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麻生氏に人事を握られた高市総理、「女性5人」で反撃できるか

高市総理の秋の内閣改造・自民党役員人事が、いよいよ固まりつつある。ところが、驚くほど「目玉」がない。

麻生太郎氏が副総裁にとどまり、鈴木俊一氏が幹事長を続投。萩生田光一氏も幹事長代行として重要ポストに残り、小林鷹之氏も政調会長を続ける見通しである。

閣内も木原稔官房長官、片山さつき財務相、茂木敏充外相、小泉進次郎防衛相ら中枢が軒並み留任する方向だ。

これは、高市総理が麻生氏との正面衝突を避けた結果とみるべきである。来年秋の総裁再選を最優先し、麻生氏の影響力を受け入れる。その代わり、主要ポスト以外で自らのカラーを出す――。そんな人事戦略が透けて見える。

では、何が「目玉」になるのか。

残された最大のカードが女性登用である。

現在の女性閣僚は片山氏と小野田紀美氏の2人。ここに鈴木貴子氏、有村治子氏、松川るい氏の3人を加えれば、女性閣僚は5人となる。これは過去最多タイである。

しかも高市総理自身を加えれば、女性閣僚経験者ではなく、現職の女性政治家は6人となる。「女性総理になった高市政権らしい人事」という演出としては、かなり強烈である。

面白いのは、この3人が必ずしも高市総理の側近ではないことだ。

有村氏は麻生派である。鈴木氏は茂木氏の最側近とされる。つまり女性3人を登用したとしても、麻生氏の勢力を切り崩す人事にはならない。

むしろ逆である。主要ポストは麻生氏に譲る。そのうえで女性閣僚を一気に増やし、高市カラーを演出する。麻生氏を怒らせず、高市総理の存在感だけを高める――。これが「目玉なき改造」を救う最後の逆転策なのではないか。

候補の筆頭格が鈴木貴子氏である。40歳、当選6回。鈴木宗男氏の娘であり、茂木氏に近い。現在は自民党広報本部長として、発信力を前面に出している。若さと知名度を考えれば、初入閣のインパクトは十分だ。

ただし、親ロシアでアンチ検察の父親や彼女自身の積極的なSNS発信など、リスクも抱える。本人は矢面に立つことを避けるために副大臣などを希望しているとの見方もあり、最後まで初入閣が実現するかが焦点となる。

有村氏はさらに興味深い。麻生派の参院議員で、現在は総務会長。保守色が強く、党内での存在感もある。総務会長を離れて入閣すれば、女性閣僚5人という記録をつくるだけでなく、「次世代の保守系女性政治家」の顔として浮上する可能性がある。

そして松川氏。外務省出身で知名度も高い。一方で、党女性局長としてパリ漫遊旅行を率いた「エッフェル騒動」という弱点もある。高市総理があえて抜擢すれば、これもまた話題性のある人事になる。

一方、女性人材を見渡すと、野田聖子氏、稲田朋美氏、上川陽子氏らベテランはいずれもリベラル派で、高市総理とは距離がある。小渕優子氏は税調インナー辞任で減税を掲げる高市政権に反旗を翻した立場だ。

だからこそ、今回の「女性3人」構想には意味がある。高市総理が欲しいのは、単なる女性の数ではない。次世代の女性保守政治家を抜擢し、「高市政権は動いている」と世論に印象づけることである。

維新からの入閣が有力視される馬場伸幸元代表ではサプライズになりにくい。吉村洋文代表の入閣なら話は別だが、それも現状では難しそうだ。

ダークホースとして保守派に人気の青山繁晴氏らの名前も浮かぶが、今回の人事で高市総理が「自分の改造だった」と言える最大の演出は、女性5人ではないか。

麻生氏に主要ポストを握られ、留任ラッシュとなった内閣改造。高市総理に残された最後の一手は、「女3人」を一気に抜擢し、現職2人も留任させ、過去最多タイの女性閣僚を実現することだろう。

目玉がないなら、目玉を三つ作ればいい。

それが高市総理の最後の逆転策となるのか。ここが今回の人事最大の見どころである。