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高市総理に異変? SNS連発の裏で“弱腰外交”批判…内閣改造に暗雲

高市総理のSNS発信が、ここへ来て異様なほど増えている。

8月14日には物価高対策を5連続で投稿。今週は、すでに世間の関心が薄れつつあった「ネガキャン動画疑惑」について自ら蒸し返し、公邸で仕事をしていることを長文で説明したかと思えば、「公邸でゴキブリに遭遇した」というエピソードまで紹介した。

総理大臣が自らの生活ぶりや心情をここまで細かくSNS発信するのは、かなり異例だ。

もちろん、SNSで国民に直接語りかけること自体が悪いわけではない。公邸での執務について説明することにも意味はある。ゴキブリの話も、高市総理の人柄を伝える「親しみやすい投稿」と受け止めることはできる。

しかし、問題は「なぜ今なのか」である。

高市政権は現在、支持率の低下に直面している。ネガキャン動画疑惑をめぐる国会答弁の迷走、物価高対策の遅れ、女性天皇誕生を遠のかせる皇室典範改正など、政権への逆風が強まっている。9月には内閣改造も控える。高市総理にとって、自らの求心力を立て直すことは急務だ。

だからこそ、今回のSNS連発を「人気回復を狙ったイメージ戦略」と見る向きが出てくる。

とりわけ気になるのは、その一方で、国民に説明すべき重大な外交問題について、高市総理自身の発信がほとんど見えないことだ。

8月13日、ロシアのプーチン大統領が日本固有の領土である北方領土を初めて訪問した。択捉島で水産加工施設を視察し、住民と交流することで、ロシアによる実効支配を内外に強く印象づけた。

高市総理は「強く抗議する」と表明した。しかし、その後の具体的な対抗措置は「検討」にとどまっている。しかも日本が抗議した直後、ロシア側は駐ロシア日本大使を呼び出して逆に抗議した。

国民民主党の玉木雄一郎代表は、これを「正直、今の政権の姿勢は弱腰に過ぎる」と批判。「中国に対して厳しくロシアに対して甘い」と指摘し、駐ロシア大使の一時帰国など具体的な対抗措置を求めている。

もう一つは米国との関係だ。

8月18日、トランプ政権は国際刑事裁判所(ICC)の赤根智子所長を制裁対象に指定した。赤根氏は日本人であり、しかも日本が最大級の支援国として支えている国際司法機関のトップである。

米国はICCが米国やイスラエルなど非加盟国の関係者を訴追することを「国家主権への攻撃」と位置づける。しかし、赤根氏への制裁は、米国の金融システムからの締め出しや入国禁止を伴う本格的な制裁だ。

これに対して高市総理と外務省は「大変残念」と表明した。

しかし、赤根氏自身は「日本の支援が重要な鍵」と訴えている。自民党の中谷元・元防衛相ら超党派議員も、もっと明確に抗議し、米国に制裁撤回を求めるよう政府に要求している。

つまり、与野党から「高市外交は弱腰ではないか」という批判が出始めている。

ここで改めて高市総理のSNSを見ると、奇妙な対比が浮かび上がる。

8月13日にプーチン氏が北方領土を訪問すると、翌14日から物価高対策を5連続投稿。8月18日にトランプ政権が赤根ICC所長を制裁すると、21日から「ネガキャン動画疑惑」「公邸で働いている」「ゴキブリに遭遇した」といった投稿が続く。

もちろん、これらの投稿と外交問題を意図的に結びつけることはできない。

だが、総理大臣が国民に直接発信するSNSで、何を取り上げ、何を取り上げないのかは、政治的に重要な意味を持つ。

困難な外交問題より、自分自身の疑惑払拭や仕事ぶり、人柄を伝える発信が目立つ。

そこから「国民が本当に知りたい問題から目をそらし、自らのイメージ回復を優先しているのではないか」という批判が出るのは当然だろう。

高市総理の強みは、これまで「強い政治家」というイメージだった。中国や安全保障問題に対して歯切れよく語る姿勢が、支持者を引きつけてきた。

ところが今、その「強さ」が問われている。

中国には強く言える。しかしロシアには何ができるのか。トランプ政権が日本人の赤根氏を制裁したとき、米国にどこまで物を言えるのか。

国内向けには強い言葉を発信しながら、外交では「大変残念」「強く抗議する」にとどまる。そのギャップが広がれば、高市総理を支えてきた「強硬外交」のイメージそのものが揺らぐ。

そして、この外交問題は9月の内閣改造にも影響する。

支持率が下がれば、高市総理は人事で「自分の内閣」をつくる力を失っていく。とりわけ麻生太郎氏ら党内実力者との距離が広がるなか、求心力の低下は人事をめぐる主導権争いに直結する。

高市総理がSNSで「私は働いている」と懸命にアピールする背景には、単なる広報戦略以上の危機感があるのかもしれない。

問われているのは、総理がどれだけSNSを更新するかではない。

本当に国民が知りたい外交問題について、総理自身がどこまで語り、どこまで行動するのか。

9月の内閣改造を前に、高市総理は今、SNSで自分のイメージを立て直すのではなく、「強い外交」をどう取り戻すのかを問われている。