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公明党は単独で戦えるのか――岡本三成氏が背負う「政界再編」の宿命

公明党の新代表に岡本三成氏が就いた。10月3日の党大会で正式に選出された。党執行部は岡本氏について、中道改革連合の中枢で「中道政治」を推進してきたことや、発信力、討論力を評価して代表候補に推薦した。

岡本氏は創価大学卒業後、シティバンクを経て、ゴールドマン・サックスで40歳で執行役員となった国際金融エリートである。週刊文春は2022年、日米に10億円を超える資産を持つ「大富豪議員」と報じた。庶民政党を掲げてきた公明党の歴史を考えれば、極めて異色のリーダーである。

しかし、岡本氏の登場を「異色の代表人事」だけで捉えると、本質を見失う。

いま公明党が直面している最大の問題は、集票力の低下だ。

2025年参院選の比例票は521万票。22年参院選から約97万票減り、獲得議席も改選14議席から8議席へ半減した。公明党自身が選挙結果を「敗北」と総括している。

かつて「全国800万票」と呼ばれた公明党の組織票は、もはや過去の規模ではない。支持母体の高齢化なども背景として指摘されている。

さらに自民党との26年に及ぶ連立も2025年10月に解消された。

ここで一つの仮説が浮かぶ。

公明党は、次の国政選挙を本当に単独で戦いたいのか。

単独で戦えば、公明党が現在どれだけの組織票を実際に動員できるのかが、選挙結果としてはっきり可視化される。かつての「800万票」がどこまで残っているのか。これは党にとって、極めて重い現実となる。

だからこそ、単独再建ではなく、次の参院選までに新しい政治勢力をつくる――。これは現時点で公明党が明言している方針ではないが、今回の代表人事を読み解く一つの政治的仮説である。

その意味で岡本氏は、「公明党を立て直す代表」というだけではない。政界再編を担う代表になる可能性がある。

実際、公明党は中道改革連合という新しい器を一度はつくった。しかし、わずか7か月で終幕した。公明党にとっては、単独再建と政界再編のどちらを選ぶのかという難題が残ったのである。

では、岡本氏はどんな再編を描くのか。

一つは、公明党を軸に立憲民主党の穏健派を再結集する道。もう一つは、国民民主党などを含めた野党再編。そしてさらに、自民党内の穏健派まで取り込んだ大きな「中道勢力」を形成する可能性もある。

もちろん、いずれも現段階ではシナリオにすぎない。立憲民主党と国民民主党の距離も、自民党内の路線対立も簡単には埋まらない。

それでも岡本氏の代表就任には、単なる世代交代とは違う意味がある。

「中道がなくなったら政治家を辞める」と語っていた岡本氏は、政治家を辞めるどころか、公明党のトップに立とうとしている。

これは、公明党が「中道」という看板を捨てたことを意味するのか。それとも、中道を別の政治勢力として再構築するための出発点なのか。

国際金融の世界で成功した異色の政治家が、集票力の低下に直面する公明党を率いる。

岡本三成氏の代表就任は、公明党の再生人事であると同時に、次の政界再編を見据えた人事なのかもしれない。

公明党は単独で生き残るのか。それとも、自ら党の「器」を変えるのか。

その答えを探ることは、これからの日本政治の勢力図を読むことにもつながるのである。