政治を斬る!

「公明党は手段」岡本三成氏が描く、政党の先にあるもの

公明党の新代表に岡本三成氏が就任した。その夜、岡本氏は自らのYouTube番組「金融ロードショー」で約45分にわたり、政治家としての本音を語った。

私が最も注目したのは、「政策の実現が目的。その手段として政党がある」という言葉である。

これは単なる党改革論ではない。

公明党を強くすること自体が最終目的なのではなく、公明党もまた「政策を実現するための手段」にすぎない――。そう考えるなら、岡本氏が代表就任と同時に見据えているのは、公明党の再建だけではないはずである。

実際、岡本氏は中道改革連合の失敗を認めながら、「中道政治を実現する」という目標は変わらない、「目標は変えずに、手段を変えていく」と語っている。さらに小川淳也氏との協力を続け、国会で中道の仲間を増やしていく考えも示した。

つまり、いったん頓挫した「中道」の構想を、別の形で再起動させようとしているのである。

しかも自民党との関係についても、「自民党と戦うことが目的ではない。仲良くすることも目的ではない」と明言する。政策が一致するなら協力する。違えば反対する。党と党との関係そのものを目的にしないという発想だ。

これは、従来の公明党の連立政治とはかなり違う。自民党との距離をどうするかではなく、「何を実現するために、誰と組むのか」という発想なのである。

だから私は、岡本氏が公明党の代表になったことを、単純な「公明党再建人事」とは見ていない。

創価大学を卒業後、外資系金融に入り、ゴールドマン・サックスで40歳という若さで執行役員に上り詰めた。学生時代は家賃7000円、四畳半・風呂なしの暮らしだったことも、自ら語っている。そこから国際金融の世界を駆け上がり、今度は政界のど真ん中に入ってきた人物である。

金融の世界では、目的と手段を明確に切り分ける。どの資産を使い、どの相手と組み、どうやってリターンを生み出すのか。岡本氏の政治観にも、その発想がにじんでいるように見える。

象徴的なのが「ジャパンファンド」構想だ。国が持つ資産を戦略的に運用し、その収益を政策や社会保障につなげる。これも、既存の財政の枠組みにとらわれず、「持っている資産をどう使って目的を達成するか」という金融的な発想である。

さらに岡本氏は、若者が自ら公明党を変えていく「公明党ユース」構想や、党のネットワークとITを活用して国民との直接的な接点を増やす考えも語っている。

ここまで聞くと、見えてくるのは「古い公明党を守る代表」ではない。

公明党を一つの政治的なプラットフォームとして作り替え、その先で中道勢力をもう一度結集する。そのために自民党とも、立憲民主党とも、国民民主党とも、政策ごとに接点を探す――。

そんな政治モデルを、岡本氏は頭の中に描いているのではないか。

もちろん、岡本氏自身が「公明党を飛び出す」と言ったわけではない。まして首相を目指すと明言したわけでもない。

しかし、「公明党は手段だ」「自民党との関係も手段だ」「中道という目標は変えない」「目標が同じなら手段を変える」。

これらを並べてみると、どうしてもその先を考えざるを得ない。

岡本三成氏は、公明党を再建するために代表になったのか。

それとも、公明党という「手段」を使って、その先の政界再編を実現するために代表になったのか。

新代表就任の夜に本人が語った45分は、そんな大きな問いを投げかけているのである。