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高島市長、突然の不出馬!麻生が仕掛ける「福岡大再編」

福岡市長の高島宗一郎氏が、11月15日投開票の市長選に出馬しないと表明した。51歳、4期16年。しかも本人は健康に問題がなく、「やりたいことはまだたくさんある」という。ならば、なぜ今、福岡市長の座を自ら手放すのか。

本人の説明だけでは、この決断の核心は見えてこない。政局を見るなら、「高島氏は次に何を狙っているのか」と考える必要がある。

まず衆院選は考えにくい。任期満了は2030年。解散の時期も読めず、福岡の自民党小選挙区は現職がひしめいている。知事選も2029年まで待たなければならない。高島氏が知事を狙うなら、いったん5選して市長を続け、任期途中で辞任するという手もあったはずだ。

そう考えると、急浮上するのが2028年夏の参院選である。

高島氏は2010年、36歳で福岡市長に初当選した。九州朝日放送の人気アナウンサーから政界へ転じた。その政界入りを支えた有力者の一人が麻生太郎氏だった。高島市政の16年間で福岡市の人口は約20万人増え、税収も大きく伸びた。天神ビッグバンなど都市再開発を進め、福岡を全国有数の成長都市へ押し上げた。それを強力に後押ししてきたのが麻生氏だ。

麻生氏は85歳。政界最高齢だ。次の衆院選には出馬せず、長男か長女で地盤を受け継ぐともささやかれている。麻生家の代替わりを穏便に進め、後継者の後ろ盾となる福岡県政界の新たなリーダーを自らの手でつくる必要がある。そこで白羽の矢を立てたのが高島市長だったのではないか。

これまで福岡では、麻生氏と県議会のドン蔵内勇夫氏、そして武田良太氏らの勢力がしのぎを削ってきた。しかし蔵内氏は金銭授受問題で議員辞職表明に追い込まれ、失脚した。残る大きな対抗軸が武田氏だ。

武田氏は58歳。福岡11区を地盤とし、旧二階派を継承。国政での影響力拡大を狙う一方、麻生氏とは長年のライバル関係にある。麻生氏から見れば、自分の引退後も福岡で政治的影響力を維持するには、武田氏に対抗できる次世代の政治家が必要になる。

そこで高島氏である。

市長を16年務め、全国的な知名度もある。しかも51歳。麻生氏との関係も長い。高島氏を2028年の参院選で国政に送り込み、将来的な「福岡のドン」に育てる――そんな構想があったとしても不思議ではない。

しかし、その場合に最大の問題となるのが、大家敏志参院議員だ。

大家氏は麻生派の参院議員で、2028年に改選を迎える。しかも過去には、麻生氏の意向に反して衆院福岡9区への鞍替えを目指した。2024年衆院選では党員投票で三原朝利氏を上回ったものの、麻生氏の反対もあり公認を得られず、出馬を断念した。

大家氏と麻生氏の間には、明らかにしこりが残った。

そして現在、福岡9区では三原氏が自民党候補となっている。三原氏は麻生派で、高島市長の元秘書でもある。

ここで一つのシナリオが浮かぶ。

麻生氏が高島氏を2028年参院選に送り込む。そのためには、福岡選挙区の麻生系議員である大家氏を動かさなければならない。

大家氏を参院選から外し、福岡9区で三原氏と競わせる。大家氏が勝てば衆院議員になり、三原氏が勝てば大家氏は政治的に苦しくなる。麻生氏にすれば、派閥トップの自分に刃向かった者は許さないという姿勢を示す狙いもあるだろう。

そして、その先にあるのが「武田vs高島」である。

高島氏が参院議員になれば、単なる国会議員では終わらない。麻生氏が引退した後の福岡で、武田氏に対抗する政治的な軸になる可能性がある。

「麻生後」の福岡を誰が握るのか。その第一手が、今回の突然の不出馬表明だった――。

そう考えると、11月の福岡市長選だけでなく、2028年参院選、そして2029年知事選まで、一気につながって見えてくる。

高島氏は福岡市長を辞める。

しかし、福岡政界から消えるのではない。

むしろこれから、福岡の政局のど真ん中に入ってくるのではないか。