から次に起こる、戦争、暗殺、物価上昇、疲れを感じる今日この頃です。そのせいか、今年は例年より早く、半分が過ぎ、6月になろうとしているように感じます。
今回は、日本の政治の動きと世界を重ねて、広く、少し掘って、何が起こっているのかを見てみたいと思います。お付き合いいただければ、幸いです。
5月中旬は、トランプ大統領の北京訪問が、G2会談と呼ばれ世界で注目を浴びました。これも、世界中の人々に、思いを巡らせざるを得ない出来事でした。
2025年1月トランプ大統領は就任メッセージで、帝国植民地主義復活を想起させる、次のメッセージを伝えました。
「アメリカ合衆国は再び、富を増やし、領土を拡大し、都市を建設し、期待を高め、国旗を掲げて新たな美しい地平線へと進む成長国家であると自認するだろう」
「我々は明白な運命を星々へと追求し、アメリカ人宇宙飛行士を火星に送り込み、星条旗を立てるだろう」
トランプ氏はかつて、中国は米国を「強姦している」「同盟国でも友人でもない」COVID-19を長らく「中国ウイルス」と呼ぶなど、暴言をはいていました。一変し、今回は、ほめ言葉が並ぶ、まるで別人のような振る舞いでした。
これは、勝つために、絶対に必要なもの。中国は持っているけれど、アメリカは持っていない物のため。それは、中国が世界市場90%を占める、レア・アース(希少鉱物)のためでしょう。
昨年、中国は米国との貿易戦争において、この重要な鉱物を人質に取ることを躊躇しない姿勢を示しました。レア・アースは、中東やウクライナで消耗した軍事品を補充し、AI戦争を仕掛ける米国にとって、戦争を続けるために、欠かせない資源です。
会談は、レッドカーペットで始まり、特別な場所への招待(天壇とその歴史的な庭園、中国の政治中枢の場である中南海)、米国一行への最高のもてなし、両国の落ち着いた安定した対応という印象が流れました。
しかし習氏は会談の冒頭で「トゥキディデスの罠」(古代ギリシャからの既存の強国と新興国は必ず衝突する運命にあるという教訓)を世界の安定のために、乗り越えなければならないと、くぎを刺すような、強いメッセージで始めました。
この会談を見ながら私が考えていたのは、やはり日本の事でした。日本の事が、会談の内容には、上っていませんでしたが、トランプ大統領と高市首相がその前に電話会談したことが伝えられました。
一体、何を話したのでしょうか?
会談の内容を西側のメディアはトランプ氏やホワイトハウスからの報告を中心に報道されているようでした。中東のカタールのアル・ジャジーラは会談後の共同声明は発せられず、ワシントン(米国政権)と北京(中国政権)で、認識の違いがあることを報道していました。
それによると、特に米国は“貿易”、中国は“台湾”について重要だ、として取り上げていました。
中国外務省のホームページの声明では、トランプ氏が報告するような、貿易(牛肉・大豆・ボーイング社航空機)やイラン紛争への具体的な結果は報告されておらず、台湾について次のように強く述べられていたそうです。
「習国家主席は、台湾問題は米中関係において最も重要な問題であると強調した」
「適切に対処すれば、二国間関係は全体的に安定するだろう。そうでなければ、両国は衝突や紛争に陥り、関係全体が深刻な危機に瀕するだろう」
しかし、ホワイトハウスの首脳会談後の声明には台湾に関する言及はなく、トランプ大統領は北京滞在中、記者団からの台湾に関する自身の立場についての質問を無視したことが注目されました。しかし、トランプ氏は帰国後のFox Newsのインタビューで、次のように答えていました。
「中国は非常に強力で大きな国だ。台湾は非常に小さな島だ。考えてみてくれ、わずか59マイルしか離れていない。我々は9500マイルも離れている。これは少々難しい問題だ。台湾が発展したのは、何をしているのか全く分かっていない大統領がいたからだ。彼らは我々の半導体産業を盗んだ」(Grokによると、「盗んだ」のではなく、アメリカ系台湾人が合法的に企業し、成長したとされます)
トランプ氏の、中国の怒りを鎮め、なだめようとする発言でしょう。これは、去年11月の高市首相の国会での“台湾有事”発言とは、相いれません。
高市首相は、武力の行使を伴うような事態になれば、日本に対する「存立危機事態」になり得ると答弁し、歴代首相として初めてその可能性を明言しましました。
これは、中国だけでなく、豪州でも、危険な状況に巻き込まれてはいけないという空気が流れました。主要メディアは「高市首相は、オーストラリアと太平洋地域に重大な影響を与えるだろう」と注意を喚起し、豪州政府に冷静な対応を求めました。
日本は1972年の当時の田中角栄首相が中国と出した「日中共同声明」で定められた「中国の立場を十分理解し、尊重する」という方針が、1978年「日中平和友好条約」にも引き継がれる形をとっています。(こちら参照)
同時期に米国、豪州も「一つの中国」を認識する発表しました。しかし、時間と共にこれは、薄れていき、米国は、台湾に継続的に武器を購入させ「アメリカが静かに、台湾を徹底武装化する」と見られています。(こちら参照)
トランプ氏は、台湾への数千億円の軍事品の売却は、考え中だ、と答えました。これは、今後の中国の取引次第だ、ということでしょう。
もともと台湾は原住民の人々が暮らし、主に北京語を話す漢民族の人々が、中国から移住し、今にいたります。私は、周囲が「台湾有事」を騒ぎ立てず、あいまい戦略で、現状維持がよいのでは、と思います。そして、必要であれば、中国や関係諸国と話し、台湾の人々が、決めることだと思います。
トランプ氏と高市氏は意見対立しているの?
この“台湾”を巡るトランプ氏の発言から、日本では「高市首相は、“はしご”を外されたのか」「いや元々、登れる“はしご”など無い」という声も…。英語圏では、Pull the rug out from under Takaichi. という意見も、直訳では、「高市首相の絨毯を引く」です。その心は、トランプ氏に、選挙で大勝利後、SNSで、「彼女は、『力による平和』という理念を追求できるだろう」と祝福された後に、「高市首相は、足元をすくわれた」というところでしょうか。
でも私は、本当にそうなのか…? と、もやもやに、おちいりました。あの台湾が問題になることに、気づいていないとは思えない。最近だけでも英国・フランス・ドイツ・スペイン・カナダ・オーストラリア・韓国・ベトナムの首相や大統領が、中国詣でをし、習近平主席と会談しました。ほとんど日本と近い西側の国々です。なぜ、日本の高市首相だけは、敵対的な言動をとるのでしょうか?
高市氏だけではありません。防衛大臣の小泉進次郎氏は、2月に日本政府が2031年3月までに台湾に近い西側の離島の一つに地対空ミサイルを配備する計画を発表しました。これは、豪州ABC(NHK相当)で報道されました。
台湾に近い、与那国島や八重山諸島では、何年も前から着々と軍事化が進み、反対する住民のドキュメンタリーが豪州で放送されました。
確かに、支持層を意識したものかもしれません。でも、それだけで国際的に大影響を及ぼす“台湾有事発言”を思い付きや強気の姿勢だけで、するようには、思えないのです…。
読者のみなさんはどう思いますか…?
私は、外国の支持で日本(高市氏)が米国の代理で、台湾有事発言をし、中国に圧力をかける役を演じ、そしてアメリカのソフトなイメージを保つという戦略ではなかったのかと見ています。
ここで、頭に浮かび挙がったのが、イスラエルです。
豪州のジャーナリスト、コロナウ氏は、Xに次のように投稿しました。
「米国は日本に対し、中国を軍事的に威嚇し挑発する自由裁量を与え、容認しているように見える。その危険性は、日本が「太平洋のイスラエル」のような存在になってしまうことにある」
すでに、ウクライナのゼレンスキー大統領は、「ウクライナをイスラエルにする」と発言し、戦争を継続しロシア弱体に励んでいます。
米イスラエルの度重なるイランへの攻撃やリーダー暗殺。
イスラエルが起こしているのか? アメリカが起こしているのか?
「イスラエルが、米国をイラン戦争に引きずり込んだ」という意見が目につき、私もそれを紹介してきました。イラン攻撃理由が、コロコロ変わるトランプ氏は、先述のFOXのインタビューで「イランを攻撃しているのは、イスラエルと湾岸諸国(サウジアラビア、UAE、クエート、バーレーン、カタールを助けるためだ」と発言しました。 何か恩着せがましく感じました。
独立系ジャーナリストのブルーメンタール氏は、この内容の意味を次のように解釈し賛同を得ていました。
「トランプ氏は、米国が挑発していないイランを攻撃し、世界経済を危機に陥れた理由を『イスラエルと湾岸の独裁政権を支援するためだ』と説明した」
湾岸諸国は、トランプ大統領や政権が繰り返す「イランに核兵器を持たせないことが条件だ!」には、必ずしも賛同していません。なぜなら、すでにイランは破壊力のあるミサイルを多数保持し、ロシアでは核兵器と同様の破壊力をもつ極超音速弾道ミサイルが開発されているからです。そして、イランは何十年も前から、その教義から核兵器の所有放棄宣言をし、オバマ政権でJCPOA(核兵器不保持合意)も結んでいました。第一次トランプ政権は、それを破棄し、その後イランの核濃縮と備蓄が始まりました。それでもイランは何度も、核兵器不保持合意を結ぶ努力をトランプ政権としますが、合意が近づく度に、トランプ政権は、それを打ち消すように、戦争を始めます。
ですから「核を持たせない!」は、イランに制裁を続け、弱体化を進めるためではないか、と見えます。
話を戻します。
一番の原因は「アメリカだ」という強い意見にもふれます。
一体どうなっているのでしょうか!?
この点で、私が一番強いメッセージだと感じたのは、2月28日、米イスラエルの暗殺で、殉死したイランの最高指導者アリー・ハーメネイ氏の最初で最後の西側ジャーナリストによるインタビューでした。1982年豪州ABC(NHK相当)の反戦ジャーナリストとして著名なジョージ・ネガス記者によるもので、豪州で報道されました。
彼はハメネイ氏に「あなたは、反アメリカ・反ソ連・反イスラエル・(幾つかの)反アラブだ。どの国と友達になれますか?」とたずねます。ハメネイ氏は「あなたが挙げた中で、一つ以外と友達になれます」と答えました。
そしてネガス記者は「どれが、最悪の敵ですか」と更にききます。
ハメネイ氏は、躊躇なくハッキリと「アメリカだ」と返答しました。(こちら番組から映像)
イラン(イスラム教シーア派主流)と近いレバノンの政党ハズボラ(イスラエルの国境に近い、南レバノンに多いイスラム教シーア派に、主に支持されている。軍隊をもち、イスラエルからの侵攻に抵抗し、西側諸国からテロリスト認定されている)のカリスマ的、元最高指導者ナスララ氏Nasrallah(2024年9月イスラエルによる暗殺で殉死)も次のように発言し、エルサレム・ポストが報道していました。
「アメリカが中東の諸悪の根源だ」「我々は、約束をことごとく破るアメリカ人への服従に基づく文化と政策に直面している」「米国が「1982年のイスラエルによるレバノン侵攻を計画した」「米国がエジプト産ガスとヨルダン産電力の供給を禁止しているため、レバノンに電力が届いていないのだ」
SNSでは彼の「米国は、無条件にイスラエルに、軍事・政治・経済・テクノロジー等の援助をしている」という発言もありました。
ヒズボラ軍とイスラエル軍は、国境周辺で、毎日激しい地上戦を繰り広げていると報道されます。レバノン政権が親米・イスラエルで、国軍が人々を守らない、という不平不満から、1982年にヒズボラが設立されました。
トランプ大統領が口にしない事
このイランの戦争は米国の大きな利益となっています。第62回で書いたように、中東での資源施設の破壊やホルムズ海峡通行止めで、米国から高い石油やガスを購入する国が増え、米国の資源会社や株主が高い利益を得ています。
物資不足や石油の値上がりは、「ホルムズ海峡問題のためだ」と主要メディアやトランプ大統領、国連と西側国々は指摘します。しかし、米国と西側諸国に支援されたウクライナが、ロシアのガス・石油施設やタンカーを破壊し続けていることも大きな原因でしょう。彼らは、そのことについての非難に触れたことが、ありません。
また、トランプ大統領の「戦争に関する発言」で、株価や石油・ガス価格が上下することを利用して、株や資源の売り買いで、巨額の利益を得ている人々に対し、インサイダー取引ではないか、と非難があります。(こちら参照)
私の結論は、トランプ大統領・米国とイスラエルは、半分一体”です。
英国という本店から始まった帝国植民地主義で、支店の米国・カナダ・豪州・ニュージーランドなど英語圏の国々がつくられました。いわゆる“Five Eyes”という永続的な世界情報同盟です。その中でも、米国にその主軸が移ったようです。地理・国土の広さ・資源・人口等有利な条件が揃っています。
Five Eyesは、主な政策はいつも同調し、口頭で非難することはあっても、決して米国を妨げない、助け合うのは、そのためでしょう。白人系の非英語圏とも“西側”として同盟を広げ。世界覇権の帝国主義を維持するために、非白人系の国々とも同盟を組む。日本・韓国・台湾・フィリピンはその典型で、際立つのは、中東ではUAE、南米ではアルゼンチン、アフリカではソマリランドなど世界に点在します。
ウソで騙す手法
イスラエルは、その中でもユニークな存在でしょう。イスラエル建国前のパレスチナは、16世紀以来、オスマン帝国(トルコが後継国、イスラム教スンナ派)が治めていました。
しかし第一次世界大戦後に、イギリス帝国の委任統治下に入ります。
“3枚舌外交”“秘密外交”で、相手を騙す手法が取られます。
①アラブ人には、パレスチナを含む独立を認める。②フランスとロシアに、パレスチナ周辺を分割する。③ユダヤ人(代々金融業で財を成した、ユダヤ財閥ロスチャイルド家)に、国家建設を認める。
今、結果を見ると、ユダヤの人々の国イスラエルが、パレスチナに取って代わり、他の①②の約束はウソで、破棄されたようです。イギリスは、戦費不足に悩み、ユダヤ財閥に協力を求めたそうです。(こちら参照)
その後、100年以上たった今も、この争いは、“終わらない戦争”として続いています。イスラエルは、英連邦の支店として、中東覇権と植民地拡大の要として、重宝しないといけない、国際法違反や犯罪も擁護しないといけない。イスラエル政府批判は、「反ユダヤだ」、と取り締らなければならない。そう見ると、つじつまが、合います。
裕福で2重国籍のあるアシュケナージ(Ashkenazi:欧州からのユダヤ人)は、イスラエルから脱出して、他国で暮らし、ミズラヒ(Mizrahi:アジア・アラブのユダヤ人)はイスラエルに残り、戦争を続けなければならないのが、現状でしょう。ちなみにイスラエル首相は、全てアシュケナージ系のユダヤ人です。
「イスラエルが悪い」という風潮づくりは、アメリカとトランプ大統領のイメージ回復に役立ち、権力維持に役立つでしょう。
1948年イスラエル建国前に、タイミングを計ったかのように、ナチスのホロコストが起こり、欧州のユダヤ人の人々に、イスラエルへの移住がすすめられました。
米国・カナダ・アルゼンチンへ逃れることができた、ナチスの人々もいると言われます。
4度破産した、トランプ大統領に資金提供したのは、イスラエル系組織でした。トランプ大統領に盾突く共和党候補は、予備選で相手候補に巨額の選挙資金が投入され、落選しています。前回紹介した、エプスタイン問題を激しく追及し、米国で支持が高いメシー議員(Thomas Massie)も落選しました。国民に支持があっても、支配に激しく抵抗する候補は、ターゲットになり、あれやこれやの手段で、当選させないのでしょう。日本でも同様の事が起こっているのでは、ないでしょうか。
2重国籍が、国会議員にも認められる米国やイスラエルは、まさに米・イスラエル国籍保持者や関係者が政治・経済に混ざり合っているでしょう。
これを“不正で理不尽だ”とし受け入れられない人々、主にイランやレバノンの人々(イスラム教シーア派)は、主権を守り、侵略を止めるために、抵抗し戦い続けています。これらの組織を米国・西側諸国は、“抵抗勢力”として“テロリスト”認定しています。帝国植民地主義の邪魔となるからでしょう。
今まさに、イランへの戦争が始まり、イスラム教のシーア派と対立傾向にあったスニン派の湾岸諸国の国々やトルコは、その被害を受け始め、対米追従で“終わらない戦争”に加担し続けるのかどうか、その岐路に立っているようです。
西側帝国植民地主義 対 人類運命共同体
2月28日、イランへの米イスラエルによる戦争が始まる、丁度その前、2月の中旬に、ドイツのミュンヘン保障会議が開かれました。日本、NATOや欧州諸国100以上の団体が集まりました。そこでは、もはや軍事による帝国植民地主義が進められることを、公に大々的に叫ばれているようでした。
これは、アジアでの中国、ユーラシアでのロシアの成長を目の当たりにした、米国と西側諸国が、一強・世界覇権を奪い返すための激励会のようでした。
欧州でそれを主導するドイツでは、徴兵制が始まり、該当者は3か月以上の海外滞在は、申請・許可が必要です。
People Dispatchをもとにすると、この会議を「米国は、西側諸国の世界支配を守るため、ヨーロッパ諸国に植民地時代の遺産を受け入れるよう促している」とし、次のように説明しています。
米国は再び足場を欧州に取り戻したようだ。そのためには、トランプ政権のあらゆる要求に同意し、EUの資源のほとんどを戦争と再軍備に注ぎ込む必要があります。
いわゆるヨーロッパの指導者たちは、何世紀にもわたる植民地主義と世界の他の地域に対する搾取的暴力を相対化する、このような独創的な歴史観を聞いても、特に不快感を示す様子はありませんでした。
米国のルビオ国務長官は次のようにスピーチしました。
「我々は一つの文明、すなわち西洋文明の一部である」
ヨーロッパが探検精神とキリスト教を輸出したこと(他者はこれを植民地略奪と呼ぶだろう)の結果として築かれたこの歴史的なつながりは、今や西洋諸国が団結して立ち向かわなければならない新たな課題に直面している。
「第二次世界大戦が終わるまでの5世紀にわたり、西側は拡大を続けてきた。宣教師、巡礼者、兵士、探検家たちが海岸から海を渡り、新しい大陸に入植し、世界中に広がる広大な帝国を築いてきた」
ヨーロッパのパートナーは世界における地位を守るためには、その歴史を「誇りに思う」べきだ。
それを実現するためには、誇り高き西側は「いわゆる世界秩序を、我々の国民と国家の死活的利益よりも優先してはならない」
以上がルビオ氏の主張です。秩序を守らず、帝国植民地を拡大・維持する姿勢がうかがえます。
それに応えるように、欧州委員会のフォン・デア・ライエン委員長からドイツのメルツ首相まで、誰もが軍事費の増加、新軍の建設、そしてフォン・デア・ライエン氏は「民間部門と防衛部門の間の厳格な壁」の撤廃について言及しました。
ルビオ氏が提示したディストピアに対する実質的な代替案は、実際には中国の王毅外相からもたらされました。王外相は、米国の介入で示唆されたような西側諸国の善意ではなく、世界的な協力によって構築された国際メカニズムと、武力衝突に代わる選択肢の重要性を強調し次のように主張しました。
「国際システムが十分に機能していない理由は、国連自体にあるのではなく、むしろ、相違や意見の相違を誇張し、他国より優位に立ち、ブロック間の対立を煽り、さらには冷戦時代の思考様式を復活させようとする特定の国にある」
「中国は平和のための揺るぎない力となるだろう」「我々は平和的発展の道を歩むことを約束し、すべての国に同様の行動を求める。中国は安定のための頼れる力となるだろう。(中略)中国は歴史において進歩的な力となるだろう。我々は人類文明の進歩の成果を断固として守り、四大グローバルイニシアチブを推進し、人類運命共同体の構築を促進するだろう」
会議場の外では、労働組合活動家、青年団体、左派政党や進歩派政党の党員など数千人が、米国とその欧州のパートナーが推進する政策に反対するデモを行った。彼らは、米国によるキューバ、ベネズエラ、その他のラテンアメリカ諸国への攻撃の停止、パレスチナの人々への真の平和と主権の実現、そして徴兵制と戦争のないヨーロッパを求めていました。
話を“トゥキュディデスの罠”に戻します。
中国側の発表によると、習近平氏は、会談の始めにトランプ氏にこう尋ねたようです。
「中国と米国は、“トゥキュディデスの罠”を克服し、大国関係の新たなパラダイムを創造できるか?我々は共に地球規模の課題に取り組み、世界にさらなる安定をもたらすことができるか?我々は両国民の幸福と人類の未来のために、二国間関係の明るい未来を共に築くことができるか?これらは歴史にとって重要な問題である。世界と人々に向けて、これらは、主要国の指導者たちが共に答えなければならない、現代の問いである」
1901年、清朝が西洋帝国植民地主義者を中国から追放することに失敗した「義和団の乱」の歴史を繰り返さないというメッセージでしょう。この時、日本とロシアは、西側につき清を攻撃していました。
一極西側帝国植民地主義に盲目に追従するのか?秩序を保ちつつ多極化で人類運命共同体を築くのか?
バランスをとるのか?
どっぷり米国追従の位置とシステムの蜘蛛の巣の中にある日本は、どう乗り越えられるでしょうか…。
終わりは、お茶と薔薇で
5月19日には、プーチン大統領が25回目の中訪をし、習氏と会談しました。米国と同様の豪華な式典でしたが、その内容は対照的でした。お互いに「信頼できる親しい友人」と認め合う二人は、経済・貿易・技術の20項目で調印し、最後は、1時間半のお茶会で、ウクライナ・米国・イランという「最も重要な問題」の話合いで締めたそうです。
習氏は終わりにトランプ氏へ、中国産バラの苗を送ったそうです。
冒頭の写真は、バラです。ホームセンターで見つけた、数百円の小さな苗でした。毎年少しずつ成長し、しっかりとした株になりました。色が黄色からピックや赤に変わるバラで、蕾から開花に出会うことは、ちょっとした喜びになっています。

今滝 美紀(Miki Imataki) オーストラリア在住。 シドニー大学教育学修士、シドニー工科大学外国語教授過程終了。中学校保健体育教員、小学校教員、日本語教師等を経て早期退職。ジェネレーションX. 誰もがもっと楽しく生きやすい社会になるはず。オーストラリアから政治やあれこれを雑多にお届けします。写真は、ホームステイ先のグレート オーストラリアン湾の沖合で釣りをした思い出です。