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立憲野党私設応援団(49)政権交代の可能性について考えてみる(その8)〜憲法9条変えさせないよ

※この連載はSAMEJIMA TIMESの筆者同盟に参加するハンドルネーム「憲法9条変えさせないよ」さんが執筆しています。


<目次>

0.野党による政権交代の可能について考えてみた過去の議論の紹介

1.政権交代を目指すのは「次の衆院選」か「次の次の衆院選」か?

2.シナリオA:立憲民主党が分裂するケース

3.シナリオB:立憲民主党が結束を保つケース

4.シナリオC:銀河系の彼方から「政権交代」がやってくるケース

5.トピックス①:2023年11月1日参議院予算委員会

6.トピックス②:2023年11月2日れいわ新選組次期衆院選公認候補予定者発表

7.トピックス③:2023年11月5日阪神タイガース38年ぶり日本一

8.トピックス④:2023年11月9日森永卓郎さんエアレボ出演


0.野党による政権交代の可能について考えてみた過去の議論の紹介

私が連載を担当している「立憲野党私設応援団」において、過去に7回「政権交代の可能性について考えてみる」というタイトルの論考を掲載しました。

今日はその8回目の議論です。

今回は、政権交代の可能性につながるかもしれない3つのシナリオについて検討していきたいと思います。

前の議論を参照したい方のために、まずは、これまでの7回の記事のリンク先を載せて、議論を始めたいと思います。

「政権交代の可能性について考えてみる(その1)」

「政権交代の可能性について考えてみる(その2)」

「政権交代の可能性について考えてみる(その3)」

「政権交代の可能性について考えてみる(その4)」

「政権交代の可能性について考えてみる(その5)」

「政権交代の可能性について考えてみる(その6)」

「政権交代の可能性について考えてみる(その7)」

1.政権交代を目指すのは「次の衆院選」か「次の次の衆院選」か?

11月6日のSamejima Timesの記事で、「次の衆院選では政権交代を目指さない」と語ったとされる立憲民主党の泉健太代表の発言のことが取り上げられました。

立憲民主党・泉代表「次の衆院選では政権交代を目指さない」のなら今すぐ辞任せよ!立憲は政権批判票の分散を防ぐ小選挙区制に下駄を履かせてもらっている自覚を持て!

「X」(旧twitter)でも、泉代表の発言に対し、賛成、反対、様々な議論が噴出しています。

2005年の衆院選での民主党の獲得議席は113議席、2009年の衆院選での民主党の獲得議席は308議席でしたから、2021年の衆院選で96議席を獲得した立憲民主党は、もしこの時と同じ比率で議席を伸ばすと仮定すれば、次期衆院選では261議席獲得できる計算になります。

この「261議席」という数字は、2021年の衆院選における自民党の獲得議席と同じ数字ですので、機械的な単純計算で考えるなら(96議席という数字をベースにしたとしても)「次期衆院選で政権交代が起きる可能性はある」という結論になります。

もし立憲民主党の泉代表が「次期衆院選で立憲民主党が単独過半数の議席(233議席)を得ることはできない」と考えているのだとすれば、2009年の民主党にあって現在の立憲民主党に無い要素が一体何なのか、そのことを徹底的に問うていく必要があるのではないでしょうか。

また、仮に「次期衆院選での立憲民主党の獲得議席は最大で150議席」だと考えるとしても、他の野党が83議席以上の議席を獲得できれば、それと合わせて過半数の233議席に達することができる計算になりますので、その場合にも「次期衆院選で政権交代を目指す」という目標は立てられることになります。

立憲民主党が衆議院で単独過半数を目指すにせよ、目指さないにせよ、参議院で単独過半数を目指すことは実際上無理であることは明らかですので、むしろ「参議院での過半数を確保するために、立憲民主党はどの党と一緒に連立政権を組もうとしているのか」を明らかにするべきです。

中野晃一 Progressive! Channel 参議院の現実ふまえると野党共闘 野党共闘のリアル(理由編)①

中野晃一 Progressive! Channel バラバラじゃ勝てない!野党共闘 野党共闘のリアル(理由編)②

参議院では、消費税を争点に土井たか子さん率いる社会党が竹下首相率いる自民党を破って「山が動いた」と言われた1989年以降、自民党が参議院で単独過半数を確保できない状況が常態化し、自民党が参議院の単独過半数を回復したのは、あの選挙に強かった安倍政権の中でもほんの一時期の2016年~2019年のわずか3年に過ぎません。

2009年の衆院選で圧勝して政権を獲得した民主党も、参議院では単独過半数を確保することができず、社民党・国民新党と連立政権を組んで政権運営を行っていました。

このような事実をふまえれば、1989年以降、「参議院である一つの政党が単独で過半数を確保する」ということは極めて困難になっており、現実的に、少なくとも参議院の1人区では「野党共闘」を行う必要がある、というのが上智大学国際教養学部教授の中野晃一さんの主張です。

立憲民主党が「次の衆院選」で政権交代を目指すにせよ、「次の次の衆院選」で政権交代を目指すにせよ、政権を獲ろうという考えがあるのであれば、一体どの党と組んで連立政権を組閣したいと考えているのか、その政権構想を明らかにする必要があるのではないでしょうか。

2.シナリオA:立憲民主党が分裂するケース

とはいえ、立憲民主党がその「政権構想」をなかなか明らかにできない状況にある理由も、分からないわけではありません。

そう、「名前を言ってはいけないあの人」が、邪魔をしているわけですね。

共産支援候補は推薦せず 芳野連合会長、泉立民代表に注文

共産支援候補は推薦せず

連合の芳野友子会長は9日、立憲民主党の泉健太代表と同党本部で会談し、次期衆院選で共産党の支援を受ける候補は推薦しない方針を伝えた。【時事通信社】

立憲民主党が共産党と力を合わせて次期衆院選に臨むことを難しくする「連合縛り」が発動されたわけです。

そこで私は思うわけですが、いっそ、立憲民主党を「立憲民主党単独で次期衆院選150議席を目指す『立憲民主党Aチーム』」と「他の野党と協力して次期衆院選での政権交代を目指す『立憲民主党Bチーム』」の2つに分けて、そのうえで「立憲民主党Bチーム」と「れいわ新選組」が合流して新党「自由党」を結成して自公政権打倒に挑むようにしてはどうでしょうか。

「自由党」

代表:山本太郎(「れいわ新選組」から合流)

共同代表:小川淳也(「立憲民主党Bチーム」から合流)

幹事長:小沢一郎(「立憲民主党Bチーム」から合流)

1992年の「非自民連立政権誕生」の時には、新生党の幹事長として、小沢一郎さんの姿がありました。

2009年の「民主党政権誕生」の時には、民主党の幹事長として、小沢一郎さんの姿がありました。

政権交代を実現するためには、やはり「幹事長・小沢一郎」の力が必要です。

「立憲民主党」と「自由党」は、決して「けんか別れ」をするわけではなく、「自公政権打倒」を果たすための役割分担を行う「別働隊」として、お互い連携しながら活動していけばいいと思います。

泉健太さんは「立憲民主党」(立憲民主党Aチーム)の代表として、連合の芳野会長らとスクラムを組んで「立憲民主党単独で次期衆院選150議席獲得」を目指して頑張ったらいいでしょう。

そして、山本太郎さんと小川淳也さんと小沢一郎さんは「自由党」(れいわ新選組+立憲民主党Bチーム)の執行部として、他の野党や市民団体などと協力しながら、「次期衆院選で83議席以上を獲得」することを目標に頑張ったらいいでしょう。

お互いに議席獲得目標を達成した暁には、「自公過半数割れ」となるわけですから、衆院選後の特別国会で握手をして、「立憲民主党・自由党連立政権」を発足させればよいわけです。

あらかじめ「次の衆院選後の特別国会の首班指名では山本太郎、次の次の衆院選後の特別国会の首班指名では泉健太」と取り決めをしておけば、何も問題はない(だって、泉健太さんは、「次の次」でいいんですよね!)のではないかと思います。

もしそうなれば、次期衆院選後には、Samejima Timesの読者のみなさんが心待ちにしている「山本太郎内閣」が誕生することになります。

3.シナリオB:立憲民主党が結束を保つケース

いくら「けんか別れではない」と言ったとしても、「小川淳也さんと小沢一郎さんが立憲民主党を割って出る」というのは、実際には難しいということも考えられます。

その場合には、「立憲民主党と共産党が握手をしない形で、他の第三者が、立憲民主党、共産党、れいわ新選組、社民党の4党を『ふわっと』まとめる」ことで、「野党の(ふわっとした)塊」を作って、自公政権打倒に挑むしかないと思います。

それができるとすれば、泉房穂さんしかないのではないでしょうか。

ただ、泉房穂さんは、「政権交代の選択肢を作るプロデューサー」の役割を果たそうという考えはあるようですが、御自身は衆院選に出馬するわけではないそうなので、「野党共通の首相候補」に関しては、また別にどこかから人材を探し出してくる必要があります。

Samejima Times主筆の鮫島さんは、前回の2021年の衆院選の半年前に、元文部科学事務次官の前川喜平さんを「野党共通の首相候補」に推す記事を書いています。

新聞記者やめます。あと33日!【「野党全勝」で浮かれる事なかれ。肝心の投票率が上がってません!】

「立憲民主党と共産党とれいわ新選組と社民党の4党が、連合に睨まれない形で協力して衆院選に臨む」という場合には、泉健太さんや、山本太郎さんなど、各党の党首を首相候補にすることはせず、「他の誰か」を「野党共通の首相候補」に担ぐ方がいいと思います。

私が現時点で名前を思い付くのは、次のような方々です。

「野党共通の首相候補」としてふさわしいのは誰?

官僚出身:前川喜平(元文部科学事務次官)

旧自由系:玉城デニー(沖縄県知事)

旧民主系:松下玲子(武蔵野市長)

社民系:保坂展人(世田谷区長)

れいわ系:木村英子(参議院議員)

これらの5人の方々以外も含めて、「もし今の野党の党首以外から野党共通の首相候補を選ぶとしたら誰がいいか?」という命題に関して、読者のみなさまの御意見をお伺いできれば幸いです。

4.シナリオC:銀河系の彼方から「政権交代」がやってくるケース

立憲民主党がどうだとか、れいわ新選組がどうだといった話とは全く関係がないところで、「銀河系の彼方から『政権交代』がやってくる」というケースについて考えてみたいと思います。

それは何かといえば、「旧ジャニーズ事務所のタレントのファンが新しく『ジャニーズ問題からタレントを守る会』(略称:ジャニーズ)という政治団体を立ち上げ、国政に挑む」というケースです。

実現を目指す政策は、次の3つです。

「ジャニーズ問題からタレントを守る会」(略称:ジャニーズ)が実現を目指す政策

○「性虐待被害者救済法」(仮称)を制定する

○「旧ジャニーズ事務所タレント救済特別措置法」(仮称)を制定する

○ジャニーズ問題に対する政治家、官僚、企業、マスコミの責任を明らかにする

まず一つめの「性虐待被害者救済法」(仮称)ですが、これはジャニーズ問題に限定するものではなく、また、被害者が男性の場合や女性の場合に限らず、性虐待の被害者の救済を担保する恒久法の制定を目指すものです。

性犯罪の被害を受けた被害者が民事訴訟で賠償金を請求する場合、現状の補償の額は諸外国と比較して極めて少なく、また、殺人などの故意の犯罪行為により不慮の死を遂げた犯罪被害者の遺族又は重傷病若しくは障害という重大な被害を受けた犯罪被害者の方に対して国が「犯罪被害者等給付金」を支給するという「犯罪被害給付制度」も、これに関して十分に機能しているとは言い難い状況にあります。

故ジャニー喜多川氏による性加害の被害者救済をしっかり行うことを前提としたうえで、それに限らず様々な場面で性被害に遭った方々を全般的に救済できるような補償や給付の仕組みを作るという話が一つめです。

次に二つめの「旧ジャニーズ事務所タレント救済特別措置法」(仮称)ですが、これは今回のジャニー問題に限定した特措法の制定を目指すもので、今回の問題でテレビ出演やCMなどの仕事を失うことになった旧ジャニーズ事務所のタレントを国の法律によって救済できる枠組みを作ろう、というものです。

そして三つめの「政治家、官僚、企業、マスコミの責任」を追及するという考え方は、今後同様の被害が発生することを防ぐためにも、国会や政府の権限を十分に活用して、今回のジャニーズ問題に関する調査や真相究明を行う必要があるのではないか、というものです。

一説によれば、旧ジャニーズ事務所のタレントのファンは、ファンクラブの会員が1,000万人~1,300万人程度いると言われ、重複を除いた実数でも、数百万人の規模にのぼると言われています。

もしこれらのファンが大挙して政治の世界に乗り込んでくるとすれば、これは非常にインパクトのある数字であり、ジャニーズファン以外にその周辺の人々も巻き込むことができるとするなら、自民党の得票数を上回る規模の人数の有権者を糾合させることも可能になるかもしれません。

党首や候補者は、ファンの中から誰かが手を挙げるということでもいいでしょうし、もし可能であれば、旧ジャニーズ事務所のタレントの中から誰か連れてくるという方法もあります。

森永康平のビズアップチャンネル 【第130回】登録者数35,000人突破記念!ザイム真理教から脱会せよ!(森永卓郎・森永康平)

経済アナリストの森永康平さんは「今ジャニーズが揉めてるから、ジャニーズにいるめちゃくちゃカッコイイ18歳ぐらいのイケメンを積極財政派の論客にしろ」という話をしているのですが、経済の分野だけではなく、政治の分野に進出するという考え方もあるのではないかと思うのです。

仕事を失った旧ジャニーズ事務所のタレントのうち、24歳以下の人たちは積極財政の論客になって、25歳以上の人たちは衆院選の候補として政治家に転身するようにすれば、それぞれ道が拓ける可能性があるのではないでしょうか。

最初は「ジャニーズ問題のシングルイシュー」だったとしても、ひょっとすると既存政党への不満を一手に引き受ける批判票の受け皿になって、国政初挑戦で衆議院の第一党に躍り出るような可能性もあるかもしれません。

5.トピックス①:2023年11月1日参議院予算委員会

11月1日に行われた参議院予算委員会で、れいわ新選組代表の山本太郎さんが質問に立ちました。

6.トピックス②:2023年11月2日れいわ新選組次期衆院選公認候補予定者発表

れいわ新選組は11月2日に、次期衆院選公認候補予定者を発表しました。

【録画配信】高井たかし幹事長、次期衆院選公認候補予定者発表記者会見(11月2日13時~神奈川県庁)

これに伴い、11月2日の時点で、れいわ新選組の次期衆院選公認候補予定者は全部で9名にまで増えています。

れいわ新選組次期衆院選候補予定者(2023年11月2日現在)

東京22区:櫛渕万里

千葉11区:多ケ谷亮

神奈川2区:三好諒

愛知15区:辻恵

京都1区:安持成美

大阪5区:大石晃子

大阪13区:八幡愛

福岡3区:奥田芙美代

沖縄4区:山川仁

れいわ新選組の支持率も伸びてきているようです。

7.トピックス③:2023年11月5日阪神タイガース38年ぶり日本一

阪神タイガースは59年ぶりの関西ダービーとなったオリックス・バファローズとの日本シリーズを4勝3敗で制し、1985年以来38年ぶりのプロ野球日本一に輝きました。

8.トピックス④:2023年11月9日森永卓郎さんエアレボ出演

獨協大学経済学部教授の森永卓郎さんが11月9日オンエアの「エアレボリューション」に出演し、阪神タイガースが前回日本一になった1985年に起きた「日本航空123便墜落事故」(ちなみに、この事故では、歌手の坂本九さんや、阪神タイガース球団社長の中埜肇さんら、乗員乗客520名の方がお亡くなりになられています。)について、衝撃的な話をしています。

エアレボリューション

森永卓郎氏出演!『日本経済停滞の元凶ぶった斬り!そして今後の展望は?』(2023年11月9日放送・前半無料パート部分)ゲスト:森永卓郎、出演:島田雅彦・白井聡、司会:ジョー横溝


憲法9条変えさせないよ

プロ野球好きのただのオジサンが、冗談で「巨人ファーストの会」の話を「SAMEJIMA TIMES」にコメント投稿したことがきっかけで、ひょんなことから「筆者同盟」に加わることに。「憲法9条を次世代に」という一民間人の視点で、立憲野党とそれを支持するなかまたちに、叱咤激励と斬新な提案を届けます。

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