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新聞記者やめます。あと92日!【ホームページを作れ】

新聞社を辞めて発信を続けるには、自分自身が「小さなメディア」になるしかない。5年前にTwitterを始めてフォロワーは5万6000人まで来たが、140字の世界は窮屈だ。どうしても表現が尖る。深みがない。

ネットサイトに投稿するのは一つの手だが、書くことを生業とするのなら、好きな時に好きな内容を発信できる「私の媒体」を持つのが理想だ。

新聞社のデスク時代は、記事をつくる以上に、記事を載せるための社内調整に追われた。責任を取るつもりはないのに口だけ出す人たち…。無駄な時間と労力がかさむ。「根回し」生活はもう懲り懲り。

noteのように書き手に寄り添ったサービスもある。アメーバブログのような無料ブログもある。それらを活用したら手軽に始められるだろう。

でも、本気で「独立」を目指すなら、自分自身の「家」があった方が良い。この先どう転んでも自分の財産になるだろう。せっかくなら「分譲マンション」ではなく、オーダーメードの「マイホーム」を自力で建て本拠地としよう。外部発注したら30万円はかかるようだ。自分で制作したら1〜2万円ですむし、今後も使いこなせるはずだ。

思い立ったら吉日。私はWordPressへ手を伸ばした。ネット検索の評判を頼りにレンタルサーバーConoHaと契約して永久無料で使えるドメインをゲットし、その勢いでサイト作成に必要なWordPress「テーマ」を購入。おすすめランキングトップのTHE THOR(ザ・トール)を選んだ(私は「WordPress」「テーマ」などの言葉をこの日初めて知ったのだった)。

無謀だった。このあとが大変だった。いざ初期設定を進めようと公式のトリセツを読んでも、まるで外国語を読んでいるようだ。販売会社の問い合わせフォームで聞いても返答はなかなかこない。何を質問したら良いのかもわからない。

途方に暮れた。どちらに向かって進めばよいのかわからない。いきなり樹海にひとり置き去りにされたようだ。

無理もない。私はパソコンという「ナゾの箱」が大の苦手だった。

子どもの頃は野球ばかりしていてプラモデルを作ったことがない。高校では迷わず文科系を選んだ。新聞社に入ってワープロとポケベルを渡され、それを使いこなすのにも苦労した。会社からパソコンやスマホを貸与された後も、フォルダの作り方さえ知らなかった。いや、知ろうとしなかった。パソコンやスマホの設定はいつも同僚の力を頼った。それでも困ったら会社の「パソコン110番」はいつでも電話に出てくれた。

ああ、私は会社に依存しまくったダメダメなサラリーマン記者だったのだ!

それでも新聞記者を27年を務め、政治部や特別報道部のデスクを担った。私と同レベルのITオンチは社内に決して少なくない。とくに管理職に目立つ。新聞社が凋落した最大の理由、さらには日本企業が失速した最大の理由は、実はこのあたりにあるのかもしれない。

深遠なテーマである。でも、今の私にそれを掘り下げる余裕はない。このままでは「家」は建ちそうにない。今は目の前のWordPressだ!

頼りになるのはネット上に溢れている匿名の先生方である。「WordPress」「トール」「SEO」…。私は用語を一つずつグーグルで検索し、いちばん上に出てくる記事をクリックして、その指示通りにキーボードを叩いていった。これが大失敗だった。

検索上位には多くの人に読まれた記事が並ぶ。ところが、最先端のソフトは日々更新されているのだ。多くの人に読まれた記事は、概して古い。最新版に対応していないのである。その指示通り設定を進めると「ナゾの箱」の奥深くに迷い込む。ひとたび方向を間違うと、引き返す道がわからない。まさに樹海だ。

ネットサーフィンを続けると、同じように森の奥深くでひとり泣きべそをかいている人々がちらほらいる。助けを求めているが、誰も助けに来ず、途方に暮れている。ああ、私だけではないのだ。ちょっと安堵する。でも、それは何の解決にもならない。

ようやく気づいた。ネットには知識や知恵が溢れかえっている。どこかに答えはある。でも、間違った情報をつかむと路頭に迷う。結局は確かな情報を自分で見抜く力が必要なのだ。

何かと似ている。そうだ。私が長年取り組んできた政治取材と瓜二つだ。

政界には情報が溢れかえっている。その多くはデマだ。フェイクだ。政治家や官僚は物事が自分に有利に運ぶように「思惑情報」を記者にささやく。大きなウソほど見抜くのは難しい。それら玉石混交とした情報を濾過し、政界で何が起きているかという全体構図を理解し、わかりやすく読者に伝えるのが政治報道の本来の役割である。政治家が発言したことを右から左へ垂れ流すのは、政治報道とはいえない。

私はWordPressを解説してくれる「確かな先生」を時間をかけて探すことにした。ネット上の先生の大半は匿名諸氏だ。経歴や肩書きはない。純粋に彼らが書いていること、その内容で「確かさ」を判断するのである。

急がば回れ。この広いネットの世界には、必ずステキな先生がいる!

樹海に一本の光が差した。そのとき、ふと思った。そうか、ネット時代に求められているのは、この世の中に溢れかえる情報の何が正しくて何が間違っているのか、それをわかりやすく解説する「確かな先生」なのだ。新聞社を離れて「独立」する私の生きる道も、そのあたりにあるかもしれない。

WordPressとの悪戦苦闘が私に与えた気づきだった。

私はついに「確かな先生」を発見し、何とかsamejimahiroshi.comの開設にこぎつけた。やれば、できる。ネットの世界は素晴らしい!

でも、この「マイホーム」はまだまだ仮設住宅である。この世界は奥深い。何の機能も使いこなしていない。ただ、オープンしただけである。

「小さなメディア」への道は険しい。悪戦苦闘は続く。

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