政治を斬る!

オーストラリアから日本を思って(66)日本の皇室どうなるの!?望まれる愛子天皇誕生か?皇室への陰謀は成功するのか?やっぱり鍵は、恋愛事情~今滝美紀

サメタイの『麻生太郎、最後の野望!麻生家の秘密と皇室典範改正で浮上した“藤原氏化”批判の真相』は私にとってショッキングでした。皇室問題が、国民の思いと、政治の方向が対立バトルにある。日本ではこの話題で、喧々諤々としているようです。

多くの国会議員たちは、兎に角、憲法改正をしたいなら、皇族の在り方を国民投票にすれば、国民間で政治談議が盛り上がり、投票率も上がるでしょう。

私は、皇室について、これといって興味はありませんでしたが、世界の王室や皇室を見ていると、皇室問題は、重要だという考えに変わってきました。

世論調査では、約70%が女性天皇賛成と言う事ですが、この国民の思いに逆行し、自民党とその連合政党は、宮家から迎えて、男系男子天皇に固執する方向に進めているとか…。

日本には、推古天皇に始まり、持統天皇など8人の女性天皇がいました。彼女たちはいずれも父親が天皇であるなど、父方に天皇の血筋を引く「男系」の女性天皇だそうです。

歴史からすると男系女性天皇を認めることは、“保守”のように思えます。なぜ、保守層が男系男子に執着するのか?意図的な宮家の利用で、皇室の政治利用が起こるのではないか…と疑念を抱いてしまいます。

それは外国で、王室が政治利用されているのではないか、という事態にふれるからです。

政治利用される王室か

中東では、近代にイギリスから承認された有力一族が、王位につき親米・西側となり絶対君主制を行うことが目につきます。

イギリスのチャールズ国王は、4月にアメリカ国会で、演説をしました。政治、特に軍事的内容に踏み込んだ異例なものでした。帝国主義で軍事的に植民地を拡大してきたイギリス王室が、今もその兆候を残しているかのようでした。まるで、第三次世界大戦を煽っているようだった、という声もありました。

豪州ABC(NHK相当)はこの演説を次のように報道しました。

国王は、英国が米国にとって友好国であるだけでなく、トランプ政権による世界各地への軍事力誇示の取り組みを積極的に支援していることを明確に伝えようとしていた。

演説の内容の要旨は、米国に対し、ウクライナへの軍事支援、NATO(北大西洋軍事機構)への関与を支持、軍事的活動や軍事品の共同製造を強調し、AUKUS(豪英米の軍事的パートナーシップ)を称賛するものでした。

国王は豪州については「オーストラリアは私が主権国家として奉仕できることを非常に誇りに思っている国です」と述べ、自分が豪州の君主であることを強調しているようでした。(詳細はこちら

AUKUSは、豪州では透明さ・主権・国益・目的の点で不信感が高まり、内容と現状調査の要求がされており、AUKUS脱退の声も上がっています。

イランでは、一般人で軍隊の馬の世話係だった、レザー・シャー・パフラヴィーが、陸軍総指揮官になり、1925年にパフラヴィー朝をつくり、自らが王に着き、議会に承認されるということがありました。独裁色が強く国民からは、批判され、第二次世界大戦中は、英露から攻められたことからか、親ドイツ・ナチス的となり、失脚します。

第二次世界大戦終了後は、民主的な選挙が導入され、1951年にモサッデク首相(反植民地主義的勢力「=反イギリス勢力」)が国民の支持を得て当選します。彼は石油などの国内資源の国有化を断行しました。キューバやベネズエラのように国内資源を国有化し国民に利益を分配する社会主義的(時には共産主義とも呼ばれます)政治は、英米の政治が嫌うものでしょう。1953年イランの資源から利益を得ようとしていた英・米は、イランの弱体化も狙う事から、その諜報機関がクーデターを起こし、モサッデク首相は失脚させられたと言われています。

その後、パフラヴィー朝王の子孫で、親英米になったモハンマド・レザー・シャーが王位につき復権します。英米の言いなりの独裁的政治、警察国家に人々が不満をもち、1979年このにわか仕立ての王室は、人々の反抗と抗議により倒され、今のイランにいたります。

パフラヴィー朝から恩恵を受け、新政権から罰せられる恐れのあったイランの人々の多くは、米国など海外に逃亡しました。今でもパフラヴィー朝を支持する、イラン人ディアスポラ(Diaspora:故郷や祖国を追われ、世界各地に離散して暮らす人々とそのコミュニティ)の人々が多くいます。彼らが、パフラヴィー朝時の国旗(ライオンと太陽の旗)を振り、現イラン政権に抗議している様子が報道されます。彼らが、自国やイランの人々が攻撃されることを喜ぶ映像も目にします。

まさに外国勢力により、国民が分断され敵対された様子が、今でも続き痛々しいほどです。

天皇陛下の「世界一丁寧で気高いマジギレ」抗議?

日本では昭和100年記念式典で、天皇陛下にお言葉を述べる機会が与えられなかったことが、騒がれていました。高市首相好みの昭和音楽が流れ、首相はノリノリの様子で、首相のワンマンショーか、という印象でした。

その後、天皇陛下は欧州訪問前の記者会見で次のように思いを伝えられ、注目を浴びました(こちら)。

「皇室の在り方や活動の仕方は、国民の幸福を常に願い、国民と苦楽を共にすることだと考えており、皇族数の確保の在り方についての議論においても国民の皆さんの理解が得られるものを望んでおります」

日本政権が、軍事拡大し、外国から挑発的と見られる言動から、“新軍事主義”だと非難される中、オランダでの晩さん会で、スピーチの機会を与えられた天皇陛下のお話の内容も目を引きました(こちら)。

「先の大戦の中で、多数の民間人を含む多くの尊い命が失われ、多くの人が傷ついたことは誠に悲しむべきことであります。私たちは絶えず謙虚に過去の歴史から学び、悲しみを繰り返さないよう、悲惨な体験や苦労を後の世代に伝えていかなければなりません。そして、今なお当時の痛みを負い続けている人々がおられることに思いを致し、平和への努力を続けていかなくてはならないと思います」

皇室存続の秘訣は?

日本の皇室は、2600年以上続く世界最古ですが、欧州で最古の王室はデンマークです。

バイキングを祖とし、海に囲まれた島国のデンマークは、日本と似ているとも言われます。AIにきくと、穏やかで慎み深い、集団の調和、ミニマリスト・わびさび、自然崇拝という点で似ているそうです。デンマークのフレデリック王のお妃メリー王妃が、訪日した際、雅子さまと親しく感じられていたという報道がありました。お二人とも一般人からお妃になられたという共通点からでしょう。

フレデリック王は、東日本大震災後、宮城県を慰問し子どもたちのための「東松島市デンマーク友好子ども基金」を設立したそうです。

オーストラリアは、イギリス国王を首長とする英連邦ですが、デンマーク王室とも親密なつながりがあります。

デンマークのフレデリック王(当時皇太子)は、2000年のシドニーオリンピックで、豪州に滞在していました。その時、欧州の王族たちがシドニーのパブ(西洋風居酒屋)でパーティーを開いた際に、知人や友人づてに招かれた人々の中にメアリー王妃(当時はマーケティング業界の一般のオーストラリア人)も招待され参加していました。メアリー王妃は、生まれも育ちも豪州で一番小さい州のタスマニアです。皇太子とは知らずに、出会いましたが、二人は意気投合し、遠距離恋愛を実らせて、2004年ご成婚され、2男2女をも受けられました。

今年3月二人は、オーストラリアに国賓として招待され、里帰りしたメアリー王妃は各地で、「メアリー熱狂」という温かい祝福で迎えられていました。(こちらその様子

デンマークと豪州は、“環境に優しく、安全で、持続可能な未来”や“医療およびライフサイエンス分野”での協力を進めると述べられていました。またメアリー王妃は、服の再利用に関心があるり、活動しているそうです。

フレデリック国王とメアリー王妃は、高い国民の支持を得ており、「自転車王朝」とも呼ばれているそうです。デンマークは世界有数の「自転車大国」として知られ、メアリー王妃も自転車好きです。王室の控えめで気取らず、シンプルで、親しみやすさが、好感を持たれているようです。

二人の王室にとって、課題となっているのは、この国民からの変わらぬ愛情を維持することだそうです。やはり日本の天皇陛下が伝えたように、王室・皇室の存続に欠かせないのは、“国民の支持”だということでしょう。

2024年、フレデリック皇太子を新国王に即位宣言する時に、デンマークのフレデリクセン首相は、50年以上勤め退位するマルグレーテ女王に次のような言葉を送りました。

「私たちの多くは、マルグレーテ女王以外の君主を知りません。マルグレーテ女王はデンマークの象徴であり、長年にわたり、私たち国民と国家を定義する言葉と感情を体現してきました」

デンマークでは、1953年に憲法が国民投票で改正され、直系で男性がいない場合、女性が継承できるようになりました。そのため王の弟ではなく、王の子どもマルグレーテ女王(フレデリック王の母親)が、即位することになりました。王室存続のために、性別ではなく、直系を優先させているようです。

歴史的に、王政を政治的に利用し、絶対王政で、力や経済力で国民を制する政治を見てきました。

立憲君主制でも、戦争参加に言及する王も目にしました。

一方で、立憲君主を守り、政治的に中立でありながら、憲法に従い、平和を呼び掛け国民と国の在り方の象徴として、人々に寄り添おうとする皇族や王族もあります。

皇族の存り方は、思いのほか、その国の将来に大きな影響を与える重大なことでしょう。

冒頭の写真は、オーストラリアのコインです。一般的にどのコインにも英国の国王か女王の肖像が刻まれています。コインの反対側には豪州特有の動物が描かれ、小さな2ドルコインの一面に原住民のアボリジナルの男性が描かれています。

今滝 美紀(Miki Imataki) オーストラリア在住。 シドニー大学教育学修士、シドニー工科大学外国語教授過程終了。中学校保健体育教員、小学校教員、日本語教師等を経て早期退職。ジェネレーションX. 誰もがもっと楽しく生きやすい社会になるはず。オーストラリアから政治やあれこれを雑多にお届けします。写真は、ホームステイ先のグレート オーストラリアン湾の沖合で釣りをした思い出です。